ITストラテジスト 2016年 午前2 問04
問題文
IT投資案件において、投資効果をPBP(Pay Back Period)で評価する。投資額が500のとき、期待できるキャッシュインの四つのシナリオa~dのうち、PBPの効果が最も高いものはどれか。

選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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回収期間(PBP)【午前2解説】
正解の理由
投資額500を何年で回収できるかを示す指標がPBP(Pay Back Period)です。毎年のキャッシュインの累積額が投資額を初めて上回る(または等しくなる)年を基に計算します。選択肢のうち、表の値で最も早く累積が500に達するのは、初年度300、2年目200とする選択肢であり、これがエです。2年目の終わりにちょうど500になり、PBPは2.0年となって最短になります。PBPが短いほど資金回収が早く、流動性やリスク低減の観点で効果が高いと判断されます。
解法ステップ
- 各年のキャッシュインを順に累積する。
- 累積額が投資額(ここでは500)を初めて超える(または等しくなる)年nを見つける。
- 年nの途中で回収が完了する場合は、前年までの累積と年nのキャッシュインを使って小数年部分を計算する。公式は (ただしはt年目のキャッシュイン)
- 全選択肢についてPBPを比較し、最も小さいものがPBP効果が高い。
計算(簡潔)
- ア: 累積 = 100, 250, 450, 700 → 3年目終了時450、4年目で超過 → PBP = 年
- イ: 累積 = 100, 300, 600 → 3年目で超過 → PBP = 年
- ウ: 累積 = 200, 350, 450, 600 → 4年目で超過 → PBP = 年
- エ: 累積 = 300, 500 → 2年目でちょうど回収 → PBP = 年
以上より最短はエ(2.0年)。
選択肢別の誤答解説
- ア:累積が500に達するのは4年目途中で、PBPは約3.2年。序盤が遅く中盤で追い上げる構成だが回収は遅め。
- イ:増加が集中しており3年目に回収完了でPBP約2.67年。比較的良いがエより遅い。
- ウ:最初は高いが中盤に落ち込み、4年目で回収。PBP約3.33年で最も遅い。
- エ:初年度と2年目に大きく回収でき、2年目終了時点で投資額に到達。PBPは2.0年で最短のため最も効果が高い。
よくある誤解
- PBPを計算するときに「平均年収」や「総和÷年数」で比較してしまう(タイミングを無視する誤り)。
- 大きな将来のキャッシュインがあるとPBPが短くなると誤認する(実際は初期の回収速度が重要)。
- PBPは割引を考慮しない(時間価値を無視する点を見落とす)。長期・金利の影響が大きい案件ではNPVの方が適切。
補足コラム
PBPは実務で流動性やリスクの観点から重視される単純かつ直感的な指標です。ただし、時間価値を無視するため、将来の大きな収益を過小評価することがあります。そこで「割引回収期間(Discounted Payback)」という手法では各年のキャッシュフローを割引現在価値に変換して累積し、回収年を求めます。また、意思決定にはPBPだけでなくNPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)も併用するのが望ましいです。
簡単な計算スクリプト例(理解用)
def payback_period(investment, cashflows):
cum = 0
for i, cf in enumerate(cashflows, start=1):
prev = cum
cum += cf
if cum >= investment:
return (i-1) + (investment - prev) / cf
return None # 回収不能
# 例: エ
print(payback_period(500, [300,200,100,50,50])) # 出力: 2.0
FAQ
Q1: PBPは短いほど常に良いですか?
A1: 流動性やリスク低減の点では短い方が良いですが、プロジェクト全体の価値(NPV)や長期的な利益性も考慮すべきです。PBPだけで判断すると誤ることがあります。
A1: 流動性やリスク低減の点では短い方が良いですが、プロジェクト全体の価値(NPV)や長期的な利益性も考慮すべきです。PBPだけで判断すると誤ることがあります。
Q2: 年の途中で回収が終わる場合はどう扱いますか?
A2: 前年までの累積不足分をその年のキャッシュインで割り、小数年を加えます(上の公式参照)。今回のエは2年目の終わりでちょうど回収なので小数は不要です。
A2: 前年までの累積不足分をその年のキャッシュインで割り、小数年を加えます(上の公式参照)。今回のエは2年目の終わりでちょうど回収なので小数は不要です。
Q3: 割引回収期間とは何ですか?
A3: 将来のキャッシュフローを割引(例えばWACCや要求収益率で割引)して現在価値ベースで累積し、投資額に到達する年を求める方式です。時間価値を考慮できます。
A3: 将来のキャッシュフローを割引(例えばWACCや要求収益率で割引)して現在価値ベースで累積し、投資額に到達する年を求める方式です。時間価値を考慮できます。
関連キーワード: PBP、回収期間、キャッシュフロー、投資評価、割引回収期間、NPV、IRR、投資回収、回収年数、累積キャッシュフロー

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