ITサービスマネージャ 2010年 午前2 問25
問題文
製造業者の責任に関して、製造物責任法(PL法)に定められているものはどれか。
選択肢
ア:顧客の財産に関する損害については、製造業者は製造物を顧客に引き渡した時から永久に損害賠償責任を負う。
イ:製造物の欠陥原因が部品メーカの製造した部品であった場合、完成品メーカの設計どおりに製造し納品した部品であっても、部品メーカに損害賠償責任がある。
ウ:製造物を顧客に引き渡した時における科学又は技術水準では発見できない内容の欠陥であれば、その製造業者の損害賠償責任は問われない。(正解)
エ:製造物を輸入して販売している販売業者は、製造業者ではないので、その製造物によって顧客が財産上の損害を被っても、損害賠償責任は問われない。
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製造物責任法の責任と免責【午前2解説】
正解の理由
正しいのはウです。
製造物責任法(PL法)には、製造業者等が製造物を引き渡した時点の科学・技術の知見では、その製造物に欠陥があることを認識できなかった場合に、損害賠償責任を免れることができる規定があります。これは「開発危険の抗弁」と呼ばれます。
したがって、引渡し時点の科学・技術水準では発見できなかった欠陥について、製造業者の責任が問われない場合がある、というウの説明が適切です。
解法ステップ
- PL法の責任主体には、製造業者だけでなく、輸入業者なども含まれることを確認します。
- PL法には、欠陥が引渡し時点の科学・技術の知見では認識できなかった場合の免責規定があることを思い出します。
- 「永久に責任を負う」「部品メーカーが必ず責任を負う」「輸入販売業者は責任を負わない」といった断定が正しいかを確認します。
- 開発危険の抗弁を説明しているウを選びます。
選択肢別の誤答解説
-
ア:誤りです。
PL法上の損害賠償請求には期間制限があり、製造物を引き渡した時から永久に責任を負うわけではありません。請求できる期間は、損害や製造業者等を知った時からの期間や、製造物の引渡しからの期間などによって定められています。 -
イ:誤りです。
部品に欠陥があった場合でも、部品メーカーが必ず責任を負うとは限りません。完成品メーカーの設計に関する指示に従って部品を製造し、その欠陥がその指示によって生じた場合などには、部品メーカーが責任を免れることがあります。 -
ウ:正しいです。
引渡し時点の科学・技術の知見では欠陥を認識できなかった場合、製造業者等が責任を免れることがあります。これが開発危険の抗弁です。 -
エ:誤りです。
事業として製造物を輸入した者は、PL法上の製造業者等に含まれます。そのため、「製造業者ではないので損害賠償責任を問われない」とは限りません。
よくある誤解
-
欠陥があれば、製造業者は必ず責任を負うと思い込むこと
開発危険の抗弁など、製造業者等が責任を免れる場合があります。 -
製造物責任は製造した会社だけに適用されると思うこと
PL法では、事業として製造物を輸入した者も責任主体に含まれます。 -
部品メーカーは、部品に欠陥があれば必ず責任を負うと思うこと
欠陥の原因や設計指示との関係によって、責任の有無が異なります。
補足コラム
PL法は、製造物の欠陥によって人の生命・身体や、製造物以外の財産に損害が生じた場合の損害賠償責任を定めています。製造物そのものの損害だけの場合は、原則としてPL法の対象ではなく、契約上の責任などが問題になります。
試験では、「開発危険の抗弁」「輸入業者も責任主体」「責任には期間制限がある」という点を押さえておくと、選択肢を判断しやすくなります。
FAQ
Q. 開発危険の抗弁は、製造業者が主張すれば必ず認められますか。
A. いいえ。引渡し時点の科学・技術の知見では欠陥を認識できなかったことなど、法律上の要件を満たす必要があります。
A. いいえ。引渡し時点の科学・技術の知見では欠陥を認識できなかったことなど、法律上の要件を満たす必要があります。
Q. PL法では、製品を販売した店も必ず責任を負いますか。
A. 一般の販売業者が常にPL法上の製造業者等になるわけではありません。一方、事業として製造物を輸入した者は、製造業者等に含まれます。
A. 一般の販売業者が常にPL法上の製造業者等になるわけではありません。一方、事業として製造物を輸入した者は、製造業者等に含まれます。
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