ITパスポート 2019年 春期 問83
問題文
PoEの説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:LANケーブルを使って電力供給する技術であり、電源コンセントがない場所に無線LANのアクセスポイントを設置する場合などで利用される。(正解)
イ:既設の電気配線を利用してLANを構築できる技術であり、新たにLANケーブルを敷設しなくてもよい。
ウ:グローバルアドレスとプライベートアドレスを自動的に変換して転送する技術であり、社内LANとインターネットとの境界部で使われる。
エ:通信速度や通信モードを自動判別する技術であり、異なるイーサネット規格が混在しているLAN環境で、ネットワーク機器の最適な通信設定を自動的に行える。
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PoEの説明として、適切なものはどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
正しいのは ア です。PoE(Power over Ethernet:イーサネットケーブルによって電力を供給する技術)は、LANケーブルを通じて電力(直流電力)とデータを同時に伝送できます。これにより、電源コンセントが無い場所でも、無線LANアクセスポイント(無線LAN(Wi‑Fi):ワイヤレスで通信するネットワーク機器)やIP電話(ネットワークを使う電話)、ネットワークカメラなどを設置できます。選択肢アの説明はこの特徴をそのまま述べているため適切です。
解法ステップ
- 用語を確認する
- PoE(Power over Ethernet:イーサネット(LAN)ケーブルで電力を供給する技術)を理解する。
- 各選択肢のキーワードを照らし合わせる
- 「LANケーブルを使って電力供給」→ PoEの特徴そのもの。
- 他の選択肢にある「既存の電気配線」「アドレス変換」「通信速度自動判別」は別技術の説明。
- 意味が一致する選択肢を選ぶ
- PoEの定義に合致する選択肢が ア なので正解とする。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正答)
LANケーブルでデータと一緒に電力を供給する仕組みを指します。PoEスイッチ(電力を供給するネットワーク機器)やPoEインジェクタ(途中で電力を注入する装置)を使って、電源が遠い場所にも機器を設置できます。 -
イ(誤り)
「既設の電気配線を利用してLANを構築する技術」は、Powerline(パワーライン)やPLC(Power Line Communication:電力線通信)と呼ばれる別の技術です。PoEはLANケーブル自体(ツイストペアケーブル)を使って電力を供給しますが、既設の家庭用電気配線(壁のコンセント配線)を使うわけではありません。 -
ウ(誤り)
「グローバルアドレスとプライベートアドレスを自動的に変換して転送する技術」はNAT(Network Address Translation:アドレス変換)の説明です。これはIPアドレスを変換してインターネット接続を可能にする機能で、電力供給とは無関係です。 -
エ(誤り)
「通信速度や通信モードを自動判別する技術」はオートネゴシエーション(Auto-Negotiation:通信速度やデュプレックス設定を自動で決める機能)です。これもPoEではなく、イーサネット機器同士のリンク設定に関する機能です。
よくある誤解
-
PoEはすべての電力ニーズを満たすわけではない
PoEの供給可能電力には上限があります。小型の無線アクセスポイントやIP電話は問題ありませんが、大きな機器や高消費電力機器には向きません。規格ごとの供給上限(後述)を確認する必要があります。 -
PoEと電力線通信(PLC)を混同する
「電力を利用する」という点だけで混同しやすいですが、PoEはLANケーブルで電力を送る技術で、PLCは家庭の電気配線でデータを送る技術です。目的と使う線が違います。
補足コラム
-
PoEの主な規格(IEEE)と目安
- IEEE 802.3af(PoE):最大約15.4W(機器で使える実効約12.95W)
- IEEE 802.3at(PoE+):最大約30W(実効約25.5W)
- IEEE 802.3bt(PoE++ / 4PPoE):最大約60W〜100W(規格により異なる)
これらの規格により対応する機器やスイッチを選びます。ケーブルのカテゴリ(Cat5e以上が一般的)や配線長(通常100m以内)が運用上の注意点です。
-
実装の仕方
- PoEスイッチ(PSE:Power Sourcing Equipment:電力供給側装置)で一括供給する方法。
- PoEインジェクタ(ミッドスパン)で途中から電力を注入する方法。
受け側はPD(Powered Device:電力を受ける機器)と呼びます。機器同士は給電可否を自動判定する仕組み(規格に基づく信号交換)で安全に電力供給します。
FAQ
Q1. どの機器がPoEで動くかはどうやって分かりますか?
A1. 機器の仕様書に「PoE対応」「IEEE 802.3af/at/bt対応」などと明記されています。対応がなければ専用電源が必要です。
A1. 機器の仕様書に「PoE対応」「IEEE 802.3af/at/bt対応」などと明記されています。対応がなければ専用電源が必要です。
Q2. PoE非対応機器にPoEを接続すると壊れますか?
A2. 標準的なPoEは給電前に機器の識別を行うため、通常は非対応機器に電力を送らない仕組みです。とはいえ、ケーブルや機器の取り扱いを誤ると問題が起きる可能性があるので注意してください。
A2. 標準的なPoEは給電前に機器の識別を行うため、通常は非対応機器に電力を送らない仕組みです。とはいえ、ケーブルや機器の取り扱いを誤ると問題が起きる可能性があるので注意してください。
Q3. 古いLANケーブルでも使えますか?
A3. 理論上はツイストペアのケーブルであれば動作しますが、Cat5e以上を推奨します。古くて断線や接触不良がある場合、安定した給電ができないことがあります。
A3. 理論上はツイストペアのケーブルであれば動作しますが、Cat5e以上を推奨します。古くて断線や接触不良がある場合、安定した給電ができないことがあります。
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