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ITストラテジスト試験 2021年 午前205


システム化構想の段階でビジネスモデルを整理したり、分析したりするときに有効なフレームワークの一つであるビジネスモデルキャンバスの説明として、適切なものはどれか。
企業がどのように、価値を創造し、顧客に届け、収益を生み出しているかを、顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、リソース、主要活動、パートナ、コスト構造の九つのブロックを用いて図示し、分析する。(正解)
企業が付加価値を生み出すための業務の流れを、購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスという五つの主活動と、調達、技術開発など四つの支援活動に分類して分析する。
企業の強み・弱み、外部環境の機会脅威を分析し、内部要因と外部要因をそれぞれ軸にした表を作成することによって、事業機会や事業課題を発見する。
企業目標の達成を目指し、財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点から戦略マップを作成して、四つの視点においてバランスのとれた事業計画を策定し進捗管理をしていく。

解説

ビジネスモデルキャンバスの説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ビジネスモデルキャンバスは企業の価値創造や収益構造を9つの要素で図示し、全体像を整理・分析するフレームワークです。
  • 根拠:顧客セグメントや価値提案、チャネルなどのブロックを用いて、ビジネスの仕組みを視覚的に把握できるため、システム化構想の初期段階で有効です。
  • 差がつくポイント:他のフレームワークと混同せず、ビジネスモデルキャンバスが「価値の流れと収益構造の全体像」を示すことを理解することが重要です。

正解の理由

選択肢アは、ビジネスモデルキャンバスの基本構成である「顧客セグメント」「価値提案」「チャネル」「顧客との関係」「収益の流れ」「リソース」「主要活動」「パートナー」「コスト構造」の9つのブロックを正確に挙げています。これらを図示して分析することで、企業がどのように価値を創造し顧客に届け、収益を得ているかを体系的に理解できます。したがって、ビジネスモデルキャンバスの説明として最も適切です。

よくある誤解

ビジネスモデルキャンバスは業務プロセスの詳細や財務指標の管理ツールではなく、企業のビジネス全体の構造を視覚化するためのフレームワークです。

解法ステップ

  1. 問題文で「ビジネスモデルキャンバス」と明示されていることを確認する。
  2. 選択肢の説明が9つのブロックに言及しているかをチェックする。
  3. それぞれのブロックがビジネスの価値創造や収益に関わる内容かを判断する。
  4. 他の選択肢が別のフレームワーク(バリューチェーン、SWOT分析、バランスト・スコアカード)であることを見極める。
  5. 9つのブロックを正しく説明している選択肢を正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。ビジネスモデルキャンバスの9つのブロックを正確に説明している。
  • イ: バリューチェーン分析の説明。企業の業務活動を主活動と支援活動に分けて分析するフレームワークであり、ビジネスモデルキャンバスとは異なる。
  • ウ: SWOT分析の説明。内部環境と外部環境の強み・弱み・機会・脅威を分析する手法で、ビジネスモデルキャンバスとは目的も構成も異なる。
  • エ: バランスト・スコアカードの説明。財務や顧客、内部プロセス、学習と成長の4つの視点から戦略を管理する手法で、ビジネスモデルキャンバスとは別物。

補足コラム

ビジネスモデルキャンバスはアレックス・オスターワルダーによって提唱され、スタートアップから大企業まで幅広く活用されています。システム化構想の段階でビジネスの全体像を把握し、IT投資の方向性を定める際に非常に役立ちます。また、9つのブロックは相互に関連しているため、単独でなく全体のバランスを考慮することが重要です。

FAQ

Q: ビジネスモデルキャンバスはどの段階で使うのが効果的ですか?
A: システム化構想や新規事業の企画段階で、ビジネスの全体像を整理し課題を明確にする際に効果的です。
Q: バリューチェーン分析とビジネスモデルキャンバスの違いは何ですか?
A: バリューチェーンは業務プロセスの価値創造活動に着目し、ビジネスモデルキャンバスは価値提供の仕組み全体を視覚化します。

関連キーワード: ビジネスモデルキャンバス, 価値提案, 顧客セグメント, バリューチェーン, SWOT分析, バランスト・スコアカード, システム化構想, 価値創造, 収益構造
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