企業と大学との共同研究に関する記述【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:共同研究では企業負担の有無にかかわらず、大学教職員と企業研究者が対等に研究を進めることが基本です。
- 根拠:共同研究の本質は双方の知見や技術を融合し、対等な立場で成果を追求することにあります。
- 差がつくポイント:TLOの役割や特許の発明者の定義、費用負担の実態を正確に理解しているかが合否を分けます。
正解の理由
選択肢ウは、共同研究に必要な経費を企業が全額負担しても、実際の研究は大学教職員と企業研究者が対等の立場で行うという点で正しいです。共同研究は単なる資金提供ではなく、双方の専門性を活かした協働作業であり、企業の資金負担が研究の主導権を一方的に決めるわけではありません。
よくある誤解
TLOはすべての大学に設置されているわけではなく、特許の発明者は法人ではなく個人である点を誤解しやすいです。国立大学の研究費用も国が全額負担するわけではありません。
解法ステップ
- 共同研究の基本的な枠組みを理解する(対等な立場での協働)。
- TLOの役割と設置状況を確認する。
- 特許の発明者は「個人」であることを押さえる。
- 国立大学の研究費用負担の実態を知る。
- 各選択肢の記述と実態を照らし合わせて正誤を判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: TLOは技術移転を支援する組織ですが、すべての大学に設置されているわけではなく、共同研究のための機関とは限りません。
- イ: 特許の発明者は法人ではなく、実際に発明を行った個人(研究者)です。法人は権利者となることはありますが、発明者ではありません。
- ウ: 企業が経費を全額負担しても、大学教職員と企業研究者が対等に研究を行うため、正しい記述です。
- エ: 国立大学法人の共同研究費用は国が全額負担するわけではなく、企業や他の資金源からの負担もあります。
補足コラム
共同研究における知的財産権の取り扱いは契約で定められ、発明者は個人ですが、権利は大学や企業に帰属することが多いです。TLOは技術移転や特許管理を支援する組織であり、大学の研究成果を社会に還元する役割を担っています。
FAQ
Q: 共同研究で得られた発明の発明者は誰ですか?
A: 発明者は実際に発明を行った個人の研究者であり、法人ではありません。
Q: 企業が共同研究の費用を全額負担した場合、研究の主導権は企業にありますか?
A: いいえ、共同研究は対等な立場で行われるため、費用負担が主導権を決めるわけではありません。
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