ITパスポート 2018年 春期 問72
問題文
IPネットワークを構成する機器①~④のうち、受信したパケットの宛先IPアドレスを見て送信先を決定するものだけを全て挙げたものはどれか。
① L2スイッチ
② L3スイッチ
③ リピータ
④ ルータ
選択肢
ア:①、 ③
イ:①、 ④
ウ:②、 ③
エ:②、 ④(正解)
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受信したパケットの宛先IPアドレスを見て送信先を決定する機器はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
パケットの「宛先IPアドレス」を見て送信先(どのネットワークに送るか)を決定するのは、ネットワーク層(Layer 3:L3)で動作する機器です。選択肢のうち、L3の処理を行うのは L3スイッチ(②)とルータ(④)です。したがって エ(②、④)が正解となります。
補足:
- IPは「Internet Protocol(インターネットプロトコル)」の略で、ネットワーク上の端末を識別するためのアドレス(IPアドレス)を扱います。
- L3スイッチは「L2(データリンク層)もしくはL3(ネットワーク層)で処理するスイッチ」の意味で、IPアドレスに基づく転送(ルーティング)を高速に行えます。
- ルータはネットワークをつなぐ機器で、宛先IPを参照して最適な経路(ルーティング)を決めます。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「宛先IPアドレス」を確認する。IPアドレスはネットワーク層(L3)の情報。
- 各機器がどのOSI層で動作するかを思い出す。
- リピータ:物理層(L1) — 信号の再生のみ
- L2スイッチ:データリンク層(L2) — MACアドレスで転送
- L3スイッチ:ネットワーク層(L3)機能を持つスイッチ — IPで転送可能
- ルータ:ネットワーク層(L3) — IPでルーティング
- L3で動作する機器(②と④)を選ぶ → エ。
選択肢別の誤答解説
- ア: ①、③(L2スイッチ、リピータ)
- 誤り。L2スイッチはMACアドレス(物理アドレス)を使い、リピータは信号を再生するだけでアドレスを見ることはありません。IPアドレスは見ません。
- イ: ①、④(L2スイッチ、ルータ)
- 半分正解に見えるが誤答。ルータは正しくIPを参照しますが、L2スイッチはIPではなくMACアドレスで転送を決めます。
- ウ: ②、③(L3スイッチ、リピータ)
- こちらも半分正解に見えますが、リピータは物理層機器でIPアドレスを見る能力はありません。よって誤り。
- エ: ②、④(L3スイッチ、ルータ)
- 正答。どちらも宛先IPアドレスを見て送信先を決定する、ネットワーク層(L3)の機器です。
よくある誤解
- 「L2スイッチもIPで判断する」
管理用にIPアドレスを持つことはありますが、それは機器の設定・管理用です。パケット転送そのものは通常MACアドレス(L2)で行います。 - 「ルータはIPだけ扱うからMACは不要」
実際の一歩先の転送(同一LAN上の配信)では、ルータも送出時に宛先のMACアドレスを使います(ARPという仕組みでIP→MAC変換を行います)。ただし、経路選択の判断はIPで行います。 - 「リピータやハブは賢くルーティングする」
リピータやハブは単に電気信号を増幅・中継するだけで、アドレスを見て判断することはできません。
補足コラム
- ARP(Address Resolution Protocol:アドレス解決プロトコル)
IPアドレスから対応するMACアドレスを取得する仕組みです。ルータが次のホップにパケットを渡すとき、相手のMACアドレスが必要になり、ARPを使って取得します。 - L3スイッチとルータの違い(簡単に)
L3スイッチは高性能なスイッチングASICを使って高速にL3転送(※)を行います。ルータは多機能(複雑なルーティング、NAT、ファイアウォール、広域回線対応など)で、より柔軟な経路制御が可能です。※どちらも宛先IPを見てルーティングを行う点では同じ役割を持ちます。 - 覚え方メモ(OSI参照)
- L1:物理層(リピータ、ハブ) — 信号を中継
- L2:データリンク層(L2スイッチ) — MACアドレスで転送
- L3:ネットワーク層(ルータ、L3スイッチ) — IPアドレスで転送
FAQ
Q1. 管理用IPを持つL2スイッチなら、IPで転送するのでは?
A1. 管理用IPはスイッチ本体の設定や監視のためです。データ転送時の宛先判定は通常MACアドレスで行います。
A1. 管理用IPはスイッチ本体の設定や監視のためです。データ転送時の宛先判定は通常MACアドレスで行います。
Q2. ルータとL3スイッチ、どちらが速いですか?
A2. 同一ハードウェア条件ならL3スイッチ(ASICで高速転送)が速い場合が多いです。ただし機能や用途(WAN接続や複雑なルート制御)によってルータが適切な場合もあります。
A2. 同一ハードウェア条件ならL3スイッチ(ASICで高速転送)が速い場合が多いです。ただし機能や用途(WAN接続や複雑なルート制御)によってルータが適切な場合もあります。
Q3. ファイアウォールはIPを見ますか?
A3. はい。多くのファイアウォールはL3(IP)やL4(TCP/UDPポート)など複数層を見て通信の許可・遮断を行います。
A3. はい。多くのファイアウォールはL3(IP)やL4(TCP/UDPポート)など複数層を見て通信の許可・遮断を行います。
Q4. リピータとハブは同じですか?
A4. 概念的には近く、どちらも物理層で信号を中継・分配する機器です。どちらもアドレス情報を参照しません。
A4. 概念的には近く、どちらも物理層で信号を中継・分配する機器です。どちらもアドレス情報を参照しません。
関連キーワード: IPアドレス、MACアドレス、L2スイッチ、L3スイッチ、ルータ、リピータ、OSI参照モデル、ARP、ルーティング

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