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ITパスポート 2019年 春期 99


問題文

外部からの不正アクセスによるコンピュータに関する犯罪の疑いが生じた。そのとき、関係する機器やデータ、ログなどの収集及び分析を行い、法的な証拠性を明らかにするための手段や技術の総称はどれか。

選択肢

ディジタルサイネージ
ディジタル署名
ディジタルディバイド
ディジタルフォレンジックス(正解)

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外部からの不正アクセスによるコンピュータに関する犯罪の疑いが生じたときの手段や技術の総称【ITパスポート 解説】

正解の理由

この問題で求められているのは、外部からの不正アクセスなどの疑いがある場合に「関係機器やデータ、ログなどを収集・分析し、法的な証拠性を明らかにするための手段や技術の総称」です。この説明に最も当てはまるのは のデジタルフォレンジックスです。
デジタルフォレンジックス(digital forensics:コンピュータやネットワーク上のデジタルデータを証拠として扱うための調査・解析技術)は、証拠の保全(改ざんされないように保存)と解析を目的とします。問題文の「収集」「分析」「法的な証拠性を明らかにする」という語句は、まさにデジタルフォレンジックスの活動内容を表しています。
(参照用用語)ログ(操作や通信の記録)やハッシュ関数(データの一意の「指紋」を作る仕組み)などがこの分野で重要になります。

解法ステップ

  1. 問題文で強調されているキーワードを探す:収集、分析、法的な証拠性、機器・データ・ログ。
  2. 各選択肢の意味を思い出す(初めてなら選択肢を一つずつ簡単に読み替える)。
  3. 「証拠」を扱う、つまり法的に使える形でデータを扱う技術は何かを照合する。
  4. デジタルフォレンジックスが定義に合致するため正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ディジタルサイネージ(digital signage:電子看板)
    • 意味:店舗や駅などで使う電子ディスプレイのこと。広告や案内を表示するもので、証拠収集や解析とは無関係です。
    • 例:駅の発車案内表示や店頭の動画広告。
  • イ: ディジタル署名(digital signature:電子的に署名の正当性を検証する技術)
    • 意味:電子文書が改ざんされていないか、送信者が正しいかを確認するための暗号的な仕組み。証拠の整合性確認で使われることはありますが、問題文が求める「収集・分析・証拠性を明らかにする手段の総称」全体を指す言葉ではありません。
  • ウ: ディジタルディバイド(digital divide:情報格差)
    • 意味:ITやインターネットの利用における「使える人」と「使えない人」の差(情報格差)。社会問題の概念であり、フォレンジックスとは無関係です。
  • エ: デジタルフォレンジックス(digital forensics:デジタル機器の証拠調査)
    • 意味:不正アクセスや不正行為が疑われる場合に、機器・データ・通信ログなどを合法的に収集・解析し、裁判などで使える証拠性を確保する技術・手法の総称。問題文の内容に一致します。

よくある誤解

  1. デジタル署名とデジタルフォレンジックスを混同する
    • デジタル署名は「あるデータが正しい人から来たか・改ざんされていないか」を確認する技術です。一方でデジタルフォレンジックスは事件の証拠を集めて解析する広い作業領域で、署名はその中で使われることもある一手段に過ぎません。
  2. フォレンジックスは「ハッキングする」ことを意味すると思い込む
    • フォレンジックスは証拠保全と解析が目的であり、違法な侵入や改ざんを行うための技術ではありません。手順や記録(チェーンオブカストディ)を守ることで、法的に有効な証拠を作る活動です。
  3. ログ解析=フォレンジックスと単純に考える
    • ログ解析はフォレンジックスの一部ですが、フォレンジックスは機器そのもののイメージ取得、メモリ解析、ネットワークトレース、証拠保全手順など幅広い工程を含みます。

補足コラム

デジタルフォレンジックスで重要なポイント
  • 証拠保全(チェーンオブカストディ)
    • チェーンオブカストディ(chain of custody:証拠保全の履歴管理)とは、誰がいつどのように証拠を扱ったかを記録することです。これがないと裁判で証拠として認められにくくなります。
  • ハッシュ関数(データの指紋)
    • ハッシュ関数はデータから短い固定長の値(ハッシュ値)を作る技術です。後で同じハッシュ値が得られれば、データが改ざんされていないことの説明に使えます。
    • 例として、PythonでファイルのSHA-256ハッシュを計算する簡単な例:
      import hashlib
      
      with open('suspect.bin', 'rb') as f:
          data = f.read()
      hash_value = hashlib.sha256(data).hexdigest()
      print(hash_value)
      
  • フィールドの種類
    • 端末フォレンジックス(PCやスマホのデータ調査)
    • ネットワークフォレンジックス(通信の解析)
    • メモリフォレンジックス(稼働中のメモリ上の証拠解析) それぞれ目的や使うツールが異なります。

FAQ

Q1: フォレンジックスと侵入検知(IDS)はどう違いますか?
A1: 侵入検知(IDS:Intrusion Detection System)は不正な活動をリアルタイムで検知するための仕組みです。フォレンジックスは検知後に証拠を集めて解析し、原因や責任を明らかにする作業です。前者が「警報を出す」役割、後者が「調査して証拠を残す」役割と考えると分かりやすいです。
Q2: 個人が自分でフォレンジックスを行えますか?
A2: 基本的なログ確認やハッシュ計算は個人でも可能ですが、法的な証拠として使うには手順(証拠保全や記録)や専門知識が必要です。事件性がある場合は専門家や警察に相談するのが安全です。
Q3: フォレンジックスで必ず裁判で使える証拠が取れるのですか?
A3: いいえ。適切な手順で収集・保全・記録されていない証拠は裁判で採用されない可能性があります。手順と記録(チェーンオブカストディ)が重要です。

関連キーワード: デジタルフォレンジックス、フォレンジック、ログ解析、不正アクセス、証拠保全、チェーンオブカストディ、ハッシュ関数
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