ITパスポート 2020年 秋期 問33
問題文
インターネット上で通信販売を行っているA社は、販売促進策として他社が発行するメールマガジンに自社商品Yの広告を出すことにした。広告は、メールマガジンの購読者が広告中のURLをクリックすると、その商品ページが表示される仕組みになっている。この販売促進策の前提を表のとおりとしたとき、この販売促進策での収支がマイナスとならないようにするためには、商品Yの販売価格は少なくとも何円以上である必要があるか。ここで、購入者による商品Yの購入は1人1個に限定されるものとする。また、他のコストは考えないものとする。

選択肢
ア:1,020
イ:1,100
ウ:1,500
エ:2,000(正解)
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販売促進策における最低販売価格の計算【ITパスポート 解説】
正解の理由
表の数値から、この販促施策で損をしないためには、1人が購入する商品の販売価格がいくら以上であればよいかを求めます。計算すると、必要な販売価格は1個あたり2,000円です。選択肢の中では エ(2,000円)が正しい理由は、購入者数と全コストを正しく算出して、1個あたりの最低販売価格を求めた結果が2,000円になるためです。
解法ステップ
-
用語の確認
- 購読者数:メールマガジンを受け取っている人数(ここでは100,000人)。
- クリック率(ここでは「広告中のURLをクリックする割合」):メールを見た人のうちURLをクリックする人の割合(2%)。
- 購買率(ここでは「クリックした人のうち商品を購入する割合」):クリックした人のうち購入に至る割合(10%)。
- 原価:1個当たりの仕入れや製造にかかる費用(1,000円)。
- 販促費用:広告掲載などに掛かる総費用(200,000円)。
-
まず実際の購入者数を求める(期待値の計算)。
- クリック数 = 100,000人 × 2% = 2,000人
- 購入者数 = 2,000人 × 10% = 200人
-
総コストを求める。
- 商品の原価合計 = 200人 × 1,000円 = 200,000円
- 販促費用 = 200,000円(表のまま)
- 合計コスト = 200,000円 + 200,000円 = 400,000円
-
収支がマイナスにならない条件(利益 ≥ 0)は、
- 売上(200人 × 販売価格) ≥ 合計コスト(400,000円)
- よって ⇒ (円)
以上より、1個当たりの販売価格は少なくとも2,000円でなければなりません。選択肢の中では エ が該当します。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 1,020円
誤りの例:あまりに小さい値のため、原価1,000円に対して広告費の負担がほとんど反映されていません。広告費を適切な購入者数(200人)で割っていない計算ミスです。 -
イ: 1,100円
誤りの例:広告費を「クリックした人(2,000人)」で割ってしまい、1人あたりの負担を100円と計算してしまう場合に出る値です。つまり 1,000円(原価)+100円(広告費/クリック)=1,100円。広告費は「購入者数」で按分すべきなので間違いです。 -
ウ: 1,500円
誤りの例:広告費をより多くの人(例:購入者を多めに見積もって400人に分配)で割るなど、購入者数を多く見積もる誤りにより出ることがあります。例えば 200,000円/400人 = 500円 を原価に足して 1,500円とする誤った計算です。 -
エ: 2,000円
正しい理由:広告費は実際に購入した人で負担し合うべきなので、200,000円を200人で割ると1人あたり1,000円。原価1,000円と合わせて2,000円になります。よって エ が正解です。
よくある誤解
-
「クリック数」で割るミス
- 広告費をクリックした人数(2,000人)で割ってしまうと、1人あたりの広告負担が小さくなり販売価格が低く算出されます。しかし実際に商品を買うのはクリックした一部(200人)なので、広告費は購入者で按分するのが正しいです。
-
割合(%)の扱いを誤る
- 2%や10%をそのまま足したり掛けたり誤って扱うと間違いになります。必ず「掛け算」で連鎖的に適用して購入者数を求めます(例:100,000 × 0.02 × 0.10 = 200)。
-
「1人1個」条件の見落とし
- 問題に「購入は1人1個に限定」と書かれている場合、購入者数=販売個数です。この条件を見落とすと、1人が複数買う前提で誤った計算になることがあります。
補足コラム
- 別の見方(1人あたりのコストで計算する方法)
- 購入者数 = 200人(上で計算済み)。
- 広告費を購入者で割ると:200,000円 ÷ 200人 = 1,000円(1人あたりの広告負担)。
- そこに原価1,000円を足すと、1人あたりの最低販売価格 = 1,000円(原価)+1,000円(広告負担)= 2,000円。
- この方法は直感的で覚えやすく、実務でも「1件あたりの獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition)」を求める際に役立ちます。CPA(顧客獲得単価)は「広告費 ÷ 獲得数」で求めます。
FAQ
Q1. クリックした人が全員購入するとは限らないのに期待値で計算して良いですか?
A1. 問題文が割合で与えている場合は、その割合を期待値として扱って計算します。本番問題では与えられた割合をそのまま使うのが正解です。
A1. 問題文が割合で与えている場合は、その割合を期待値として扱って計算します。本番問題では与えられた割合をそのまま使うのが正解です。
Q2. 小数や端数が出たらどうしますか?
A2. 問題の指示がなければ、損をしない(収支がマイナスにならない)ための「最低価格」を求めるので、小数点は切り上げるのが安全です(ただし選択肢が整数ならそれに合わせて判断します)。
A2. 問題の指示がなければ、損をしない(収支がマイナスにならない)ための「最低価格」を求めるので、小数点は切り上げるのが安全です(ただし選択肢が整数ならそれに合わせて判断します)。
Q3. 他のコスト(発送費、決済手数料など)があればどう計算しますか?
A3. そのコストも全て合計して「合計コスト」を求め、売上(販売数×販売価格)≥合計コストの条件で価格を逆算します。
A3. そのコストも全て合計して「合計コスト」を求め、売上(販売数×販売価格)≥合計コストの条件で価格を逆算します。
関連キーワード: クリック率、購買率、原価、広告費、コンバージョン率、CPA, 期待値、按分、収支計算

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