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ITパスポート 2019年 春期 23


問題文

プロの棋士に勝利するまでに将棋ソフトウェアの能力が向上した。この将棋ソフトウェアの能力向上の中核となった技術として、最も適切なものはどれか。

選択肢

VR
ER
EC
AI(正解)

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将棋ソフトウェアの能力向上に寄与した技術は何か【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢の中では の AI(Artificial Intelligence:人工知能)が、将棋ソフトの強化の「中核」として最も適切です。ここでいう AI とは、人間の手で全て細かくルールを書かなくても、データや自己対戦から「どの手が良いか」を学習して判断できる技術を指します。特に近年は次の技術が合わさって、プロ棋士に勝てるレベルに達しました。
  • 機械学習(Machine Learning:データから規則やパターンを学ぶ技術)
  • 深層学習(Deep Learning:人間の脳の構造を模した「ニューラルネットワーク」を用いる機械学習の一種で、複雑なパターンを学べる)
  • 強化学習(Reinforcement Learning:試行錯誤で「報酬が高くなる行動」を学ぶ手法。将棋では自己対戦で最善手を見つける)
これらにより、ソフトは「局面の良し悪しを直感的に評価」したり「長期的な戦略」を学んだりできます。従来の手法(完全探索や経験則ベースの評価)と比べ、パターン認識や戦略の柔軟さで大きく優位になったため、AI が中核技術であると判断します。

解法ステップ

  1. 問題文の着目点を確認:将棋ソフトの「能力が向上し、プロ棋士に勝つ」ほどの変化をもたらした技術は何か。
  2. 各選択肢の意味を確認:略語や用語が指す技術を整理する(VR、ER、EC、AI)。
  3. 「能力向上の原因=学習・判断力の向上」と結び付ける。学習や自動改善に関係するのは AI。
  4. よって、学習能力を持つ を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: VR(Virtual Reality:仮想現実)
    • 意味:仮想の世界を体験させる技術。ヘッドセットなどで没入感を作る。
    • なぜ不適切か:将棋を強くするのは主に「判断力・学習力」の向上です。VR は体験や表示方法を変える技術で、棋力の向上そのものには直接関係しません。
  • イ: ER(Entity-Relationship:実体関連モデル)
    • 意味:データベース設計で使う、データの関係を表す図表の考え方。
    • なぜ不適切か:データ構造や設計のための手法であり、棋力を自動的に高める学習技術ではありません。
  • ウ: EC(Electronic Commerce:電子商取引)
    • 意味:インターネット上で物やサービスを売買する仕組み。
    • なぜ不適切か:商取引に関する分野であり、将棋ソフトの「強さ」とは無関係です。
  • エ: AI(Artificial Intelligence:人工知能)
    • 意味:データや体験から学んだり、パターンを認識して判断したりする技術の総称。
    • なぜ適切か:機械学習や強化学習、深層学習など AI 系の技術が、将棋ソフトの評価能力や戦略形成を飛躍的に高めました。これにより、人間のプロ棋士と互角以上に戦えるようになったのです。

よくある誤解

  • 「コンピュータが強くなるのは単に計算が速くなったから」
    • 部分的に正しいですが決定的ではありません。計算速度(探索能力)だけでなく、局面を適切に評価する「学習された直感(評価関数)」が重要です。深層学習による評価が強さを大きく伸ばしました。
  • 「AI=ロボットのこと」
    • AI はソフトウェア(頭脳)を指す概念です。形としてのロボットとは別物で、将棋ソフトに使われるのはソフトウェアとしての AI です。
  • 「自己対戦はただのランダム試行だ」
    • 自己対戦(self-play)は単なる乱数探索ではなく、強化学習で報酬(勝利)を最大化する方法を学ぶための体系的な手法です。意味ある学習になります。

補足コラム

実際の強化学習の流れ(簡単なイメージ):
  • ソフトはまずランダムに指すこともある。
  • 勝ったら「良い行動」として評価。負けたら「悪い行動」。
  • 何度も自己対戦を繰り返すうちに、勝ちに結びつく指し方のパターンを学習する。
  • 深層ニューラルネットワーク(多層の計算ユニット)を使うと、複雑な局面の良し悪しを数値化でき、探索(例えばモンテカルロ木探索:MCTS)と組み合わせて高精度の手を選べます。
身近な例え:将棋ソフトの学習は、チェスや将棋の問題集をただ覚えるのではなく、何度も自分で対局して「勝つための直感」を身に付けるスポーツ選手の反復練習に近いです。

FAQ

Q. 将棋ソフトの強さはいつごろ人間を超えたのですか?
A. 正確な年はさまざまですが、AI を使った学習技術が進んだここ数年で人間トップレベルと互角に、あるいは上回る能力になりました。重要なのは「自己学習により戦略を発見できる点」です。
Q. AI を使えば誰でも簡単に強い将棋ソフトが作れるのですか?
A. 概念は公開されていますが、強いモデルを作るには大量の計算リソースや工夫(学習方針、ネットワーク設計、探索方法など)が必要です。ただし、技術の普及で以前より手が届きやすくなっています。
Q. 将棋以外のゲームでも同じ AI 手法が使われていますか?
A. はい。囲碁、チェス、ビデオゲーム、ロボット制御など、自己対戦や強化学習、深層学習は広く応用されています。

関連キーワード: AI, 機械学習, 深層学習, 強化学習, ニューラルネットワーク, モンテカルロ木探索, 将棋ソフト, 自己対戦, 評価関数
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