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ITパスポート 2020年 秋期 40


問題文

プロジェクトマネジメントの活動には、プロジェクト統合マネジメント、プロジェクトスコープマネジメント、プロジェクトスケジュールマネジメント、プロジェクトコストマネジメントなどがある。プロジェクト統合マネジメントの活動には、資源配分を決め、競合する目標や代替案間のトレードオフを調整することが含まれる。システム開発プロジェクトにおいて、当初の計画にない機能の追加を行う場合のプロジェクト統合マネジメントの活動として、適切なものはどれか。

選択肢

機能追加に掛かる費用を見積もり、必要な予算を確保する。
機能追加に対応するために、納期を変更するか要員を追加するかを検討する。(正解)
機能追加のために必要な作業や成果物を明確にし、WBSを更新する。
機能追加のための所要期間を見積もり、スケジュールを変更する。

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機能追加時のプロジェクト統合マネジメントの活動【ITパスポート 解説】

正解の理由

問題文で示されている「資源配分を決め、競合する目標や代替案間のトレードオフを調整する」という説明は、プロジェクト全体を見て「何を変えるか」を決める役割を指します。これはプロジェクト全体の調整を行う「プロジェクト統合マネジメント(プロジェクト全体の整合性を保つ管理)」の典型的な活動です。
機能追加に対して、納期(スケジュール)を延ばすのか、要員を増やして期間を維持するのかといった「どの代替案を採るか」を検討する選択は、まさにトレードオフの判断です。したがって、が正解になります。
※用語メモ:WBS(Work Breakdown Structure:作業を分解して整理した図や表)、スコープ(プロジェクトで実施すべき作業や成果物の範囲)、プロジェクト統合マネジメント(プロジェクト全体の調整と意思決定を行う管理)

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探す:ここでは「資源配分」「競合する目標や代替案間のトレードオフ」。
  2. 各選択肢がどのマネジメント分野に該当するかを分類する。
    • コスト管理、スケジュール管理、スコープ管理、統合管理など。
  3. 問題文の説明(トレードオフや資源配分)が示す管理分野と一致する選択肢を選ぶ。
  4. 他の選択肢が別分野(例えばコスト、スコープ、スケジュール)に該当することを確認して除外する。
短く言うと、「トレードオフを決める活動=統合マネジメント」なので、納期か要員のどちらにするかを検討するを選びます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 機能追加に掛かる費用を見積もり、必要な予算を確保する。
    → これは「プロジェクトコストマネジメント(費用を見積もり管理する)」の活動です。統合管理が意思決定として予算配分に関与する場面はありますが、費用の見積りそのものはコストマネジメントの仕事です。
  • : 機能追加に対応するために、納期を変更するか要員を追加するかを検討する。
    → 正解。異なる制約(スコープ、スケジュール、コスト、品質)間のトレードオフを検討してプロジェクト全体の調整を行う活動は統合マネジメントの範囲です。
  • ウ: 機能追加のために必要な作業や成果物を明確にし、WBSを更新する。
    → これは「プロジェクトスコープマネジメント(何を作るか、作業をどのように分解するか)」の活動です。WBS更新はスコープ変更対応です。
  • エ: 機能追加のための所要期間を見積もり、スケジュールを変更する。
    → こちらは「プロジェクトスケジュールマネジメント(作業の時間見積もりとスケジュール調整)」です。統合管理はどの選択を採るか決める役割を持ちますが、具体的な時間見積もりやスケジュール修正はスケジュール管理の仕事です。

よくある誤解

  1. 「統合マネジメントはすべてをやる管理者の仕事」と考える誤解
    → 統合マネジメントは全体の意思決定・調整が中心で、詳細な見積もりやWBS作成などの実務はそれぞれの領域(コスト、スコープ、スケジュール)が担当します。
  2. 「スケジュールを変える=統合マネジメントの仕事」と混同する誤解
    → スケジュールの実際の見積りや更新はスケジュールマネジメント。統合は「スケジュールを変すかどうか」という方針決定や、複数の影響(コストや品質)を考慮した調整を行います。
  3. 「WBSを更新すれば統合は完了」と考える誤解
    → WBS更新はスコープ管理の作業です。統合マネジメントはその変更をプロジェクト全体にどう反映するかを判断します。

補足コラム

プロジェクト管理の考え方では、よく「トリプルコンストレイント(制約の三点)」という概念が出てきます。これは「スコープ(範囲)」「スケジュール(時間)」「コスト(費用)」の三つが互いに影響し合うという考え方です。例えば機能を増やせばスコープが増え、同じ納期を守るなら要員や費用を増やす必要があります。統合マネジメントはこのような相互作用を見て、どの手段で対応するかを決める役割を持ちます。
身近な例:オンラインショップで「商品検索にフィルター機能を追加したい」となった場合、
  • スコープ担当:追加する検索項目や画面の仕様を決める(WBS更新)
  • スケジュール担当:追加作業に何日かかるか見積もり、スケジュールへ反映する
  • コスト担当:追加作業の費用を見積もる
  • 統合担当:納期を延ばすか人を増やすか、あるいは他の機能を後回しにするかなどを検討・決定する

FAQ

Q1. 統合マネジメントは誰が行うのですか?
A1. 統合マネジメントの最終的な意思決定はプロジェクトマネージャ(プロジェクトを統括する責任者)が行います。ただし判断には各領域(スコープ、コスト、スケジュールなど)の専門家の情報が必要です。
Q2. 変更が発生したとき、最初に何をすれば良いですか?
A2. まず変更の内容を明確にし、影響範囲(誰が、何を、いつまでに、どれくらいの費用で)を各領域で見積もります。その情報をもとに統合マネジメントでトレードオフを検討します。
Q3. WBS更新と統合の関係は?
A3. WBS更新はスコープ管理の作業です。統合はWBS更新の必要性を判断したり、WBS変更によるスケジュールやコストへの影響を調整します。

関連キーワード: プロジェクトマネジメント、スコープ、スケジュール、コスト、WBS、トレードオフ、プロジェクトマネージャ
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