ITパスポート 2018年 春期 問62
問題文
1台のコンピュータを論理的に分割し、それぞれで独立したOSとアプリケーションソフトを実行させ、あたかも複数のコンピュータが同時に稼働しているかのように見せる技術として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:NAS
イ:拡張現実
ウ:仮想化(正解)
エ:マルチブート
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1台のコンピュータを論理的に分割し、それぞれで独立したOSとアプリケーションソフトを実行させ、あたかも複数のコンピュータが同時に稼働しているかのように見せる技術【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題で求められているのは、1台の物理的なコンピュータを「論理的に分割」して、複数の独立した環境(それぞれにOSとアプリ)を同時に動かす仕組みです。これは「仮想化(virtualization:物理資源をソフトウェア的に分割・抽象化する技術)」が当てはまります。したがって選択肢の中では ウ が正しいです。
ポイントを簡潔に整理します。
- 「論理的に分割」=ハードをそのまま物理的に分けるのではなく、ソフトで区切る方式。
- 「独立したOSとアプリを実行」=各区画はそれぞれ独立したOSを持てる(仮想マシン:VM)。
- 「同時に稼働しているかのように見せる」=複数のOSが並行して動くのは仮想化の特徴。
ここで出てくる用語:
- OS(Operating System:基本ソフト)。例:Windows、Linux、macOS。コンピュータの基本動作を管理します。
- 仮想マシン(VM:Virtual Machine)。仮想化によって作られる「仮のコンピュータ」です。
- ハイパーバイザ(hypervisor:複数の仮想マシンを管理するソフトウェア)。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「論理的に分割」「独立したOS」「同時に稼働しているかのように見せる」。
- 各選択肢の意味を確認する(初学者でも分かるレベルで)。
- キーワードと選択肢の意味を突き合わせる。
- 「論理的に分割」や「独立したOS」は物理的な分割ではなくソフト的な分割を指す → 仮想化。
- 同時に複数のOSが動くことを求めている → マルチブートは該当しない(同時には動かない)。
- 以上から ウ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: NAS
NAS(Network Attached Storage:ネットワークに接続して使う外付けの記憶装置)は「データ保存の装置」です。OSを複数同時に走らせる機能はありません。よって不適切です。 -
イ: 拡張現実
拡張現実(AR:Augmented Reality。現実の風景にデジタル情報を重ねる技術)は、映像や情報表示の技術です。コンピュータを分割してOSを動かすとは無関係です。 -
ウ: 仮想化
仮想化は、1台の物理マシン上で複数の仮想マシンを作り、それぞれに独立したOSとアプリを動かすことができます。問題文の要件に合致します。 -
エ: マルチブート
マルチブートは1台のコンピュータに複数のOSをインストールし、起動時にどれを使うか選ぶ方式です。しかし「同時に」複数のOSを動かすことはできません。従って今回の問題では不適切です。
よくある誤解
-
「複数のOSを同時に動かす=マルチブート」
マルチブートは複数のOSを入れられますが、同時に動かせません。起動は1つだけです。ここを混同しやすいです。 -
「仮想化は性能が著しく落ちるはず」
仮想化は確かにオーバーヘッド(余分な負荷)がありますが、最近のCPUやハードの改善で効率は高く、用途によってはほぼネイティブ(物理マシンと同等)に近い性能が出ます。用途に応じて使い分けます。 -
「NASも仮想化の一部だ」
NASはストレージ機器で、仮想化の土台(仮想マシンのディスクを置く場所)として使うことはありますが、それ自体が仮想化技術ではありません。
補足コラム
仮想化には主に2つの形があります。
- ハイパーバイザ型(Type1、Type2)
ハイパーバイザ(hypervisor:複数の仮想マシンを管理するソフト)を使い、物理マシン上で直接VMを動かします。企業のサーバでよく使われます。 - コンテナ型(例:Docker)
コンテナはOSカーネル(OSの中核部分)を共有しながら、アプリ単位で独立した実行環境を作る軽量な仕組みです。コンテナは「完全な別OS」を必要としない点が仮想マシンと異なります。
身近な例え:
- 仮想化は「一つのビル(物理マシン)をフロアごとに貸して、それぞれが独立したオフィス(仮想マシン)として稼働する」イメージです。
- マルチブートは「同じ家を複数の住人が順番に使う」イメージです。常に同時に住めません。
FAQ
Q1: 仮想化とコンテナはどこが違いますか?
A1: 仮想マシン(VM)はOSごと独立します。コンテナはホストOSのカーネルを共有して、アプリだけを隔離します。コンテナは軽量で起動が速い一方、VMは完全に独立した環境が得られます。
A1: 仮想マシン(VM)はOSごと独立します。コンテナはホストOSのカーネルを共有して、アプリだけを隔離します。コンテナは軽量で起動が速い一方、VMは完全に独立した環境が得られます。
Q2: 自宅のPCで仮想化を使えますか?
A2: 使えます。例えばVirtualBoxやVMwareなどのソフトで、WindowsやLinux上に別の仮想マシンを作って別OSを動かせます。CPUの仮想化支援機能(Intel VT-xやAMD-V)が有効だと性能が良くなります。
A2: 使えます。例えばVirtualBoxやVMwareなどのソフトで、WindowsやLinux上に別の仮想マシンを作って別OSを動かせます。CPUの仮想化支援機能(Intel VT-xやAMD-V)が有効だと性能が良くなります。
Q3: 仮想化がおすすめの場面は?
A3: サーバの集約(複数のサーバを1台にまとめる)、テスト環境の構築(異なるOSで動作確認)、リソースの効率利用などで役立ちます。
A3: サーバの集約(複数のサーバを1台にまとめる)、テスト環境の構築(異なるOSで動作確認)、リソースの効率利用などで役立ちます。
関連キーワード: 仮想化、仮想マシン(VM)、ハイパーバイザ、コンテナ、マルチブート、NAS、拡張現実(AR)、OS(Operating System)

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