ITストラテジスト 2012年 午前2 問02
問題文
”システム管理基準”によれば、情報戦略の全体最適化計画策定において、実施すべきことはどれか。
選択肢
ア:開発、運用及び保守の費用の算出基礎を明確にする。
イ:個別開発計画の優先順位及び順位付けのルールを明確にする。(正解)
ウ:情報システム部門及びユーザ部門の役割分担を明確にする。
エ:ユーザニーズ調査の対象、範囲及び方法を明確にする。
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全体最適化の優先順位付け【午前2解説】
正解の理由
情報戦略で「全体最適化計画」を策定するときは、個別の開発案件が企業全体の最適化にどう寄与するかを評価し、資源配分を決める必要があります。したがって、個々の開発計画の優先順位と、その順位付けのルールを明確にすることが不可欠です。選択肢のうち、これを直接的に規定しているのが イ です。優先順位付けのルールを定めることで、戦略整合性、投資対効果、リスクや依存関係を踏まえた一貫した判断が可能になり、部分最適による無駄を防げます。
解法ステップ
- 設問のキーワードを把握する:「全体最適化計画」「策定」「実施すべきこと」などを読み取る。
- 各選択肢が「全体最適化計画の策定」にどの程度直接関係するかを判断する。
- 「計画策定」で求められるのは方針・ルールや意思決定基準であることを確認する(実務手続きや個別作業より上位の意思決定が焦点)。
- 各選択肢を「方針・ルールに該当するか」「実務的・個別の事項か」で比較し、もっとも計画策定に相応しいものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 開発、運用及び保守の費用の算出基礎を明確にする。
- 費用算出基礎は予算編成やコスト管理に重要ですが、「全体最適化の計画を策定するための方針・ルール」としては個別の算定手続き寄りです。全体最適化の意思決定基準(優先順位や評価ルール)を直接示していないため、本設問では最優先とは言えません。
- イ: 個別開発計画の優先順位及び順位付けのルールを明確にする。
- 正解。全体最適化計画は複数案件の取捨選択や資源配分を意味するため、優先順位とそのルールを定めることが計画策定の核心になります(戦略整合性、ROI、リスク、依存関係などを評価基準にする)。
- ウ: 情報システム部門及びユーザ部門の役割分担を明確にする。
- 役割分担はガバナンス面で重要ですが、これは組織運用や実行段階の整備に該当することが多く、「全体最適化計画の策定」における主要な決定事項(優先順位付けルール)とは次元が少し異なります。
- エ: ユーザニーズ調査の対象、範囲及び方法を明確にする。
- ユーザニーズ調査は要件定義や案件発掘に不可欠ですが、これも個々の案件を生成・評価するための手続きであり、全体を最適化するための優先順位付けルールそのものではありません。
よくある誤解
- 「全体最適化=単にコスト削減」と考える誤り
- 全体最適化はコストだけでなく、戦略整合性、事業価値、リスク低減、法令順守、運用負荷など複数要素の均衡を取ることです。
- 「役割分担や調査方法の明確化があれば十分」と考える誤り
- 役割や調査手法は重要ですが、計画段階での意思決定基準(優先順位付けルール)がなければ、案件間の比較や資源配分が一貫しません。
補足コラム
優先順位付けのための典型的な評価指標と考え方:
- 戦略整合(事業戦略との一致度)
- 期待される事業効果(売上増、コスト削減など)→ ROIやNPVで評価
- 実行可能性(技術的困難度、体制)
- リスク(セキュリティ、法規制)
- 依存関係(他システムとの連携)
これらを重み付けしてスコア化することで、透明性の高い順位付けが可能になります。簡単な例:
( は重み)
PMOや情報戦略部門がこのルール設定と評価プロセスの運用を担うことが多く、ルール自体は定期的に見直すことが望ましいです。
FAQ
Q: 優先順位付けルールはどのレベルで決めるべきですか?
A: 事業戦略に責任を持つ経営層が方針を示し、PMOや情報戦略部門が実務的な評価基準と運用ルールを策定・適用するのが一般的です。
A: 事業戦略に責任を持つ経営層が方針を示し、PMOや情報戦略部門が実務的な評価基準と運用ルールを策定・適用するのが一般的です。
Q: 重み付けはどう決めればよいですか?
A: 事業の短期・中長期目標に照らして利害関係者と合意し、主要評価軸に優先度を割り当てます。パイロットで検証し調整する実務的アプローチが有効です。
A: 事業の短期・中長期目標に照らして利害関係者と合意し、主要評価軸に優先度を割り当てます。パイロットで検証し調整する実務的アプローチが有効です。
Q: ユーザニーズ調査や費用算出は不要ですか?
A: 不要ではありません。調査や費用算出は案件の評価材料になりますが、設問のように「計画策定で実施すべきこと」を問う場面では、優先順位付けルールの明確化が最優先の方針に該当します。
A: 不要ではありません。調査や費用算出は案件の評価材料になりますが、設問のように「計画策定で実施すべきこと」を問う場面では、優先順位付けルールの明確化が最優先の方針に該当します。
関連キーワード: システム管理基準, 全体最適化, 優先順位付け, 評価基準, PMO, 戦略整合, ROI, リスク評価

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