ITパスポート 2019年 春期 問76
問題文
バイオメトリクス認証に関する記述として、適切なものはどれか。

選択肢
ア:指紋や静脈を使用した認証は、のぞき見行為によって容易に認証情報が漏えいする。
イ:装置が大型なので、携帯電話やスマートフォンには搭載できない。
ウ:他人を本人と誤って認証してしまうリスクがない。
エ:筆跡やキーストロークなどの本人の行動的特徴を利用したものも含まれる。(正解)
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バイオメトリクス認証に関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
バイオメトリクス認証は「人の身体的特徴や行動的特徴を用いる本人確認方法」です。身体的特徴は指紋や静脈、虹彩(こうさい:目の模様)など、行動的特徴は筆跡やキーストローク(キーを押すときの癖)や歩き方などを指します。したがって、筆跡やキーストロークなどの本人の行動的特徴も含まれるという記述、すなわち選択肢の エ が適切です。
(語源メモ)「バイオメトリクス」は英語の biometric(s):bio = 生き物、metrics = 測ること。人の特性を測って認証する、という意味です。
解法ステップ
- 問題文で「バイオメトリクス認証とは何か」を明確にする。身体的特徴と行動的特徴の両方を含むことを確認する。
- 各選択肢を「バイオメトリクスの定義」と照らし合わせる。
- 定義に合致する選択肢を選ぶ(行動的特徴を含むものが正しい)。
短く言うと、「バイオメトリクス=生体(身体)+行動の特徴を使った認証」であるかを基準に判定します。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 指紋や静脈を使用した認証は、のぞき見行為によって容易に認証情報が漏えいする。
→ 間違い。のぞき見(肩越しにパスワードを見るような行為)は「記憶情報(パスワード・暗証番号)」に有効です。指紋や静脈などの身体的特徴は、のぞき見で簡単に奪われるものではありません(ただし高解像度の写真や物理的複製で偽造されるリスクはある)。よって「容易に漏えいする」という断定は不適切です。 -
イ: 装置が大型なので、携帯電話やスマートフォンには搭載できない。
→ 間違い。近年、指紋センサや顔認証(カメラによる虹彩・顔特徴認識)はスマートフォンに広く搭載されています。装置が大型でなければならないというのは事実と異なります。 -
ウ: 他人を本人と誤って認証してしまうリスクがない。
→ 間違い。バイオメトリクスにも誤認(誤って他人を受け入れる、False Acceptance)や拒否(本人を拒否する、False Rejection)のリスクがあります。完全に誤認リスクがゼロということはありません。 -
エ: 筆跡やキーストロークなどの本人の行動的特徴を利用したものも含まれる。
→ 正しい。行動的特徴(behavioral biometrics)もバイオメトリクス認証の一種です。よって最も適切です。
よくある誤解
- バイオメトリクスは絶対に安全 → 誤り。偽造・複製、センサの誤差、環境変化で誤認が起きることがあります。対策(複合認証やライブネス検知)が必要です。
- バイオメトリクスはすべて「身体的特徴」だけ → 誤り。筆跡・キーストロークなどの行動的特徴も含まれます。行動的は操作の癖を測る方式です。
補足コラム
- 分類の整理
- 身体的(physiological):指紋、静脈、虹彩、顔、耳の形など。
- 行動的(behavioral):筆跡(署名の書き方)、キーストローク(タイピングの癖)、歩容(歩き方)など。
- 評価指標(覚え方)
- FAR(False Acceptance Rate:誤受入率)=他人を本人と誤認する割合。
- FRR(False Rejection Rate:誤拒否率)=本人を拒否する割合。
- 一般に、FAR を下げると FRR が上がるなどのトレードオフがあります。
- 実務での注意点
- 生体情報は一度漏れると変更が難しいため、テンプレート(特徴量)を安全に保存する仕組みや、端末側で処理する方式(マッチングをサーバに送らない)などの配慮が重要です。
- ライブネス検知(生きていることを確認する技術)で写真や偽造物による攻撃を防ぎます。
FAQ
Q1: 筆跡認証ってどうやって本人を判定するのですか?
A1: 筆跡認証は「文字の形」だけでなく「書くときの速度・筆圧・筆順」など時間的・力学的な特徴を数値化して比較します。これらは個人差が出やすいため行動的バイオメトリクスに分類されます。
A1: 筆跡認証は「文字の形」だけでなく「書くときの速度・筆圧・筆順」など時間的・力学的な特徴を数値化して比較します。これらは個人差が出やすいため行動的バイオメトリクスに分類されます。
Q2: スマホの顔認証はバイオメトリクスですか?
A2: はい。顔認証は身体的特徴を使ったバイオメトリクスです。ただし写真やマスクなどによるなりすまし対策(ライブネス検知)が重要です。
A2: はい。顔認証は身体的特徴を使ったバイオメトリクスです。ただし写真やマスクなどによるなりすまし対策(ライブネス検知)が重要です。
Q3: バイオメトリクスだけで十分な認証になりますか?
A3: 単独でも便利ですが、セキュリティを高めるためにパスワードや所有物(スマホ・ICカード)との複合認証が推奨されます。重要情報では二段階認証(2FA)を採ることが多いです。
A3: 単独でも便利ですが、セキュリティを高めるためにパスワードや所有物(スマホ・ICカード)との複合認証が推奨されます。重要情報では二段階認証(2FA)を採ることが多いです。
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