ITパスポート 2019年 春期 問43
問題文
内部統制の考え方に関する記述a~dのうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a 事業活動に関わる法律などを遵守し、社会規範に適合した事業活動を促進することが目的の一つである。
b 事業活動に関わる法律などを遵守することは目的の一つであるが、社会規範に適合した事業活動を促進することまでは求められていない。
c 内部統制の考え方は、上場企業以外にも有効であり取り組む必要がある。
d 内部統制の考え方は、上場企業だけに必要である。
選択肢
ア:a, c(正解)
イ:a, d
ウ:b, c
エ:b, d
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内部統制の考え方に関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
内部統制(internal control:企業が目的を達成するための仕組み)は、単に法律を守らせるだけでなく、事業活動が社会規範に合った形で行われることを促進することも目的の一つです。つまり「法令遵守(コンプライアンス)」だけでなく、「業務の効率化や適正な財務報告」なども含めた広い考え方です。また、この考え方は上場企業だけでなく、非上場企業や組織全般に有効です。以上から、記述の a(法令遵守と社会規範への適合が目的の一つ)と c(上場企業以外にも有効)が正しい組合せとなり、選択肢 ア が妥当です。
(用語補足)
- 内部統制:組織が目的を達成するための仕組み。目的には「業務の有効性・効率性」「財務報告の信頼性」「法令遵守(コンプライアンス)」が含まれます。
- コンプライアンス(compliance):法令や社会規範を守ること。
解法ステップ
- 「内部統制」の目的を確認する。主な目的は次の3つ:
- 業務の有効性・効率性(業務が正しく効率的に行われること)
- 財務報告の信頼性(決算などの数字が正しいこと)
- 法令遵守(コンプライアンス)および社会規範への適合
- 各記述(a〜d)を、上の目的と照らし合わせて判断する。
- a:法令遵守だけでなく社会規範への適合も目的に含まれる → 正しい。
- b:「社会規範への適合までは求められていない」とするが、実際は求められる → 誤り。
- c:内部統制は上場企業に限らない → 正しい(規模に応じて取り組む)。
- d:上場企業だけに必要とするのは誤り → 誤り。
- 正しい記述をすべて含む選択肢を選ぶ。a と c が正しいので ア を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア(a, c)
a と c の両方が正しいため、この組合せが正解です。内部統制は法令遵守だけでなく社会規範に合った事業運営を促進することも目的であり、上場・非上場を問わず有効です。 -
イ(a, d)
a は正しいですが、d(内部統制は上場企業だけに必要)が誤りです。上場企業には報告義務(内部統制報告制度=いわゆるJ-SOX)があるため注目されますが、考え方自体はすべての組織に適用できます。 -
ウ(b, c)
c は正しいですが、b の「社会規範への適合までは求められていない」は誤りです。内部統制はコンプライアンスだけでなく、社会的責任や社会規範への対応も含みます。 -
エ(b, d)
両方とも誤りです。b は法令遵守に加えて社会規範への適合も求められる点を無視しており、d は上場企業以外にも有効という事実に反します。
よくある誤解
-
「内部統制=上場企業専用の仕組み」
→ 上場企業は報告義務があるため注目されますが、内部統制の基本原則は規模や業種にかかわらず役立ちます。中小企業でも業務のミス防止や信頼向上のために有効です。 -
「内部統制は書類やルールだけで十分」
→ 書面化は重要ですが、実際の運用(人の行動や監督)が伴って初めて効果を発揮します。仕組みと運用の両方が必要です。 -
「コンプライアンスは法律を守るだけ」
→ 法律遵守は基本ですが、企業倫理や社会規範まで含めた広い意味で使われます。顧客信頼や社会的評価にも関わります。
補足コラム
内部統制の枠組みとして国際的に知られているのが COSO(Committee of Sponsoring Organizations)フレームワークです。COSO は内部統制の目的を「業務の有効性・効率性」「財務報告の信頼性」「法令遵守」と整理しています。これらを実現するために、統制環境、リスク評価、統制活動、情報・伝達、監視活動の5要素が重要とされます。
身近な例:
- 伝票の承認ルール(複数人のチェックで誤りや不正を防ぐ) → 統制活動
- 在庫差異の定期確認(実地棚卸) → 監視活動や業務の有効性向上
日本では、上場企業向けに「内部統制報告制度(いわゆるJ-SOX)」があります。これは「内部統制の状況を開示して経営の透明性を高める」目的の制度で、内部統制そのものの考え方を限定するものではありません。
FAQ
Q1: 内部統制は中小企業でも必要ですか?
A1: はい。規模に応じて簡素化しても、業務ミス防止や不正抑止、信頼確保のために有効です。
A1: はい。規模に応じて簡素化しても、業務ミス防止や不正抑止、信頼確保のために有効です。
Q2: 内部統制を担当するのは誰ですか?
A2: 最終的な責任は経営者(経営陣)にありますが、日常の運用は各部署の業務担当者や管理者、監査部門(あれば)などが行います。
A2: 最終的な責任は経営者(経営陣)にありますが、日常の運用は各部署の業務担当者や管理者、監査部門(あれば)などが行います。
Q3: 内部統制と監査の違いは何ですか?
A3: 内部統制は「仕組み・ルール」を整えること、監査はその仕組みや運用が適切かを点検・評価する活動です。
A3: 内部統制は「仕組み・ルール」を整えること、監査はその仕組みや運用が適切かを点検・評価する活動です。
関連キーワード: 内部統制報告制度、コンプライアンス、ガバナンス、リスク管理、統制活動

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