ITストラテジスト 2016年 午前2 問20
問題文
コンピテンシモデルの説明はどれか。
選択肢
ア:権限行使と命令統制による労務管理を批判し、目標管理制度や経営参加制度などによる動機付けが有効であるとしたもの
イ:最適なリーダシップの唯一のスタイルは存在せず、望ましいリーダシップのスタイルは、状況に応じて異なるとしたもの
ウ:人材の評価や育成の基準とするために、恒常的に成果に結び付けることができる個人の行動や思考特性を定義したもの(正解)
エ:人間の基本的欲求を低次から、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求としたもの
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コンピテンシモデル【午前2解説】
正解の理由
コンピテンシモデルは、職務遂行に恒常的に結び付く「行動」や「思考特性」を明確に定義して、人材の評価や育成の基準とする枠組みです。したがって選択肢のうち、個人の行動や思考特性を成果に結び付ける観点を示す ウ が正しい説明です。コンピテンシは単なる知識や技術(スキル)にとどまらず、動機や価値観、思考様式なども含むため、評価・育成・選考・配置の共通基準として使われます。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:ここでは「評価や育成の基準」「恒常的に成果に結び付ける」「個人の行動や思考特性」などが決め手になります。
- 各選択肢と照合する:上のキーワードに合致する説明を選ぶ。
- 類似理論と区別する:リーダーシップ論、欲求段階説、動機付け制度の説明と混同しないようにする。
- 最終判断:これらの手順で ウ が最も適合するため正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 権限行使と命令統制の批判、目標管理(MBO)や経営参加による動機付けを述べる内容です。これは組織管理や動機付けの手法に関する記述で、コンピテンシモデルの定義とは異なります。
- イ: 「状況に応じてリーダーシップのスタイルが異なる」という点は状況適応型リーダーシップ理論(Situational Leadership)に相当します。コンピテンシは個人特性と行動に焦点を当てるため該当しません。
- ウ: 人材の評価・育成の基準として、恒常的に成果に結び付く行動や思考特性を定義する点がコンピテンシモデルの本質を表しています。
- エ: 人間の基本的欲求を低次から高次へ並べたものはマズローの欲求階層説であり、コンピテンシモデルではありません。
よくある誤解
- コンピテンシ=技術(スキル)だけと考える誤解:実際は知識・スキルだけでなく、動機、特性、価値観、思考スタイルなども含みます(KSAOに近い広い概念)。
- コンピテンシは普遍的に同じものだと考える誤解:業務や役割ごとに必要なコンピテンシは異なり、コア(全社員共通)と職務別/リーダーシップ系などに分けて設計されます。
- コンピテンシは即時の成果だけを示すものという誤解:長期的に成果に結び付く行動特性を重視するため、短期の結果だけで判断しない点が重要です。
補足コラム
コンピテンシモデルは、1970年代(代表的には1973年)に心理学者デビッド・マクレランドによって提唱された概念が起源です。以降、組織人事の分野で「行動指標(behavioral indicators)」として具体化され、次のような分類や測定手法が一般的に使われます。
- 分類例:コア(共通)コンピテンシ、職務別コンピテンシ、リーダーシップコンピテンシ等。
- 主な測定手法:行動事例面接(Behavioral Event Interview, BEI)、アセスメントセンター、360度評価、行動観察と評価尺度の導入。
- 活用場面:採用(選考基準)、能力開発(研修設計)、評価・昇進(昇格基準)、後継者計画(サクセッションプランニング)。
簡単な例:営業職のコンピテンシとして「顧客ニーズの深掘り」「交渉の柔軟性」「強い達成志向」を定義し、それぞれに具体的な行動指標を示すことで、評価や育成に一貫性を持たせます。
FAQ
Q1: コンピテンシとスキルの違いは何ですか?
A1: スキルは特定の技術・能力を指すのに対し、コンピテンシは知識・スキルに加え、動機や価値観、思考様式など成果に恒常的に結び付く広い特性を含みます。
A1: スキルは特定の技術・能力を指すのに対し、コンピテンシは知識・スキルに加え、動機や価値観、思考様式など成果に恒常的に結び付く広い特性を含みます。
Q2: コンピテンシはどのように作ればよいですか?
A2: まず職務分析で成果要因を特定し、成功事例から行動指標を抽出(BEIなど)して定義します。定義後は評価尺度を整備し、社内で検証・運用します。
A2: まず職務分析で成果要因を特定し、成功事例から行動指標を抽出(BEIなど)して定義します。定義後は評価尺度を整備し、社内で検証・運用します。
Q3: 全ての職務に共通のコンピテンシはありますか?
A3: あります(例:倫理観、コミュニケーション)。ただし、職務固有のコンピテンシも重要で、両者を組み合わせて設計するのが一般的です。
A3: あります(例:倫理観、コミュニケーション)。ただし、職務固有のコンピテンシも重要で、両者を組み合わせて設計するのが一般的です。
関連キーワード: コンピテンシ, 行動指標, 能力評価, BEI, アセスメントセンター, コンピテンシモデル, 行動事例面接, 動機付け

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