ITパスポート 2019年 秋期 問24
問題文
著作権法における著作権に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:偶然に内容が類似している二つの著作物が同時期に創られた場合、著作権は一方の著作者だけに認められる。
イ:著作権は、権利を取得するための申請や登録などの手続が不要である。(正解)
ウ:著作権法の保護対象には、技術的思想も含まれる。
エ:著作物は、創作性に加え新規性も兼ね備える必要がある。
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著作権に関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
著作権(著作権:創作者の表現を保護する権利)は、作品を創作した時点で自動的に発生します。つまり、権利を取得するための申請や登録が不要です。これが設問の中で正しい記述であり、選択肢のうち イ が正解です。
ポイントの整理:
- 著作権:作品(著作物)の「表現」を保護する権利。小説・音楽・写真・プログラムなどが対象です。
- 保護の成立:作品を創作した時点で発生。形式的な手続き(申請や登録)は不要。多くの国で締結されているベルヌ条約(Berne Convention)でも「形式的手続き不要」とされています。
解法ステップ
- 設問のキーワードを読む:「著作権」「申請や登録が不要」など。
- 基本知識を思い出す:著作権は創作時に自動発生する(登録不要)という点をまず確認。
- 各選択肢を当てはめる:
- 登録が必要とする記述があれば誤り。
- 「思想やアイデア」など表現ではない部分を保護するとする記述は誤り(表現のみ保護)。
- 「新規性が必要」とする記述は特許と混同しているので誤り。
- 最も正しい記述を選ぶ:自動発生(登録不要)を述べる イ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 偶然に内容が類似している二つの著作物が同時期に創られた場合、著作権は一方の著作者だけに認められる。
→ 誤り。独立して創作された別々の著作物それぞれに著作権が発生します。もし本当に全く同じ表現であれば「複製」や「盗用」を疑うことになりますが、偶然の類似でも両者に権利があります。 -
イ: 著作権は、権利を取得するための申請や登録などの手続が不要である。
→ 正しい。著作権は創作と同時に発生します。形式的手続きは不要です(証拠保全のための登録やデータ保存は別です)。 -
ウ: 著作権法の保護対象には、技術的思想も含まれる。
→ 誤り。著作権は「表現」を保護します。技術的思想そのもの(アイデアや原理)は保護対象ではありません。技術的な考えを具体的に文章や図面などで表現したものは著作物として保護され得ますが、思想そのものは特許など別の制度の範囲になります。 -
エ: 著作物は、創作性に加え新規性も兼ね備える必要がある。
→ 誤り。著作物に必要なのは「創作性(オリジナリティ)」であって、特許のような「新規性(新しいこと)」は要件ではありません。既に知られている題材でも独自の表現であれば著作権は発生します。
よくある誤解
-
「著作権は登録が必要」
→ 実務で作品の権利を証明したい場合に登録や公証を使うことはありますが、法的に権利が発生するための前提ではありません。登録は証拠を簡単にするための手段です。 -
「アイデアも著作権で守られる」
→ 著作権は表現を守ります。アイデアや考え方そのものは保護されません(特許や営業秘密が該当することがあります)。 -
「著作権は新しい作品だけが保護される」
→ 新規性は不要です。既存の物語や楽曲を参考にしても、表現が独自であれば著作権は認められます(ただし他者の作品の実質的な模倣は問題です)。
補足コラム
- 保護される具体例:文章、音楽、絵画、写真、映画、プログラム(ソフトウェア)など。「アイデア」は保護対象でなくても、それを表現した「文章」や「図面」は保護されます。たとえば料理の「レシピのアイデア」は保護されにくいですが、詳細な説明文や写真は保護され得ます。
- 保護期間(日本の場合の目安):原則として著作者の死後70年。ただし条件や例外があります。長さは国によって異なります。
- 証拠の残し方:創作日時を証明したい場合、ファイルのタイムスタンプ、郵便の本人限定受取(内容証明)、公的な登録制度や第三者サービス(タイムスタンプサービス)などが利用されます。これらは「権利の発生」を補強するものではなく、発生した権利の証明に役立ちます。
FAQ
Q. 著作権を放棄したいときは申請が必要ですか?
A. 著作権は放棄(パブリックドメイン化)できますが、完全に放棄するのは制度上難しい場合があります。多くの人は利用許諾(ライセンス)を与える方法を使います。
A. 著作権は放棄(パブリックドメイン化)できますが、完全に放棄するのは制度上難しい場合があります。多くの人は利用許諾(ライセンス)を与える方法を使います。
Q. 他人のアイデアを文章にして公開したら侵害になりますか?
A. アイデアそのものは著作権の対象外です。しかし、他人の文章をほぼそのまま使うと表現の複製で侵害になります。要は「表現をコピーしたか」が問題です。
A. アイデアそのものは著作権の対象外です。しかし、他人の文章をほぼそのまま使うと表現の複製で侵害になります。要は「表現をコピーしたか」が問題です。
Q. 創作したらすぐに訴訟できる証拠は何ですか?
A. 創作日時や内容を示す証拠(ファイルのタイムスタンプ、作成履歴、第三者による証明)があると有利です。必要に応じて弁護士や公的手続きの利用を検討してください。
A. 創作日時や内容を示す証拠(ファイルのタイムスタンプ、作成履歴、第三者による証明)があると有利です。必要に応じて弁護士や公的手続きの利用を検討してください。
関連キーワード: 著作権、著作物、創作性、表現とアイデアの区別、登録不要、保護期間、著作者人格権

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