ITパスポート 2026年 問54
問題文
ある組織では過去には全員出社して業務を遂行していたが、現在は出社とテレワークの両方を使い分けて業務を遂行している。この組織において、ファシリティマネジメントの観点で改善を図っている事例として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
選択肢
ア:従業員のPCにインストールされたWeb会議用のソフトウェアを常に最新にし、Web会議における利便性及びセキュリティを向上させる。
イ:執務室のレイアウト変更や大画面のTV会議室の設置を行い、従業員間のコミュニケーションを取りやすくする。
ウ:出社率を踏まえてフリーアドレスエリアの割合を増加し、オフィスを縮小させる。(正解)
エ:短時間勤務や自宅外での業務を可能とする制度を導入し、様々な従業員が業務に参画しやすくする。
🔒 解説は解答すると表示されます
出社とテレワークの併用に関するファシリティマネジメントの改善事例【ITパスポート 解説】
正解の理由
ファシリティマネジメント(施設管理と運用の管理:建物・設備・スペース・環境を企業活動に最適化すること)は、オフィスの床面積や座席配置といった「物理的な施設やスペースの管理」を含みます。選択肢のうち、出社率を踏まえてフリーアドレス(固定席を持たず、空いている席を自由に使う方式)エリアの割合を増やしてオフィスを縮小することは、まさにオフィスの面積最適化と設備利用率向上をねらうファシリティマネジメントの典型的な施策です。したがって、ウが正解です。
解法ステップ
- 「ファシリティマネジメント」の意味を確認する
- 建物・設備・スペース・環境・安全など、物理的な“場所”や“モノ”の最適化を指す。
- 各選択肢が「施設・スペース」「情報システム(IT)」「人事・制度(働き方)」のどれに当たるか分類する。
- 施設・スペースに関係するものを正答候補とする。
- 誤答は「IT管理」や「制度(人事)」に該当するものを除外する。
- ITソフトや勤務制度はファシリティ(施設)の直接的な管理対象ではない。
この手順で選択肢を見れば、施設(オフィス面積や席配置)に直接関係するものだけが該当することが分かります。
選択肢別の誤答解説
- ア: 従業員のPCにインストールされたWeb会議用のソフトウェアを常に最新にし、Web会議における利便性及びセキュリティを向上させる。
- 理由:ソフトウェアの更新は「情報システム管理(IT管理)」の領域です。ファシリティマネジメントは建物や机、会議室など物理的な設備の管理が中心であり、ソフトのバージョン管理自体は該当しません。
- イ: 執務室のレイアウト変更や大画面のTV会議室の設置を行い、従業員間のコミュニケーションを取りやすくする。
- 理由:執務室のレイアウト変更は一見ファシリティの範囲に見えますが、この選択肢は「コミュニケーション向上」を目的としており、特に大画面TV(AV機器)の設置は情報伝達のためのICT(情報通信技術)投資に近く、設問が想定する“ファシリティマネジメントによる改善”の代表例(スペース最適化・面積削減)とは目的がずれます。試験文脈では、物理スペースの最適化(オフィス縮小など)を重視するため、ここは正答に含めません。
- ウ: 出社率を踏まえてフリーアドレスエリアの割合を増加し、オフィスを縮小させる。
- 理由:出社率( occupancy )を基に座席数やレイアウトを見直し、無駄な床面積を減らすことはファシリティマネジメントの代表的施策です。設備やスペースの有効利用、コスト削減、安全確保と直接結びつきます。
- エ: 短時間勤務や自宅外での業務を可能とする制度を導入し、様々な従業員が業務に参画しやすくする。
- 理由:これは働き方制度(人事政策)であり、組織の制度設計や労務管理の範囲です。ファシリティマネジメントは制度変更そのものを扱うわけではありません。
よくある誤解
- 「IT機器やAVもファシリティの範囲だ」
- 一部重なる点はありますが、ソフトウェア更新や情報セキュリティ管理は基本的に情報システム部門の担当です。ファシリティは主に空間・建物・設備の管理を指します。
- 「働き方の制度変更(短時間勤務など)=ファシリティ改善」
- 制度は働き方の枠組みであり、オフィスの物理的な在り方とは別の領域です。制度に合わせてオフィスを変えるのはFMですが、制度そのものは人事/総務の仕事です。
- 「レイアウト変更=必ず正解」
- レイアウト変更が“なぜ”行われるかが重要です。単にコミュニケーション向上のためのICT導入を含むレイアウト変更は、試験文脈では必ずしもファシリティマネジメントの典型例とは言えません。
補足コラム
- ファシリティマネジメントの主な目的:安全性の確保、コスト最適化(維持費・光熱費・賃料)、業務効率向上、快適な作業環境の提供。
- フリーアドレス(英語: free address)は「固定席を持たない働き方」。出社が分散している場合、個人の固定席を減らすことでオフィス面積を削減できます。ただし、収納や個人情報管理、集中スペースの確保など運用面の配慮が必要です。
- 判断のコツ:その施策が「物理空間や設備の配置・量・管理」を直接変えるかどうかで、ファシリティ的かを見分けると良いです。
FAQ
Q1. ファシリティマネジメントはICT機器の管理を全く含まないのですか?
A1. 完全に無関係ではありません。建物に固定された設備(入退室管理システムや空調制御など)や会議室の物理的な機器配置はFMで扱われることがありますが、個々のPCソフトの更新やネットワークの運用は情報システムの領域です。
A1. 完全に無関係ではありません。建物に固定された設備(入退室管理システムや空調制御など)や会議室の物理的な機器配置はFMで扱われることがありますが、個々のPCソフトの更新やネットワークの運用は情報システムの領域です。
Q2. フリーアドレスにするとコストは必ず下がりますか?
A2. 一般に座席数を減らせば賃料などのコスト削減につながります。ただし、集中スペースやロッカー、清掃、感染症対策などの追加コストや運用ルール作りも必要です。総合的な評価が重要です。
A2. 一般に座席数を減らせば賃料などのコスト削減につながります。ただし、集中スペースやロッカー、清掃、感染症対策などの追加コストや運用ルール作りも必要です。総合的な評価が重要です。
Q3. オフィスのレイアウト変更は誰が決めるべきですか?
A3. ファシリティ担当(総務や資産管理)と、利用者(部署)の双方で協議して決めるのが一般的です。リモートワークの状況を把握するために出社率データを活用すると説得力があります。
A3. ファシリティ担当(総務や資産管理)と、利用者(部署)の双方で協議して決めるのが一般的です。リモートワークの状況を把握するために出社率データを活用すると説得力があります。
関連キーワード: ファシリティマネジメント、フリーアドレス、オフィス最適化、出社率、働き方改革

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

