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ITストラテジスト 2014年 午後104


建設機械の新機能の開発に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

 X社は、建設機械メーカーであり、地面を掘削する油圧ショベル、及び掘削した土砂を運搬するダンプトラックが主力製品である。これらの大型の建設機械は、海外の油田、化学プラント建設現場などの大規模な建設現場で、建設前の土地点成、及び建物の土台を作る基礎工事に使用されている。   〔建設業界の状況〕  ・大規模な建設現場では、総合建設業者(以下、ゼネコンという)が発注者から各種の土木工事・建設工事をまとめて請け負い、建設工事会社に工事を発注する。その際、ゼネコンは建設機械の準備、建設工事会社間の調整を含めた進捗管理など工事全体の取りまとめを行う。  ・高価な建設機械が多い上に、特殊な用途の機械は使う頻度が少ないことから、一般に、ゼネコンは建設機械を購入せずに、レンタル会社から期間契約で借り受ける。一方、レンタル会社は、建設機械のレンタルスケジュールを管理するとともに、期間契約で貸し出す建設機械の保守を建設機械メーカーに委託し、レンタル期間中に保守を済ませている。  ・他の業界と比べて、労働生産性が低いとともに、労働災害が多く、改善が進んでいないため、またここ数年、建設業界の労働人口が減少する傾向にあり、作業員不足が深刻な問題となっている。   〔X社の現状と方針〕  建設業界のこのような状況に加えて、X社では製品販売数が伸び悩んでいる。さらに、不定期に発生する保守に対応するために多くの社員を海外に常駐させていることから、コストが増加し、業績が悪化している。そこでX社は、現在の社員数を維持した上で、次の方策によって業績の回復を図ることとした。  ・主力製品である大型の建設機械に有効と考えられる、工事そのものの自動化技術を仕様に先駆けて開発し、新たな機能として製品に組み込むことによって、製品販売数を増やす。  ・保守形態を見直すことによって、海外に常駐する社員を減らす。  ・国内にあるX社の施設でできる業務は、なるべく海外から国内にシフトする。   〔建設機械に関する海外市場の調査結果とその分析〕  X社は、新たな機能の開発に当たり、建設機械に関する海外市場の調査を、関係する建設工事会社、ゼネコン及びレンタル会社に対して実施した。その結果、次のような問題があることが判明した。  ① 建設機械を操作する作業員(以下、オペレータという)が不足している。オペレータの確保、育成が思うように進まない。  ② 寒暖が厳しかったり、日照時間が短くなったりすると、作業効率が落ち、工期が長くなり、費用がかさむ。  ③ オペレータが建設機械から転落したり、作業員が建設機械と接触したりするなどの労働災害が多い。  ④ 工事期間を短縮するために、資金を投入して建設機械とオペレータを増やしても、作業現場において建設機械同士が相互に干渉し、狙った効果が現れなかったり、逆効果となったりする場合がある。  ⑤ 建設機械の総レンタル費用を低減できる工事計画が容易に立案できない。  ⑥ 日照時間、気温、天候などを考慮し、地域ごとに多段階のレンタル費用を設定している。しかし、工事に適さない季節は、レンタル費用を低く設定していても利用率は上がらない。  ⑦ 建設機械の保守を開始してから交換部品を取り寄せて修理を行うので、建設機械の不稼働時間が長かったり、代替の建設機械の引き渡しが間に合わなかったりして、建設機械のスケジューリングがうまくいかなくなる場合がある。    X社のITストラテジストであるY氏は、海外市場の調査結果①~⑦を分析し、新たな機能をもつ建設機械を開発することとした。そのためにY氏は、システムアーキテクトのZ氏に、次の事項に対する新たな機能の実現方法を検討するよう依頼した。  ・安全に作業できる環境にいる複数人のオペレータが、1人当たり最大10台の建設機械を同時に動かせるようにする。  ・日照時間、気温、天候などに左右されずに、24時間作業が行えるようにする。   〔新たな機能の検討〕  Z氏は、Y氏から依頼された新たな機能の実現方法の検討結果を次のようにまとめた。  (1) システム全体の機能は、3 次元 CAD データ化した工事図面データ (以下、3D CAD データという) などを基に、“工事開始”、“緊急停止” など、オペレータの簡単な作業指示で建設機械を動かせる自動稼働システムとする。  (2) 建設機械に 3D CAD データを送信し、作業指示を出すシステム (以下、センタシステムという) を搭載した、冷暖房完備の車両 (以下、施工管理車という) を用意する。   ・センタシステムは、3D CAD データを格納するサーバ、建設機械に作業指示を出す操作盤、各建設機械の工事状況と工事エリア全体を確認するためのモニタ及び無線通信装置で構成する。   ・工事に先立ち、オペレータは施工管理車に乗ってセンタシステムを操作することによって、各建設機械へ担当工事エリアの 3D CAD データを送信する。   ・オペレータは、工事の状況をモニタで確認しながら操作盤を操作することによって、各建設機械に無線で作業指示を出すことができる。  (3) 建設機械には、工事後の形態を表す 3D CAD データと現在の工事の形態を表すデータとを比較し、自律的に工事を進めるシステム (以下、自律システムという) を搭載する。   ・自律システムは、自機の位置を測定する GPS、現在の工事中の形態を計測する 3D レーザスキャナ、現在の工事中の形態を撮影する 3D カメラ、データをセンタシステムへ送受信する無線装置で構成する。   ・1 台の油圧ショベルと複数台のダンプトラックが連携し、ダンプトラックが、油圧ショベルの運転を止めないように、指定された場所に土砂を運び、戻ってくる。  (4) 建設機械同士が一定距離以内に接近した場合は、自動で停止するよう制御する。  (5) 建設現場で複数の建設機械が同時に作業を行えるようにする。そのために、建設機械側の工事エリアを一部重複させ、自律システムで建設機械相互の位置関係を認識し、一定の距離を保ちながら工事を進められるように制御する。  (6) 建設機械の保守機能として、運転状態の監視結果と過去から蓄積した保守データによって故障を予見し、必要な部品の交換、修理などを行う状態監視保全を取り入れる。    Y氏は、Z氏の報告を受け、インターネット経由で、状態監視情報を含む稼働データを建設機械からX社が直接受信する機能、及び3D CADデータをX社から建設機械に直接送信する機能についても検討するようZ氏に依頼した。  Y氏は、新たな機能を組み込んだ製品を早期に開発すべきであると考えた。しかしその一方で、Z氏が検討した実現方法のうち、完成までに長期間掛かるものについては、後からソフトウェアを追加し、機能の向上を図ることとした。   〔新たな機能を組み込んだ製品の事業計画〕  Y氏は、新たな機能①〜⑥を組み込んだ製品を更に活用するために、次のような事業計画を考えた。  1. 新たな機能のシミュレーションシステム   新たな機能を組み込んだ製品の開発・市場展開に先立ち、建設機械を何台準備し、どのような順番で工事を進めるのが効果的かを、工事図面を基に試算するシミュレーションシステムを作る。シミュレーションシステムには、次の二つのモードをもたせる。   ・工事期間優先モード:工事期間を短くするには、どの建設機械をいつ、何台準備し、どのような順番で工事を進めるのが効果的かを試算する。   ・工事費用優先モード:工事費用を最小にする経済的な建設機械のレンタルスケジュールを試算する。   当面は、工事費用優先モードが多く利用されると予測されるが、新たな機能を組み込んだ製品が広く普及すると、利用が減ると考えている。  2. 事業形態   新たな機能を組み込んだ製品を広く普及させるためには、工事図面を3D CADデータ化する技術要員と、建設機械の保守要員の確保が重要である。X社の事業として、X社が請け負う形態、X社が教育を行う形態及び現地の会社に事業を委託する形態のそれぞれを検討した結果、次の形態とする。   ・工事図面を3D CADデータ化する技術は、X社が請け負うこととした。その理由は、工事図面のデータを社内に蓄積することが有効と考えたからである。   ・保守事業は、現地の会社に委託することとした。その理由は、状態監視保全を取り入れ、X社が状態監視情報を基に判断することによって、保守に先立って交換部品を手配したり、あらかじめ保守に要する期間をレンタル会社に連絡したりすることができるからである。

設問1〔建設機械に関する海外市場の調査結果とその分析〕及び〔新たな機能の検討〕について、(1)、(2)に答えよ。

(1)問題①、④、⑦を提起した事業者を、それぞれ、建設工事会社、ゼネコン及びレンタル会社から選んで答えよ。

模範解答

①:建設工事会社 ④:ゼネコン ⑦:レンタル会社

解説

解答の論理構成

  1. 課題①の主体
    • 調査結果①は【問題文】で
      “① 建設機械を操作する作業員(以下、オペレータという)が不足している。オペレータの確保、育成が思うように進まない。”
      と示されています。
    • オペレータを直接雇用・育成し、現場で機械を動かすのは建設工事会社です。ゼネコンは“建設工事会社間の調整を含めた進捗管理”(同文)を行う立場、レンタル会社は機械を貸し出す立場であり、オペレータの不足を最も切実に感じるのは建設工事会社です。
    • よって①を提起した事業者は建設工事会社となります。
  2. 課題④の主体
    • 調査結果④は
      “④ 工事期間を短縮するために、資金を投入して建設機械とオペレータを増やしても、作業現場において建設機械同士が相互に干渉し…”
      とあります。
    • 現場全体の機械配置・作業順序を取り仕切り、建設工事会社を束ねるのはゼネコンです(“ゼネコンは建設機械の準備、建設工事会社間の調整を含めた進捗管理など工事全体の取りまとめを行う”)。
    • 機械同士の干渉による工期短縮効果の失敗は、現場全体の統括責任者であるゼネコンの悩みです。
    • よって④を提起した事業者はゼネコンです。
  3. 課題⑦の主体
    • 調査結果⑦は
      “⑦ 建設機械の保守を開始してから交換部品を取り寄せて修理を行うので、建設機械の不稼働時間が長かったり、代替の建設機械の引き渡しが間に合わなかったりして、建設機械のスケジューリングがうまくいかなくなる場合がある。”
    • “レンタル会社は、建設機械のレンタルスケジュールを管理”し、“期間契約で貸し出す建設機械の保守を建設機械メーカーに委託”(同文)しています。
    • したがって、部品調達遅延でスケジュールが乱れれば最も影響を受けるのはレンタル会社です。
    • よって⑦を提起した事業者はレンタル会社です。
以上から模範解答
①:建設工事会社
④:ゼネコン
⑦:レンタル会社

誤りやすいポイント

  • オペレータ不足を“ゼネコンの課題”と誤認
    ゼネコンは管理主体であり、オペレータを直接雇用するわけではありません。
  • 機械干渉問題を“レンタル会社の課題”と勘違い
    レンタル会社は台数の確保に注力しますが、現場配置計画はゼネコン責任です。
  • 保守遅延=メーカーの問題と短絡
    メーカーは修理実施者ですが、スケジューリングに困るのはレンタル会社である点を見落としがちです。

FAQ

Q: ゼネコンもオペレータ不足に悩むのでは?
A: 現場全体では悩みますが、直接採用・育成コストを負うのは建設工事会社なので、調査回答者として前面に出るのは建設工事会社です。
Q: 課題④は工事計画の話。建設工事会社でも計画しますよね?
A: 各社は自社範囲を計画しますが、多社が同時に動く大規模現場で“建設機械同士が干渉”するか否かの最終調整責任はゼネコンにあります。
Q: 保守遅延ならメーカーに苦情が届くのでは?
A: 苦情は届きますが、レンタルスケジュールの遅延によって直接損失を被るのは機械を貸し出しているレンタル会社です。

関連キーワード: オペレータ不足, 工期短縮, 保守スケジューリング, 状態監視保全

設問1〔建設機械に関する海外市場の調査結果とその分析〕及び〔新たな機能の検討〕について、(1)、(2)に答えよ。

(2)X社の開発する新たな機能は、建設業界に関わるどのような問題を解決することを狙ったものか答えよ。

模範解答

・作業員不足 ・低い労働生産性 ・労働災害が多い

解説

解答の論理構成

  1. 建設業界の抱える本質的課題
    【問題文】では、建設業界の現状として
    「他の業界と比べて、労働生産性が低いとともに、労働災害が多く、改善が進んでいないため、またここ数年、建設業界の労働人口が減少する傾向にあり、作業員不足が深刻な問題となっている。」
    と明記されています。ここに“作業員不足”“低い労働生産性”“労働災害が多い”という3つのキーワードが同時に示されています。
  2. 新たな機能がめざす方向性
    Y氏がZ氏に提示した要件には
    ・「安全に作業できる環境にいる複数人のオペレータが、1人当たり最大10台の建設機械を同時に動かせるようにする。」
    ・「日照時間、気温、天候などに左右されずに、24時間作業が行えるようにする。」
    があり、これは少人数で機械を多台数運用し、作業時間の制限をなくすことで“作業員不足”と“低い労働生産性”の双方を解決する狙いだと読み取れます。
  3. 安全性向上へのアプローチ
    さらにZ氏の検討結果(4)では
    「建設機械同士が一定距離以内に接近した場合は、自動で停止するよう制御する。」
    とあり、機械間接触や転落などの事故を抑止し“労働災害が多い”問題を軽減する設計です。
  4. まとめ
    以上より、新機能は
    ・作業員不足
    ・低い労働生産性
    ・労働災害が多い
    を解決することを目的としていると論理的に導けます。

誤りやすいポイント

  • 海外市場調査①〜⑦の個々の項目に気を取られ、業界全体の根本課題を答え忘れる。
  • 「低い労働生産性」を“長い工期”や“効率悪化”など別表現で書き、原文の語句を使わず減点される。
  • “労働災害”を“安全性”だけで表現し、原文の「労働災害が多い」を引用しない。

FAQ

Q: 「作業員不足」は海外調査①だけを根拠にしても良いですか?
A: 調査①でも触れられていますが、【建設業界の状況】の記述が根拠として最も直接的です。そこから引用する方が確実です。
Q: 「低い労働生産性」と「長時間作業可能」の関係が分かりません。
A: 24時間稼働や複数台同時操作により、同じ人数でより多くの作業量をこなせるため、労働生産性が向上します。
Q: 「労働災害が多い」は、センタシステム導入だけでなく他の対策も必要では?
A: もちろん現場管理や教育も必要ですが、本問では“自動停止制御”や“遠隔操作による安全作業環境”が主な技術的解決策として提示されています。

関連キーワード: 自動化, 遠隔操作, 3D CAD, 状態監視保全, センサーフュージョン

設問2〔新たな機能の検討〕について、(1)、(2)に答えよ。

(1)Y氏が、後からソフトウェアを追加し、機能の向上を図ることにした機能を、40字以内で述べよ。

模範解答

・建設機械相互の位置関係を認識し、一定の距離を保つように制御する機能 ・運転状態の監視結果と蓄積した保守データから故障を予見する状態監視保全機能

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】には、後から追加する対象を選ぶ方針として
    「しかしその一方で、Z氏が検討した実現方法のうち、完成までに長期間掛かるものについては、後からソフトウェアを追加し、機能の向上を図ることとした。」
    とあります。したがって、(1)~(6)の中から「長期間掛かるもの」を抽出する必要があります。
  • (5) の記述
    「建設機械側の工事エリアを一部重複させ、自律システムで建設機械相互の位置関係を認識し、一定の距離を保ちながら工事を進められるように制御する。」
    は、多数の機械をリアルタイムに協調させる高度なアルゴリズム開発・検証が不可欠で、ハードウェア追加よりもソフトウェアのアップデートで段階的に成熟させる方が現実的です。
  • (6) の記述
    「運転状態の監視結果と過去から蓄積した保守データによって故障を予見し、必要な部品の交換、修理などを行う状態監視保全を取り入れる。」
    も、大量データ分析と機械学習モデルの改良が継続的に必要となる典型的なソフトウェア領域です。
  • 以上より、後からソフトウェアを追加して機能向上を図る対象は
    「建設機械相互の位置関係を認識し、一定の距離を保つように制御する機能」

    「運転状態の監視結果と蓄積した保守データから故障を予見する状態監視保全機能」
    の二つに帰着します。

誤りやすいポイント

  • (4) の「接近した場合は、自動で停止」だけを選んでしまう
    → 単機能で実装難易度も比較的低く、後付け必須とは読み取りにくい点に注意。
  • 「長期間掛かるもの=ハードウェア依存」と早合点する
    → 本文ではソフトウェア開発が長期化するケースを想定している。
  • (5) と (6) の全文をそのまま書き写し、要件の「40字以内」を超過
    → キーワードを残しつつ簡潔にまとめる必要がある。

FAQ

Q: なぜ(1)~(4)は後付け候補にならないのですか?
A: (1)~(4) は基本動作やインタフェースに直結し、出荷時点で完成していないと安全性・市場性を損なうためです。
Q: 状態監視保全はハードセンサも絡みますが、後付けで本当に可能ですか?
A: センサ自体は初期搭載し、解析ロジックやしきい値最適化をソフトウェア更新で深度化する手法が一般的です。
Q: 距離維持制御をソフトウェア追加に回すと安全面が心配です。
A: 初期版では単純停止ロジック(4)で安全を確保し、後日アルゴリズム高度化(5)により効率を引き上げる二段構えと解釈できます。

関連キーワード: 自律走行, 衝突回避, 予防保全, 3D CAD, 無線制御

設問2〔新たな機能の検討〕について、(1)、(2)に答えよ。

(2)Y氏が、インターネット経由で、稼働データを建設機械からX社が直接受信する機能の検討をZ氏へ依頼した目的は何か、45字以内で述べよ。

模範解答

保全に必要な稼働データを取得し、レンタル会社や現地の保守会社に情報を提供する。

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】には、遠隔で稼働データを把握したい背景として
    「保守形態を見直すことによって、海外に常駐する社員を減らす。」
    とあります。現地常駐を減らすには、機械の状態を日本にいながら把握する仕組みが不可欠です。
  • さらに、新機能として
    「運転状態の監視結果と過去から蓄積した保守データによって故障を予見し、必要な部品の交換、修理などを行う状態監視保全」
    を採用すると記述されています。予知保全には詳細な稼働データが必須であり、建設機械→X社への直接送信が望まれます。
  • Y氏は Z氏に対し、
    「インターネット経由で、状態監視情報を含む稼働データを建設機械からX社が直接受信する機能」
    を依頼しました。ここでの目的は、取得したデータを基に故障予兆を判断し、
    「保守に先立って交換部品を手配したり、あらかじめ保守に要する期間をレンタル会社に連絡」
    することにあります。
  • したがって解答は、
    ・稼働データを取得して故障を予見する
    ・レンタル会社や現地保守会社へ情報提供して円滑な保守を実現する
    という二点を盛り込むことで導出できます。

誤りやすいポイント

  • 「X社が直接受信=自社内だけで使用」と早合点し、レンタル会社・現地保守会社への情報提供を落とす。
  • 減らしたいのは“海外常駐の販売員”と誤読し、保守目的を外した答案にする。
  • “状態監視保全”のキーワードを入れず、単なる「遠隔監視」とだけ書いてしまう。
  • 機能説明(通信方法やセキュリティ)に踏み込み、目的ではなく手段を記述してしまう。

FAQ

Q: なぜ「状態監視保全」の記載が重要なのですか?
A: 故障予見という目的の根拠が【問題文】に明示されているためです。目的を示す語句を答案に盛り込むことで採点基準を満たせます。
Q: レンタル会社と現地保守会社の両方を書く必要がありますか?
A: 目的は“データ活用による保守円滑化”であり、両社への情報提供がセットで示されています。どちらか一方の省略は減点リスクが高いです。
Q: データ受信の手段(インターネット、無線など)を説明したほうが良いですか?
A: 本設問は「目的」を問うており、手段を詳述すると焦点がずれます。目的に直結する内容を優先しましょう。

関連キーワード: 状態監視保全, 予知保全, 遠隔監視, 無線通信, データ共有

設問3〔新たな機能を組み込んだ製品の事業計画〕について、(1)~(3)に答えよ。

(1)状態監視保全に基づく情報をX社から受け取ることによって、レンタル会社ができるようになることを、45字以内で述べよ。

模範解答

代替の建設機械を事前に手配することで、建設機械のレンタルスケジューリングができる。

解説

解答の論理構成

  1. 問題が示す課題
    • 調査結果⑦では、レンタル会社は「代替の建設機械の引き渡しが間に合わなかったりして、建設機械のスケジューリングがうまくいかなくなる場合がある。」と指摘されています。
  2. 状態監視保全による改善策
    • 事業計画では、X社が「状態監視情報を基に判断することによって、…あらかじめ保守に要する期間をレンタル会社に連絡」すると述べています。
  3. 受け取った情報をレンタル会社が活用
    • 保守期間が事前に分かれば、レンタル会社は不足期間を埋めるために「代替の建設機械」を前もって段取りできます。
  4. 結論
    • よって、レンタル会社ができることは「代替機を前もって手配し、全体のレンタルスケジュールを調整する」ことになります。

誤りやすいポイント

  • 「交換部品の手配」はX社または保守会社の業務であり、レンタル会社の役割ではありません。
  • 調査結果⑦の“スケジューリング”というキーワードだけを拾い、具体的に何をするかを書かないと減点されます。
  • 状態監視保全=即時遠隔修理と早合点し、現場派遣の要否まで踏み込んでしまうと設問の範囲を超えます。

FAQ

Q: レンタル会社が受け取る情報はリアルタイムですか?
A: 記述にはリアルタイム性の明示はありませんが、「あらかじめ保守に要する期間を…連絡」とあるため、少なくとも保守開始前に通知が行われる想定です。
Q: レンタル会社自身が状態監視を行うのですか?
A: いいえ。「X社が状態監視情報を基に判断」し、その結果をレンタル会社へ伝達します。レンタル会社は受け取った結果を活用する立場です。
Q: 代替機を手配できるメリットは何ですか?
A: 工期遅延のリスクとレンタル費用のロスを最小化でき、顧客満足度向上にも直結します。

関連キーワード: 予防保全, 稼働率向上, レンタルスケジュール, 遠隔監視, 代替機手配

設問3〔新たな機能を組み込んだ製品の事業計画〕について、(1)~(3)に答えよ。

(2)新たな機能を組み込んだ製品が広く普及した場合、工事費用優先モードの利用が減るとY氏が考えた理由を、40字以内で述べよ。

模範解答

建設工事に適さない季節がなくなり、レンタル費用の差が小さくなるから

解説

解答の論理構成

  • 調査結果⑥で、季節要因による利用率低下とレンタル費用の段階設定が課題であることが示されています。
    引用①「日照時間、気温、天候などを考慮し、地域ごとに多段階のレンタル費用を設定している。しかし、工事に適さない季節は、レンタル費用を低く設定していても利用率は上がらない。」
  • Z氏が検討した新たな機能では、季節や時間帯の影響を受けずに作業できるようにすることが盛り込まれています。
    引用②「日照時間、気温、天候などに左右されずに、24時間作業が行えるようにする。」
  • 季節・天候が作業効率に与える影響がなくなれば、安い季節を狙ってレンタルスケジュールを最適化する必要性が薄れます。レンタル費用の差が小さくなることで、「工事費用優先モード」で算出した節約効果も限定的となり、利用頻度が減少すると判断できます。
  • 以上から、模範解答の「建設工事に適さない季節がなくなり、レンタル費用の差が小さくなるから」という理由につながります。

誤りやすいポイント

  • 「工事費用優先モード」の利用減少を、作業効率向上や台数削減だけで説明し、季節要因によるレンタル費用差の縮小を見落とす。
  • 引用②を読み落として「24時間作業」が季節克服策であることに気付かず、理由を労働力不足解消に結び付けてしまう。
  • 調査結果⑥を適切に引用せず、レンタル費用の多段階設定という前提を漏らす。

FAQ

Q: なぜ「工事期間優先モード」は逆に利用が増える可能性があるのですか?
A: 季節制約がなくなりレンタル費用差が縮小すると、費用よりも工期短縮で競争力を高めたい需要が相対的に高まるためです。
Q: 季節影響がなくなってもレンタル費用は完全に一定になるのですか?
A: 交通インフラや繁忙期など他要因で変動は残るものの、調査結果⑥にある「工事に適さない季節」に起因する大きな差は縮小すると考えられます。
Q: 新たな機能が普及するまでは費用優先が多いと予測するのはなぜですか?
A: レンタル費用の差が依然大きく、ゼネコンやレンタル会社はコスト圧縮効果を重視するためです。普及以前は季節制約が残るため、費用最小化のメリットが大きいからです。

関連キーワード: 3D CAD, レンタルスケジュール, 状態監視保全, GPS, 3Dレーザスキャナ

設問3〔新たな機能を組み込んだ製品の事業計画〕について、(1)~(3)に答えよ。

(3)工事図面のデータを社内に蓄積することが有効とY氏が考えた理由を、35字以内で述べよ。

模範解答

蓄積したデータを分析し製品開発に役立てることができるから

解説

解答の論理構成

  1. 問題文の確認
    • 【問題文】には「工事図面を3D CADデータ化する技術は、X社が請け負うこととした。その理由は、工事図面のデータを社内に蓄積することが有効と考えたからである。」とあります。
  2. 蓄積のメリットを推論
    • データが社内に蓄積されれば、過去案件との比較や傾向分析が可能になります。
    • 3D CAD データは工事内容・機械配置・工程順序などの“現場ノウハウ”を含むため、分析結果をフィードバックすることで「新たな機能①〜⑥」をさらに改善できます。
  3. 結論の導出
    • したがって「蓄積したデータを分析し製品開発に役立てることができるから」という解答になります。

誤りやすいポイント

  • 「外部共有が容易になる」など保守運用視点だけを書いてしまい、製品開発との関連を示せない。
  • 単に「ノウハウが残る」とだけ述べ、活用目的(分析→開発強化)を示さない。
  • データ保護や機密保持を理由に挙げてしまい、問題文の“有効と考えた”真意とズレる。

FAQ

Q: なぜ“分析”という言葉が必要なのですか?
A: データを残すだけでは価値が生まれず、分析して初めて次期製品や機能改善に生かせるためです。
Q: 保守業務にも役立ちますか?
A: 役立ちますが、本設問は製品開発面でのメリットを問うているため、解答では開発に焦点を合わせるのが適切です。
Q: 「社内に蓄積」はクラウド活用でも良いのですか?
A: 社内管理下であればクラウド上の自社環境でも構いませんが、本質は“自社が一元管理し分析できる”点にあります。

関連キーワード: データ活用, ナレッジマネジメント, ビッグデータ, データ分析, 製品改善
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