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ITパスポート 2019年 秋期 59


問題文

複数の取引記録をまとめたデータを順次作成するときに、そのデータに直前のデータのハッシュ値を埋め込むことによって、データを相互に関連付け、取引記録を矛盾なく改ざんすることを困難にすることで、データの信頼性を高める技術はどれか。

選択肢

LPWA
SDN
エッジコンピューティング
ブロックチェーン(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

取引記録の改ざん防止に使われる技術【ITパスポート 解説】

正解の理由

問いは「直前のデータのハッシュ値を埋め込むことでデータ同士を関連付け、改ざんを困難にする技術」を問うています。これは、取引などの記録を「ブロック」と呼ばれる単位で連結し、各ブロックに前のブロックのハッシュ値を入れる仕組みです。こうした仕組みを持つ技術はのブロックチェーン(ブロックチェーン:取引履歴をブロック単位で連結する分散台帳技術)です。
ハッシュ(英: hash、ここではハッシュ関数:入力データを固定長の短い値に変換する一方向の関数)を使うと、元のデータを少しでも変えるとハッシュ値が大きく変わります。各ブロックが「自分のデータ」と「直前ブロックのハッシュ」を持つと、過去のブロックを改ざんすると以降のブロックとハッシュが合わなくなり、不整合が発生します。これにより改ざん検出(=改ざんを困難にする効果)が生まれます。したがって正解はです。

解法ステップ

  1. 問題文で重要な語句を探す:「直前のデータのハッシュ値を埋め込む」「データを相互に関連付け」「改ざんを困難にする」
  2. それが示す仕組みを思い浮かべる:「ハッシュで連結する台帳」→ ブロックチェーンを連想する
  3. 選択肢の定義と照らし合わせる(各選択肢の意味を知っているかを確認)
  4. ブロックチェーン()が一致するため、選ぶ
短いポイント:問題文に「前のデータのハッシュを埋め込む」と書かれていれば、それはブロックチェーンを示します。

選択肢別の誤答解説

  • ア: LPWA(Low Power Wide Area:低消費電力で広域通信する無線技術)
    → センサやIoT機器が遠隔で低消費電力に通信するための無線規格群です。通信の省電力・広域性が特徴で、データのハッシュ連鎖や改ざん防止とは関係ありません。
  • イ: SDN(Software-Defined Networking:ソフトウェアでネットワークを集中制御する技術)
    → ネットワーク機器の制御をソフトウェアで集中化し、柔軟に経路やポリシーを変える技術です。ネットワークの制御方法であって、データをハッシュで連結して改ざん防止する仕組みではありません。
  • ウ: エッジコンピューティング(データが発生する端末近くで処理する方式)
    → データをクラウドまで送らずに端末や基地局の近くで処理する考え方です。処理場所の違いを示す概念で、ハッシュを使って記録を鎖状に連結する仕組みではありません。
  • エ: ブロックチェーン(取引履歴をブロックと呼ばれる単位で鎖状に連結する分散台帳技術)
    → 各ブロックが前のブロックのハッシュを含み、チェーン(鎖)状に結合されます。問題文の「直前のデータのハッシュ値を埋め込む」という特徴に一致します。よって該当します。

よくある誤解

  1. 「ブロックチェーンは改ざんが絶対に不可能」
    → 誤りです。ハッシュ連鎖は改ざんを検出しやすくしますが、ネットワーク上で多数のノード(参加者)を支配するなどの手段(例:51%攻撃)があると書き換えられる可能性があります。完全無欠ではなく「改ざんを難しくする」技術です。
  2. 「ハッシュ=暗号化」
    → 異なります。暗号化は元に戻せる(復号できる)ことが目的の処理です。ハッシュ関数は一方向で、基本的に元のデータを復元できません。改ざん検知に向いているのはハッシュです。
  3. 「ブロックチェーン=仮想通貨だけの技術」
    → 仮想通貨で有名ですが、ログの改ざん防止、サプライチェーン管理、電子契約の履歴管理など、通貨以外の用途でも使えます。

補足コラム

  • 基本的な仕組み(数式で簡単に)
    各ブロック n はデータ D_n と前ブロックのハッシュ H_{n-1} を持ち、ブロックのハッシュはたとえば次のようになります。

    ここで Hash はハッシュ関数、 は連結を表します。D_{n} を変えると H_n が変わり、以降の整合性が崩れます。
  • 実務での使いどころ
    金融取引の記録、電子投票、製品のトレーサビリティ(どこで作られたかの追跡)やログの改ざん検知などで使われます。用途に応じて、公開ブロックチェーン(誰でも参加)と許可型ブロックチェーン(参加者を限定)があります。
  • 関連技術:メルクル木(Merkle tree)
    多数のトランザクション(取引)を効率的に検証するために、ハッシュを二分木状にまとめる構造です。ブロック内で多くのデータの整合性を短い証明で確認できます。

FAQ

Q1: ハッシュって何がすごいのですか?
A1: ハッシュ関数は入力が少し変わるだけで出力が大きく変わり、同じ入力は同じ出力になります(決定性)。また一方向で元に戻しにくい性質があり、改ざん検知に向いています。
Q2: ブロックチェーンで改ざんされたらどうやって見つけるのですか?
A2: ブロックの中の前ブロックハッシュと実際の前ブロックのハッシュが一致しなくなるため、不整合が生じます。さらに分散台帳なら複数ノードと照合して差異を検出します。
Q3: ブロックチェーンとデータ暗号化はどちらが安全ですか?
A3: 目的が違います。暗号化は秘密を守る(読み取り制限)ため、ブロックチェーンは履歴の一貫性・改ざん検知のために使います。両方を併用することもあります。

関連キーワード: ブロックチェーン, ハッシュ関数, 改ざん検知, 分散台帳, メルクル木, 51%攻撃, LPWA, SDN, エッジコンピューティング
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