ITストラテジスト 2016年 午前2 問01
問題文
エンタープライズアーキテクチャ(EA)のビジネスアーキテクチャで機能情報関図(DFD)を作成する目的はどれか。
選択肢
ア:業務・システムの機能と情報の流れを明確にする。(正解)
イ:業務・システムの目的・機能、情報システムの管理・運用体制を明確にする。
ウ:情報システム間でやり取りされる情報の種類と方向を明確にする。
エ:物理的なデータ構造を明確にする。
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機能情報関図(DFD)【午前2解説】
正解の理由
EAのビジネスアーキテクチャで機能情報関図(DFD)を作成する主目的は、業務やシステムがどのような機能(プロセス)を持ち、それらの間でどのように情報が流れるかを論理的に可視化することです。したがって、選択肢の中では ア「業務・システムの機能と情報の流れを明確にする。」が目的に最も合致します。DFDはプロセス(機能)、データフロー(情報の流れ)、データストア、外部エンティティといった要素で構成され、業務機能と情報のやり取りの関係性を示すため、ビジネスアーキテクチャの論理設計や要件整理に適しています。
(補足歴史)DFDは1970年代にトム・デマルコやエドワード・ユアドンらによって普及し、ラリー・コンスタンティンらも構造化設計の概念で関連の貢献があります。
解法ステップ
- DFD(Data Flow Diagram)の定義を思い出す:プロセス(機能)とデータの流れを表現する図であることを確認する。
- 問題文の文脈(EAのビジネスアーキテクチャ)を確認する:論理的な業務機能や情報フローの整理が目的である点を把握。
- 各選択肢をDFDの定義と照合する:DFDが表現するもの(機能+情報フロー)と一致する選択肢を選ぶ。
- 不適切な選択肢を論理的に除外する(物理構造や運用体制、データ種類の詳細などは別の図や資料で扱う)。
この流れで、自然に ア が正答であると判断できます。
選択肢別の誤答解説
- ア:正答。業務・システムの機能(プロセス)と、それらを接続する情報の流れを論理的に示すのがDFDの核心目的です。EAのビジネスアーキテクチャでは、業務の境界や情報の流れを整理してシステム要件や統合ポイントを明らかにします。
- イ:業務・システムの目的や運用・管理体制まで含めるのはDFDの主要目的ではありません。組織構造や運用ルール、ガバナンスは組織図や運用設計書、ガバナンスモデルの範疇です。DFDは運用体制や管理責任を詳細に表現しません。
- ウ:情報の「種類と方向」を明示する点は一部合致しますが、DFDは主に「どの機能がどの情報をやり取りするか(機能と流れ)」を示すため、単にシステム間の情報種別・方向だけを扱うものではありません。情報の構造(フィールド名やデータ型)やメッセージ仕様などはデータ辞書やAPI仕様、ER図が担います。
- エ:物理的なデータ構造(テーブル設計・スキーマ等)はDFDの対象外で、ER図やデータベース設計で扱います。DFDは論理的なデータフローと機能(プロセス)に焦点があります。
よくある誤解
- DFDとER図を混同する:DFDは「プロセスとデータの流れ」を示す。ER図は「データの構造(エンティティとリレーション)」を示す。目的が異なるため使い分けが必要です。
- DFDが実行順序やタイミングを示すと誤解する:DFDは順序や制御の流れ(時系列)を詳細に表現しない。シーケンスや制御はUMLのシーケンス図やBPMNのフローで扱う。
- DFDが物理実装の詳細を示すと考える:DFDは論理設計(業務視点)であり、物理的なサーバ配置やDBスキーマなどは含まない。
補足コラム
- DFDの基本記号:プロセス(丸や四角で表現)、データフロー(矢印)、データストア(2本線や開いた箱)、外部エンティティ(外部の四角)。
- レベル分解:コンテキスト図(レベル0)→ レベル1、レベル2… と詳細化していく。EAでは過度な詳細化を避け、業務の境界やシステム間インターフェースが分かるレベル(通常レベル0〜1)で作ることが多い。
- EAでの活用例:DFDは業務の能力マップやアプリケーションアーキテクチャと連携し、どのシステムがどの業務機能を担うか、どの情報がどこで発生・保持されるかを整理する際に有効です。DFDで可視化した情報を基に、API設計やデータガバナンス方針を定めることができます。
FAQ
Q1: DFDは誰が作るべきですか?
A1: ビジネスアナリストや業務設計者、システムアーキテクトが協働して作成します。業務知識を持つ担当者と技術者の共通理解を作ることが目的です。
A1: ビジネスアナリストや業務設計者、システムアーキテクトが協働して作成します。業務知識を持つ担当者と技術者の共通理解を作ることが目的です。
Q2: DFDとBPMN(業務フロー図)はどちらを使うべきですか?
A2: 目的で使い分けます。業務プロセスの手順とイベントを詳細に表現したいならBPMN、業務機能と情報のやり取り・システムとの接点を整理したいならDFDが適しています。両者を併用するケースも多いです。
A2: 目的で使い分けます。業務プロセスの手順とイベントを詳細に表現したいならBPMN、業務機能と情報のやり取り・システムとの接点を整理したいならDFDが適しています。両者を併用するケースも多いです。
Q3: DFDの粒度はどの程度が適切ですか?
A3: EA目的では、システム間インターフェースや主要な業務プロセスが明確になる程度(通常はコンテキスト図±1レベル)に留め、詳細な実装ログやフィールドレベルの仕様は別資料で管理するのが実務的です。
A3: EA目的では、システム間インターフェースや主要な業務プロセスが明確になる程度(通常はコンテキスト図±1レベル)に留め、詳細な実装ログやフィールドレベルの仕様は別資料で管理するのが実務的です。
関連キーワード: エンタープライズアーキテクチャ、DFD、機能情報関図、データフロー図、業務プロセス分析、コンテキスト図、レベル分解、データストア、ラリー・コンスタンティン、エドワード・ユアドン、トム・デマルコ

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