ITパスポート 2021年 問47
問題文
システム開発プロジェクトにおいて、成果物として定義された画面・帳票の一覧と、実際に作成された画面・帳票の数を比較して、開発中に生じた差異とその理由を確認するプロジェクトマネジメントの活動はどれか。
選択肢
ア:プロジェクト資源マネジメント
イ:プロジェクトスコープマネジメント(正解)
ウ:プロジェクト調達マネジメント
エ:プロジェクト品質マネジメント
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画面・帳票の一覧と作成数の差異確認の活動はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問は「成果物として定義された画面・帳票の一覧」と「実際に作成された画面・帳票の数」を比較して、差異とその理由を確認する活動を問うています。これは「何がプロジェクトに含まれるか」を管理する作業です。つまり、あらかじめ定義された成果物(deliverables:プロジェクトで作成すべき物や成果)と実際の成果物を突き合わせる活動は、プロジェクトスコープ(scope:範囲)を管理する役割に当たります。
したがってプロジェクトの範囲を定義・確認・変更管理する「プロジェクトスコープマネジメント」が該当します。選択肢の中では イ がこれに該当します。
※用語メモ:WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成)とは、成果物や作業を小さな単位に分けて一覧にする図表のことです。これを基に「何を作るか(スコープ)」を明確にします。
解法ステップ
- 設問のキーワードを探す
- 「成果物として定義された」「一覧」「比較」「差異と理由」→ 「何が作るべきか(範囲)」を扱っていると判断する。
- 各選択肢の役割を簡単に思い出す
- スコープ=範囲・成果物、資源=人・機材・予算、調達=外部発注、品質=出来栄えや基準の適合。
- 範囲(成果物)を扱う選択肢を選ぶ → イ。
- 実務的な流れ(確認手順)
- スコープ定義(成果物一覧/WBS)を用意する。
- 実際に作成された画面・帳票をカウントする。
- 差分を洗い出し、理由(変更依頼、未着手、取り下げ、開発ミスなど)を分類する。
- 必要なら変更管理プロセスで対応(変更承認、スケジュール/コスト修正)。
短い例:予定20画面、実作成18画面→2画面の差異。理由が「変更要求で削除」ならスコープの変更。理由が「作り忘れ」なら対策が必要。
選択肢別の誤答解説
- ア: プロジェクト資源マネジメント
- 資源マネジメントは人・機材・時間・予算など「誰が・何を使って」作業するかを管理します。成果物の数そのものを確認する活動は直接の対象ではありません。
- イ: プロジェクトスコープマネジメント(正しい)
- スコープはプロジェクトで「何を作るか」を定め、作るべき成果物と実際を照合するのが役目です。差異確認と理由の把握はここに該当します。
- ウ: プロジェクト調達マネジメント
- 調達は外部から商品やサービスを購入する管理(契約や納入の管理)です。画面・帳票の作成数を社内で比較すること自体は調達管理ではありません。
- エ: プロジェクト品質マネジメント
- 品質マネジメントは成果物が仕様や品質基準に適合しているかを確認する活動です。「数が合っているか(作成されたか)」より「出来上がりの良し悪し」を見る点が中心です。重なる場面はありますが、設問の主眼は「一覧との比較=スコープ管理」です。
よくある誤解
- 「成果物の数を確認するのは品質管理だ」と誤解する
- 品質管理は出来栄えや基準適合がメインです。数の合致は範囲(スコープ)管理の仕事です。
- 「外注した成果物は調達管理の仕事」と考えがち
- 外注の契約や納入管理は調達に関係しますが、何を作るか(成果物の定義)や一覧との突合せはスコープ側の管理です。調達・スコープは連携しますが別の役割です。
- 「差異が見つかったらすぐ品質不合格と判断する」こと
- 差異の理由は多様です(仕様変更、優先度変更、遅延など)。まず原因を特定し、適切なプロセス(変更管理・スケジュール調整・バグ修正など)で対処します。
補足コラム
- スコープクリープ(scope creep:範囲の無計画な増加)
- プロジェクト中に仕様や成果物が無秩序に増えることを指します。成果物一覧を定期的に確認することは、スコープクリープを早期に発見する有効な手段です。
- 変更管理の流れ(簡略)
- 差異 → 原因分析 → 変更要求(変更管理委員会で承認)→ スコープ/スケジュール/コスト修正 → 関係者へ通知。
- WBSの活用ポイント
- WBS(作業分解構成)は「何を作るか」を見える化します。試験では「一覧」「成果物」「比較」などが出たらWBSを思い出すと良いです。
FAQ
Q1: 画面の数が合っていても品質が悪ければスコープ管理で問題になるか?
A1: 品質問題は基本的に品質マネジメントの管轄です。ただし、品質不良のために再作成が必要であれば、追加作業としてスコープ・スケジュール・コストに影響が出るため、スコープ側で調整が必要になります。
A1: 品質問題は基本的に品質マネジメントの管轄です。ただし、品質不良のために再作成が必要であれば、追加作業としてスコープ・スケジュール・コストに影響が出るため、スコープ側で調整が必要になります。
Q2: 外注で作った画面が未納の場合はどちらの管理?
A2: 納入や契約の側面は調達マネジメント、成果物が予定通り提供されているかの確認はスコープマネジメントの活動です。実務では両者が連携して対応します。
A2: 納入や契約の側面は調達マネジメント、成果物が予定通り提供されているかの確認はスコープマネジメントの活動です。実務では両者が連携して対応します。
Q3: 「一覧」と「作成数」を比較する具体的な記録は何が良い?
A3: 成果物トレーサビリティマトリクス(traceability matrix:要件と実装の対応表)や成果物チェックリスト、WBSを使って管理すると分かりやすいです。
A3: 成果物トレーサビリティマトリクス(traceability matrix:要件と実装の対応表)や成果物チェックリスト、WBSを使って管理すると分かりやすいです。
関連キーワード: プロジェクトマネジメント、スコープ管理、成果物管理、WBS(作業分解構成)、変更管理、スコープクリープ、受入検収、リスク管理、進捗管理

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