ITストラテジスト 2022年 午前2 問23
問題文
総務省及び経済産業省が策定した“電子政府における調達のために参照すべき暗号のリスト(CRYPTREC暗号リスト)”を構成する暗号リストの説明のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:推奨候補暗号リストとは、CRYPTRECによって安全性及び実装性能が確認された暗号技術のうち、市場における利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれると判断され、当該技術の利用を推奨するもののリストである。
イ:推奨候補暗号リストとは、候補段階に格下げされ、互換性維持目的で利用する暗号技術のリストである。
ウ:電子政府推奨暗号リストとは、CRYPTRECによって安全性及び実装性能が確認された暗号技術のうち、市場における利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれると判断され、当該技術の利用を推奨するもののリストである。(正解)
エ:電子政府推奨暗号リストとは、推奨段階に格下げされ、互換性維持目的で利用する暗号技術のリストである。
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電子政府推奨暗号【午前2解説】
正解の理由
CRYPTRECが策定する暗号リストのうち、CRYPTRECにより安全性および実装性能が確認され、かつ市場での利用実績が十分であるか将来の普及が見込まれるため「利用を推奨する」暗号群を示す定義は、選択肢ウの記述そのものです。設問の語句「安全性及び実装性能が確認された」「市場における利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれる」「利用を推奨する」という三点が揃っている記述が、まさに「電子政府推奨暗号リスト」の要件を表しています。したがってウが正解です。
解法ステップ
- 設問のキーワードを拾う:安全性の確認、実装性能、利用実績、普及見込み、利用を推奨、互換性維持、格下げ、候補段階など。
- 「利用を推奨する」「利用実績が十分」「普及見込み」といった肯定的表現があれば、それは「推奨(recommended)」に相当する。
- 一方で「互換性維持」「格下げ」「候補段階に格下げ」などは、推奨から外れたり限定的に残す趣旨を示す。これらは「非推奨・互換性維持」的な扱いを説明する文言であり、推奨リストの定義とは合致しない。
- 各選択肢の語句を上記の観点で照合し、最も記述と一致するものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「推奨候補暗号リストとは、CRYPTRECによって安全性及び実装性能が確認され...当該技術の利用を推奨するもののリストである。」
→ 誤り。記述内容は「利用を推奨する」ことを明確に述べており、これは「電子政府推奨暗号リスト」の定義に該当します。したがってアは名称と定義が一致していません。推奨候補は一般に、推奨に至る前段階で追加評価や普及状況の監視が必要なアルゴリズムを指すため、ここでの「利用を推奨する」という断定的表現は不適切です。 -
イ: 「推奨候補暗号リストとは、候補段階に格下げされ、互換性維持目的で利用する暗号技術のリストである。」
→ 誤り。文面は「格下げ」「互換性維持」を述べており、これは推奨を外れて限定的に残す扱い(非推奨・互換用)に近い説明です。推奨候補は本来「将来的に推奨される可能性がある候補」を指すため、ここでの意味と逆です。 -
ウ: 「電子政府推奨暗号リストとは、CRYPTRECによって安全性及び実装性能が確認された暗号技術のうち、市場における利用実績が十分であるか今後の普及が見込まれると判断され、当該技術の利用を推奨するもののリストである。」
→ 正解。前述の通り、記述の要素が「電子政府推奨暗号リスト」の定義と一致します。 -
エ: 「電子政府推奨暗号リストとは、推奨段階に格下げされ、互換性維持目的で利用する暗号技術のリストである。」
→ 誤り。こちらも「格下げ」「互換性維持」という表現は非推奨的・互換用の扱いを示しており、「電子政府推奨」すなわち「利用を推奨する」趣旨とは矛盾します。
よくある誤解
- 「推奨候補=推奨と同義」と誤解するケース:推奨候補は将来的に推奨される可能性がある段階であり、現段階で政府調達で積極的に“推奨”されるかどうかは別問題です。
- 「互換性維持」と「推奨」の混同:互換性維持目的で残されるアルゴリズムは、既存システムの互換性のために限定的に使われるが、新規調達や推奨には通常含まれません。
補足コラム
CRYPTRECのリストは、政府機関が調達や運用で参照するための指針です。リストは技術評価(安全性・実装性能)と市場状況(実利用の有無や普及見込み)を総合して分類され、運用側は「推奨リスト」を優先して採用し、推奨候補や非推奨の扱いは運用ポリシーや互換性要件に応じて判断します。企業や開発者は、暗号を選ぶ際にこの分類に従うことで、セキュリティ面と将来の保守性を両立できます。
FAQ
Q. 推奨候補暗号リストにあるアルゴリズムを使ってはいけませんか?
A. 使えないわけではありませんが、推奨候補は「将来的に注視すべき」アルゴリズムであり、政府調達では「電子政府推奨暗号リスト」のアルゴリズムが優先されます。利用時はリスク評価や互換性要件を確認してください。
A. 使えないわけではありませんが、推奨候補は「将来的に注視すべき」アルゴリズムであり、政府調達では「電子政府推奨暗号リスト」のアルゴリズムが優先されます。利用時はリスク評価や互換性要件を確認してください。
Q. 「互換性維持目的で利用する」とあるアルゴリズムはどのように扱うべきですか?
A. 既存システムとの互換性を理由に限定的に残す場合がありますが、新規開発や調達においては代替の推奨アルゴリズムへの移行計画を検討することが望ましいです。
A. 既存システムとの互換性を理由に限定的に残す場合がありますが、新規開発や調達においては代替の推奨アルゴリズムへの移行計画を検討することが望ましいです。
Q. リストはどのくらいの頻度で更新されますか?
A. CRYPTRECの評価・改訂は技術動向や新たな脆弱性報告に応じて行われます。最新の公式発表や報告書を定期的に確認してください。
A. CRYPTRECの評価・改訂は技術動向や新たな脆弱性報告に応じて行われます。最新の公式発表や報告書を定期的に確認してください。
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