戦国IT - 情報処理技術者試験の過去問対策サイト
お知らせお問い合わせ料金プラン

ITストラテジスト 2023年 午後103


アパレル製造小売事業者における新たなビジネスプロセスの構築に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。

 M社は、20代~30代を主要顧客とした中堅のアパレル製造小売事業者である。  M社は、全国の都市部を中心に100店舗程度を展開しており、同業他社に先駆けて15年前から自社ECサイト(以下、ECサイトという)を開設して通販にも取り組んできた。また、ECサイトの開設に合わせて、個人顧客の会員向けポイントサービスを開始し、登録会員数は100万人を超えている。  会員向けポイントサービスでは、実店舗及びECサイトでの購買データがデータベース化され、会員の購入金額に応じて実店舗やECサイトで商品代金として利用可能なポイントを付与しており、ポイントの利用率は高い。  また、M社では在庫管理システムで、実店舗や倉庫の在庫データを管理している。   〔M社の事業概要と課題〕  M社は、世界のファッション見本市から半年前の流行を予測し、春物、夏物、秋物、冬物の年4回のシーズンごとに商品開発を行い、販売している。生産は自社工場で行っており、近年設備投資を行い、短納期での多品種少量生産にも対応可能になった。  M社の商品開発は、従来は手書きのデザイン案を基にした実物サンプル品を作成し、実物サンプル品を人間のモデルが着用してデザインの確認と修正を行ってきた。手書きのデザイン作成は、デザイナー1人当たり1日1件程度が限界である。M社は、自社工場の生産に関する設備投資に合わせて、デザイン案とサンプル品をデジタルデータで作成し、人物画像とサンプル品を合成して確認と修正が可能なデザイン支援システムをベンチャー企業と共同開発した。これによって、デザインの作成効率は4倍程度にまで向上している。  また、M社は、若手デザイナーを積極的に登用し、若手デザイナーが流行を的確に捉えた商品を開発することによって、顧客に評価され、売上げを伸ばしてきた。しかし、最近では情報流通速度の高まりによって流行がシーズン期間中に変化するようになり、特にシーズン後半の売上げが停滞するようになった結果、M社全体として売上げが減少傾向にある。これによって、M社の経営状況は悪化してきており、大きな経営課題を抱えている。   〔会員アンケートの結果〕  M社は、顧客のニーズや体験を把握し直し、現状の経営課題に対する解決策の検討を目的として、会員に対して大規模かつ詳細なアンケート(以下、会員アンケートという)を実施した。その結果を分析したところ、次のような傾向が確認できた。  ・流行をいち早く取り入れながらも他人と異なるファッションに魅力を感じるという会員が多かった。  ・シーズン中に商品の入替えがなく、シーズン後半になるとその時点の流行を捉えた商品が見つからなくなるという意見が多かった。  ・販売するデザインに会員の意見を取り入れてほしいという意見が多かった。  ・ECサイトによる通販では、気になった商品をとりあえず買い物カゴに入れて、今後購入したい商品リストのように使用するが、購入しようと思ったときには品切れになっていて残念だったという体験を有する会員が多かった。  ・ECサイトによる通販で購入した商品を実際に着用してみると、想像していたイメージと異なるという理由で返品した体験を有する会員が多かった。  M社は、現状の経営課題を解決するために、会員アンケートの分析結果を踏まえた検討を行った結果、顧客体験価値(UX)の向上が必須であると考え、新たなビジネスプロセスを構築することとした。ただし、新たなビジネスプロセスの構築にはM社には大きな投資となるので、慎重な進め方をする必要がある。   〔新たなビジネスプロセスと実現策〕  新たなビジネスプロセスでは、自社の強みを生かし、“最新を最短で”をコンセプトとして、1か月ごとの短期サイクルで、デザイン案に対する会員の投票や感想を基に多品種少量の新商品を市場に投入することとした。  新しいビジネスプロセスの実現には、デザイン案に対する会員からの投票や感想を限られた期間で収集する仕組みが必要となる。また、デザイン案を効率的に作成する能力や短期間で商品を生産する能力も求められる。  新しいビジネスプロセスでは、1か月サイクルの新商品の市場投入を実現するために、次のようなプロセスを採用することとした。  ① 若手デザイナが新しいデザイン案を常に作成し、大量にストックする。  ② 常にストックされ続けるデザイン案の中から、翌月に販売するデザインの候補(以下、候補デザインという)を一定数選択する。  ③ 過去3か月間に商品の購入で得た獲得ポイント上位の会員を投票者として選定し、販売開始の4週間前から、候補デザインの中から着てみたいものに投票してもらうと同時に、候補デザインに対する感想も提供してもらう。  ④ 投票や感想の提供を行った会員にはポイントを付与する。  ⑤ 販売開始2週間前の時点で投票や感想の提供を締め切り、実際に販売するデザインを選定し、2週間で生産して販売する。  ⑥ 翌月以降は、②〜⑤を繰り返す。    M社は、経営会議において新たなビジネスプロセスの構築を決定した。CTO(Chief Technology Officer)であるX氏は、IT企画室に対し、このプロセスを実現するために必要なデジタル技術を活用した施策の検討(以下、デジタル活用施策という)及び検討した施策の実行計画の策定を指示した。ただし、経営会議では、経営層が“施策に対する投資については、施策の投資効果を検証しながら段階的に行うこと”という条件をつけている。
 M社のIT企画室のリーダーであるX氏は、次の2点を開発する施策を立案した。  ・会員から感想の収集や投票の受付けを可能とする、モバイルデバイスで利用するECサイトの機能を拡張したアプリケーションプログラム(以下、モバイルアプリという)  ・既存のデータやモバイルアプリを通じて新たに得られるデータを活用するためのデータ分析基盤   〔デジタル活用施策の概要〕  モバイルアプリとデータ分析基盤それぞれの機能の概要は次のとおりである。  (1) モバイルアプリ   ・会員は、モバイルアプリ内で商品を選択して商品イメージや仕様を確認できる。   ・会員は、商品の感想を“好き・嫌い”のボタンとテキストのコメントで送信できる。   ・会員は、気に入った商品が見つかった場合は、買い物カゴに入れたり、購入したりできる。   ・会員に対してモバイルアプリからメッセージをプッシュ通知できる。   ・候補デザインの投票者に選ばれた会員(以下、投票者という)に対して、投票者に選ばれた旨と投票期間の通知を行い、候補デザインの投票を促すことができる。   ・投票者は、モバイルアプリから通知を受けて、着てみたい候補デザインを選択することによって投票できる。   ・投票者は、候補デザインについても商品と同様に感想を送信できる。  (2) データ分析基盤   ・データ分析基盤には、会員データ、購買データ、在庫データ、買い物カゴデータ、モバイルアプリからの投票結果データと感想データが蓄積できる。   ・投票者からの候補デザインに対する投票結果データ及び感想データを分析し、候補デザインを評価できる。   ・ア:商品に対する感想データから会員の好みを分析し、その会員の好みに合い、かつ、他の会員があまり購入していない商品の情報をメッセージとして自動生成し、モバイルアプリに連携できる
〔CTOからのコメント〕  M社のCTOであるY氏は、X氏の提案に対し、次の指摘を行った。  ① 施策をある期間実施して投資効果の検証を行うこと。  ② 会員アンケートの分析結果を踏まえて、モバイルアプリによる通知のUXを高める対策を追加で検討すること。
 X氏は、指摘①を考慮して、施策の実行計画を立案した。指摘②に対しては、次の二つの対策を立案した。  ・ほぼ全てのモバイルデバイスにカメラが装備されている現状を踏まえて、モバイルアプリにM社が導入しているデザイン支援システムの"人物画像とデジタルデータのサンプル品を合成する技術"を応用した機能を追加する。  ・買い物カゴの利用方法に関連して、データ分析基盤からあるメッセージを生成し、会員に通知する。

設問1

〔会員アンケートの結果〕について、M社が新たなビジネスプロセスを構築することによって、どのような目的を達成しようとしたか。15字以内で答えよ。

模範解答

経営状況の悪化を防ぐこと

解説

解答の論理構成

  1. 経営課題の発生
    ― 問題文には「M社全体として売上げが減少傾向にある。これによって、M社の経営状況は悪化してきており、大きな経営課題を抱えている。」とあります。
    ― すなわち、売上減少が続き経営が悪化していることが明示されています。
  2. 課題解決の手段として新プロセスを採用
    ― 同じく「M社は、現状の経営課題を解決するために、会員アンケートの分析結果を踏まえた検討を行った結果、…新たなビジネスプロセスを構築することとした。」とあるように、新ビジネスプロセスは経営課題の解決を狙ったものです。
  3. 目的の核心
    ― 売上減少が引き起こす「経営状況の悪化」を食い止めることが、シーズン中の流行変化への対応やUX向上といった施策の“大義”であると読み取れます。
以上より、新たなビジネスプロセスで達成しようとした目的は
「経営状況の悪化を防ぐこと」
となります。

誤りやすいポイント

  • UX向上や短期サイクル化など“手段”をそのまま目的と答えてしまう。
  • 「売上げを伸ばすこと」と答え、悪化を“防ぐ”というニュアンスを欠落させる。
  • 会員の満足度向上など顧客視点のみを挙げ、経営視点を忘れる。

FAQ

Q: 「売上げ増加」では不正確ですか?
A: 売上げ増加は期待される効果ですが、本文は“悪化している経営状況”を止めることを主眼にしています。従って「経営状況の悪化を防ぐこと」が直接的な目的です。
Q: なぜ「UX向上」が目的にならないのですか?
A: UX向上は経営悪化を防ぐための手段です。問題文でもUX向上は「必須」とされつつ、その前段で経営課題の解決が語られています。
Q: 具体的に何をすれば悪化を防げるのですか?
A: 1か月サイクルで顧客投票を取り入れた新商品投入、モバイルアプリ開発、データ分析基盤構築などが組み合わさった施策全体が対策となります。

関連キーワード: UX向上, 売上減少, 経営課題, ビジネスプロセス改善, 顧客体験

設問2

〔新たなビジネスプロセスと実現策〕について、新たなビジネスプロセスを実現するために活用すべきM社の強みを、商品開発面と生産面からそれぞれ30字以内で答えよ。

模範解答

商品開発:流行を的確に捉えた商品開発ができる若手デザイナー 生産:短納期で多品種少量生産に対応できる自社工場

解説

解答の論理構成

  1. 問題は「新たなビジネスプロセスを実現するために活用すべきM社の強み」を商品開発面と生産面で整理させるものです。
  2. 商品開発面の根拠は【問題文】
    「M社は、若手デザイナーを積極的に登用し、若手デザイナーが流行を的確に捉えた商品を開発することによって、顧客に評価され、売上げを伸ばしてきた。」
    ─ 流行を読んだデザイン力と若手のフットワークが強みと分かります。
  3. 生産面の根拠は【問題文】
    「生産は自社工場で行っており、近年設備投資を行い、短納期での多品種少量生産にも対応可能になった。」
    ─ シーズン中でも小ロットを迅速に供給できる生産キャパシティが強みです。
  4. したがって解答は
    • 商品開発:流行を的確に捉えた商品開発ができる若手デザイナー
    • 生産:短納期で多品種少量生産に対応できる自社工場

誤りやすいポイント

  • 「デザイン支援システム」や「デザイン作成効率は4倍」を強みと勘違いしやすいですが、本問は「商品開発面」「生産面」での組織的・設備的強みを問うています。
  • 生産の強みを「設備投資を行った自社工場」だけで止めると“短納期・多品種少量”の肝心なキーワードを落としがちです。
  • 商品開発の強みを「若手デザイナー」だけにすると“流行を的確に捉えた”という価値が抜け、ポイントを逸しやすいです。

FAQ

Q: デザイン支援システムの技術力は強みに含めなくてよいのですか?
A: 本問はビジネスプロセスの軸となる「商品開発面」と「生産面」に限定して強みを抜き出す設問です。技術は補助的要素であり、直接の強みとしては評価されません。
Q: 生産面で「自社工場」という単語は必須ですか?
A: はい。「自社工場」である点が短納期と多品種少量を実現する背景なので、記述に含めると論理が明確になります。
Q: 商品開発面で「若手」でなく「デザイナー」とだけ書くと減点されますか?
A: “若手デザイナーを積極的に登用”という特徴が流行感度の高さを裏付けているため、「若手」を落とすと強みの核心が弱まり、減点リスクがあります。

関連キーワード: 多品種少量生産, UX, データ分析基盤, モバイルアプリ

設問3〔デジタル活用施策の概要〕について答えよ。

(1)候補デザインに対して、より多くの投票や感想を集めるための施策を30字以内で答えよ。

模範解答

投票や感想の提供を行った会員にポイントを付与する。

解説

解答の論理構成

  1. 問題は「候補デザインに対して、より多くの投票や感想を集めるための施策」を尋ねています。
  2. 新ビジネスプロセスの具体策として、【問題文】には
    「④ 投票や感想の提供を行った会員にはポイントを付与する。」
    と明記されています。
  3. さらにポイント施策の効果を裏付ける記述として、
    「ポイントの利用率は高い。」
    という事実が示され、会員がポイントに反応しやすいことが分かります。
  4. よって、多くの投票・感想を獲得する最適解は、ポイント付与によるインセンティブと論理的に導けます。
  5. 以上より、模範解答は「投票や感想の提供を行った会員にポイントを付与する。」となります。

誤りやすいポイント

  • プッシュ通知で投票を促すだけと勘違いし、インセンティブ部分を漏らす。
  • 「クーポン付与」など問題文に無い施策を回答してしまう。
  • 投票対象者を「全会員」と書くなど、設問外の条件を盛り込み解答が冗長になる。

FAQ

Q: プロセス③の「投票してもらう」仕組み自体が施策ではないのですか?
A: ③は手続きの説明です。投票数を“増やす”明確なインセンティブは④のポイント付与です。
Q: 他に通知やUX改善策は施策に含まれないのですか?
A: 通知機能は別途UX向上策として検討されていますが、「より多くの投票や感想を集める」直接的施策はポイント付与のみが明記されています。
Q: ポイント以外の報酬を書いても部分点はありますか?
A: 問題文に根拠が無い施策は減点対象になりやすいため、提示された「ポイント」に限定するのが安全です。

関連キーワード: インセンティブ, ポイントサービス, UX向上, 顧客エンゲージメント

設問3〔デジタル活用施策の概要〕について答えよ。

(2)データ分析基盤において、本文中の下線①の機能を実装した目的を35字以内で答えよ。

模範解答

他人と異なるファッションに魅力を感じる会員のニーズを満たすため

解説

解答の論理構成

  1. 問題文の下線部では、データ分析基盤が
    ア:商品に対する感想データから会員の好みを分析し、その会員の好みに合い、かつ、他の会員があまり購入していない商品の情報をメッセージとして自動生成し、モバイルアプリに連携できる
    と規定されています。
  2. ここで強調されているのは「好みに合い、かつ、他の会員があまり購入していない」商品を提示する点です。
  3. 会員アンケートには
    「流行をいち早く取り入れながらも他人と異なるファッションに魅力を感じるという会員が多かった。」
    という結果が示されています。
  4. すなわち、下線部機能は“人気が集中していない”商品を敢えて推奨することで、「他人と異なるファッション」を望む層の期待に応える仕組みです。
  5. したがって、実装目的は「他人と異なるファッションに魅力を感じる会員のニーズを満たすため」と結論付けられます。

誤りやすいポイント

  • 「在庫の偏りを解消するため」と解釈しやすいが、機能説明に“好みに合い”というパーソナライズ要素が明記されているため主眼はUX向上です。
  • 「売上げ増加が直接目的」と短絡しがちだが、設問は“目的”を問うており、会員アンケートとの対応付けが必須です。
  • 「流行を取り入れる」部分だけを抜き出し「最新トレンド提供」と書くと“他人と異なる”要素が欠落し減点対象となります。

FAQ

Q: 人気が低い商品を薦めると売上げが落ちませんか?
A: 人気が低くても該当会員には“唯一無二”の商品価値が高く、満足度とロイヤルティ向上が期待できます。
Q: なぜ「購入履歴」だけでなく「感想データ」を使うのですか?
A: 感想は顕在的・潜在的な嗜好を示す重要情報で、購入に至らなかった理由や好みのニュアンスまで分析できるからです。
Q: 投票機能と推奨機能は別物ですか?
A: 役割が異なります。投票は“次に作る商品”を選ぶ仕組み、推奨は“既にある商品”を個人向けに紹介する仕組みです。

関連キーワード: パーソナライズド推薦, 顧客体験価値, 投票データ分析, ポイントサービス, UX向上

設問4〔CTOからのコメント〕について答えよ。

(1)Y氏の指摘①について、Y氏が、“施策をある期間実施して投資効果の検証を行うこと。”と指摘した理由を20字以内で答えよ。

模範解答

段階的に投資を行う必要があるから

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】には、経営会議で「経営層が“施策に対する投資については、施策の投資効果を検証しながら段階的に行うこと”という条件をつけている。」と明示されています。
  2. Y氏の指摘①は「施策をある期間実施して投資効果の検証を行うこと。」です。
  3. これは上記条件に従い、いきなり多額の資金を投入せず「段階的」に進めるための具体的指示であると読み取れます。
  4. したがって解答は「段階的に投資を行う必要があるから」となります。

誤りやすいポイント

  • 「投資額を抑えるため」などと短絡的に書き、問題が求める“段階的”というキーワードを欠落させる。
  • “検証しながら”の部分だけに注目し、投資を段階的に進める背景(経営会議の条件)を引用しない。
  • 施策効果=売上向上と決めつけ、投資対効果の考え方を外してしまう。

FAQ

Q: なぜ“ある期間”という表現が使われているのですか?
A: 段階的に投資し、その都度効果を測るために検証期間が必要だからです。
Q: 効果検証にはどの指標を使えばよいでしょうか?
A: 施策別KPI(アプリ利用率、投票参加率、ポイント消化率など)と財務指標(ROI、売上増加額)を組み合わせると客観性を確保できます。
Q: 段階的投資とPoC(概念実証)は別物ですか?
A: PoCは初期段階の実証実験、段階的投資はPoCを含め複数フェーズで資金投入を細分化する考え方です。目的はどちらもリスク低減です。

関連キーワード: ROI, フェーズ導入, 効果検証, PoC, KPI

設問4〔CTOからのコメント〕について答えよ。

(2)Y氏の指摘②について、X氏が、モバイルアプリに機能を追加することによって応えられると考えた会員のニーズは何か。35字以内で答えよ。

模範解答

想像していたイメージどおりの商品を購入したいというニーズ

解説

解答の論理構成

  1. 会員アンケートの分析結果
    • 【問題文】には、会員の不満として
      「ECサイトによる通販で購入した商品を実際に着用してみると、想像していたイメージと異なるという理由で返品した体験を有する会員が多かった。」
      と明記されています。
    • これは“イメージどおりに商品を選びたい”という潜在的ニーズを示しています。
  2. CTO(Y氏)の指摘②
    • Y氏は「会員アンケートの分析結果を踏まえて、モバイルアプリによる通知のUXを高める対策を追加で検討すること。」と要求しました。
    • つまり、上記の不満を解決できる機能追加が必要です。
  3. X氏が立案した追加機能
    • X氏は「ほぼ全てのモバイルデバイスにカメラが装備されている現状を踏まえて、モバイルアプリにM社が導入しているデザイン支援システムの"人物画像とデジタルデータのサンプル品を合成する技術"を応用した機能を追加する。」と提案しました。
    • この技術は、利用者自身の写真とサンプル品を合成し、購入前に着用イメージを確認できるようにするものです。
  4. ニーズと機能の一致
    • 合成試着機能により、ユーザは“想像していたイメージ”を事前に視覚的に確かめられます。
    • よって、X氏が応えようとしたニーズは「想像していたイメージどおりの商品を購入したい」という点に帰着します。

誤りやすいポイント

  • 「品切れで購入できない」という別の不満に引きずられ、買い物カゴ関連の通知が中心だと誤解する。
  • CTOの指摘②が“通知のUX向上”に触れているため、プッシュ通知内容のみを考えてしまい、試着イメージ機能との関連を見落とす。
  • 「イメージと異なる返品」の原因をサイズ不一致と短絡し、“サイズ選定支援”に焦点を当ててしまう。

FAQ

Q: 追加機能はなぜカメラ搭載が前提なのですか?
A: 【問題文】に「ほぼ全てのモバイルデバイスにカメラが装備されている現状を踏まえて」とあるため、顧客の端末環境を活かし簡便に試着イメージを提供できるからです。
Q: 買い物カゴ通知も指摘②への回答ではないのですか?
A: 買い物カゴ通知は“品切れ防止”への対応ですが、指摘②はアンケート結果全体を踏まえたUX向上策を求めています。返品理由である“イメージ相違”の解消がより本質的と判断されます。
Q: この試着イメージ機能は投資対効果の検証が難しくないですか?
A: 返品率や購入完了率の指標を導入前後で比較することで効果測定が可能です。段階的にリリースし、データ分析基盤で数値を追跡すれば検証できます。

関連キーワード: ユーザ体験, AR試着, プッシュ通知, パーソナライズ, 購買行動分析

設問4〔CTOからのコメント〕について答えよ。

(3)Y氏の指摘②について、買い物カゴの利用方法に関連して、会員にどのようなメッセージを通知するべきか。30字以内で答えよ。

模範解答

買い物カゴの商品の在庫が少なくなったというメッセージ

解説

解答の論理構成

  1. 会員が抱える不満の把握
    【問題文】には、会員アンケート結果として
    ― 「ECサイトによる通販では、気になった商品をとりあえず買い物カゴに入れて…購入しようと思ったときには品切れになっていて残念だったという体験を有する会員が多かった。」
    と明記されています。
    ここから、品切れによる機会損失が UX 低下の主因であると読み取れます。
  2. CTO の指摘②と追加対策の文脈
    CTO は「モバイルアプリによる通知のUXを高める対策を追加で検討すること」と指摘。
    これに対し X 氏は「買い物カゴの利用方法に関連して、データ分析基盤からあるメッセージを生成し、会員に通知する」としています。
    したがって通知内容は“品切れ”を未然に防ぐ情報である必要があります。
  3. 最適な通知メッセージの導出
    ① 買い物カゴに入れた商品
    ② 在庫数が減少
    ③ 売切れ前に購入を促す
    という流れが UX 向上のポイントです。
    よって「買い物カゴの商品の在庫が少なくなった」旨を即時通知するメッセージが最も適合します。

誤りやすいポイント

  • 品切れ発生「後」に送るメッセージと誤解し、既に購買機会を失った通知を想定してしまう。
  • 「セール開始」や「ポイント失効」など在庫と無関係なトリガに言及してしまう。
  • 買い物カゴではなく「お気に入り」や「ウォッチリスト」と混同する。

FAQ

Q: 品切れ通知そのものではいけませんか?
A: 品切れ後では機会損失が確定しており UX は改善しません。在庫減少時に早期アラートを出すことで実際の購買行動につながります。
Q: 在庫閾値はどのように設定するのが望ましいでしょうか?
A: データ分析基盤に蓄積された販売速度と在庫回転率から動的に閾値を算出し、商品カテゴリや人気度ごとに調整する方法が一般的です。
Q: 通知はプッシュだけで十分ですか?
A: プッシュ通知を主としつつ、アプリ内バナーやメールも併用すると見逃しを防げます。ユーザの通知設定でチャネル選択を可能にするとよりフレンドリーです。

関連キーワード: 在庫アラート, プッシュ通知, データ分析基盤, ユーザーエクスペリエンス
戦国ITクイズ機能

\ せっかくなら /

ITストラテジスト
クイズ形式で学習しませんか?

クイズ画面へ遷移する

すぐに利用可能!

©︎2026 情報処理技術者試験対策アプリ

このサイトについてプライバシーポリシー利用規約特商法表記開発者について