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ITパスポート 2023年 38


問題文

システム開発プロジェクトの品質目標を検討するために、複数の類似プロジェクトのプログラムステップ数と不良件数の関係性を示す図として、適切なものはどれか。

選択肢

管理図
散布図(正解)
特性要因図
パレート図

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システム開発の類似プロジェクトの「プログラムステップ数」と「不良件数」の関係を示す図【ITパスポート 解説】

正解の理由

プログラムステップ数と不良件数はどちらも「数値で表される量」です。数値の対(ペア)を並べて、二つの数値の関係(たとえば「ステップ数が増えると不良が増えるか」)を視覚的に確認したいときに適している図は散布図です。したがって正しい選択肢は (散布図)です。
散布図とは、X軸とY軸にそれぞれの数値を取り、各プロジェクトを点でプロットして分布や傾向を見せるグラフです。これにより「相関(そうかん:二つの値がどのように関係しているか)」や外れ値が直感的に分かります。

解法ステップ

  1. 問題で扱うデータの種類を確認する。ここでは「プログラムステップ数(数値)」と「不良件数(数値)」の2つの数値データ。
  2. 「二つの数値データ間の関係性を示す図」を求めていると判断する。
  3. 二変量(2つの変数)の関係を見る代表的な図を思い出す:散布図(相関を見る)、回帰分析も散布図を基にする。
  4. 選択肢の意味を照らし合わせる:
    • 管理図:時系列の安定性を見る
    • 散布図:二変量の関係を見る ←該当
    • 特性要因図:原因を分類して整理する
    • パレート図:要因の寄与度を大小順に並べる
  5. よって散布図()を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 管理図(control chart)
    • 管理図は「時系列で工程が安定しているか」を見るための図です。横軸は時間(工程の順序や検査回)、縦軸は計測値(欠陥数や工程数など)。「時間変化」や「工程の異常検出」が目的で、二つの数値の相関を見る用途には適しません。
  • : 散布図(scatter plot)
    • 二変量の各データ点をXY平面にプロットします。傾向(正の相関・負の相関・無相関)や外れ値が一目で分かる点で本問に最適です。
  • ウ: 特性要因図(特性=effect、要因=cause。Ishikawa diagram / cause-and-effect diagram)
    • 主に「なぜ不良が起きたか」の原因を整理する図です。カテゴリ(人・機械・方法など)ごとに原因を洗い出す用途で、数値の相関を示す図ではありません。
  • エ: パレート図(Pareto chart)
    • 要因ごとの個数や割合を大きい順に並べ、重要な要因を特定するための棒グラフ+累積線。複数の原因の寄与を見るのに向きますが、二つの数値の関係を示すための図ではありません。

よくある誤解

  1. 「管理図で相関が分かる」と思う誤解
    • 管理図は時間変化の異常検出が目的で、二変量の散らばり(相関)を見るものではありません。時間を軸にとらないデータでは意味が薄くなります。
  2. 「散布図で因果(原因と結果)がわかる」と思う誤解
    • 散布図は相関(関係の強さや方向)を示しますが、「どちらが原因でどちらが結果か」は示しません。因果を主張するには実験や追加の分析が必要です。
  3. 「点が近ければ必ず因果関係がある」と考える誤解
    • 点が一直線に近い=強い相関ですが、第三の要因(たとえばプロジェクトの規模やチーム経験)が両方に影響している場合もあります。

補足コラム:散布図の読み方と簡単な指標

  • 傾向の見方
    • 右上がりなら「正の相関」=一方が増えると他方も増える傾向。
    • 右下がりなら「負の相関」=一方が増えると他方が減る傾向。
    • 特に傾向が見えなければ「無相関」。
  • 相関の強さを数値で表すのが相関係数(correlation coefficient)。最も一般的なのはピアソン相関係数 で、 の範囲。
    • :強い正の相関
    • :強い負の相関
    • :相関がほとんどない
  • 回帰直線(最小二乗法)を引くと、概ねどの程度増減するか(傾き)を把握できます。ただし因果関係の証明にはなりません。
例:簡単な散布図を作るPythonコード(参考)
import matplotlib.pyplot as plt

# サンプルデータ:プログラムステップ数と不良件数
steps = [1000, 1500, 2000, 2500, 3000, 3500]
defects = [2, 3, 5, 7, 8, 10]

plt.scatter(steps, defects)
plt.xlabel('プログラムステップ数')
plt.ylabel('不良件数')
plt.title('散布図:ステップ数 vs 不良件数')
plt.grid(True)
plt.show()

FAQ

Q1. 散布図で因果関係はわかりますか?
A1. いいえ。散布図は相関(関係の程度)を示しますが、どちらが原因かは分かりません。因果を確かめるには実験設計や追加データ、統計的手法が必要です。
Q2. データが多いと散布図は見にくくなりますか?
A2. 点が重なると見にくくなる場合があります。透明度(alpha)を下げたり、ヒートマップやバブルチャート、密度プロットを使うと改善します。
Q3. 散布図以外で二変量の関係を示す方法はありますか?
A3. 相関係数や回帰分析(直線でモデル化)などの統計手法があります。可視化では散布図に回帰直線を重ねるのが一般的です。

関連キーワード: 品質管理、散布図、相関、回帰分析、管理図、パレート図、特性要因図、外れ値、相関係数
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