ITパスポート 2018年 春期 問29
問題文
航空会社A社では、経営戦略を実現するために、バランススコアカードの四つの視点ごとに戦略目標を設定した。bに該当するものはどれか。ここで、a〜dはア〜エのどれかに対応するものとする。

選択肢
ア:学習と成長の視点
イ:業務プロセスの視点
ウ:顧客の視点(正解)
エ:財務の視点
🔒 解説は解答すると表示されます
バランススコアカードの視点判定(航空会社A社)【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問の b「競合路線内での最低料金の提供」は、顧客がその航空会社を選ぶ理由(価格という価値)に直接関わる目標です。バランススコアカード(Balanced Scorecard:戦略を具体的な目標と指標に落とす枠組み)の「顧客の視点(Customer perspective:顧客が何を価値と感じるか)」は、顧客満足や市場シェア、価格競争力などを扱います。したがって、bはウ(顧客の視点)に該当します。
解法ステップ
-
バランススコアカードの4つの視点を確認する
- 財務の視点(Financial):利益や収益などの経営成果
- 顧客の視点(Customer):顧客が感じる価値(価格・品質・サービス)
- 業務プロセスの視点(Internal Business Process):業務の効率やプロセス改善
- 学習と成長の視点(Learning & Growth):従業員の能力や組織の基盤
-
各戦略目標が「誰に」「何を」向けたものかを見る
- bは「最低料金の提供」=顧客に対する価値(価格)を示している。
-
対象が「顧客の選好や評価」なら顧客の視点を選ぶ
- よって b → 顧客の視点(ウ)
選択肢別の誤答解説
-
ア: 学習と成長の視点
- 誤り。学習と成長は従業員のスキル向上や組織文化、IT基盤などを指します。価格設定そのものはこの視点の直接的な対象ではありません。
-
イ: 業務プロセスの視点
- 誤り。業務プロセスは「機体の実稼働時間の増加」や「整備効率向上」のような内部の作業改善に関係します。最低価格の提供は内部プロセスではなく顧客への価値提案です。
-
エ: 財務の視点
- 誤り。財務の視点は最終的な利益や収益性(例:利益率の向上)を扱います。最低料金は収益へ影響しますが、その目標自体は顧客獲得のための価値戦略であり主に顧客の視点に分類されます。
よくある誤解
-
「価格に関する目標=財務の視点」と考える誤解
- 価格は確かに収益に影響しますが、バランススコアカードでは「顧客が価値と感じる要素(価格・品質・サービス)」は顧客の視点に入ります。因果関係(顧客視点→財務視点)を区別することが重要です。
-
「内部の効率改善と顧客視点が同じ」と混同する誤解
- 例えば「機体の実稼働時間の増加」は業務プロセスの効率改善であり、顧客満足に寄与するかもしれませんが、直接の分類は業務プロセスです。目的(誰のための目標か)で分けます。
補足コラム
バランススコアカードはKaplanとNorton(カプラン&ノートン)が提唱したフレームワークです。戦略を「因果の流れ」で整理します。典型的な流れは「学習と成長(基盤) → 業務プロセス(内部活動) → 顧客(市場での価値) → 財務(成果)」です。航空会社の例で言えば:
- 学習と成長:整備士の訓練やIT予約システムの強化
- 業務プロセス:整備時間短縮、運航スケジュール最適化(機体の実稼働時間増)
- 顧客:低価格、便数、サービスの良さ(競合で選ばれる理由)
- 財務:利益率向上、売上増加
この流れを意識すると、各目標の「主語(誰のため)」が見分けやすくなります。
FAQ
Q1: 価格戦略はどの視点にも影響しますか?
A1: はい。価格は主に顧客の視点に入りますが、その結果として売上や利益(財務)に影響します。BSCでは「どの視点の目標か」を役割で区別します。
A1: はい。価格は主に顧客の視点に入りますが、その結果として売上や利益(財務)に影響します。BSCでは「どの視点の目標か」を役割で区別します。
Q2: 「機体の実稼働時間の増加」は顧客にも関係しませんか?
A2: 関係しますが、直接の目標カテゴリは業務プロセスです。業務プロセスの改善が顧客満足や財務に波及する、という因果を考えます。
A2: 関係しますが、直接の目標カテゴリは業務プロセスです。業務プロセスの改善が顧客満足や財務に波及する、という因果を考えます。
Q3: 視点を迷ったときの判断法は?
A3: 「この目標は誰の評価に直結するか?」を問い、顧客の選択・評価なら顧客視点、従業員の能力なら学習と成長、業務効率なら業務プロセス、最終的な利益なら財務の視点と考えてください。
A3: 「この目標は誰の評価に直結するか?」を問い、顧客の選択・評価なら顧客視点、従業員の能力なら学習と成長、業務効率なら業務プロセス、最終的な利益なら財務の視点と考えてください。
関連キーワード: バランススコアカード, BSC, 顧客の視点, 業務プロセスの視点, 学習と成長の視点, 財務の視点, KPI, 戦略マップ

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

