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ITパスポート 2020年 秋期 66


問題文

バイオメトリクス認証で利用する身体的特徴に関する次の記述中のa、bに入れる字句の適切な組合せはどれか。バイオメトリクス認証における本人の身体的特徴としては、[ a ]が難しく、[ b ]が小さいものが優れている。
ITパスポート 2020年 秋期  問66の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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バイメトリクス認証の身体的特徴(穴埋め)【ITパスポート 解説】

正解の理由

バイオメトリクス認証(生体認証:指紋や顔など身体的特徴を使って本人かどうかを確認する方法)で優れた特徴とは、「偽造(なりすましのために本物を真似る行為)が難しく、経年変化(年を取ることで身体的特徴が変わること)が小さい」ものです。したがって、今回の正しい組合せは の「a=偽造、b=経年変化」です。
理由を平たく言うと:
  • 偽造が難しい特徴は第三者が不正に使えないため安全性が高い。
  • 経年変化が小さい特徴は、時間が経っても同じ人物として認識されやすく、長期運用に向く。
この2点が合わさっているのが最も「優れた」生体特徴だからです。

解法ステップ

  1. 文の構造を読む: 「aが難しく、bが小さいものが優れている」→ a は「難しい」ことが望ましい、b は「小さい(変化が小さい)」ことが望ましい。
  2. 生体認証で「難しい」ことが望ましい要素を考える:安全性の観点で「偽造(circumvention)が難しい」が当てはまる。
  3. b に入る語として「小さいことが望ましい」ものを考える:時間経過による変化が小さいこと(経年変化が小さい)が望ましい。
  4. 選択肢を照らし合わせる:アは a=偽造、b=経年変化で、上の条件に合致するため正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア(a=偽造、b=経年変化)
    正しい。偽造が難しく、経年変化が小さいことが望ましい。
  • イ(a=偽造、b=個人差)
    誤り。個人差(人ごとに違う特徴の大きさ=識別のしやすさ)は大きいほど良い。設問は b が「小さい」ものが優れていると言っているため合わない。
  • ウ(a=判別、b=経年変化)
    誤り。a に「判別(区別できること)」が入ると「判別が難しいものが良い」となり矛盾します。判別は「容易(区別しやすい)」であるべきです。
  • エ(a=判別、b=個人差)
    誤り。両方とも「判別が難しい/個人差が小さい」が良い、という意味になり、実際の望ましい性質と逆です。判別は容易で、個人差は大きい方が良い。

よくある誤解

  1. 「個人差が小さい方が良い」
    誤解です。個人差(=人と人の違い)は大きいほど識別しやすく、認証精度が上がります。設問では「b が小さいものが優れる」とあるため、b は経年変化のような「変わりにくさ」を指します。
  2. 「判別が難しい(a=判別)は安全である」
    判別が難しいと、同一人物かどうかを区別できず、誤認(本人を拒否したり、他人を本人と認めたり)を招きます。判別能力は高い(=容易)ことが望ましいため、「難しい」は適切ではありません。

補足コラム

生体認証の評価にはいくつかの観点があります。代表的なものを簡単に説明します。
  • ユニバーサル性(Universal):ほとんどの人がその特徴を持っているか。
  • 一意性/個人差(Uniqueness):人ごとにどれだけ差があるか。差が大きいほど良い。
  • 永続性(Permanence):時間経過でどれだけ安定しているか(経年変化が小さいこと)。
  • 収集性(Collectability):測定しやすさ。
  • 受容性(Acceptability):ユーザーが受け入れやすいか。
  • 偽造耐性(Circumvention resistance):偽造がどれだけ難しいか。
例えば、指紋は「偽造耐性は高め」「経年変化は小さい(比較的安定)」ため非常に使われます。顔認証は利便性が高い一方で、経年変化やマスク・メイク・写真による攻撃に弱い場合があります。これらの弱点は、テンプレートの定期更新や多要素認証(パスワード+生体など)で補うことが一般的です。
FAR(False Acceptance Rate:誤って他人を受け入れる確率)や FRR(False Rejection Rate:誤って本人を拒否する確率)といった指標で精度を評価します。偽造が難しく、経年変化が小さい特徴は、通常 FAR を低く、FRR の安定にも寄与します。

FAQ

Q1. 経年変化が大きいと具体的に何が起きますか?
A1. 時間が経つと同じ人物であっても認証システムが「別人」と判断しやすくなり、本人が弾かれる(FRR の増加)ことがあります。顔や声は年齢や体調で変わりやすい例です。
Q2. 個人差と判別は同じ意味ですか?
A2. 似ていますが微妙に違います。個人差は「人と人の特徴の違いの大きさ」で、判別は「システムがそれを区別できる能力」です。個人差が大きければ判別しやすくなる、という関係です。
Q3. 偽造対策としてできることは?
A3. 物理的な防御(センサ性能向上)、多要素認証、利便性とセキュリティのバランスを取る運用(しきい値調整、テンプレート更新)などがあります。
Q4. 最も安全な生体認証はどれですか?
A4. 一概には言えません。目的や運用環境によって適切な方式が変わります。重要なのは「偽造耐性」と「経年安定性」を考慮し、必要なら他の認証手段と組み合わせることです。

関連キーワード: バイオメトリクス認証、生体認証、偽造耐性、経年変化、個人差、識別精度、FAR、FRR
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