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ITパスポート 2020年 秋期 03


問題文

技術経営における新事業創出のプロセスを、研究、開発、事業化、産業化の四つに分類したとき、事業化から産業化を達成し、企業の業績に貢献するためには、新市場の立上げや競合製品の登場などの障壁がある。この障壁を意味する用語として、最も適切なものはどれか。

選択肢

囚人のジレンマ
ダーウィンの海(正解)
ファイアウォール
ファイブフォース

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技術経営における新事業創出の障壁を示す用語【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢の中で、新事業が「事業化から産業化を達成し、企業の業績に貢献する」過程で直面する「新市場の立上げや競合製品の登場などの障壁」を意味する最も適切な語は (ダーウィンの海)です。
「ダーウィンの海」は英語で Darwinian sea(ダーウィニアン・シー)とも呼ばれ、自然界の「適者生存=ダーウィンの進化論」を比喩にして、事業が市場の厳しい選択(生存競争)をくぐり抜けなければならない状況を表します。新市場の立ち上げや競合の出現は、まさに「選ばれなければ消えていく」圧力です。したがって、この比喩が問題文の「障壁」を最もよく表します。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを拾う
    • 「事業化から産業化」「企業の業績に貢献」「新市場の立上げ」「競合製品の登場」「障壁」
      → これは「市場での生存・競争に関する障壁」を指していると判断します。
  2. 各選択肢の意味を確認して照合する
    • ア: 囚人のジレンマ → 協力と裏切りの選択問題(ゲーム理論)
    • イ: ダーウィンの海 → 市場の厳しい競争・生存競争の比喩
    • ウ: ファイアウォール → ネットワークの防御装置(技術的障壁)
    • エ: ファイブフォース → 産業の競争要因を分析するフレームワーク(Porterの概念)
  3. 最も合致する選択肢を選ぶ
    • 「市場での生存競争や参入障壁」を表すのは であるため、これが正しい選択です。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 囚人のジレンマ
    • 囚人のジレンマは「2人が協力するか裏切るか」の選択で、個人の合理性と集団の最善がずれる例を示すゲーム理論の概念です。企業間の競争や市場参入の障壁そのものを示す語ではありません。
  • イ: ダーウィンの海
    • 正解です。自然選択の比喩を用いて、新事業が市場において生き残るために克服しなければならない厳しい環境や障壁を表します。
  • ウ: ファイアウォール
    • ファイアウォールは「ネットワークの境界で不正な通信を遮断する装置やソフトウェア(firewall)」です。セキュリティの技術用語であり、市場の競争や参入障壁を意味するものではありません。
  • エ: ファイブフォース
    • ファイブフォースは「ポーターの5つの競争要因(Porter’s Five Forces)」という分析枠組みで、業界の魅力度や競争の強さを分析する道具です。業界を分析するときに使うため関連は深いですが、問題文のように「新市場の立上げや競合出現など具体的な障壁」を指す単語としては直接の一致とはなりません。

よくある誤解

  1. 「ファイブフォースが正答だ」と思う誤解
    • ファイブフォースは業界分析のフレームワークで、参入障壁や競争の要因を整理できますが、「〜という障壁そのもの」を指す単語ではありません。問題は「障壁を意味する用語」を問うているため、比喩としての が適切です。
  2. 「ファイアウォール=障壁」と勘違いするミス
    • 日常語で「壁=障壁」と結びつけてしまいがちですが、ファイアウォールはITセキュリティの技術用語で、物理的・市場的な障壁を指す語ではありません。
  3. ダーウィンの海は「ただの競争激化の言い換え」だと思う誤解
    • 「競争激化」だけでなく、未確立の新市場での選別過程(生き残るか消えるかの厳しさ)を含む比喩である点を押さえてください。単なる「競争が激しい」よりも「選択圧が強い」というニュアンスが重要です。

補足コラム

  • 用語の語源メモ
    • ダーウィンの海(Darwinian sea):チャールズ・ダーウィンの「自然選択(natural selection)」の考え方を市場に当てはめた比喩です。生物が環境に適応して生き残るように、製品や事業も市場環境に適応しなければ生き残れない、という観点を表します。
  • 覚え方のコツ
    • 「ダーウィン=進化=生き残り」の連想で覚えると良いです。新事業は“自然の淘汰”のように厳しい試練を受ける、とイメージしてください。
  • 関連フレームワーク
    • 「ファイブフォース(Porter’s Five Forces)」は業界分析で有用です。具体的な参入障壁(新規参入の脅威、代替品の脅威など)を整理できますが、問題文の問い方(障壁を指す単語)では比喩語の方が合致しました。

FAQ

Q1. ダーウィンの海は正式な学術用語ですか?
A1. 厳密な学術用語というよりは、経営学や技術経営の文脈で使われる比喩表現です。「市場の厳しい選別圧」を説明する際に用いられます。
Q2. 「産業化の障壁」は他にどんな言葉で表せますか?
A2. 「参入障壁(market entry barrier)」「競争圧」「市場の障壁」などが一般的です。これらはファイブフォースで要因整理ができます。
Q3. 試験で似た語が出たらどう判断すればよいですか?
A3. 問題文のキーワード(市場・生存・競合・立ち上げ)を拾い、それが「比喩的な表現」か「技術的な装置」か「分析枠組み」かを区別してください。比喩的に「生存」を示す語なら の可能性が高いです。

関連キーワード: 新規事業創出、事業化から産業化、参入障壁、競争環境、ポーターの5フォース、ダーウィニズム、市場選別
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