ITパスポート 2019年 春期 問75
問題文
AさんはBさんだけに伝えたい内容を書いた電子メールを、公開鍵暗号方式を用いてBさんの鍵で暗号化してBさんに送った。この電子メールを復号するために必要な鍵はどれか。
選択肢
ア:Aさんの公開鍵
イ:Aさんの秘密鍵
ウ:Bさんの公開鍵
エ:Bさんの秘密鍵(正解)
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公開鍵暗号方式で暗号化した電子メールの復号に必要な鍵【ITパスポート 解説】
正解の理由
公開鍵暗号方式(こうかいかぎあんごうほうしき:暗号化と復号に異なる2つの鍵を使う方式。英: public-key cryptography)では、受け取り手だけが読めるようにしたい場合、受け取り手の「公開鍵(public key:誰でも使える鍵)」で暗号化し、受け取り手だけが持つ「秘密鍵(private key:本人だけが持つ秘密の鍵)」で復号します。
問題文では「Bさんだけに伝えたい内容」をBさんの鍵で暗号化したとあります。したがって、そのメールを復号できるのはBさんの秘密鍵、すなわち選択肢の エ です。
問題文では「Bさんだけに伝えたい内容」をBさんの鍵で暗号化したとあります。したがって、そのメールを復号できるのはBさんの秘密鍵、すなわち選択肢の エ です。
※補足:送信者(Aさん)の鍵を使う場合は意味が異なります。後述する「よくある誤解」で詳しく説明します。
解法ステップ
- 問題の目的を確認:情報を「Bさんだけに伝えたい」=機密性(第三者に見られないこと)を守る。
- 公開鍵暗号の基本を思い出す:
- 公開鍵(public key)で暗号化 → 秘密鍵(private key)で復号
- 秘密鍵で署名(相手が送信者を確認) → 公開鍵で検証
- 「Bさんだけに読ませたい」ので、Bさんの公開鍵で暗号化した → 復号に必要なのはBさんの秘密鍵。
- よって答えは エ(Bさんの秘密鍵)。
選択肢別の誤答解説
- ア: Aさんの公開鍵
- 誤り。Aさんの公開鍵はAさんが受け取った暗号を復号する道具ではありません。公開鍵で暗号化されたものは対応する秘密鍵でしか復号できず、ここではBさんの秘密鍵が必要です。
- イ: Aさんの秘密鍵
- 誤り。Aさんの秘密鍵はAさん自身の「所有」を証明したり(署名)するために使います。Aさんの秘密鍵で暗号化した場合は誰でもAさんの公開鍵で復号できるため、機密性は保てません(後述の署名用途の説明参照)。
- ウ: Bさんの公開鍵
- 誤り。Bさんの公開鍵は暗号化に使う鍵です。公開鍵で暗号化されたデータを復号するには、対応する秘密鍵が必要です。公開鍵では復号できません。
- エ: Bさんの秘密鍵
- 正答の理由は上記の通り。公開鍵暗号方式では受信者の秘密鍵で復号するため、Bさんの秘密鍵が必要です。
よくある誤解
- 「公開鍵で暗号化=安全ではない」の混同
- 誤りの原因:公開鍵は“公開”されるので安全性が下がるように感じますが、公開鍵で暗号化しても、それに対応する秘密鍵がないと復号できません。公開していても「秘密鍵を持つ本人しか復号できない」仕組みが安全性の要です。
- 「送信者が自分の秘密鍵で暗号化したら相手だけ読める」の誤解
- 事実は逆です。送信者の秘密鍵で暗号化すると、対応する公開鍵を持つ誰でも復号できるため、機密性は失われます。これが使われるのは送信者を証明する「デジタル署名(電子署名)」の場面です。
- 公開鍵と秘密鍵が同じものだと思う
- 公開鍵と秘密鍵はペアで数学的に結びついていますが、機能と扱いは異なります。公開鍵は配布してよい、秘密鍵は厳重に保管する必要があります。
補足コラム
- デジタル署名(署名と暗号化の違い)
- 暗号化(confidentiality:機密性)=受信者だけが読めるようにする → 受信者の公開鍵で暗号化し、受信者の秘密鍵で復号。
- 署名(authentication:送信者認証)=送信者が間違いなく自分であることを示す → 送信者が自分の秘密鍵でデータのハッシュに署名し、受信者は送信者の公開鍵で検証します。署名は改ざん検知や送信者確認に使いますが、内容の秘密性は保証しません。
- 実務での工夫:大きなファイルやメールは「公開鍵暗号だけ」で直接暗号化するより、まず共通鍵(対称鍵)でデータを暗号化し、その共通鍵を相手の公開鍵で暗号化して送る方式(ハイブリッド暗号)が一般的です。理由は対称鍵暗号の方が大容量データを高速に処理できるためです。
- 代表的なアルゴリズム:RSA(アールエスエー)など。用語の由来や仕組みは数学的ですが、試験では「公開鍵と秘密鍵がペアで使われる」という点を押さえれば十分です。
FAQ
Q1. もしAさんが自分の秘密鍵で暗号化して送ったらどうなる?
A1. それは「署名」や「送信者の証明」にはなりますが、機密性はありません。Aさんの公開鍵を持つ人は誰でも中身を復号できます。
A1. それは「署名」や「送信者の証明」にはなりますが、機密性はありません。Aさんの公開鍵を持つ人は誰でも中身を復号できます。
Q2. Bさんの公開鍵はどこで手に入れるの?
A2. 一般には公開ディレクトリやウェブ、メールの公開鍵添付、または「認証局(CA:Certificate Authority)」が発行する電子証明書を通じて入手します。重要なのは「本当にBさんの公開鍵かどうか」を確認することです(なりすまし防止)。
A2. 一般には公開ディレクトリやウェブ、メールの公開鍵添付、または「認証局(CA:Certificate Authority)」が発行する電子証明書を通じて入手します。重要なのは「本当にBさんの公開鍵かどうか」を確認することです(なりすまし防止)。
Q3. 秘密鍵が漏れたらどうなる?
A3. 秘密鍵が漏れると、その鍵で保護していた情報は漏洩します。秘密鍵は厳重に保管し、漏れたらすぐに公開鍵の無効化(鍵の失効)と鍵の再作成が必要です。
A3. 秘密鍵が漏れると、その鍵で保護していた情報は漏洩します。秘密鍵は厳重に保管し、漏れたらすぐに公開鍵の無効化(鍵の失効)と鍵の再作成が必要です。
関連キーワード: 公開鍵暗号、秘密鍵、公開鍵、非対称暗号、機密性、デジタル署名、ハイブリッド暗号、RSA、鍵管理、暗号化方法

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