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ITパスポート 2018年 春期 80


問題文

稼働率0.9の装置を2台直列に接続したシステムに、同じ装置をもう1台追加して3台直列のシステムにしたとき、システム全体の稼働率は2台直列のときを基準にすると、どのようになるか。

選択肢

10%上がる。
変わらない。
10%下がる。(正解)
30%下がる。

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稼働率0.9の装置を直列接続したときの変化【ITパスポート 解説】

正解の理由

装置の稼働率(稼働率(availability:ある時点で正常に動作している確率))が のとき、同じ装置を直列(直列(series:全てが正常に動作している必要がある接続))に接続したシステム全体の稼働率は、各装置の稼働率を掛け合わせます。
2台直列では (81%)、3台直列では (72.9%)です。2台のとき(81%)を基準に比較すると、72.9% は81% より相対的に10%下がっているため、選択肢の中では (10%下がる)が正しいです。

解法ステップ

  1. 稼働率を小数にする:(既に小数)。
  2. 直列システムの全体稼働率は各装置の稼働率の積:
    • 2台直列:(81%)
    • 3台直列:(72.9%)
  3. 基準(2台)に対する相対変化を計算: マイナス0.1=10%の低下。よって「10%下がる」。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 10%上がる。
    間違いです。直列に追加すると「全てが正常である必要がある」ため、装置を増やすとむしろ稼働率は下がります。上がるのは並列(冗長化)した場合です。
  • イ: 変わらない。
    間違いです。掛け算をするため、台数が増えれば値は変わります。0.81 と 0.729 は明確に異なります。
  • : 10%下がる。
    正しい。上の計算どおり、相対的に10%の低下です。
  • エ: 30%下がる。
    間違いです。「台数が3台だから3×10%で30%下がる」といった単純な加算の誤りに基づく考え方です。確率は掛け算で扱います。

よくある誤解

  • 「割合の単純な足し算をしてしまう」:0.9 を3つ足して 2.7 や 30% 下がるという誤り。確率・稼働率は掛け算や補集合の式を使います。
  • 「絶対差(パーセンテージポイント)と相対差を混同する」:81% → 72.9% の差は絶対で 8.1 パーセンテージポイントですが、相対差は 8.1/81 = 10% です。問題文の「〜%になる」は相対判断が多いので注意してください。
  • 「独立性の仮定を忘れる」:ここでは各装置の故障が互いに影響しない(独立)と仮定しています。実際の現場では共通原因故障があると結果が変わります。

補足コラム

  • 直列システム(series)の一般式:同じ稼働率 の装置が 台直列なら、全体稼働率は です。
  • 並列(冗長化、parallel:複数のうち少なくとも1つが動けば良い接続)の場合、全体稼働率は「全てが故障する確率」を使って求めます。装置稼働率が のとき、1台故障確率は 。n台並列の稼働率は 例: で2台並列なら (99%)と大幅に改善します。ただしコストや構成の複雑さが増します。
  • 実務では「稼働率(availability)」と「信頼度(reliability:一定時間内に故障しない確率)」を区別することがありますが、簡単な試験問題では上の扱いで十分です。

FAQ

Q1: 絶対でいくつ下がったかは?
A1: 絶対差(パーセンテージポイント)は 81% − 72.9% = 8.1 ポイント下がっています。相対では 10% の低下です(問題が求めるのは相対変化のことが多いです)。
Q2: 装置の故障が連鎖するとどうなる?
A2: 本問は「各装置の故障は独立」と仮定しています。共通原因で複数台が同時に壊れる場合、実際の低下はより大きくなります。設計時はこうしたリスクも考慮します。
Q3: 信頼性を上げるにはどうすればいい?
A3: 冗長化(並列化)や高信頼部品の採用、予防保守、監視システムの導入などがあります。並列にするだけで可用性は上がりますが、コストと運用負荷が増えます。

関連キーワード: 稼働率、可用性、直列システム、並列システム、信頼性、冗長化、確率計算、割合の扱い
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