ITパスポート 2020年 秋期 問63
問題文
記述a~dのうち、クライアントサーバシステムの応答時間を短縮するための施策として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a クライアントとサーバ間の回線を高速化し、データの送受信時間を短くする。
b クライアントの台数を増やして、クライアントの利用待ち時間を短くする。
c クライアントの入力画面で、利用者がデータを入力する時間を短くする。
d サーバを高性能化して、サーバの処理時間を短くする。
選択肢
ア:a, b, c
イ:a, d(正解)
ウ:b, c
エ:c, d
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クライアントサーバの応答時間短縮策【ITパスポート 解説】
正解の理由
まず用語をやさしく整理します。クライアントは「サービスを利用する端末(例:PCやスマホ)」、サーバは「サービスを提供するコンピュータ(データを処理して返す役割)」です。応答時間(response time)は、クライアントが要求(リクエスト)を出してからサーバの応答がクライアントに届くまでの時間を指します。
応答時間は主に次の要素で構成されます。
選択肢を見て、応答時間を直接短くする施策は
- ネットワーク伝送時間を短くすること(回線を高速化する)→ 選択肢 a
- サーバ側の処理時間を短くすること(サーバの性能向上)→ 選択肢 d
これらは上の式の主要な項目を直接減らすため、正しい施策です。したがって、正解の組合せは イ(a と d)になります。
解法ステップ
- 問題文の「応答時間」が何を指すか確認する(ユーザの入力時間ではない点に注意)。
- 応答時間を構成する要素を列挙する(ネットワーク、サーバ処理、待ち時間など)。
- 各選択肢がどの要素に影響するかを考える。
- 応答時間を短くするために直接効果があるものを選ぶ(今回は a と d)。
選択肢別の誤答解説
-
a:クライアントとサーバ間の回線を高速化し、データの送受信時間を短くする。
→ 正しい。ネットワーク伝送時間を短縮し、応答時間を直接減らす。 -
b:クライアントの台数を増やして、クライアントの利用待ち時間を短くする。
→ 誤り。クライアントの台数を増やすことは「利用者の分散」や「端末数の増加」であり、1件のリクエストに対するサーバの応答時間を短くする保証はありません。むしろ同時接続が増えてサーバ負荷が上がり、応答時間が長くなることが多いです。 -
c:クライアントの入力画面で、利用者がデータを入力する時間を短くする。
→ 誤り。これはユーザの操作時間(ヒューマンレイテンシ)を短くする施策であり、問題が求める「システムの応答時間」=リクエストからレスポンスまでの時間とは別物です。応答時間の測定開始は通常「リクエスト送信時」からです。 -
d:サーバを高性能化して、サーバの処理時間を短くする。
→ 正しい。サーバ処理時間が短くなれば、応答時間を直接短縮できる。
よくある誤解
-
「クライアント台数を増やせば速くなる」
→ クライアント台数の増加は同時利用者の増加につながり、サーバ負荷が上がって応答時間が遅くなる場合が多いです。台数を増やすだけでは応答速度向上になりません。 -
「入力を速くすれば応答時間も短くなる」
→ ユーザが入力する時間は応答時間の定義外です。UI改善は体感の快適さを上げますが、システムの応答時間(サーバ応答を待つ時間)とは分けて考えます。
補足コラム
応答時間を短くするその他の代表的な手法(a,d以外で効果的なもの):
- キャッシュ(頻繁に使うデータを一時保存して読み出しを高速化)
- 圧縮(送るデータ量を減らして伝送を速める)
- 負荷分散(ロードバランサーで処理を複数のサーバに分散)
- DBチューニング(索引=インデックスを作るなどで検索処理を速くする)
- 非同期処理(重い処理を背景で行い、即時応答を返す)
用語:
- キャッシュ(よく使うデータを一時保存する仕組み。取り出しが速い)
- 負荷分散(ロードバランサー:複数サーバにリクエストを振り分ける装置・機能)
どれを選ぶかはシステムのボトルネック(遅い原因)がどこにあるかで決めます。測定(ログや監視ツール)で原因を特定しましょう。
FAQ
Q1. 応答時間と待ち時間は同じですか?
A1. ほぼ同じ文脈で使われますが、厳密には「待ち時間」はキューで待つ時間を指すことが多く、「応答時間」はリクエスト送信からレスポンス受信までの総時間です。
A1. ほぼ同じ文脈で使われますが、厳密には「待ち時間」はキューで待つ時間を指すことが多く、「応答時間」はリクエスト送信からレスポンス受信までの総時間です。
Q2. 回線を速くするのとサーバを速くする、どちらが効果的ですか?
A2. システムによります。ネットワーク遅延が原因なら回線、サーバ処理が原因ならサーバ強化が効果的です。まずボトルネック測定を行ってください。
A2. システムによります。ネットワーク遅延が原因なら回線、サーバ処理が原因ならサーバ強化が効果的です。まずボトルネック測定を行ってください。
Q3. ユーザの入力時間を短くするのは意味がないですか?
A3. ユーザ満足度を上げる上では有効です。しかし試験の「応答時間短縮策」という観点では直接の改善策にはなりません。
A3. ユーザ満足度を上げる上では有効です。しかし試験の「応答時間短縮策」という観点では直接の改善策にはなりません。
関連キーワード: クライアントサーバ, 応答時間, ネットワーク遅延, サーバ性能, キャッシュ, 負荷分散, 圧縮, DBチューニング, レイテンシ, スケールアウト

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