ITパスポート 2020年 秋期 問39
問題文
A社のIT部門では、ヘルプデスクの可用性の向上を図るために、対応時間を24時間に拡大することを検討している。ヘルプデスク業務をA社から受託しているB社は、これを実現するためにチャットボットをB社が導入し、活用することによって、深夜時間帯は自動応答で対応する旨を提案したところ、A社は24時間対応が可能であるのでこれに合意した。合意に用いる文書として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:BCP
イ:NDA
ウ:RFP
エ:SLA(正解)
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ヘルプデスクの24時間化と合意文書【ITパスポート 解説】
正解の理由
A社とB社が「ヘルプデスクを24時間で対応する」というサービスの提供内容や時間帯(例:深夜はチャットボットによる自動応答)について合意するには、サービスの品質や対応時間、責任範囲を明確にする文書が必要です。この目的に最も適するのがSLA(Service Level Agreement:サービスの提供レベルを決めた契約書)です。SLAは「いつ」「どの程度」「誰が」「どう対応するか」といったサービスの合意事項(稼働時間、応答時間、エスカレーション手順、違反時の対応など)を具体的に定めます。したがって合意文書として適切なのは エ(SLA)です。
(補足用語)
- SLA(Service Level Agreement:サービスの品質や提供条件を明確にする合意書)
- チャットボット(自動応答するプログラム)
- 可用性(availability:サービスが使える時間の割合や状態)
解法ステップ
- 問題で問われているのは「A社とB社の合意に用いる文書はどれか」。つまり、サービス提供の条件を定める文書を探す。
- 選択肢の意味を確認する:
- BCP:事業継続計画(災害時に事業を続けるための社内計画)
- NDA:秘密保持契約(情報を外に出さない合意)
- RFP:提案依頼書(業者に提案を依頼するための文書)
- SLA:サービスレベル合意(提供条件・品質を定めた契約)
- 問題の内容(24時間対応・深夜は自動応答など)は「サービスの提供条件」に関するため、SLAが最も該当する。
- よって エ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)
- 説明:災害や停電など非常時に「どのように事業を続けるか」を定める社内計画です。今回のようにサービス提供時間や応答方法を合意する「契約書」ではありません。
- イ: NDA(Non-Disclosure Agreement:秘密保持契約)
- 説明:機密情報の取り扱いを定める契約です。情報を外に漏らさないための約束であり、サービスの稼働時間や応答内容を定めるためのものではありません。
- ウ: RFP(Request For Proposal:提案依頼書)
- 説明:発注側が業者に対して要件を示し、提案を求める文書です。今回の場面では既にB社が提案してA社が合意しているため、合意文書として使うものではありません。発注プロセスの前段階に相当します。
- エ: SLA(Service Level Agreement:サービスの提供レベルを決めた契約書)
- 説明:サービスの時間帯(24時間)、応答方法(深夜はチャットボットでの自動応答)、責任分担、測定基準(稼働率、応答時間)や違反時の取り決め(ペナルティや改善)などを明確にするため、合意に用いる文書として最適です。
よくある誤解
- 「SLAはただの形式的な書類」
- 実務ではSLAに具体的な数値(応答時間:例 1分以内、稼働率:99.5% など)や監視・報告方法、責任の範囲を入れないと運用でトラブルになります。形式だけでは意味が薄い点に注意してください。
- 「NDAがあれば対応内容も決められる」
- NDAは情報を秘匿するための契約であり、サービスの品質や時間帯についての合意は含みません。両方必要なケースもあります(機密情報を扱うヘルプデスクならNDAも締結する)。
- 「RFPを交わせば契約完了」
- RFPは提案を集めるための文書で、提案→選定→契約(SLAや請負契約)という流れになります。RFPは合意文書ではありません。
補足コラム
SLAに盛り込むと良い代表項目(ヘルプデスク向け)
- サービス範囲:サポート対象のシステムや問い合わせ内容
- 提供時間:24時間/平日9-17時など、深夜の自動応答の範囲を明記
- 応答時間:初回応答までの目標時間(例:チャットは1分以内、メールは4時間以内)
- 解決までの目標(対応ランク別に目標時間を設定)
- 可用性(稼働率):システムの稼働時間を%で示す場合あり
- モニタリングと報告:実績の測定方法と報告頻度
- エスカレーション:対応が困難なときの連絡ルート
- SLA違反時の取り決め:補償や改善計画、罰則の有無 これらは「どこまでをB社がやるか」「A社の責任は何か」を明確にします。特にチャットボットで自動応答する深夜帯の責任範囲(誤応答時の対応方法)は重要です。
FAQ
Q1. SLAと請負契約(業務委託契約)はどちらが必要ですか?
A1. 多くの場合、請負契約で業務の基本条件や報酬を定め、SLAでサービス品質や提供時間などを細かく定めます。両方を使い分けるのが一般的です。
A1. 多くの場合、請負契約で業務の基本条件や報酬を定め、SLAでサービス品質や提供時間などを細かく定めます。両方を使い分けるのが一般的です。
Q2. チャットボットだけでSLAを満たせるか?
A2. チャットボットで対応する範囲と、有人対応へ切り替える基準をSLAで明確にしておく必要があります。チャットボットの精度や誤応答時の対応(エスカレーション)も定めます。
A2. チャットボットで対応する範囲と、有人対応へ切り替える基準をSLAで明確にしておく必要があります。チャットボットの精度や誤応答時の対応(エスカレーション)も定めます。
Q3. SLAに違反したらどうなる?
A3. SLAに違反したときのペナルティ(料金の減額や改善計画の実施)を契約で定めることが多いです。違反の定義や測定方法も明確にします。
A3. SLAに違反したときのペナルティ(料金の減額や改善計画の実施)を契約で定めることが多いです。違反の定義や測定方法も明確にします。
関連キーワード: SLA、ヘルプデスク、チャットボット、可用性、応答時間、エスカレーション、RFP、NDA、BCP

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