ITパスポート 2018年 春期 問61
問題文
情報セキュリティリスクへの対応には、リスク移転、リスク回避、リスク受容及びリスク低減がある。リスク受容に該当する記述はどれか。
選択肢
ア:セキュリティ対策を行って、問題発生の可能性を下げること
イ:特段の対応は行わずに、損害発生時の負担を想定しておくこと(正解)
ウ:保険などによってリスクを他者などに移すこと
エ:問題の発生要因を排除してリスクが発生する可能性を取り去ること
🔒 解説は解答すると表示されます
リスク対応の分類(リスク受容)【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問は「リスク受容」に該当する記述を問うています。ここでの「リスク受容」は、リスク(危険や損失が起こる可能性)をあえてそのままにしておき、問題が発生したときの損害や費用を受け止める(負担する)対応方針を指します。選択肢の中で、特段の対応を行わず損害発生時の負担を想定しておく記述がこれに当たります。したがって、イ が正解です。
(用語補足)
- リスク(risk):危険や損害が発生する可能性。
- リスク受容:発生した損害を受け入れる方針。意図的に「対応しない」ことを選ぶ管理手法です。
解法ステップ
- 問題文で求められている用語(今回は「リスク受容」)の意味を確認する。
- 各選択肢を読み、意味が一致するものを探す。
- 一致しない選択肢は他のリスク対応(移転・回避・低減)に当てはめて消去する。
- 最終的に「対応しないで損害を想定する」記述が「受容」であると判定する。
短く言うと、「対応しないで損害を受ける覚悟をする」=リスク受容、これに合致する選択肢を選びます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「セキュリティ対策を行って、問題発生の可能性を下げること」
→ これはリスク低減(リスクを減らす、mitigation)に該当します。発生確率や影響度を下げる実務的な対策です。したがって誤り。 -
イ: 「特段の対応は行わずに、損害発生時の負担を想定しておくこと」
→ これはリスク受容(acceptance)です。発生したときに負担する方針を意味するため正解です。 -
ウ: 「保険などによってリスクを他者などに移すこと」
→ これはリスク移転(transfer)です。保険や外部委託で責任や費用を他に移す手法なので誤り。 -
エ: 「問題の発生要因を排除してリスクが発生する可能性を取り去ること」
→ これはリスク回避(avoidance)です。原因や業務をやめるなどしてリスクを根本から無くす手法なので誤り。
よくある誤解
-
「リスク受容 = 放置」と混同する
- 受容は単なる放置ではありません。意図的な選択で、コストや効果を検討したうえで文書化(記録)しておく点が重要です。無計画に放置するのとは違います。
-
「保険に入ればリスク受容になる」と考える
- 保険はリスク移転です。リスクそのものの発生可能性は変わらず、発生時の費用負担先が変わる点が異なります。
-
「リスク回避とリスク低減の違いが分からない」
- 回避は発生原因をなくす(業務停止など)こと、低減は発生確率や影響を小さくする(対策を施す)ことです。目的は似ていますが方法と効果の取り方が違います。
補足コラム
-
受容を選ぶ判断基準の一つに「期待損失(expected loss)」の概念があります。期待損失はで計算できます。対策にかかる費用が期待損失より大きければ、経済合理性から受容を選ぶ場合があります。
-
受容を選んだ場合でも「記録(リスク登録簿やリスクマネジメント計画)」と「監視(定期的に状況を見直す)」は必須です。状況が変われば別の対応(移転・低減・回避)に切り替えることがあります。
-
企業では「リスク許容度(リスクアペタイト)」という基準を決めます。これはどの程度のリスクまで受け入れられるかの範囲です。個人レベルでも将来の資金計画や業務影響を考えて判断します。
FAQ
Q1. リスク受容はいつ使うべきですか?
A1. 対策コストが高すぎて費用対効果が低いとき、または影響が軽微で許容範囲内のときに使います。ただし判断は定量的(期待損失など)に行い、記録しておくことが重要です。
A1. 対策コストが高すぎて費用対効果が低いとき、または影響が軽微で許容範囲内のときに使います。ただし判断は定量的(期待損失など)に行い、記録しておくことが重要です。
Q2. 受容したリスクが実際に起きたらどうしたらよいですか?
A2. 発生時の対応手順(インシデント対応計画)をあらかじめ用意しておくことが望ましいです。受容は「何もしない」ではなく「発生時に備える」考え方です。
A2. 発生時の対応手順(インシデント対応計画)をあらかじめ用意しておくことが望ましいです。受容は「何もしない」ではなく「発生時に備える」考え方です。
Q3. 小さな会社や個人でもリスク受容は使えますか?
A3. はい。個人や小規模事業でも、対策費用がかけられない場合は受容を選ぶことがあります。ただし「保険で移転」「簡易対策で低減」などと組み合わせて考えます。
A3. はい。個人や小規模事業でも、対策費用がかけられない場合は受容を選ぶことがあります。ただし「保険で移転」「簡易対策で低減」などと組み合わせて考えます。
関連キーワード: 情報セキュリティ, リスク管理, リスク移転, リスク回避, リスク受容, リスク低減, 保険, 期待損失, 残存リスク

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

