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ITパスポート 2019年 秋期 60


問題文

コンピュータの記憶階層におけるキャッシュメモリ、主記憶及び補助記憶と、それぞれに用いられる記憶装置の組合せとして、適切なものはどれか。
ITパスポート 2019年 秋期  問60の選択肢の画像

選択肢

(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

記憶階層と記憶装置の組合せ【ITパスポート 解説】

正解の理由

まず用語をやさしく説明します。
  • キャッシュメモリ(cache memory):CPU に近く、処理を速くするための小さく高速な一時記憶。
  • 主記憶(メインメモリ、main memory):コンピュータが作業中にデータやプログラムを置く、容量中くらいで揮発性(電源切ると消える)な記憶。
  • 補助記憶(セカンダリストレージ、secondary storage):電源を切っても残る、大容量で低速な記憶。長期保存用。
次に機器の説明(初出時に略語と一言説明を添えます)。
  • SRAM(Static RAM:ソースは「静的」)――非常に高速だが高価で容量は小さい。主にキャッシュに使われる。
  • DRAM(Dynamic RAM:「動的」)――SRAMより遅いが小型化・低コストで大容量にしやすい。主記憶(メインメモリ)に使われる。
  • HDD(Hard Disk Drive:磁気ディスク)――回転する磁気ディスク。大容量で安価だがアクセスは遅い。
  • SSD(Solid State Drive:フラッシュメモリ)――動く部分がない高速な補助記憶。HDDより速い。
  • DVD(Digital Versatile Disc)――光学メディア。読み書きが遅く主に配布やバックアップで使われる。
選択肢のうち、キャッシュ=SRAM、主記憶=DRAM、補助記憶=SSD という組合せが最も妥当です。したがって選ぶべき組合せは です。理由は「速度(高速→キャッシュ)・容量(大きい→補助記憶)・コスト(安いほど大容量)」という設計原則に合致するからです。

解法ステップ

  1. 「キャッシュ」「主記憶」「補助記憶」がそれぞれどういう性質を求められるかを思い出す。
    • キャッシュ:非常に高速、小容量、揮発性でコストが高くても良い。
    • 主記憶:高速〜中速、容量は中〜大、揮発性。
    • 補助記憶:低速で大容量、非揮発性(電源切っても保存)。
  2. 各選択肢の装置が「高速か」「大容量か」「揮発性か」を当てはめる。
    • SRAM → 超高速・高コスト・小容量 → キャッシュ向き。
    • DRAM → 高速だがSRAMより遅い・大きめの容量 → 主記憶向き。
    • SSD/HDD/DVD → 非揮発性・大容量 → 補助記憶向き(SSDは高速な補助記憶)。
  3. 各行を比較して、条件に合う組合せを選ぶ。これで が正しいと分かる。

選択肢別の誤答解説

  • ア:キャッシュに「DRAM」、主記憶に「HDD」、補助記憶に「DVD」
    • 誤り。DRAM はキャッシュに比べ遅く、主記憶に使われるのが通常。HDD は補助記憶の代表であって主記憶には向かない(揮発性と速度の条件が逆)。
  • イ:キャッシュに「DRAM」、主記憶に「SSD」、補助記憶に「SRAM」
    • 誤り。SRAM は揮発性で高価なので補助記憶(大容量・非揮発性)には使えない。SSD は補助記憶として正しい用途だが、ここでは位置が違う。
  • ウ:キャッシュに「SRAM」、主記憶に「DRAM」、補助記憶に「SSD」
    • 正答。速度・容量・コストのバランスで最も一般的な組合せです。CPUのキャッシュはSRAM、PCのメインメモリはDRAM、ストレージはSSD/HDD等が使われます。
  • エ:キャッシュに「SRAM」、主記憶に「HDD」、補助記憶に「DRAM」
    • 誤り。主記憶にHDD を使うとアクセスが遅すぎる。補助記憶に DRAM を使うのも不適切(DRAM は揮発性で電源切れると内容が消える)。

よくある誤解

  1. 「速いもの=全てキャッシュに使われる」
    • 誤り。SRAM といった非常に高速なメモリは高価で容量が小さいため、CPU に近いキャッシュに限定して使われます。全部を高速メモリにするとコストが膨らみます。
  2. 「SSD は主記憶(メインメモリ)と同じ働きをする」
    • 誤り。SSD は補助記憶で非揮発性です。主記憶はアクセス速度の面で SSD よりずっと速い DRAM が使われます。
  3. 「揮発性=悪い」
    • 誤り。揮発性(電源でデータが消える)でも、作業中の高速アクセスが必要な主記憶やキャッシュでは揮発性メモリが適しています。永続保存は補助記憶の役目です。

補足コラム

  • キャッシュの階層:CPU 内にはさらに L1(最速・最小)、L2、L3(やや遅いが大きめ)と階層があります。どれも通常は SRAM が使われます。
  • デスクトップの例:一般的なPCでは「CPU キャッシュ(SRAM) → メインメモリ(DRAM、例:DDR4/DDR5) → ストレージ(SSD または HDD)」という順に速度が遅く・容量が大きくなります。
  • 近年のトレンド:SSD が普及し補助記憶の高速化が進みましたが、それでもDRAM と SRAM の速度差には及びません。将来的には不揮発性メモリ(例:NVMe、次世代メモリ技術)も重要になりますが、基本の階層原則は変わりません。

FAQ

Q1. なぜキャッシュは小さくていいのですか?
A1. キャッシュは「よく使うデータ」を一時的に置き、CPU が繰り返し高速に取り出せるようにするためです。全データを置く必要はなく、局所性(直近に使ったものを再利用する傾向)があるため小さくても効果があります。
Q2. DRAM と SRAM の違いを簡潔に知りたい。
A2. SRAM は回路でビットを保持するため非常に高速でリフレッシュ不要(static)。DRAM はコンデンサで保持するため定期的にリフレッシュが必要(dynamic)で、構造が簡単で安価に大容量化できます。
Q3. HDD と SSD のどちらが補助記憶にふさわしいですか?
A3. 両方とも補助記憶です。SSD は高速で消費電力が少ないですが高価、HDD は大容量あたりのコストが低いです。用途(速度重視かコスト重視か)で選びます。

関連キーワード: キャッシュメモリ、SRAM、DRAM、SSD、HDD、DVD、主記憶、補助記憶、記憶階層、キャッシュヒット、揮発性、ストレージ、アクセス速度
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