ITストラテジスト 2024年 午後1 問03
旅館のIT活用による業務改革に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
B旅館は、N県にある山海の資源に恵まれたT温泉において、創業100年を超える従業員50名程度の旅館である。B旅館は、歴史ある建物や独立性の高い居室によって、伝統と格式を感じさせる雰囲気が特長である。
B旅館は、“お客様と紡む時間、一歩先のおもてなし体験”をコンセプトとし、教育が行き届いた仲居を中心とした利用客に寄り添った接客サービスによって、リピータや口コミ経由の利用客を獲得してきた。特に、予約時に聞き取った情報や接客時の会話から得た情報(以下、接客情報という)を用いて、担当する利用客のニーズや好み、宿泊目的などを仲居が把握し、丁寧な気遣いやサプライズ演出を行うことで利用客の顧客体験価値(UX)の向上に大きな貢献をしてきた。接客情報は宿泊するたびに増えていくので、常連客ほど高いUXを得ている。
〔B旅館における業務改革推進の背景〕
ここ数年の感染症の流行による観光客の減少によって、B旅館の客室稼働率(以下、稼働率という)が急激に落ち込んだ。売上げが著しく低下したので、経営を維持するためには仲居を含めた従業員の削減も行わざるを得なかった。最近では、感染症の流行も落ち着いて観光客数は回復傾向にあり、遠隔地での休暇と就労を組み合わせるワーケーションを推奨する企業も増えている。B旅館は、この変化をビジネスチャンスと捉え、感染症の流行前を超える稼働率を実現したいと考えている。稼働率の向上に対応するためには、今まで以上に人手が必要となるが、一度削減した従業員の補充は思うように進まず、今後の見通しも立っていない。この状況が継続すると、稼働率の向上という目標が達成できないだけでなく、B旅館の強みが低下してB旅館の経営に大きく影響するおそれがある。
B旅館は、現状の従業員を前提とし、B旅館の強みを更に強化しつつ業務を効率化することによって、稼働率の向上という経営目標を達成するため、ITを活用した業務改革を推進することとした。
〔B旅館の現状〕
B旅館の各業務における現状は次のとおりである。
(1) 予約
・フロント係が表計算ソフトで作成した予約台帳で予約情報を管理している。電話予約や旅行予約サイトなど複数の予約チャネルが存在しているが、予約台帳のメンテナンスは手作業なので時間が掛かる上、予約情報の変更などをリアルタイムに管理することができていない。
(2) 接客
・仲居は接客情報を他の従業員に連携しなければならないが、他の従業員との情報連携手段は口頭なので時間が掛かり、接客に使える時間が減やせない。
・若手仲居の育成は10年以上の経験を積んだベテラン仲居がOJTを通して行っており、今の育成方法ではノウハウの継承に早くても5年程度掛かる。
・従業員削減の影響によって仲居の業務負荷が高まり、ベテラン仲居が若手仲居を育成する時間がとれなくなっている。
・仲居は接客情報をサービス向上に役立てている。しかし、接客情報にはアレルギーや身体の状況などの要配慮個人情報が含まれ得ることから、管理に際しては利用客の同意を得た上で、情報の取扱いに常に細心の注意を払う必要がある。
(3) 清掃
・清掃係が行う客室清掃は、客室の状況によって清掃に掛かる時間が異なるので、予定した時間で清掃が終わらない部屋が出てしまうことがある。逆に、時間が余る清掃係もいるが、他の清掃係の状況が分からず、支援に回ることができない。
(4) マーケティング
・B旅館では、春と秋の行楽シーズンは稼働率が高いが、夏と冬は稼働率が下がる傾向にある。
・営業係が管理する利用後アンケートでは、家族などの同伴者の誕生日や結婚記念日などのライフイベントが宿泊目的であったという回答が多い。しかし、同伴者のライフイベントの情報はB旅館としては蓄積、管理できていない。
・ワーケーションが認められるようになったので、学校が休みの時期に仕事をしながら家族と長期宿泊したいが、費用は抑えたいという要望が増えている。
〔B旅館のアクションプラン〕
B旅館では、B旅館の現状や従業員の補充状況を踏まえると、経営目標を達成するためには、業務効率化、集客力向上、若手仲居の育成早期化を実現することが必要と考え、次のアクションプランを作成した。
① 業務効率化
・予約情報を一元管理できる予約台帳とすることによって、予約台帳のメンテナンスに掛かっていた時間を削減したり、予約台帳で予約情報の変更をリアルタイムに管理できるようにしたりする。
・接客情報や業務状況を可視化し、全ての従業員で共有することによって、情報連携に要していた時間を削減したり、従業員の空き時間を活用できるようにしたりする。
② 集客力向上
・適切なタイミングで利用客に向けてプロモーションを行う。
・通常より料金を抑えた夏季及び冬季限定の長期滞在家族プランを新設する。
③ 若手仲居の育成早期化
・ベテラン仲居が暗黙知として保有しているノウハウを形式知化し、若手仲居が学習、実践できるようにする。
・実践結果をベテラン仲居からのフィードバックを記録して振り返りを行うとともに、自己学習を可能として育成早期化を図る。
〔旅館管理システムの概要〕
B旅館は、これらのアクションプランを実現するために、宿泊業向けのSaaSなどのクラウドサービスを活用して、旅館管理システムを構築することとした。
旅館管理システムの概要を図1に示す。

(1) デバイス
・全ての従業員にタブレットとインカムを持たせ、タブレット経由で旅館管理システムにアクセスする。
(2) 社内チャット
・従業員は、タブレットを用いて接客情報や業務連絡を社内チャットに登録することができる。
・社内チャットのうち、接客情報は、利用客名や部屋番号などをタグとして登録することによって、顧客管理と連携できる。
・社内チャットのうち、今後の業務に役立ちそうな内容は、ノウハウとしてナレッジベースに連携できる。
(3) ナレッジベース
・従業員が共同で業務ごとのナレッジやノウハウを追加・編集できる。
・OJTに関する実践結果とフィードバックを記録できる。
・蓄積されたナレッジやノウハウからAIによってシーン別の問題を作成し、従業員が自己学習することができる。
(4) 予約管理
・電話での予約を予約情報として登録できる。
・予約情報の変更や削除ができる。
・提携している旅行予約サイトと双方向に予約情報を連携できる。
(5) 顧客管理
・予約管理から、利用客に関する情報を顧客管理に連携できる。
・全ての利用客について、接客情報、予約情報、利用後アンケート結果を顧客情報と関連付けて蓄積し、確認できる。
・顧客情報と関連付けられた予約情報、利用後アンケート結果を自然言語解析することによって、宿泊目的に関する情報を分析できる。
(6) 清掃管理
・タブレットから客室清掃の作業結果を報告できる。
(7) 情報セキュリティ
・旅館管理システムで扱う情報の特性を踏まえ、情報の漏えい、改ざん、毀損、滅失などへの対策を強化する。
〔従業員からの意見〕
従業員に対して旅館管理システムの機能説明を行ったところ、仲居から、「採用予定のタブレットとインカムは目立ちすぎて旅館の雰囲気にそぐわない」や「常に館内を歩き回っているので、手を使わずに社内チャットに登録できればより効率的になる」という意見が挙がった。これらの意見に対応するために、インカムとタブレットは目立たないサイズや色を選定するとともに、ある機能を追加して社内チャットの登録を効率化することとした。
設問1:
〔B旅館における業務改革推進の背景〕について、B旅館が経営目標を達成するために活用すべき強みは何か。30字以内で答えよ。
模範解答
教育が行き届いた仲居を中心とした利用者に寄り添った接客
解説
解答の論理構成
-
強みを探す視点
〔B旅館における業務改革推進の背景〕では、感染症の影響で客室稼働率が落ち込んだ状況と、そこから回復するために「B旅館の強みを更に強化しつつ業務を効率化」する方針が示されています。よって、まずは“B旅館の強み”を文中から抽出する必要があります。 -
強みを示す記述
問題文には次の部分があります。
・「“お客様と紡む時間、一歩先のおもてなし体験”をコンセプトとし、教育が行き届いた仲居を中心とした利用客に寄り添った接客サービスによって、リピータや口コミ経由の利用客を獲得してきた。」
この文が、B旅館の長年の差別化ポイント=強みを端的に語っています。 -
経営目標との関係
経営目標は稼働率向上です。利用客を増やす上で、既存のリピータや口コミの源泉となっている“教育が行き届いた仲居主体の寄り添い接客”こそが直接的に寄与します。したがって、この接客こそ活用すべき強みと判断できます。 -
まとめ
上記を整理し、「教育が行き届いた仲居を中心とした利用客に寄り添った接客」を解答とします。
誤りやすいポイント
- 「歴史ある建物」や「独立性の高い居室」を強みと勘違いする
これらは“特長”として紹介されていますが、稼働率向上を支えてきた要因としては接客が主である点に注意します。 - 「仲居の人数」や「ベテラン仲居の存在」だけを答えてしまう
人数やベテランの有無は強みそのものではなく、“教育が行き届いた仲居による寄り添い接客”というサービス内容が強みです。 - IT施策(予約管理やナレッジベース)を強みと書く
それらはこれから導入する手段であり、現時点の強みではありません。
FAQ
Q: 建物の歴史や独立性は経営目標に無関係なのですか?
A: 無関係ではありませんが、問題文で“強み”として直接言及され、リピータ獲得の源泉と説明されているのは接客サービスです。よって優先度が高いのは接客と判断します。
A: 無関係ではありませんが、問題文で“強み”として直接言及され、リピータ獲得の源泉と説明されているのは接客サービスです。よって優先度が高いのは接客と判断します。
Q: 若手仲居の育成早期化も強みでは?
A: 育成早期化は今後強化したい施策であり、現時点の“強み”ではなく“課題”に分類されています。
A: 育成早期化は今後強化したい施策であり、現時点の“強み”ではなく“課題”に分類されています。
Q: IT導入で接客の質が落ちないか心配です
A: 問題文でもタブレットやインカムの目立たなさ、ハンズフリー入力など“接客の質を損なわず効率化”する調整が図られています。
A: 問題文でもタブレットやインカムの目立たなさ、ハンズフリー入力など“接客の質を損なわず効率化”する調整が図られています。
関連キーワード: 顧客体験, OJT, ナレッジ共有, リピータ獲得, UX
設問2:〔B旅館のアクションプラン〕について答えよ。
(1)業務効率化が必要となった背景であるB旅館の従業員の補充状況とはどのような状況か。35字以内で答えよ。
模範解答
従業員の補充が思うように進まず、今後の見通しも立っていない状況
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、感染症流行による客室稼働率の低下を受けて「仲居を含めた従業員の削減」がおこなわれたと記述されています。
- その後の状況として、次の原文が示されています。
――「一度削減した従業員の補充は思うように進まず、今後の見通しも立っていない。」 - 業務効率化は「現状の従業員を前提」として稼働率向上を図る施策です。したがって、業務効率化が必要になった直接の背景は上記の“補充が進まない・見通しが立たない”という人員面の課題になります。
- 以上より、設問が問う「従業員の補充状況」は
「従業員の補充が思うように進まず、今後の見通しも立っていない状況」
とまとめられます。
誤りやすいポイント
- 「削減した従業員が戻っていない」などと短縮し過ぎて“見通しが立たない”を落とすと要素不足になります。
- 「採用が難航している」など意訳し、原文の「思うように進まず」を外すと減点対象です。
- 補充が必要になった理由(観光客減少→削減)を詳述してしまい、状況そのものを答えていないケースも散見されます。
FAQ
Q: 「補充が遅れている」だけでは不十分ですか?
A: 原文には「今後の見通しも立っていない」と二つの情報が示されています。両方を含めることで設問が求める“状況”を正確に表現できます。
A: 原文には「今後の見通しも立っていない」と二つの情報が示されています。両方を含めることで設問が求める“状況”を正確に表現できます。
Q: なぜ人手不足ではなく業務効率化で対応するのですか?
A: 人員補充の見通しが立たず、短期的に人手を増やせないため、現有戦力で稼働率を上げるには業務効率化が最も効果的と判断されたためです。
A: 人員補充の見通しが立たず、短期的に人手を増やせないため、現有戦力で稼働率を上げるには業務効率化が最も効果的と判断されたためです。
Q: 原文引用は必須ですか?
A: 解答欄への記入では要約で構いませんが、根拠を確認するときは原文表現「従業員の補充は思うように進まず、今後の見通しも立っていない」を念頭に置くと確実です。
A: 解答欄への記入では要約で構いませんが、根拠を確認するときは原文表現「従業員の補充は思うように進まず、今後の見通しも立っていない」を念頭に置くと確実です。
関連キーワード: 業務効率化, 人員計画, リソースマネジメント, 要件抽出, SaaS
設問2:〔B旅館のアクションプラン〕について答えよ。
(2)業務効率化によって得られる仲居に関連する時間的なメリットを二つ挙げ、それぞれ20字以内で答えよ。
模範解答
①:接客業務に使える時間が増やせる。
②:若手仲居を育成する時間を確保できる。
解説
解答の論理構成
-
業務効率化の狙い
【問題文】では、アクションプラン①において、
・「予約情報を一元管理…予約台帳のメンテナンスに掛かっていた時間を削減」
・「接客情報や業務状況を可視化…情報連携に要していた時間を削減」
と明示しており、仲居を含む従業員の作業時間を短縮する施策であると読み取れます。 -
現状で失われている仲居の時間
接客に関する記述として、
・「口頭なので時間が掛かり、接客に使える時間が減やせない」
・「ベテラン仲居が若手仲居を育成する時間がとれなくなっている」
が挙げられています。ここが“解決すべき時間的課題”です。 -
時間短縮後に得られるメリットを抽出
業務効率化によって上記の課題が解消されれば、
① 接客情報連携の効率化 → 「接客業務に使える時間が増やせる。」
② 業務負荷軽減 → 「若手仲居を育成する時間を確保できる。」
という二つの直接的メリットが導出されます。どちらも“仲居に関連する時間的なメリット”であり、設問要件を満たします。
誤りやすいポイント
- 予約台帳の整備による時間短縮をそのまま回答してしまい、「仲居に関連する」条件を外す。
- “削減できる時間”ではなく“改善できるサービス品質”をメリットに書いてしまう。
- 「接客業務」「若手育成」以外の第三のメリット(例:清掃支援など)を挙げ、出題意図からずれる。
FAQ
Q: 業務効率化の対象は予約管理だけと考えて良いですか?
A: いいえ。「接客情報や業務状況を可視化」も含まれており、仲居の情報連携が主要対象です。
A: いいえ。「接客情報や業務状況を可視化」も含まれており、仲居の情報連携が主要対象です。
Q: “若手仲居の育成早期化”は別項目③ですが、時間的メリットに含めても良いのですか?
A: 可能です。現状で育成時間が不足している原因は業務負荷であり、①の効率化で時間を捻出できるため、直接的なメリットとして認められます。
A: 可能です。現状で育成時間が不足している原因は業務負荷であり、①の効率化で時間を捻出できるため、直接的なメリットとして認められます。
Q: 接客情報を共有することで情報セキュリティ上の懸念はないのでしょうか?
A: 「旅館管理システムで扱う情報の特性を踏まえ…対策を強化する」と記載があり、適切な保護措置が前提となっています。
A: 「旅館管理システムで扱う情報の特性を踏まえ…対策を強化する」と記載があり、適切な保護措置が前提となっています。
関連キーワード: 業務効率化, 情報共有, ナレッジマネジメント, クラウドサービス, タスク可視化
設問2:〔B旅館のアクションプラン〕について答えよ。
(3)長期滞在家族プランを新設する背景となった利用客のニーズを30字以内で答えよ。
模範解答
費用を抑えつつ仕事をしながら家族と長期間宿泊したいニーズ
解説
解答の論理構成
- 問題文は、マーケティング業務の現状として
「ワーケーションが認められるようになったので、学校が休みの時期に仕事をしながら家族と長期宿泊したいが、費用は抑えたいという要望が増えている。」
と明示しています。 - さらにアクションプラン②では
「通常より料金を抑えた夏季及び冬季限定の長期滞在家族プランを新設する。」
と記載され、上記要望への対応策であることが示されています。 - したがって背景となる利用客のニーズは、「費用を抑えながら、仕事と家族の長期滞在を両立したいこと」と整理できます。
- これを端的にまとめると、設問が求める解答は
費用を抑えつつ仕事をしながら家族と長期間宿泊したいニーズ
となります。
誤りやすいポイント
- 「夏と冬は稼働率が下がる傾向」に注目し、季節要因のみを答えてしまう。ニーズは稼働率の理由ではなく顧客側の要望です。
- ワーケーションの「仕事をしながら」を抜かし、「家族と長期宿泊したいだけ」と要約してしまう。仕事と宿泊の両立が重要です。
- 「費用は抑えたい」というコスト面を落としてしまう。料金を抑えたプランを作る理由が説明できなくなります。
FAQ
Q: ワーケーションという言葉を必ず入れる必要はありますか?
A: 必須ではありませんが、「仕事をしながら」という要素を含めれば趣旨を外しません。
A: 必須ではありませんが、「仕事をしながら」という要素を含めれば趣旨を外しません。
Q: 「長期」という表現はどこから来ていますか?
A: 引用文中に「長期宿泊したい」と明記されています。
A: 引用文中に「長期宿泊したい」と明記されています。
Q: 季節(夏季・冬季)を盛り込むべきですか?
A: ニーズ自体は季節に限定されていないため、必須ではありません。季節はプラン内容の特徴です。
A: ニーズ自体は季節に限定されていないため、必須ではありません。季節はプラン内容の特徴です。
関連キーワード: ワーケーション, 顧客ニーズ, プラン設計, コスト最適化, マーケティング
設問3:〔旅館管理システムの概要〕について答えよ。
(1)社内チャットが仲居の育成早期化に有用である理由を35字以内で答えよ。
模範解答
ベテラン仲居が保有しているノウハウを形式知化できるから
解説
解答の論理構成
-
現状の課題
- 若手仲居の育成は「10年以上の経験を積んだベテラン仲居がOJTを通して行っており、今の育成方法ではノウハウの継承に早くても5年程度掛かる」と記述されています。
- つまり、暗黙知(ベテランの経験知)が口頭でしか伝わらず、時間がかかる点がボトルネックです。
-
アクションプランの方向性
- ③ 若手仲居の育成早期化では「ベテラン仲居が暗黙知として保有しているノウハウを形式知化し、若手仲居が学習、実践できるようにする」と明言されています。
- 育成早期化の鍵は“形式知化”にあると分かります。
-
社内チャットの役割
- 旅館管理システムの機能説明で社内チャットについて「今後の業務に役立ちそうな内容は、ノウハウとしてナレッジベースに連携できる」とあります。
- つまり、チャットに蓄積→ナレッジベースへ連携→共有・検索可能という流れで暗黙知を文書化=形式知化できます。
-
結論
- 社内チャットはベテランの接客ノウハウをテキストとして残し、ナレッジベースへ渡す媒介になります。
- よって「ベテラン仲居が保有しているノウハウを形式知化できるから」が適切な理由になります。
誤りやすいポイント
- “共有”というキーワードだけでまとめ、形式知化という本質語を欠く。
- ナレッジベースの機能を回答に書き、社内チャットの直接的効用を外してしまう。
- 「記録できるから」「学習できるから」など抽象的すぎる表現でポイントを落とす。
FAQ
Q: 「形式知化」とは具体的に何を指しますか?
A: 暗黙知(経験的・感覚的・口頭伝承の知識)を文書・データなど共有可能な形に置き換えることです。社内チャットの投稿がその第一歩になります。
A: 暗黙知(経験的・感覚的・口頭伝承の知識)を文書・データなど共有可能な形に置き換えることです。社内チャットの投稿がその第一歩になります。
Q: ナレッジベースだけでは育成早期化にならないのですか?
A: ナレッジベースは蓄積・検索の場ですが、そこへ情報を流し込む起点が社内チャットです。現場で気付いたことを即時入力できる仕組みがあることで初めて継続的に知識が集まります。
A: ナレッジベースは蓄積・検索の場ですが、そこへ情報を流し込む起点が社内チャットです。現場で気付いたことを即時入力できる仕組みがあることで初めて継続的に知識が集まります。
Q: タブレットを使う点は育成に関係しますか?
A: はい。歩き回る業務中でもチャット入力が容易になり、リアルタイムで知見を共有できるため形式知化が促進されます。ただし設問で問われた理由は形式知化そのものです。
A: はい。歩き回る業務中でもチャット入力が容易になり、リアルタイムで知見を共有できるため形式知化が促進されます。ただし設問で問われた理由は形式知化そのものです。
関連キーワード: 形式知化, 暗黙知, ナレッジマネジメント, OJT, 社内チャット
設問3:〔旅館管理システムの概要〕について答えよ。
(2)顧客管理において、宿泊目的に関する情報を分析できる機能を実装した目的を35字以内で答えよ。
模範解答
適切なタイミングで利用客に向けてプロモーションを行うため
解説
解答の論理構成
- 顧客管理には、「顧客情報と関連付けられた予約情報、利用後アンケート結果を自然言語解析することによって、宿泊目的に関する情報を分析できる。」という機能が追加されています。
- 旅館が掲げるアクションプラン②「集客力向上」では、最初に「適切なタイミングで利用客に向けてプロモーションを行う。」と明示されています。
- 宿泊目的を把握できれば、誕生日・結婚記念日などのライフイベントやワーケーション需要に合わせて案内を送ることが可能になり、まさに“適切なタイミング”でのプロモーションが実現します。
- したがって、分析機能を実装した目的は「適切なタイミングで利用客に向けてプロモーションを行うため」と導けます。
誤りやすいポイント
- 「長期滞在家族プランを新設する」に引っ張られ、プラン作成が主目的と勘違いする。
- 宿泊目的=顧客属性の分析と捉え、「ターゲット層を絞り込むため」とだけ答えると、タイミング要素が抜け不完全。
- 清掃や予約業務の効率化と混同し、業務負荷削減を目的に書いてしまう。
FAQ
Q: 「宿泊目的」の分析は具体的に何を指しますか?
A: 予約時の目的(誕生日、結婚記念日、ワーケーションなど)を自然言語解析で抽出し、顧客情報と結び付けることです。
A: 予約時の目的(誕生日、結婚記念日、ワーケーションなど)を自然言語解析で抽出し、顧客情報と結び付けることです。
Q: プロモーションとは何を想定していますか?
A: メールやSNS、DM での特別プラン案内、割引クーポン配信など、宿泊目的に合わせた提案全般です。
A: メールやSNS、DM での特別プラン案内、割引クーポン配信など、宿泊目的に合わせた提案全般です。
Q: タイミングはどう決めますか?
A: 抽出されたライフイベントの日付や過去の利用日から逆算し、事前リマインドや周年記念日に合わせて自動送信します。
A: 抽出されたライフイベントの日付や過去の利用日から逆算し、事前リマインドや周年記念日に合わせて自動送信します。
関連キーワード: 自然言語解析, パーソナライズ, ライフイベント, プロモーション, 顧客セグメンテーション
設問3:〔旅館管理システムの概要〕について答えよ。
(3)客室清掃に関して、タブレットから作業結果を報告できる機能を追加した目的を20字以内で答えよ。
模範解答
時間の余る清掃係を支援に回すため
解説
解答の論理構成
-
問題文は客室清掃の現状として、
「清掃係が行う客室清掃は、客室の状況によって清掃に掛かる時間が異なるので、予定した時間で清掃が終わらない部屋が出てしまうことがある。逆に、時間が余る清掃係もいるが、他の清掃係の状況が分からず、支援に回ることができない。」
と記載しています。
➡ 清掃状況が見えないため、余力がある係が助けに行けていません。 -
旅館管理システムには新たに
「タブレットから客室清掃の作業結果を報告できる。」
という機能を追加します。
➡ 作業結果をリアルタイムで共有し、空き時間を把握できます。 -
これにより、時間が余る清掃係は進捗が遅れている部屋を確認し、すぐに「支援に回る」ことが可能になります。
-
したがって、設問の“タブレットから作業結果を報告できる機能を追加した目的”は、
「時間の余る清掃係を支援に回すため」
と導かれます。
誤りやすいポイント
- 「清掃進捗を把握するため」だけで止めてしまい、支援という行動目的を欠く。
- 清掃係の効率アップと書いて抽象的になり、具体的な“時間の余る清掃係”という現状キーワードを外す。
- 予約管理や接客情報の共有と混同して、清掃とは無関係な目的を書く。
FAQ
Q: 単に進捗を可視化することと、支援に回ることの違いは何ですか?
A: 可視化は状況を“見える化”するだけですが、本問の目的は可視化した結果として「時間が余る清掃係」が“支援に回る”アクションまで含めています。
A: 可視化は状況を“見える化”するだけですが、本問の目的は可視化した結果として「時間が余る清掃係」が“支援に回る”アクションまで含めています。
Q: 他の機能(社内チャットなど)でも清掃状況共有は可能では?
A: 可能ですが、問題文は「タブレットから客室清掃の作業結果を報告できる」機能を清掃管理に直接組み込んでいるため、この機能が目的達成の主要手段になります。
A: 可能ですが、問題文は「タブレットから客室清掃の作業結果を報告できる」機能を清掃管理に直接組み込んでいるため、この機能が目的達成の主要手段になります。
Q: なぜ予約管理や顧客管理ではなく清掃管理の話なのですか?
A: 設問が「客室清掃に関して」と限定し、清掃係の課題と対応策が前述の引用部分に明確に示されているためです。
A: 設問が「客室清掃に関して」と限定し、清掃係の課題と対応策が前述の引用部分に明確に示されているためです。
関連キーワード: タスク管理, 可視化, 業務効率化, モバイルデバイス
設問3:〔旅館管理システムの概要〕について答えよ。
(4)情報の漏えい、改ざん、毀損、滅失などへの対策を強化する目的を、旅館管理システムで扱う情報の特性を踏まえて20字以内で答えよ。
模範解答
要配慮個人情報を適切に管理するため
解説
解答の論理構成
-
旅館管理システムが扱う代表的な情報
・【問題文】には「接客情報にはアレルギーや身体の状況などの要配慮個人情報が含まれ得る」と記載されています。
・さらに「全ての利用客について、接客情報、予約情報、利用後アンケート結果を顧客情報と関連付けて蓄積」すると明示されています。
→ これらは利用客のプライバシーに深く関わるセンシティブ情報です。 -
情報セキュリティ対策の強化理由
・同じく【問題文】に「旅館管理システムで扱う情報の特性を踏まえ、情報の漏えい、改ざん、毀損、滅失などへの対策を強化する」とあります。
・“情報の特性”とは上記のような要配慮個人情報を含む点を指します。 -
目的の導出
・要配慮個人情報は不適切に扱うと法的・信用面で重大な損害を招くため、最優先で「適切に管理」する必要があります。
・したがって設問の「目的」は「要配慮個人情報を適切に管理するため」と導けます。
誤りやすいポイント
- 「顧客満足向上のため」などサービス側のメリットを目的と勘違いする。情報セキュリティ対策の直接目的は保護・管理です。
- 「個人情報の管理」だけで留め、【問題文】で強調されている「要配慮個人情報」を盛り込まないと論点がずれます。
- 「漏えい防止」だけを書くと“改ざん・毀損・滅失”への対応が欠け、目的を網羅しきれていないと判断されやすいです。
FAQ
Q: 要配慮個人情報と一般の個人情報は何が違いますか?
A: 要配慮個人情報はアレルギーや病歴など、漏えい時に差別や不利益のおそれが特に大きい情報です。法律でも取扱いが厳格に定められています。
A: 要配慮個人情報はアレルギーや病歴など、漏えい時に差別や不利益のおそれが特に大きい情報です。法律でも取扱いが厳格に定められています。
Q: 旅館業で要配慮個人情報を扱う具体的な場面は?
A: 食物アレルギー対応、身体状況に合わせた客室手配、サプライズ演出のための家族構成確認などが該当します。
A: 食物アレルギー対応、身体状況に合わせた客室手配、サプライズ演出のための家族構成確認などが該当します。
Q: 対策強化にはどのような技術的施策がありますか?
A: 暗号化、アクセス権限の最小化、多要素認証、バックアップと改ざん検知ログの整備などが基本となります。
A: 暗号化、アクセス権限の最小化、多要素認証、バックアップと改ざん検知ログの整備などが基本となります。
関連キーワード: 要配慮個人情報, 情報漏えい対策, アクセス権管理, データ保全, リスクアセスメント
設問4:〔従業員からの要望〕について答えよ。
(1)タブレットとインカムに目立たないサイズや色を選定した狙いを25字以内で答えよ。
模範解答
伝統と格式を感じさせる雰囲気を守るため
解説
解答の論理構成
- 仲居からの指摘
問題文には、仲居の声として
「仲居から、『採用予定のタブレットとインカムは目立ちすぎて旅館の雰囲気にそぐわない』」
と明記されています。 - 旅館の特徴
さらに B 旅館は「歴史ある建物や独立性の高い居室によって、伝統と格式を感じさせる雰囲気が特長」と述べられています。 - IT 導入の方針
従業員からの意見を受けて「インカムとタブレットは目立たないサイズや色を選定」と対策を決定。 - 論理的帰結
目立たないデバイスを選ぶ理由は、上記「伝統と格式を感じさせる雰囲気」という旅館の世界観を損なわずに IT を導入するためである。
以上を踏まえて「伝統と格式を感じさせる雰囲気を守るため」という解答に導かれます。
誤りやすいポイント
- 「目立たない=コスト削減」と誤読しがちですが、問題文にコストの話はありません。
- 「従業員の利便性向上」が主目的と思い込むミス。利便性はインカム追加機能の方で言及。
- 旅館の“コンセプト”を引用せずに一般的に「雰囲気」だけを書くと根拠薄弱になります。
FAQ
Q: 見た目以外にデバイス選定で重視すべき点は?
A: 耐久性や操作性も重要ですが、本設問で問われているのは“雰囲気”への配慮です。
A: 耐久性や操作性も重要ですが、本設問で問われているのは“雰囲気”への配慮です。
Q: 「伝統と格式」という表現は必須ですか?
A: 問題文にある表現なので、そのまま引用することで根拠が明確になります。
A: 問題文にある表現なので、そのまま引用することで根拠が明確になります。
Q: 社内チャットの登録効率化は解答に影響しますか?
A: いいえ。本設問は「目立たないサイズや色」の狙いのみを尋ねています。
A: いいえ。本設問は「目立たないサイズや色」の狙いのみを尋ねています。
関連キーワード: UIデザイン, ユーザーエクスペリエンス, ホスピタリティ, DX, 情報共有
設問4:〔従業員からの要望〕について答えよ。
(2)チャットの登録に関して、どのような機能を追加するか。25字以内で答えよ。
模範解答
音声を社内チャットとして登録する機能
解説
解答の論理構成
- 問題文では、仲居が登録作業を効率化したい理由として
「『常に館内を歩き回っているので、手を使わずに社内チャットに登録できればより効率的になる』」
という要望を示しています。 - “手を使わずに”という条件から、文字入力やタブレット操作ではなく 音声 を使った入力が最も自然です。
- さらに、旅館管理システムには既に「インカム」を導入予定であると記載されています。インカムはマイクを備えているため、音声を取得しやすいデバイスです。
- よって、追加すべき機能は 音声を直接チャットへ登録できる仕組み となり、模範解答と一致します。
誤りやすいポイント
- 「音声入力機能」と「音声認識で文字化」のどちらを書くか迷う
→ 音声そのものでも文字化しても目的は「手を使わない登録」の達成であり、模範解答は前者の表現です。 - インカムの存在を読み落とし、Bluetoothキーボードなど別手段を考えてしまう。
- タブレットのUI変更やショートカットキーなど、手を使う案を挙げてしまう。
FAQ
Q: 音声をテキスト化せず音声ファイルで送るだけでも良いですか?
A: 目的は「手を使わない情報共有」なのでファイル送付でも成立しますが、検索や分析を考えると文字化が望ましいです。
A: 目的は「手を使わない情報共有」なのでファイル送付でも成立しますが、検索や分析を考えると文字化が望ましいです。
Q: 追加機能をボイスメモとして回答すると減点されますか?
A: ボイスメモは趣旨を満たしますが、「社内チャットへ登録」という語が抜けると意図が不足しやすいです。
A: ボイスメモは趣旨を満たしますが、「社内チャットへ登録」という語が抜けると意図が不足しやすいです。
Q: インカム以外のマイク付きデバイスを提案しても良いですか?
A: 解答としては機能の本質(音声登録)が問われているので、デバイス名の具体化は不要です。
A: 解答としては機能の本質(音声登録)が問われているので、デバイス名の具体化は不要です。
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