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ITストラテジスト試験 過去問・解説一覧
年度・セッション別のITストラテジスト試験過去問題集
ITストラテジスト試験の過去問演習について
本ページではITストラテジスト試験の過去問を年度・セッション別に計434問収録しています。ITストラテジスト試験は過去問演習が合格への最短ルートです。年度別・セッション別の問題リストから自由に問題を選び、解答・解説を確認できます。
スマートフォンにも最適化されているため、通勤・通学などのスキマ時間学習にも活用してください。ITストラテジスト試験の試験概要・出題形式・難易度・合格率の推移は、このページ下部にまとめて掲載しています。
ITストラテジスト試験とは(試験概要)
ITストラテジスト試験(ST)は、経営戦略を踏まえた IT 戦略の策定と実行をリードし、DX・事業革新・投資効果評価まで統括できるレベル4の国家試験。シラバス Ver.4.2 では、業種別事業特性を踏まえた事業戦略策定、IT 活用によるビジネスモデル企画、全体システム化計画・調達・実行管理・効果評価といった CIO/CDO クラスの実践力が求められる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分 | ST |
| レベル | レベル4 |
| 実施方式 | CBT方式(令和8年度〜) |
| 実施時期 | 前期(2026年11月頃)※年1回 |
| 試験科目 | 科目A-1 / 科目A-2 / 科目B-1 / 科目B-2(旧:午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ/午後Ⅱ) |
| 公式情報 | IPA公式ページ |
| シラバス | シラバス Ver.4.2(2023-12 公開) |
特徴・概要
- 業種固有の事業環境と経営戦略を分析し、IT を活用した事業戦略・DX 戦略を策定する。
- IT を活用した新ビジネスモデル企画、業務革新企画、アウトソーシング/アライアンス戦略を立案・評価する。
- 情報システム戦略・全体システム化計画を策定し、EA・IT ガバナンス・BCP・IT 全般統制を整備する。
- RFI/RFP 作成、提案評価・契約、プロジェクト推進体制整備、効果測定・フィードバックまでを統括する。
試験の形式・出題構成・採点方式
ITストラテジスト試験(ST)は、令和8年度(2026年度)試験からCBT(Computer Based Testing)方式へ移行し、従来の「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」がそれぞれ「科目A-1・科目A-2・科目B-1・科目B-2」へ名称変更されました。出題形式・出題数・試験時間は従来から変更ありません。
| 試験科目 | 旧名称 | 時間 | 出題形式・構成 |
|---|---|---|---|
| 科目A-1 | 午前Ⅰ | 50分 | 多肢選択式(四肢択一)30問。情報技術の共通知識。一定条件で免除可 |
| 科目A-2 | 午前Ⅱ | 40分 | 多肢選択式(四肢択一)25問。経営戦略・IT戦略分野の専門知識 |
| 科目B-1 | 午後Ⅰ | 90分 | 記述式。3問出題・2問選択 |
| 科目B-2 | 午後Ⅱ | 120分 | 論述式(論文)。2問出題・1問選択。IT戦略・DX推進事例など |
採点・合格基準: 科目A-1・科目A-2・科目B-1はいずれも100点満点で60点以上が基準点。科目B-2(論述式)は評価ランクA〜DのうちランクAのみ合格。科目A-1→A-2→B-1→B-2の順に採点され、いずれかが基準を満たさないと、その時点で不合格(以降は採点されない)。
科目A-1免除制度: 応用情報技術者試験の合格者や、過去2年以内に高度試験・支援士試験の科目A-1(旧午前Ⅰ)で基準点を満たした受験者などは、申請により科目A-1が免除されます。
実施時期・受験機会: 令和8年度は前期(2026年11月頃)の年1回実施予定。CBT化により、受験者が試験期間内で日時・会場を選んで受験します。最新の日程・申込方法はIPA公式で必ず確認してください。
出題範囲とサンプル問題(学習テーマ別)
ITストラテジスト試験の出題範囲を、情報処理推進機構(IPA)が公表する公式シラバス(Ver.4.2)を読み解いたうえで、戦国IT独自の切り口で学習テーマ別に整理しました。そのため、IPA公式の分野区分とは、分類のまとめ方や名称が一部異なります(公式の正式な分野構成はIPAのシラバスでご確認ください)。各テーマで何が問われるかと、実際に出題された過去問(午前)を1問ずつ紹介します。
本セクションで扱う学習テーマは全14テーマです。
- 経営要求・事業環境分析
- 事業戦略策定
- ビジネスモデル・DX・業務革新
- 先端IT動向(AI・IoT・クラウド)
- 実現可能性評価・投資効果/予算見積
- 情報システム戦略
- 全体システム化計画・EA/アーキテクチャ
- 個別システム化構想・計画(要件・方式)
- 調達・アウトソーシング(RFI/RFP・契約)
- ITガバナンス・標準化・内部統制
- リスクマネジメント・BCP/災害対応
- 実行管理・評価(KPI/KGI・BSC・PDCA)
- システム活用促進(データ活用・人材)
- 横断・複合領域
経営要求・事業環境分析
このテーマで問われること
経営が求める成果(経営要求)を起点に、事業環境・競争状況・市場変化などを調査分析し、事業の現状と打ち手の余地を整理する分野である。現場の症状ではなく構造的な課題として抽出し、原因と影響範囲、優先度、制約条件を明確化する。分析結果を踏まえ、IT活用のテーマ設定や投資判断につながる論理(根拠→示唆→課題)を組み立て、説明可能な形で合意形成へ導く力が問われる。
出題の焦点
- 経営要求の具体化(目的・期待効果・制約)
- 外部/内部環境分析(市場・競合・自社資源)
- 課題の構造化(原因分析と優先順位)
- ステークホルダ要求の整理と衝突解消
- 分析結果から示唆を導くストーリー構成
問題 ― 平成26年午前2 問10
消費者市場のセグメンテーション変数のうち、行動的変数はどれか。
- ア:社会階層.ライフスタイル
- イ:使用頻度、ロイヤルティ
- ウ:都市規模、人口密度
- エ:年齢、職業
正解と解説
正解:イ
- 結論:行動的変数は「使用頻度」「ロイヤルティ」など消費者の行動パターンに基づく指標です。
- 根拠:行動的変数は消費者の購買行動や製品利用状況に着目し、マーケティング戦略の効果的なターゲティングに役立ちます。
- 差がつくポイント:社会階層や年齢などの人口統計的変数と混同せず、消費者の具体的な行動に注目することが重要です。
事業戦略策定
このテーマで問われること
経営方針に沿って、どの市場・顧客に何を提供し、どのように競争優位を築くかを設計する分野である。成長・収益性・リスクのバランスを取りながら、戦略目標、重点施策、実行ロードマップを定義し、ITはその実現手段として位置付ける。試験では、戦略の一貫性(目的―施策―KPI)、差別化要因の説明、実行に必要な体制や意思決定、投資規模の妥当性を、文章で説得力ある形にまとめる能力が問われる。
出題の焦点
- 戦略目標と施策の整合(Why/What/How)
- ターゲット顧客・提供価値・差別化の明確化
- 収益・コスト構造を意識した打ち手の設計
- 実行ロードマップと優先順位付け
- 戦略とIT活用テーマの結び付け
問題 ― 平成26年午前2 問17
TOC(Theory of Constraints)の特徴はどれか。
- ア:個々の工程を個別に最適化することによって、生産工程全体を最適化する。
- イ:市場の需要が供給能力を下回っている場合に有効な理論である。
- ウ:スループット(=売上高-資材費)の増大を最重要視する。
- エ:生産プロセス改善のための総投資額を制約条件として確立された理論である。
正解と解説
正解:ウ
- 結論:TOCはスループットの増大を最重要視し、全体最適化を目指す理論です。
- 根拠:TOCはボトルネック(制約条件)を特定し、その制約を最大限活用することで全体のパフォーマンスを向上させます。
- 差がつくポイント:個別最適化ではなく、制約に注目した全体最適化である点を理解することが重要です。
ビジネスモデル・DX・業務革新
このテーマで問われること
ITを梃子に、価値提供の仕組み(顧客接点、提供チャネル、収益化、パートナー連携)を再設計し、製品・サービスの付加価値を高める分野である。DXとして、データ・デジタル技術を前提に業務を再定義し、顧客体験や業務生産性の向上を狙う。試験では、現行の業務・サービスのどこに課題があり、どのデジタル施策で価値を出すかを、業務改革の観点(プロセス・組織・ルール)と一体で提案できるかが問われる。
出題の焦点
- ビジネスモデル要素(価値・収益・チャネル)の設計
- DX施策と業務革新のつながり
- 顧客価値(CX)向上の論点整理
- To-Be業務像の描写と実現ステップ
- 新サービス提案の効果指標設計
問題 ― 平成28年午前2 問2
SCOR(Supply Chain Operations Reference model)で定義しているSCMに関する実行プロセスのうち、自社にとってのSourceに当たるものはどれか。
- ア:資材などの購入
- イ:受注と納入
- ウ:納入後に発生する作業
- エ:プロダクトの生産、サービスの実施
正解と解説
正解:ア
- 結論:Sourceは資材や部品の調達・購入に関わるプロセスを指します。
- 根拠:SCORモデルはサプライチェーンの主要プロセスをPlan、Source、Make、Deliver、Returnに分類し、Sourceは調達活動に特化しています。
- 差がつくポイント:Sourceは単なる購入ではなく、調達先の選定や契約管理も含むため、調達全体の流れを理解することが重要です。
先端IT動向(AI・IoT・クラウド)
このテーマで問われること
AI、IoT、クラウド、データ基盤などの技術動向を把握し、事業・業務課題への適用可能性を評価する分野である。単なる用語知識ではなく、技術特性(スケーラビリティ、コスト構造、運用責任、セキュリティ、データ要件)を踏まえ、どの領域に適用すべきか、適用時の制約や前提(データ品質、ガバナンス、スキル)を整理する。試験では、技術選定の理由を事業価値・リスク・運用まで含めて説明できることが重要になる。
出題の焦点
- クラウドの責任分界とコスト最適化
- AI適用の前提(データ・精度・説明可能性)
- IoT活用のアーキテクチャ(収集・蓄積・分析)
- 技術選定の評価軸(性能・拡張性・運用性)
- 先端IT導入時のリスクと統制
問題 ― 平成28年午前2 問3
レコメンデーション(お勧め商品の提案)の例のうち、協調フィルタリングを用いたものはどれか。
- ア:カテゴリ別に売れ筋商品のランキングを自動抽出し、リアルタイムで売れ筋情報を発信する。
- イ:顧客情報から、年齢、性別などの人口動態変数を用い、“20代男性"、“30代女性"などにセグメント化した上で、各セグメント向けの商品を提示する。
- ウ:顧客同士の購買行動の類似性を相関分析などによって求め、顧客Aに類似した顧客Bが購入している商品を顧客Aに勧める。
- エ:野球のバットを購入した人に野球のボールを勧めるなどあらかじめ用意されたルールに基づいて、関連商品を提示する。
正解と解説
正解:ウ
- 結論:協調フィルタリングは顧客同士の購買行動の類似性を分析し、似た顧客の購入商品を推薦する手法です。
- 根拠:顧客の行動データを基に相関分析などで類似度を算出し、個別に最適な商品を提案します。
- 差がつくポイント:単純な売れ筋ランキングや属性セグメントではなく、顧客間の行動パターンの類似性に着目している点が特徴です。
実現可能性評価・投資効果/予算見積
このテーマで問われること
戦略や施策を実行可能な計画へ落とし込むために、手段の選択肢比較、実現可能性の検討、投資対効果評価、概算予算の算出を行う分野である。技術・体制・期間・法規制・運用負荷などの制約を整理し、想定リスクを踏まえて成立性を示す。効果は売上拡大・コスト削減だけでなく、リードタイム短縮や品質向上なども含めて定量/定性で組み立てる。試験では、評価手順と根拠、前提条件、感度分析的な視点が問われる。
出題の焦点
- ソリューション選択の比較(メリデメ・前提)
- 実現可能性(体制・技術・期間・運用)の確認
- 投資効果算定(ROI/NPV、定性効果の扱い)
- 概算予算と見積根拠(工数・ライセンス・運用費)
- 評価結果の意思決定資料化(前提・リスク込み)
問題 ― 平成29年午前2 問4
IT投資効果の評価に用いられる手法のうち、ROIによるものはどれか
- ア:一定期間のキャッシュフローを、将来発生するものは割引率を設定して現在価値に換算した上で、キャッシュフローの合計値を求め、その大小で評価する。
- イ:キャッシュフロー上で初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかによって評価する
- ウ:金銭価値の時間的変化を考慮して、現在価値に換算されたキャッシュフローの一定期間の合計値がゼロとなるような割引率を求め、その大小で評価する。
- エ:投資額を分母に、投資による収益を分子とした比率を算出し、その大小で評価する。
正解と解説
正解:エ
- 結論:ROIは「投資額に対する収益の割合」を示す指標で、投資効率を評価する際に用います。
- 根拠:ROIは投資収益率を計算し、投資額に対してどれだけ利益が得られたかを比率で示すため、投資効果の比較に適しています。
- 差がつくポイント:割引率を用いた現在価値計算や回収期間法と異なり、ROIは単純な比率計算で投資効率を評価する点が特徴です。
情報システム戦略
このテーマで問われること
事業戦略を実現するために、対象業務の範囲を定め、現行業務・現行システムを調査分析した上で、将来業務像(業務モデル)と情報システム全体の基本戦略を定義する分野である。開発課題を抽出し優先順位を付け、投資の筋道を示しながら、戦略文書として策定し承認を得るまでを扱う。試験では、業務とシステムの関係を整理し、全体最適の視点で施策を体系化できるか、また合意形成に必要な論点(効果・コスト・リスク)を押さえられるかが問われる。
出題の焦点
- 対象業務のスコープ設定と現状分析(As-Is)
- 将来業務像(To-Be)と業務モデル定義
- 情報システム全体体系(アプリ/データ/基盤)の設計
- 開発課題の抽出と優先順位付け
- 戦略策定・承認プロセス(合意形成・説明責任)
問題 ― 平成28年午前2 問16
XBRLを説明したものはどれか。
- ア:企業内又は企業間で使用される複数の業務システムを連携させることであり、データやビジネスプロセスの効率的な統合が可能となる。
- イ:小売店の端末からネットワーク経由で発注を行うことによって、迅速かつ正確な発注作業が実現でき、リードタイムの短縮や受発注業務の効率向上が可能となる。
- ウ:財務報告用の情報の作成・流通・利用ができるように標準化した言語であり、適用業務パッケージやプラットフォームに依存せずに財務情報の利用が可能となる。
- エ:通信プロトコルやデータフォーマットの標準的な規約を定めることによって、企業間での受発注、決済、入出荷などの情報の電子的な交換が可能となる。
正解と解説
正解:ウ
- 結論:XBRLは財務報告情報を標準化し、システムやプラットフォームに依存せず利用可能にする言語です。
- 根拠:財務情報の作成・流通・利用を効率化するために設計されたXMLベースの標準仕様であるためです。
- 差がつくポイント:XBRLは財務報告に特化した標準言語であり、業務システム連携や発注システムとは異なる点を理解しましょう。
全体システム化計画・EA/アーキテクチャ
このテーマで問われること
企業全体のシステムを中長期でどう整備・更改していくかを、EAやアーキテクチャの考え方で整理し、基盤構成方針・ソリューション適用方針・ロードマップ・年度計画へ展開する分野である。共通基盤や連携方式、データ配置、標準技術の採用方針などを示し、個別案件が全体最適に沿うようガイドする。試験では、将来像と移行ステップ、投資の段階化、体制・推進の仕組みまで含め、全社横断で破綻しない計画として説明できる力が問われる。
出題の焦点
- アーキテクチャ方針(共通基盤・連携・データ)
- 中長期ロードマップと移行計画(段階導入)
- ソリューション適用方針(標準採用・例外管理)
- 年度計画への落とし込み(優先順位・依存関係)
- 推進体制と意思決定(承認・統制の設計)
問題 ― 平成30年午前2 問2
SOAの説明はどれか。
- ア:会計、人事、製造、購買、在庫管理、販売などの企業の業務プロセスを一元管理することによって、業務の効率化や経営資源の全体最適を図る手法
- イ:企業の業務プロセス、システム化要求などのニーズと、ソフトウェアパッケージの機能性がどれだけ適合し、どれだけかい離しているかを分析する手法
- ウ:業務プロセスの問題点を洗い出して、目標設定、実行、チェック、修正行動のマネジメントサイクルを適用し、継続的な改善を図る手法
- エ:利用者の視点から業務システムの機能を幾つかの独立した部品に分けることによって、業務プロセスとの対応付けや他ソフトウェアとの連携を容易にする手法
正解と解説
正解:エ
- 結論:SOAは業務システムの機能を独立した部品(サービス)に分割し連携を容易にする手法です。
- 根拠:SOAは「サービス指向アーキテクチャ」の略で、システムをサービス単位で設計し再利用性や柔軟性を高めます。
- 差がつくポイント:単なる業務プロセス管理や改善手法と混同せず、システムの構造的な分割と連携に着目することが重要です。
個別システム化構想・計画(要件・方式)
このテーマで問われること
全体方針の下で、特定業務領域の個別システムを構想し、要件・方式・計画として具体化する分野である。基本要件と対象業務を確認し、課題を定義して業務モデル/プロセスを設計する。機能要件と非機能要件(サービスレベル、品質方針)を整理し、方式(アーキ、運用、連携)や選定方針、開発スケジュール、推進体制まで一貫した計画書にまとめて承認を得る。試験では、要件の抜け漏れ防止と実行可能な計画の筋の良さが問われる。
出題の焦点
- 課題定義から要件への落とし込み(要求分析)
- 業務モデル/業務プロセス設計(To-Be)
- 機能要件と非機能要件(SLA・品質)の整理
- 方式設計(構成・連携・運用)と選定方針
- スケジュール・体制・承認資料の作り方
問題 ― 平成21年午前2 問8
システムの機能要件を定義する上で、前提となる要件定義作業はどれか。
- ア:対象業務の業務モデルから業務機能を支援するシステム化機能を整理し、その実現のために必要なシステム方式を策定する。
- イ:対象業務の具体的な業務上の問題点を分析し、解決方向を明確化するとともに、システムを用いて実現すべき有課題を定義する。
- ウ:利害関係者からのニーズを整理し、新しい業務の在り方や運用をまとめた上で、業務上実現すべき要件を明らかにする。
- エ:利害関係者要件のシステム要求が技術的に実現可能であるかを検証し、システム設計が可能な技術要件に変換する。
正解と解説
正解:ウ
- 結論:システムの機能要件を定義する前提としては、利害関係者のニーズを整理し業務上の実現すべき要件を明確にする作業が必要です。
- 根拠:機能要件は業務要件を基に具体化されるため、まず業務の在り方や運用を整理し、実現すべき業務要件を固めることが重要です。
- 差がつくポイント:業務要件とシステム要件の違いを理解し、利害関係者のニーズを業務要件に落とし込む段階が「前提の要件定義」である点を押さえましょう。
調達・アウトソーシング(RFI/RFP・契約)
このテーマで問われること
自社開発か外部委託かを含めたアウトソーシング方針を定め、調達仕様書(RFP等)を作成し、調達手続きと供給者選定を行う分野である。要求事項(機能・非機能・運用・移行・体制)を契約可能な形に明確化し、評価基準(価格、技術力、実績、体制、SLA)に基づいて比較する。試験では、調達プロセスの妥当性、責任分界、契約・検収・変更管理の論点を押さえ、リスクを抑えた調達計画を説明できることが重要となる。
出題の焦点
- アウトソーシング判断(委託範囲・責任分界)
- RFP/調達仕様書の要点(要求・前提・制約)
- 供給者評価・選定(評価軸と重み付け)
- 契約条件(SLA、変更、知財、セキュリティ)
- 調達リスク(ベンダロックイン、品質、コスト)
問題 ― 平成28年午前2 問23
ソフトウェア開発を下請事業者に委託する場合、下請代金支払遅延等防止法に照らして、禁止されている行為はどれか。
- ア:継続的な取引が行われているので、支払条件、支払期日等を記載した書面をあらかじめ交付し、個々の発注書面にはその事項の記載を省略する。
- イ:顧客が求める仕様が確定していなかったので、発注の際に、下請事業者に仕様が未記載の書面を交付し、仕様が確定した時点では、内容を書面ではなく口頭で伝えた。
- ウ:顧客の都合で、仕様変更の必要が生じたので、下請事業者と協議の上、発生する費用の増加分を下請代金に加算することで仕様変更に応じてもらう。
- エ:振込手数料を下請事業者が負担する旨を発注前に書面で合意したので、親事業者が負担した実費の範囲内で振込手数料を差し引いて下請代金を支払う。
正解と解説
正解:イ
- 結論:仕様未確定の発注書面に仕様未記載で、確定後も口頭伝達のみは法で禁止されています。
- 根拠:下請代金支払遅延等防止法は書面交付義務を定め、重要事項は書面で明示しなければなりません。
- 差がつくポイント:仕様変更や支払条件は必ず書面で通知し、口頭のみの伝達は違法となる点を押さえましょう。
ITガバナンス・標準化・内部統制
このテーマで問われること
全社でITを適切に統制し、品質と効率を両立させるために、標準や品質統制フレームワーク、IT全般統制(内部統制)を整備・運用する分野である。開発・運用のルール、標準技術、品質基準、レビューや監査の仕組みを定め、継続的に標準を見直して成熟度を高める。情報システム部門の運営方針も含め、組織としての統制・意思決定・責任範囲を明確化する。試験では、統制目的と具体的統制活動を結び付けて説明できることが問われる。
出題の焦点
- 標準化の目的(品質・コスト・再利用・統制)
- 品質統制フレームワーク(レビュー・変更管理)
- IT全般統制(権限管理、運用、開発統制)
- 標準の維持改善(例外管理、見直し手順)
- 情報システム部門の運営方針とガバナンス
問題 ― 令和3年午前2 問22
インターネットのショッピングサイトで、商品の広告をする際に、商品の販売価格、商品の代金の支払時期及び支払方法、商品の引渡時期、売買契約の解除に関する事項などの表示を義務付けている法律はどれか。
- ア:商標法
- イ:電子契約法
- ウ:特定商取引法
- エ:不正競争防止法
正解と解説
正解:ウ
- 結論:商品の販売価格や支払時期などの表示義務は「特定商取引法」が定めています。
- 根拠:特定商取引法は消費者保護を目的に、通信販売などでの取引条件の明示を義務付けています。
- 差がつくポイント:商標法や不正競争防止法は知的財産権保護、電子契約法は契約成立の電子化に関する法律であり、広告表示義務とは異なります。
リスクマネジメント・BCP/災害対応
このテーマで問われること
改革・システム整備に伴うリスクを洗い出し、影響度と発生可能性を評価して対策を講じる分野である。プロジェクト/運用リスクに加え、災害・障害・サイバー攻撃などの事業継続上の脅威を想定し、BCPや災害時対応計画(初動、復旧手順、代替手段、体制)を策定・実施する。試験では、リスクの分類と評価、対策の優先順位、残留リスクの扱い、訓練・見直しを含む運用設計まで、実効性ある説明が求められる。
出題の焦点
- リスク抽出と評価(影響度×発生可能性)
- 対策方針(回避・低減・移転・受容)
- BCPの要点(RTO/RPO、代替、訓練)
- 災害時対応(体制、連絡、復旧手順)
- 改革実行リスク(変更影響、抵抗、品質)
問題 ― 平成27年午前2 問24
JIS Q 22301:2013が要求事項を規定している対象はどれか。
- ア:ITサービスマネジメントシステム
- イ:個人情報保護マネジメントシステム
- ウ:事業継続マネジメントシステム
- エ:情報セキュリティマネジメントシステム
正解と解説
正解:ウ
- 結論:JIS Q 22301:2013は「事業継続マネジメントシステム」の要求事項を規定しています。
- 根拠:この規格は、災害や事故などの事業中断リスクに対し、事業の継続や早期復旧を目的とした管理体制の構築を求めています。
- 差がつくポイント:ITサービスや情報セキュリティ、個人情報保護とは異なり、事業全体の継続計画に焦点を当てている点を押さえましょう。
実行管理・評価(KPI/KGI・BSC・PDCA)
このテーマで問われること
戦略・計画・改革プログラムを実行段階で統制し、成果を測定して改善へつなげる分野である。活動・成果指標(KPI/KGI)を設定し、モニタリングで状況を把握、コントロールで是正措置を行う。効果・費用・リスクを分析評価して改善要求をフィードバックし、PDCAを回す。さらに事業戦略・情報システム戦略・全体計画・個別計画の達成度評価を行い、次期方針や投資配分の見直しにつなげる。試験では、指標設計と評価ロジックの妥当性が問われる。
出題の焦点
- KPI/KGI設計(目的との因果、測定可能性)
- モニタリングと差異分析(進捗・品質・コスト)
- コントロール(是正措置、変更管理、意思決定)
- 効果・費用・リスクの評価と改善(PDCA)
- 戦略/計画の達成度評価と次期への反映
問題 ― 平成27年午前2 問12
一人の顧客に関する顧客生涯価値の見積りで留意すべきことはどれか。
- ア:顧客が紹介する他の顧客の購入見込みも対象とする。
- イ:顧客の平均購入単価よりも年間購入回数を重視する。
- ウ:商品を新しく買い換える行為は考慮しない。
- エ:新製品のプロモーション費用は対象としない。
正解と解説
正解:ア
- 結論:顧客生涯価値(CLV)は、顧客本人だけでなく紹介による新規顧客の価値も含めて評価すべきです。
- 根拠:紹介による新規顧客獲得は将来的な売上増加に直結し、CLVの正確な見積りに不可欠です。
- 差がつくポイント:単純な購入回数や単価だけでなく、顧客の影響力や紹介効果を考慮する視点が重要です。
システム活用促進(データ活用・人材)
このテーマで問われること
導入したシステムやソリューションを現場に定着させ、業務成果につなげるための活用推進を扱う分野である。利用促進施策(展開計画、教育、支援体制)を設計し、IT活用の普及・啓発によって抵抗感を下げる。データ活用を推進し、分析・可視化・意思決定高度化を業務プロセスに組み込むとともに、情報リテラシー向上を通じて組織能力を底上げする。試験では、施策の具体性と効果測定、継続運用の仕組みが問われる。
出題の焦点
- 利用定着(教育・サポート・運用ルール)
- データ活用の推進(KPI、ユースケース、基盤)
- 普及啓発(チェンジマネジメント)
- 情報リテラシー向上(人材育成計画)
- 活用効果の測定と改善サイクル
問題 ― 平成23年午前2 問5
BABOKの説明はどれか。
- ア:ソフトウェア品質の基本概念、ソフトウェア品質マネジメント、ソフトウェア品質技術の三つのカテゴリからなる知識体系
- イ:ソフトウェア要求、ソフトウェア設計、ソフトウェア構築、ソフトウェアテスティング、ソフトウェア保守など10の知識エリアからなる知識体系
- ウ:ビジネスアナリシスの計画とモニタリング、引き出し、要求アナリシス、基礎コンピテンシなど七つの知識エリアからなる知識体系
- エ:プロジェクトマネジメントに関して、スコープ、時間、コスト、品質、人的資源、コミュニケーション、リスク管理など九つの知識エリアからなる知識体系
正解と解説
正解:ウ
- 結論:BABOKはビジネスアナリシスに関する七つの知識エリアからなる知識体系です。
- 根拠:BABOKは「Business Analysis Body of Knowledge」の略で、ビジネスアナリシスの標準的なガイドラインを示しています。
- 差がつくポイント:ソフトウェア開発やプロジェクトマネジメントの知識体系と混同せず、ビジネスアナリシスに特化している点を理解することが重要です。
横断・複合領域
このテーマで問われること
経営戦略・情報システム戦略・全体計画・個別計画といった複数の計画階層をつなぎ、整合性を保ちながら意思決定を支える分野である。上位方針の目的や制約を下位計画へ落とし込み、逆に下位の実現条件やリスクを上位へフィードバックして調整する。部門横断の利害や優先順位の衝突を整理し、全体最適の観点で合意形成を進めることが重要となる。試験では、矛盾のないストーリーで「整合している理由」を説明し切る力が問われる。
出題の焦点
- 戦略階層間の整合(目的・施策・計画の連鎖)
- 依存関係と優先順位の調整
- 利害対立の論点整理と合意形成
- 全体最適と部分最適のトレードオフ説明
- 上位方針へのフィードバック(実現条件・リスク)
問題 ― 平成28年午前2 問15
特許を分析して生まれた問題解決技法であり、問題(矛盾)を創造的・発明的に解決するための弁証法的な思考法を具体的な方法論にまとめたものはどれか。
- ア:QFD
- イ:TRIZ
- ウ:シックスシグマ
- エ:親和図法
正解と解説
正解:イ
- 結論:問題の矛盾を創造的に解決する方法論はTRIZである。
- 根拠:TRIZは特許分析から生まれ、発明的な問題解決を体系化した技法である。
- 差がつくポイント:TRIZは矛盾解消に特化し、他の手法と異なり発明的解決策を導く点が特徴的である。
対象者像・求められる知識と技能
対象者像
- 高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。
求められる主な能力・役割
- 経営環境分析・事業戦略策定力(PEST・SWOT・ファイブフォース・DX 戦略)
- IT を活用したビジネスモデル/業務革新企画力と実現可能性評価
- 全体システム化計画・EA 設計・IT ガバナンス/IT 全般統制構築力
- IT 投資対効果分析・KGI/KPI 設定・リスクマネジメント・BCP 策定力
- RFP 作成・提案評価・契約交渉・アウトソーシング戦略策定力
- プログラム/ポートフォリオマネジメントと効果測定・改善推進力
求められる知識
- 経営戦略論・競争戦略・企業会計・マーケティング・法務・サステナビリティ
- 業界分析手法(PEST, SWOT, 5 Forces, BSC, CSF)と DX/IT 動向(AI・IoT・クラウド・生成 AI 等)
- ビジネスモデル設計・BPR・BPM・業務プロセス設計・ナレッジマネジメント
- 情報システム戦略・EA・IT ガバナンス・IT サービスマネジメント・情報セキュリティ
- プロジェクト/プログラム/ポートフォリオマネジメント、リスク分析、BCP・内部統制
- 調達・契約(RFI/RFP、提案評価、アウトソーシング、クラウド契約)
求められる技能
- 経営層・部門長とのコミュニケーション/ファシリテーション・合意形成
- 事業課題抽出・ビジネスモデル可視化・IT 価値評価・効果指標設定
- IT ソリューション適用可否・リスク・投資対効果比較評価
- 全体/個別システム化計画の策定、開発スケジュール・体制設計支援
- 提案評価表作成・ベンダー選定・契約条件交渉・SLA/SLR 設計
- モニタリング・コントロール・差異分析・改善要求フィードバック
攻略ポイント・学習アドバイス
- 午後Ⅱ論述は『経営環境分析→課題→IT 戦略→実行計画→効果測定』の構成テンプレを準備し、具体的事例を交えて練習する。
- 午後Ⅰは業種別事例が多い。SWOT・BPR・投資効果試算などの解答プロセスをパターン化し、90 分で 2 問解く演習を反復する。
- 午前Ⅱはシラバス大項目(経営・戦略・技術動向・システム企画・法務・セキュリティ)を横断的に学び、最新 DX/クラウド契約・ガイドライン改訂点をチェックする。
- 経営/IT ニュースをウォッチし、IT 戦略と結び付けた解説を自分の言葉で説明できるようにする。
シラバス概要
- I. IT を活用した事業戦略策定
- 経営要求分析・事業環境調査・事業課題抽出
- IT 動向調査・DX 企画とビジネスモデル開発
- 業務革新・新製品/サービス企画、実現可能性評価
- II. 情報システム戦略と全体システム化計画
- 業務モデル策定・現行業務/システム分析
- 基本戦略・情報システム基盤方針・EA・IT 全般統制・BCP 策定
- 中長期全体システム化計画・情報システム部門運営方針
- III. 個別システム化計画と調達
- 個別システム化計画策定(要件確認・機能/非機能・サービスレベル・費用対効果)
- 開発スケジュール・投資効果・プロジェクト推進体制支援
- 調達仕様書/RFP 作成・提案評価・ベンダ選定・契約交渉
- IV. 戦略実行管理・評価
- 改革プログラム進捗モニタリング・リスク管理・標準化推進
- システムソリューション適用推進・データ活用・IT 活用啓発
- 効果・費用・リスク分析、事業/IT 戦略・全体/個別計画の達成度評価とフィードバック
関連リンク
ITストラテジスト試験の難易度・合格率の推移
以下は年度ごとの受験者数・合格者数・合格率・合格者平均年齢の推移データです。合格率の傾向を把握し、学習計画の目安にしてください。
年度別 統計データ(表形式)
各年度ごとの合格率・平均年齢・合格者数などの推移です。
※ 表は横にスクロールできます
| 年度 | 受験申込者数(人) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | 合格者平均年齢(才) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2009 春期 | 8322 | 5514 | 754 | 13.7 | 39.1 |
| 2010 春期 | 8236 | 5413 | 755 | 13.9 | 39.3 |
| 2011 春期 | 7077 | 4839 | 704 | 14.6 | 38.8 |
| 2012 春期 | 7359 | 5090 | 713 | 14.0 | 39.2 |
| 2013 春期 | 7117 | 4810 | 677 | 14.1 | 38.7 |
| 2014 春期 | 6739 | 4466 | 671 | 15.0 | 39.5 |
| 2015 春期 | 6663 | 4487 | 656 | 14.6 | 39.9 |
| 2016 春期 | 6676 | 4594 | 645 | 14.0 | 39.5 |
| 2017 春期 | 6984 | 4747 | 700 | 14.7 | 39.0 |
| 2018 春期 | 7449 | 4975 | 711 | 14.3 | 39.7 |
| 2019 春期 | 7527 | 4938 | 758 | 15.4 | 39.0 |
| 2021 春期 | 5669 | 3783 | 579 | 15.3 | 40.3 |
| 2022 春期 | 6378 | 4450 | 660 | 14.8 | 39.3 |
| 2023 春期 | 7040 | 4972 | 769 | 15.5 | 40.3 |
| 2024 春期 | 7486 | 5327 | 842 | 15.8 | 40.1 |
年度別 統計推移グラフ
各年度ごとの合格者数・受験者数・合格率・平均年齢の推移
合格者数

受験者数

合格率(%)

合格者平均年齢

