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ITパスポート 2020年 秋期 48


問題文

委託に基づき他社のシステム監査を実施するとき、システム監査人の行動として、適切なものはどれか。

選択肢

委託元の経営者にとって不利にならないように監査を実施する。
システム監査を実施する上で知り得た情報は、全て世間へ公開する。
指摘事項の多寡によって報酬を確定できる契約を結び監査を実施する。
十分かつ適切な監査証拠を基に判断する。(正解)

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委託に基づき他社のシステム監査を実施するとき、システム監査人の行動として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

システム監査人とは、システム(情報処理の仕組み)について独立した立場で評価・検証する人です。監査の基本原則には「独立性」「客観性」「機密保持」「証拠に基づく判断」があります。選択肢の中では、監査で得た事実(監査証拠:監査で観察・確認した記録やデータ)に基づいて判断することが、これらの原則に最も合致します。したがって、「十分かつ適切な監査証拠を基に判断する」が適切です。
理由の要点は次の通りです。監査は報告書や結論が客観的で信頼できることが重要で、そのためには観察や文書などの証拠に基づいて判断する必要があるからです。

解法ステップ

  1. 問題文で「システム監査人の行動」とある点を確認する(役割は評価・検証を行う人)。
  2. 監査に求められる基本的な倫理・行為原則を思い出す:独立性、客観性、機密保持、証拠に基づく判断。
  3. 各選択肢をそれらの原則に照らして評価する。
    • 利害関係に左右される行動か(×)
    • 機密を破る行動か(×)
    • 報酬で結論が変わる仕組みか(×)
    • 証拠に基づいた判断か(○)
  4. この照合で最も適切なのがであると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 委託元の経営者にとって不利にならないように監査を実施する。
    • なぜ誤りか:監査人は委託元に対して「良い結果だけ」を出す義務はありません。監査は事実に基づき、客観的に問題点を指摘する役割です。委託元に都合よく結果を操作すると独立性と客観性が失われ、監査の信頼性が損なわれます。
  • イ: システム監査を実施する上で知り得た情報は、全て世間へ公開する。
    • なぜ誤りか:監査人には機密保持の義務があります。顧客や対象組織の機密情報(設計情報、ログ、内部資料など)を無差別に公開することは許されません。公開が必要な場合でも、契約や法令に基づく制限・手続きがあります。
  • ウ: 指摘事項の多寡によって報酬を確定できる契約を結び監査を実施する。
    • なぜ誤りか:報酬が監査結果に左右される(成果報酬的)と、監査人の独立性と客観性が損なわれます。監査は事実に基づく評価であり、報酬は独立した形で定める必要があります。これは利害対立の典型例です。
  • エ: 十分かつ適切な監査証拠を基に判断する。
    • なぜ正しいか:監査の結論は、観察、文書、ログ、インタビューなどの「監査証拠」に基づいて行います。証拠が十分で適切(関連性と信頼性がある)であれば、結論の信頼性が高まります。したがって監査人は常に証拠重視で行動します。

よくある誤解

  • 誤解1:監査人は「依頼者の味方」だと思い込む。
    • 実際は監査人は独立した評価者です。依頼者の利益のためだけに都合の良い報告をするのは誤りです。
  • 誤解2:監査で知ったことは勝手に外部に話してよい。
    • 実際は守秘義務があります。必要な場合でも公開には契約や法令に基づく手続きが必要です。
  • 誤解3:指摘が多いほど良い監査だと思う。
    • 指摘の数ではなく、指摘の妥当性や重要性、証拠の質が重要です。

補足コラム

「十分かつ適切な監査証拠」とは何か?
  • 十分性(量):結論を支えるのに十分な量があるか。たとえば、単一のファイルだけで判断するのは不十分なことが多いです。
  • 適切性(質):証拠が信頼でき、直接的に結論に関連しているか。公的なログや第三者の確認など、信頼度の高い証拠が望まれます。
    身近な例:レストランの衛生点検で「厨房を一度見ただけ」で合格にするのではなく、複数日のチェックリスト・温度記録・従業員インタビューなど複数の証拠を集めて判断する、というイメージです。

FAQ

Q1: 監査人は誰の味方ですか?
A1: 特定の「味方」ではなく、利害に左右されない独立した立場で事実を評価し、関係者に信頼できる情報を提供することが役割です。
Q2: 監査証拠にはどんなものがあるのですか?
A2: ログ、設定ファイル、契約書、業務手順書、実地観察の記録、関係者のインタビュー記録など、結論を支えるあらゆる記録や観察が含まれます。
Q3: 報酬は成果で決めていいですか?
A3: いいえ。報酬を成果や指摘の多さで決めると独立性が損なわれます。監査契約は独立性を保つ形で結ぶべきです。

関連キーワード: 監査、独立性、機密保持、監査証拠、利害対立、委託契約、内部統制、コンプライアンス
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