ITパスポート 2019年 秋期 問73
問題文
IoT機器やPCに保管されているデータを暗号化するためのセキュリティチップであり、暗号化に利用する鍵などの情報をチップの内部に記憶しており、外部から内部の情報の取出しが困難な構造をもつものはどれか。
選択肢
ア:GPU
イ:NFC
ウ:TLS
エ:TPM(正解)
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IoT機器やPCに保管されているデータを暗号化するためのセキュリティチップであり、暗号化に利用する鍵などの情報をチップの内部に記憶しており、外部から内部の情報の取出しが困難な構造をもつものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
この説明は、セキュリティ専用のハードウェアで鍵(暗号化に使う秘密の情報)を安全に保管し、外部から取り出しにくくする機能を持つ装置を指します。これは TPM(Trusted Platform Module:信頼できるプラットフォームを実現するセキュリティ専用チップ)を表しています。TPMは鍵の生成・保管や暗号処理をチップ内部で行い、鍵を外部に出さない設計になっています。したがって、該当する選択肢は エ になります。
(用語初出の説明)
- TPM(Trusted Platform Module:信頼できるプラットフォームを実現するセキュリティ専用チップ)— 鍵や証明書を安全に格納し、暗号処理を行う専用ハードウェア。
- HSM(Hardware Security Module:ハードウェアで鍵を管理する装置)— TPMと似るが主にサーバやデータセンター向けの大型装置。
解法ステップ
- 問題文で強調されているポイントを拾う:
- 「セキュリティチップ」
- 「鍵などの情報をチップの内部に記憶」
- 「外部からの取出しが困難」
- 各選択肢の役割を短く確認する:GPU(画像処理)、NFC(近距離通信)、TLS(通信の暗号化プロトコル)、TPM(セキュリティ専用チップ)。
- 「チップ内部に鍵を記憶して外部から取り出せない」という条件に合うものを選ぶ。該当するのは TPM と判断する。
- よって エ が正解。
選択肢別の誤答解説
-
ア: GPU(Graphics Processing Unit:画像や映像の処理を高速に行う演算装置)
GPUは演算を速くするためのハードウェアです。暗号鍵を安全に保管するための「セキュリティチップ」ではありません。ゲームや画像処理、機械学習で使われます。 -
イ: NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)
NFCはスマホでかざして支払いやデータ通信を行う「無線の仕組み」です。チップで鍵を保管して外部から取り出せないようにする機能は持ちません。 -
ウ: TLS(Transport Layer Security:通信内容を暗号化して安全に送受信する仕組み)
TLSは通信を暗号化するプロトコル(規則)です。ソフトウェアや通信手順の話であり、物理的な「セキュリティチップ」そのものではありません。 -
エ: TPM(Trusted Platform Module:信頼できるプラットフォームを実現するセキュリティ専用チップ)
TPMはまさに「鍵をチップ内部に安全に保管し、外部に取り出しにくくする」ことを目的としたハードウェアです。暗号処理も内部で行えます。よって該当します。
よくある誤解
-
「TLSがチップの名前だ」と思う誤解
TLSはチップや装置ではなく、インターネットの通信を暗号化するルール(プロトコル)です。ハードウェアではありません。 -
「NFCやスマホのチップ=TPM」と混同する誤解
スマホにあるNFC機能や一般的なセキュリティ機能とTPMは目的が異なります。TPMは特に鍵管理とプラットフォームの信頼性確保に特化したチップです。 -
「TPMは万能でどんな攻撃からも守る」と考える誤解
TPMは鍵の保護を強化しますが、設定ミスやソフトウェアの脆弱性、ユーザー認証の弱さなど別の要因で被害が起きる場合があります。
補足コラム
-
TPMの主な用途例:
- OSの起動時に改ざんがないかを確認する「セキュアブート」。
- ディスク暗号化(例:WindowsのBitLocker)で鍵を安全に保管。
- IoT機器でデバイス固有の鍵を保持し、なりすまし防止に利用。
-
TPMとHSMの違い:
- TPMはPCや組込み機器に組み込まれる小さなチップです。主に端末単位での信頼性確保に使われます。
- HSM(Hardware Security Module)はサーバー用の専用装置で、より高負荷の暗号処理や大規模な鍵管理を行います。用途や規模が異なります。
FAQ
Q1: TPMはすべてのPCに入っているのですか?
A1: 近年の多くのPCにはTPMが搭載されていますが、古いPCや一部の安価な機種では搭載されていないことがあります。OSの設定やBIOS/UEFIで有効にする必要がある場合もあります。
A1: 近年の多くのPCにはTPMが搭載されていますが、古いPCや一部の安価な機種では搭載されていないことがあります。OSの設定やBIOS/UEFIで有効にする必要がある場合もあります。
Q2: TPMがあればソフトのセキュリティは全部安心ですか?
A2: いいえ。TPMは鍵の保護を強化しますが、ソフトウェアの脆弱性、ユーザー認証の弱さ、人為ミスなど他のリスクは別途対策が必要です。
A2: いいえ。TPMは鍵の保護を強化しますが、ソフトウェアの脆弱性、ユーザー認証の弱さ、人為ミスなど他のリスクは別途対策が必要です。
Q3: TPMとパスワードの違いは何ですか?
A3: パスワードは人が覚える文字列です。TPMは物理チップで暗号鍵を安全に保管する装置です。両方を組み合わせて使うことが多いです(多要素認証など)。
A3: パスワードは人が覚える文字列です。TPMは物理チップで暗号鍵を安全に保管する装置です。両方を組み合わせて使うことが多いです(多要素認証など)。
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