ITストラテジスト 2018年 午後1 問02
住宅設備メーカーのシステム導入に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。
B社は、住宅設備のトイレ設備を製造するメーカーである。トイレ設備の販売製品には、一般家庭向けの標準品とマンションやホテル向けの受託生産品がある。受託生産品には、複数の種類の製品がある。
受注生産品の主要顧客であるデベロッパは、分譲マンションと賃貸マンションの建築を請け負っている。分譲マンションは土地取得からのプロジェクトなので、約3人で数年にわたる長期の商談が多い。賃貸マンションは土地所有者がオーナーであることが多く、その場合には土地取得が不要なので商談の発生から納入まで1年以内の短期の商談が多い。新築マンションの供給戸数は、横ばいかやや減少の傾向である。
B社では、標準品を製造するための生産計画ツールと組立管理システムを活用して受注生産品の製造を行ってきたが、機能が不足しているので、受注生産品に対応する新システムを導入することにした。新システムでは、生産計画の情報共有による見える化を図ることによって営業活動を活性化するとともに、正確な製造状況をリアルタイムに把握する。
〔営業部門の現状〕
営業部門は、受注生産品について年度の初めに一度、年間の販売目標を月別に展開した販売計画を立てる。販売計画には、長期の商談は受注確度が低い商談まで含めるが、短期の商談は受注が確実な商談以外は含めない。販売計画に対し、每月末に翌月から3か月間の製品の納期と数量を見直して、翌月以降の販売見込みを作成している。
販売見込みに含めていない短期の商談が発生しても、生産可否の判断ができないので、原則として取り組まない。
〔トイレ設備事業部門の現状〕
製品の年間と月別の生産計画は、年度の初めに、生産管理部門の担当者が専用のツールを使って、販売計画に基づいて作成し、併せて工場の要員計画を作成している。さらに、每月末に、営業部門が見直した販売見込みに基づいて月別の生産計画の見直しを行い、翌月から3か月間の月別の製造計画を作成する。製品は納期を基にして製造するので、年度の初めに立てた月別の販売計画に対して販売見込みの数量の増加が大きい場合には、終作業時間が増加し、製造部門で計画した要員では就業時間内に対応できず、時間外作業時間が増える。想定以上の時間外作業時間の増加はコスト増加につながるので、製造部門では課題と考えている。
トイレ設備の製造は、陶製の便器(以下、便器という)を製作し、便器に水洗用付属機器(以下、付属機器という)を取り付けて行う。便器の製作は、原料調製工程、成形・乾燥工程、焼成工程、検査工程の順に行う。付属機器の取付けは、付属機器用の部品(以下、部品という)の組立工程、ユニット組立工程、検査工程の順に行う。便器の製作において、窯焼作業者は作業開始時の温度と湿度の情報によって、可焼後の乾燥時間、焼成の窯の温度をそれぞれ調整して不具合品の発生を防止している。
製造管理は、ユニット組立工程だけに組立管理システムを導入して作業実績を管理している。ユニット組立工程以外の工程の作業実績時間の取得と記録はできていない。
現在、1日に製造する製品の計画数量と実績数量の差は、当日の作業寸前にかなりある。そのため、工場内の設備の故障や作業者などの問題で計画数量に対して実績数量の未達が発生しても必要な対応ができず、翌日以降の作業の変更などの影響が出る。
部品の組立工程において、使用する部品の準備は、製造する製品を組み立てることに、部品倉庫から部品リストに基づいて出庫して取り出ているので、作業工数が掛かり、見直しが必要と考えている。部品倉庫からの出庫の順序管理はしていない。そのため、部品倉庫に古い部品が残ることがあり、水回りのゴム製の部品が劣化することもある。
部品は、在庫量が設定した発注点になったときに定量を発注する定量発注方式によって部品メーカーに発注している。部品メーカーの営業担当からは、自社の製造計画の作成のために“ある情報”が欲しいと要望されている。
〔トイレ設備事業部門のシステム導入の概要〕
今回、生産計画の情報共有のために生産計画システムの導入、及び製造状況を把握するために全工程を管理する製造管理システムの導入が取締役会で決定された。生産計画システムを生産管理部門が、製造管理システムを製造管理部門が、それぞれ導入を担当する。
営業部門でも、今回のシステム導入を機会に商談対応を見直し、受注拡大のために販売先見込みを含めていない短期の商談にも積極的に取り組む方針である。
〔生産計画システムの導入計画〕
今回導入する生産計画システムによって、営業部門、生産管理部門及び製造部門は、販売計画、販売見込み、生産計画及び製造計画の共有が行えるようになる。生産計画システムでは、工場の生産能力の余力の状況を営業部門からも確認できるようにする。営業部門は、販売計画及び販売見込みを生産管理部門に提供する。販売見込みは、見直し時に受注が確実になった短期の商談も含める。生産管理部門は、営業部門が作成する年度の初めに立てた販売計画と工場の生産能力を考慮して、年間と月別の生産計画を作成する。また、営業部門が月末に見直す販売見込みによって、月別の生産計画の見直しと日別の製造計画を作成する。日別の製造計画は、製造管理システムにおいても使用する。工場の生産能力は、生産設備の稼働時間と作業者の一定の時間内作業時間を積算した上限から算出して設定する。
販売計画に対して販売見込みの数量の増加が大きい場合には、工場の生産能力を超えないように、生産する製品の順序を入れ替えて生産計画を作成する方法に変更する。
〔製造管理システムの導入計画〕
今回導入する製造管理システムは、工程管理、実績管理及び在庫管理の機能をもつ。製造管理システムでは、生産計画システムで作成した日別の製造計画を取り込み、工場で製造する製品の予定数量が分かる。工程管理は、その日に製造する製品の製造指示を行い、製品の複数の工程の進捗状況を管理する。製造指示は、1日分の複数の製品の製造する数量と、製品ごとに使用する部品リストをまとめて指示する。実績管理は、時間ごとに、工程ごとの作業実績時間、製造した製品の実績数量を記録する。工程ごとの作業実績時間を計測し、作業の予定時間との差異を比較することによって工程の問題を検出できる。今回導入する製造管理システムにおいて、現状、取得と記録ができていない、便器の製作の全工程の作業の実績時間と、焼成工程の窯の温度情報の実績が、自動的にシステムに記録される。在庫管理は、製品の在庫と工程で使用する部品の在庫を管理する。部品の在庫は、入出庫日付と数量を管理する。部品の発注は、定量発注方式によって部品メーカーへ発注する。
熟練作業者が作業において参考にした情報を現場でその都度入力できるように、タブレット端末を導入する。
製造部門では、今回のシステム導入によって、次の事項の改善を図る計画である。
① 工場内で製造状況に何か問題があった場合の早期の把握
② 部品倉庫からの出庫に関する在庫管理の改善
③ 製造管理システムへの機能追加による部品の取りそろえ作業の改善
〔トイレ設備事業部門の取組み〕
トイレ設備事業部門では、今回のシステム導入に当たって、生産管理部門と製造部門が協力して次の事項に取り組む計画である。
① 熟練作業者の退職に備えた不具合品防止のノウハウの収集と分析
② 部品メーカの要望への対応
③ 生産計画の作成方法の変更
設問1:
営業部門が今まで取り組めていない短期の商談について、生産計画システム導入後は商談発生時に何を確認すべきか、15字以内で述べよ。
模範解答
生産能力の余力の状況
解説
解答の論理構成
- 現状の課題を確認
- 【問題文】には「販売見込みに含めていない短期の商談が発生しても、生産可否の判断ができないので、原則として取り組まない。」とあり、営業部門は短期商談で“生産可能かどうか”を即時に判断できていません。
- システム導入後に得られる新しい情報を確認
- 生産計画システムについて【問題文】は「生産計画システムでは、工場の生産能力の余力の状況を営業部門からも確認できるようにする。」と明記しています。
- 何を確認すれば短期商談に取り組めるかを導出
- 営業部門が短期商談を受けるかどうか判断するために必要なのは、“工場がまだ製造を引き受けられる余裕があるか”という情報であり、それは②で提供される「工場の生産能力の余力の状況」です。
- よって、設問が求める「商談発生時に確認すべきこと」は「生産能力の余力の状況」と導かれます。
誤りやすいポイント
- 「生産可否」「製造可能量」など類似表現に言い換えてしまう
(設問は【問題文】の表記「生産能力の余力の状況」をそのまま求めています) - 「在庫量」「要員計画」など他の情報と混同する
└ 短期商談で最優先なのは即応性の高い“生産能力”であり、在庫や要員はその裏付け情報にすぎません。 - 既存のユニット組立専用システムと混同し、製造管理システム側の情報だと誤解する
└ 営業部門がリアルタイムにアクセスするのは生産計画システムの機能です。
FAQ
Q: 「余力」がゼロでも受注してから調整すれば良いのでは?
A: 短期商談は納期が近いため、余力ゼロの状態で受注すると計画変更・時間外作業が急増しコストが膨らみます。余力を確認してから受注判断することがリスク低減になります。
A: 短期商談は納期が近いため、余力ゼロの状態で受注すると計画変更・時間外作業が急増しコストが膨らみます。余力を確認してから受注判断することがリスク低減になります。
Q: なぜ「販売見込み」ではなく余力を確認するのか?
A: 販売見込みは需要側の数字ですが、余力は供給側(工場)の即時対応力を示します。短期商談では供給可能かどうかが最優先事項です。
A: 販売見込みは需要側の数字ですが、余力は供給側(工場)の即時対応力を示します。短期商談では供給可能かどうかが最優先事項です。
Q: 余力確認は誰が、どのタイミングで行うのか?
A: 営業担当者が短期商談の問い合わせを受けた時点で、生産計画システム上の余力を即時確認し、受注可否を判断します。
A: 営業担当者が短期商談の問い合わせを受けた時点で、生産計画システム上の余力を即時確認し、受注可否を判断します。
関連キーワード: 生産能力, 生産計画, 需要変動, リアルタイム共有
設問2:製造部門が改善を計画していることについて、(1)〜(3)に答えよ。
(1)工場内の問題を早期に把握するために何を行うか。30字以内で述べよ。
模範解答
計画数量と実績数量の差異を時間ごとに把握する。
解説
解答の論理構成
-
目的の特定
製造部門の改善事項①は【問題文】で「工場内で製造状況に何か問題があった場合の早期の把握」と示されています。したがって“早期”に問題を検知できる仕組みが必要です。 -
現状の課題を把握
現状では「1日に製造する製品の計画数量と実績数量の差は、当日の作業寸前にかなりある」と記載され、計画と実績の差をリアルタイムに確認できないことが問題の根本です。 -
新システムが提供するデータ
導入予定の製造管理システムでは「実績管理は、時間ごとに、工程ごとの作業実績時間、製造した製品の実績数量を記録する」とあり、時間単位で実績数量を取得できるようになります。 -
差異を把握する指標の抽出
早期把握には計画と実績を比較する“差異”が必要です。比較対象は同一時間帯の「計画数量」と「実績数量」が最も直接的な指標になります。 -
解答の導出
以上より、時間ごとに計画数量と実績数量を照合し差異を確認できるようにすれば、問題が起きた工程や時間帯を即座に特定できます。よって模範解答「計画数量と実績数量の差異を時間ごとに把握する。」が導かれます。
誤りやすいポイント
- 「実績数量を時間ごとに記録する」だけを回答し、計画数量との比較を忘れる。差異がなければ問題検知はできません。
- 工程ごとの「作業実績時間」ばかりに注目し、数量という主要指標を見落とす。
- 窯の温度や部品在庫など他のデータを挙げ、目的(製造数量の未達の早期把握)とずれる。
FAQ
Q: 工程ごとの作業実績時間を比較するだけでは不十分でしょうか?
A: 時間だけでは生産量の遅れを定量的に示せません。数量差異を併用することで遅れの“規模”が瞬時に分かります。
A: 時間だけでは生産量の遅れを定量的に示せません。数量差異を併用することで遅れの“規模”が瞬時に分かります。
Q: 時間単位の区切りは何分ごとに設定すべきですか?
A: 【問題文】は「時間ごと」と示しており、1時間単位が前提です。より詳細な粒度を設定する場合はシステム導入後に現場負荷とのバランスで決定します。
A: 【問題文】は「時間ごと」と示しており、1時間単位が前提です。より詳細な粒度を設定する場合はシステム導入後に現場負荷とのバランスで決定します。
Q: 計画側のデータはどこから取得しますか?
A: 生産計画システムで作成した「日別の製造計画」を製造管理システムが取り込みます。この計画数量と実績数量を突合します。
A: 生産計画システムで作成した「日別の製造計画」を製造管理システムが取り込みます。この計画数量と実績数量を突合します。
関連キーワード: 進捗管理, 実績収集, 差異分析, 生産能力, 定量発注
設問2:製造部門が改善を計画していることについて、(1)〜(3)に答えよ。
(2)部品倉庫からの出庫に関する在庫管理の改善に必要な機能は何か。30字以内で述べよ。
模範解答
部品の入庫日付がより古い部品から出庫させる機能
解説
解答の論理構成
-
現状把握
- 【問題文】に「“部品倉庫からの出庫の順序管理はしていない。そのため、部品倉庫に古い部品が残る”」とあります。
- 古い在庫が先に出ないことで「水回りのゴム製の部品が劣化」するという品質リスクも指摘されています。
-
改善目標
- 製造部門は「② 部品倉庫からの出庫に関する在庫管理の改善」を掲げています。
- したがって、在庫の“古い順に出す”管理機能が必須であると論理的に導けます。
-
解答導出
- 出庫順序を適切に制御する代表的な方法は「先入先出(FIFO)」です。
- これをシステムで実現するには、各部品の「入庫日付」をキーに並び替え、出庫指示を行う機能が必要です。
-
結論(設問要求の30字以内で記述)
- 「部品の入庫日付がより古い部品から出庫させる機能」
誤りやすいポイント
- 「発注点管理の自動化」と勘違いし、出庫順序ではなく補充タイミングの話を書いてしまう。
- 「在庫回転率の分析」など分析系機能に走り、本質である“古い在庫を先に出す”という単純な改善を外す。
- LIFO(後入先出)やランダム出庫など、順序の方向を誤解する。
FAQ
Q: 先入先出(FIFO)を明示的に書かなくても良いですか?
A: はい。設問は「必要な機能」を聞いているため、「入庫日付が古い部品から出庫させる」と具体的に書けば採点基準を満たします。
A: はい。設問は「必要な機能」を聞いているため、「入庫日付が古い部品から出庫させる」と具体的に書けば採点基準を満たします。
Q: 発注方式(定量発注方式)との関係は?
A: 発注方式は在庫補充のルールであり、今回求められているのは“出庫時”の順序管理機能です。両者は別の管理ポイントです。
A: 発注方式は在庫補充のルールであり、今回求められているのは“出庫時”の順序管理機能です。両者は別の管理ポイントです。
Q: システム化しないで現場運用だけで対応してもよいのでは?
A: 手作業でも可能ですが、設問は「システムに追加する機能」を問うています。自動化によりヒューマンエラーを防ぎ、毎日確実に先入先出を実践できる点が評価されています。
A: 手作業でも可能ですが、設問は「システムに追加する機能」を問うています。自動化によりヒューマンエラーを防ぎ、毎日確実に先入先出を実践できる点が評価されています。
関連キーワード: 先入先出, 在庫管理, FIFO, 出庫順序, 劣化防止
設問2:製造部門が改善を計画していることについて、(1)〜(3)に答えよ。
(3)製造部門における取りそろえ作業の改善を行うために製造管理システムに追加する機能は何か。40字以内で述べよ。
模範解答
複数の製品の製造に必要な部品の出庫指示データをまとめて作成する機能
解説
解答の論理構成
-
問題の背景
・現状では「部品倉庫から部品リストに基づいて出庫して取り出ているので、作業工数が掛かり、見直しが必要」とあります。
・さらに製造部門の改善項目として「③ 製造管理システムへの機能追加による部品の取りそろえ作業の改善」が掲げられています。 -
システムに既にある情報
・製造指示には「1日分の複数の製品の製造する数量と、製品ごとに使用する部品リストをまとめて指示する」と記述されています。
→ つまり、日次で“まとめた指示”が既に作成されている点がヒントになります。 -
取りそろえ作業を効率化する方法
・個々の製品ごとに部品をピッキングしていては工数が増えるため、
① 1日の全製品を合算した部品総量を算出
② 倉庫へまとめて出庫指示
とすることで倉庫作業の手間を削減できます。 -
機能として求められるもの
・上記①②を自動で行う「複数の製品の製造に必要な部品の出庫指示データをまとめて作成する機能」となります。
・これが模範解答と完全に一致します。
誤りやすいポイント
- 部品在庫の「定量発注方式」機能と取りそろえ(ピッキング)機能を混同し、発注に関する回答を書いてしまう。
- 「出庫指示データ」は倉庫向け帳票であり、工程管理や進捗ガントチャートとは別物である点を見落とす。
- “まとめて”の意味を誤解し、単に部品リストを表示するだけの機能と勘違いする。
FAQ
Q: 出庫指示データとBOM(部品表)は同じものですか?
A: BOMは製品単位の部品構成情報、出庫指示データはその日の製造計画に基づいて倉庫へ「何を何個出すか」を指示する作業指図です。
A: BOMは製品単位の部品構成情報、出庫指示データはその日の製造計画に基づいて倉庫へ「何を何個出すか」を指示する作業指図です。
Q: 既に「製造指示」で部品リストをまとめているのに、なぜ別途機能が要るのですか?
A: 製造指示は生産ライン向け情報です。倉庫作業者が扱いやすいよう部品を合算・並び替えしたピッキングリストが必要だからです。
A: 製造指示は生産ライン向け情報です。倉庫作業者が扱いやすいよう部品を合算・並び替えしたピッキングリストが必要だからです。
Q: この機能追加により、倉庫作業はどこが改善されますか?
A: 製品ごとのピッキングを繰り返す手間が削減され、部品の取り間違いリスクや移動距離も縮小します。
A: 製品ごとのピッキングを繰り返す手間が削減され、部品の取り間違いリスクや移動距離も縮小します。
関連キーワード: ピッキングリスト, 部品表, 工程管理, 在庫最適化, 物流効率
設問3:生産管理部門と製造部門が協力して取り組むことについて、(1)〜(3)に答えよ。
(1)熟練作業者が不具合品防止のためにタブレット端末で入力すべき情報は何か。15字以内で述べよ。
模範解答
温度と湿度の情報
解説
解答の論理構成
- システム導入の目的には「① 熟練作業者の退職に備えた不具合品防止のノウハウの収集と分析」が明記されています。ここでいう“不具合品防止のノウハウ”が何かを突き止める必要があります。
- 便器製作の説明文に「便器の製作において、窯焼作業者は作業開始時の温度と湿度の情報によって、可焼後の乾燥時間、焼成の窯の温度をそれぞれ調整して不具合品の発生を防止している。」とあります。
- つまり、不具合品防止に直接用いられているのは「作業開始時の温度」と「作業開始時の湿度」です。熟練作業者がタブレットに入力すべきなのは、この二つの環境情報であると特定できます。
- よって解答は【温度と湿度の情報】となります。
誤りやすいポイント
- 焼成工程で「窯の温度情報の実績が、自動的にシステムに記録される」とあるため、窯温度だけを入力対象と勘違いしやすい。
- 「乾燥時間」や「焼成の窯の温度」を調整すると記述されているが、これらは“調整結果”であって“入力すべき元情報”ではない。
- 部品倉庫など在庫管理の課題に引きずられ、温湿度とは無関係な情報を答えてしまうケース。
FAQ
Q: 焼成工程の窯温度は自動取得されるのだから、人手で入力する必要はありませんか?
A: はい、自動取得されるのは「焼成工程の窯の温度情報の実績」です。設問は不具合品防止のため“熟練作業者が入力する情報”を問うており、自動取得対象ではなく「温度と湿度の情報」を手入力することが求められています。
A: はい、自動取得されるのは「焼成工程の窯の温度情報の実績」です。設問は不具合品防止のため“熟練作業者が入力する情報”を問うており、自動取得対象ではなく「温度と湿度の情報」を手入力することが求められています。
Q: なぜ湿度まで必要なのですか?
A: 先の引用にあるように、窯焼作業者は「温度と湿度の情報」に基づき乾燥時間と窯温度を調整しています。湿度が変われば必要な乾燥時間も変化するため、不具合品防止には両方の情報が不可欠です。
A: 先の引用にあるように、窯焼作業者は「温度と湿度の情報」に基づき乾燥時間と窯温度を調整しています。湿度が変われば必要な乾燥時間も変化するため、不具合品防止には両方の情報が不可欠です。
Q: 具体的にはどのタイミングで入力するのですか?
A: 記述には「作業開始時の温度と湿度の情報」とあります。したがって各ロットの作業開始前に、その時点の温湿度をタブレット端末に入力する運用となります。
A: 記述には「作業開始時の温度と湿度の情報」とあります。したがって各ロットの作業開始前に、その時点の温湿度をタブレット端末に入力する運用となります。
関連キーワード: 生産計画, 工程管理, 実績管理, 不良品防止, IoTセンサー
設問3:生産管理部門と製造部門が協力して取り組むことについて、(1)〜(3)に答えよ。
(2)部品メーカーの要望に応えるために提供する“ある情報”の内容は何か。15字以内で述べよ。
模範解答
部品の発注予定数量
解説
解答の論理構成
- 問題文では、部品メーカーからのニーズについて
引用:「部品メーカーの営業担当からは、自社の製造計画の作成のために“ある情報”が欲しいと要望されている。」
と明示されています。 - 部品メーカーが自社の「製造計画」を立てる目的は、将来の需要を把握して生産能力・資材を前もって手配することにあります。
- 現状の発注方式は
引用:「部品は、在庫量が設定した発注点になったときに定量を発注する定量発注方式」
であり、メーカー側は “いつ・どれだけ発注されるか” を事前に知らされていません。 - よって、メーカーが欲しい “ある情報” とは、将来の発注を見込める数量情報、すなわち
「部品の発注予定数量」
であると導かれます。これによりメーカーは自社の製造計画を先行して策定できます。
誤りやすいポイント
- 「発注点」「在庫量」を答えにしてしまう
→ メーカーが求めているのは在庫管理パラメータではなく、自社生産のための需要情報です。 - 「製品の生産計画」を答えてしまう
→ 問題文では“部品メーカー”視点で必要な情報と限定されており、最終製品側の計画では不足です。 - “数量”を省いた表現
→ メーカーが必要とするのは数量付きの具体的なデータである点を忘れがちです。
FAQ
Q: 発注予定「時期」だけでは不十分ですか?
A: はい。不足です。自社製造計画には生産ラインや材料の手配が必要で、具体的な数量が不可欠です。
A: はい。不足です。自社製造計画には生産ラインや材料の手配が必要で、具体的な数量が不可欠です。
Q: 定量発注方式を変更すれば情報提供は不要になりますか?
A: 方式を変えても先行需要情報は依然有用です。むしろ計画発注方式へ移行する際の基礎データになります。
A: 方式を変えても先行需要情報は依然有用です。むしろ計画発注方式へ移行する際の基礎データになります。
Q: システム連携でリアルタイムに数量を共有すべきですか?
A: 部品メーカーが望むのは「事前に把握できる情報」です。リアルタイム共有は有効ですが、まずは将来の発注予定を提示することが前提となります。
A: 部品メーカーが望むのは「事前に把握できる情報」です。リアルタイム共有は有効ですが、まずは将来の発注予定を提示することが前提となります。
関連キーワード: 定量発注方式, 需要予測, 生産計画, サプライチェーン, 在庫管理
設問3:生産管理部門と製造部門が協力して取り組むことについて、(1)〜(3)に答えよ。
(3)生産計画の作成方法を変更することによって改善できることは何か。25字以内で述べよ。
模範解答
想定以上の時間外作業時間を抑えられる。
解説
解答の論理構成
-
現状の課題
- 【問題文】「販売計画に対して販売見込みの数量の増加が大きい場合には、終作業時間が増加し、製造部門で計画した要員では就業時間内に対応できず、時間外作業時間が増える。」
- 同じく「想定以上の時間外作業時間の増加はコスト増加につながるので、製造部門では課題と考えている。」
以上から“時間外作業時間”が主要な問題であると明記されています。
-
施策としての生産計画作成方法の変更
- 【問題文】「販売計画に対して販売見込みの数量の増加が大きい場合には、工場の生産能力を超えないように、生産する製品の順序を入れ替えて生産計画を作成する方法に変更する。」
ここで“生産する製品の順序を入れ替える”ことで、生産能力を超過しない=無理な稼働を強いられないようにします。
- 【問題文】「販売計画に対して販売見込みの数量の増加が大きい場合には、工場の生産能力を超えないように、生産する製品の順序を入れ替えて生産計画を作成する方法に変更する。」
-
結果として期待される効果
- 生産能力内に収める運用へシフトするため、上記の“時間外作業時間が増える”要因が除去されます。
- よって「想定以上の時間外作業時間を抑えられる」という結論に直結します。
-
まとめ
施策は“生産順序の最適化”であり、その目的は“工場の生産能力超過を防ぐ”ことです。これにより根本課題である“想定外の時間外作業”が削減できるため、模範解答が成立します。
誤りやすいポイント
- 「見える化」「情報共有」を効果と答えてしまう
→ 問われているのは“生産計画の作成方法を変更することで何が改善されるか”であり、可視化自体は別機能です。 - “短期商談への対応力向上”と答える
→ それは営業面の効果であって、本設問の焦点は製造現場の課題(時間外作業)です。 - 「生産能力の余力が把握できる」とだけ書く
→ 能力把握は手段であり、改善される結果(時間外作業の抑制)を示す必要があります。
FAQ
Q: 生産順序を変えるだけで本当に時間外作業が減るのですか?
A: 工場の生産能力を超えないよう負荷平準化するため、計画段階で過剰分を調整できます。その結果、就業時間内に収まる作業量となり、時間外作業が抑制されます。
A: 工場の生産能力を超えないよう負荷平準化するため、計画段階で過剰分を調整できます。その結果、就業時間内に収まる作業量となり、時間外作業が抑制されます。
Q: 生産計画システム導入前に同じ調整はできなかったのですか?
A: 既存ツールでは標準品中心の機能しかなく、受注生産品の細かな負荷調整機能が不足していました。新システムにより全製品を対象に順序の組替えを自動的に検討できるようになります。
A: 既存ツールでは標準品中心の機能しかなく、受注生産品の細かな負荷調整機能が不足していました。新システムにより全製品を対象に順序の組替えを自動的に検討できるようになります。
Q: 時間外作業時間の削減以外に副次的なメリットはありますか?
A: 残業コスト低減に加え、作業者の疲労軽減や不具合発生リスク低下も期待できます。ただし設問で聞かれている改善点は時間外作業時間です。
A: 残業コスト低減に加え、作業者の疲労軽減や不具合発生リスク低下も期待できます。ただし設問で聞かれている改善点は時間外作業時間です。
関連キーワード: 生産能力, 負荷平準化, 工程管理, 時間外作業


