ITストラテジスト 2016年 午後1 問03
大型装置メーカーの業務プロセス改革に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
E社は、焼却炉など環境関連の大型装置の製造を得意とする装置メーカーであり、営業部門、工務部門、設計部門、調達部門、製造部門、保守部門の各部門がある。
〔E社の業務プロセスの状況と課題〕
E社の業務プロセスの状況と課題は次のとおりである。
・営業部門は、収集した顧客情報を基に顧客に対して装置の改修工事や新設工事の提案を行っているが、顧客の改修工事や新設工事の時期についての十分な情報を得られず、他社に先行されて失注する場合も多い。顧客の今後の設備投資計画は、装置に関する問合せや改修に対する見積依頼に関係していることが多い。営業部門は、問合せ窓口を一本化することによって顧客情報を効率的に収集できないか検討しているが、各部門に分散している顧客の装置に関する情報を集約するための具体策を策定できていない。
・顧客から装置の新設工事を受注した場合は、工務部門は製造番号(以下、製番という)を設定し、製造指図書を発行して、設計部門に装置の設計を依頼する。その依頼を受けて、設計部門は顧客との打合せに基づいて設置する装置の設計を完了させる。
・設計完了後は、工務部門は装置を構成する機器ごとに機器番号を採り、どの機器を内製するか、どの機器を外部から調達するかを決める。装置の製番と機器番号の関連付けは、製造指図書に添付している機器の一覧表に記載している。
・外部から機器を調達する場合は、工務部門は調達部門に調達要求を出し、調達部門が調達先を選定して注文書を発行する。機器を内製する場合は、工務部門は製造部門に製造を依頼する。機器の調達や製造の状況は機器番号で管理している。
・工務部門は、内製する機器の製造日程と外部から調達する機器の納品日程を勘案して顧客への装置の設置日程を策定し、設置工事を行う。
・装置の設置が完了し、保守契約が締結され、装置が稼働した後の顧客対応は保守部門へ引き継がれる。しかし、工務部門の設置工事が納期ぎりぎりになる場合が多く、装置の稼働開始時期が変更されることもあり、保守の開始予定日が保守部門に正確に伝えられないこともある。その場合、保守契約の締結が遅れ、E社の保守サービスが提供できず、顧客からの対応依頼にタイムリに応えられないこととなり、顧客からクレームを受ける場合がある。
〔顧客の課題と要望〕
最近では、多くの顧客が、既存の装置を長期間、継続使用する場合が多い。また、長年保守を担当してきた顧客の保守要員が、定年で退職するケースが増えてきている。その結果、かなり前に設置した装置については、顧客側では、保守を行うために必要な装置の図面や使っている機器の仕様が把握できず、E社の保守部門への装置に関する問合せが多くなっている。
このような状況から、多くの顧客にとって、故障による装置の停止のリスクを、どのように回避するかが大きな課題となっている。その対策として、機器の交換時期を耐用年数よりも短めに設定して、定期保守の時期に合わせて、前倒しで交換するなどのリスク対応策を実施している。E社は、この課題に対応した新しい保守サービスの提案ができれば、収益を拡大できると考えている。
顧客の事業規模によって保守への対応状況は異なっている。中堅の顧客では、保守に掛けるコストの削減が課題となっており、長年保守を担当してきた保守要員が退職する場合も要員の補充がなく、技術やノウハウの継承が十分にできない場合が多い。その結果、残された保守要員の個々人の努力に依存せざるを得ない状況であり、装置の維持に問題が発生する懸念が高まっている。
複数の工場をもち、それぞれに保守要員を分散して配置しているような大手の顧客においては、分散している装置の保守状況に関する情報を一元管理できれば、保守要員を有効に活用でき、効率的な保守を行えると考えている。しかし、企業合併で拡大してきた大手企業のような場合、これまで各工場の自主運営に任せてきたので、情報の一元管理をどのように進めればよいかが決められず、問題となっている。
顧客の中には、このような問題への対応に、保守の技術やノウハウをもち、顧客の保守情報をある程度把握しているE社のような装置メーカーに依頼したいと考えている企業も多い。E社としても収益拡大の機会として積極的に対応していきたいと考えている。
E社は、顧客の工場に他の複数の装置メーカーが設置した装置についてでも、同様の間題が発生していると考えている。顧客に対して、顧客の要求に応える総合的な保守サービスを提供できれば、他の装置メーカーが設置した装置についての保守業務を受託することができ、収益の拡大が実現できると考えている。
〔情報技術の活用〕
近年、機器の情報化が急速に進んでいる。E社が扱う新型の制御機器では、機器内の圧力など運転状況のデータを測定し、その値に応じて自律的に制御する機器が多くなっている。E社は、それらの運転状況のデータを長期間蓄積し、時系列的な変化の状況を分析することによって、装置の故障発生機器や故障発生時期を予測して、予防的な故修工事を行う新しい保守サービスの提案が可能と考えている。そのような新しい保守サービスの提案を行うためには、E社として必要なシステムを整備する必要がある。また、稼働している機器を、データの蓄積が可能な新型の機器に交換することを納得してもらうために、顧客に対し、新しい保守サービスで得られるメリットを提示する必要があると考えている。
〔E社のアクションプラン〕
このような状況に対応するために、E社は、今期の事業運営の基本方針を次のとおり策定した。
・保守部門に顧客情報を集約し、顧客に対する一本化した問合せ・対応の窓口とする。保守部門は、顧客に対して保守サービスの提供を行うとともに、顧客の問合せや見積依頼の情報の一元的な把握と、設備投資計画につながる情報の収集に努める。保守部門の情報は、E社内での顧客情報の発信の起点として各部門との連携を強化し、現状の業務プロセスの課題を解決する。
・“保守が最上流”という考えに基づき、様々な顧客の課題に対応した総合的な保守サービスをメニュー化し、新たな受注を獲得する。
・情報技術を活用した新しい保守サービスの提案を行うなどの新しいビジネスモデルを導入し、収益の拡大を図る。
これらの基本方針の下、E社はアクションプラン(以下、AP という)を次のとおり設定した。
AP-1:顧客満足度の向上と E社の収益拡大を図るために、顧客情報管理システムの構築によって E社内の情報の連携を強化する。
・顧客情報管理システムを、E社各部門を横断した共通の情報基盤として整備する。
・保守部門と営業部門の間で情報共有を行い、営業部門が顧客にタイムリな提案を行い、新規案件の獲得を図ることに貢献する。
・顧客に対し、タイムリな保守サービスを提供するために、工務部門がもつ情報を保守部門が参照できるようにする。
AP-2:E社の収益拡大を図るために、サービス範囲を拡大する。
・顧客の事業規模に応じた適切な保守サービスのメニューを提供する。
・保守業務全般をカバーする総合的な保守サービスのメニューを提供し、他の装置メーカーが設置した装置についての保守サービスを提供できる体制を整える。
AP-3:顧客に対し、新しい保守サービスで得られるメリットを提示し、新型の機器への交換を積極的に提案していく。
設問1:AP-1について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)AP-1を実施する上で、現在は分散しているが、共通の情報基盤上に集約すべき情報は何か。15字以内で述べよ。
模範解答
顧客の装置に関する情報
解説
解答の論理構成
- 課題の所在
- 【問題文】に「営業部門は…各部門に分散している顧客の装置に関する情報を集約するための具体策を策定できていない。」とあり、どの情報が分散しているかが明示されています。
- AP-1 の目的
- AP-1 では「顧客情報管理システムを、E 社各部門を横断した共通の情報基盤として整備する。」と記されています。分散状態を解消し、共通基盤に載せる対象は “顧客情報” のうち、部門横断で必要なものです。
- 部門横断で必要な最重要情報
- 営業部門は提案機会を逃さないために、保守部門は迅速対応のために、工務部門は設置・製番管理のために、いずれも装置単位で情報を参照する必要があります。したがって基盤に載せるべきは「顧客の装置に関する情報」です。
- まとめ
- 分散 → 集約の対象を示す文脈と、AP-1 の共通基盤コンセプトを踏まえれば、解答は「顧客の装置に関する情報」となります。
誤りやすいポイント
- 「顧客情報」だけと短絡し、装置情報との紐付きを落とす。営業だけでなく設計・保守でも活用するため、装置単位が必須です。
- 「製番・機器番号の対応表」など細部に寄りすぎて全体像を外す。設問は“集約すべき情報”の総称を求めています。
- 部門別に“保守情報”“設計情報”と複数回答を想定してしまう。設問は単一の情報概念を求めています。
FAQ
Q: 「顧客情報」では不十分ですか?
A: 装置を核にして各部門が連携するため、装置情報が含まれないと目的を達成できません。装置に紐付く顧客情報が鍵です。
A: 装置を核にして各部門が連携するため、装置情報が含まれないと目的を達成できません。装置に紐付く顧客情報が鍵です。
Q: 装置の製番や機器番号も管理対象ですが、それを挙げなくて良いのですか?
A: 製番・機器番号は「顧客の装置に関する情報」に含まれる詳細データです。設問は総称で答える想定です。
A: 製番・機器番号は「顧客の装置に関する情報」に含まれる詳細データです。設問は総称で答える想定です。
Q: 共通基盤に載せるのは工務情報や保守履歴も必要では?
A: それらは装置情報の一部です。装置を中心に据えて設計・製造・保守の各履歴を束ねることで、部門横断利用が可能になります。
A: それらは装置情報の一部です。装置を中心に据えて設計・製造・保守の各履歴を束ねることで、部門横断利用が可能になります。
関連キーワード: 情報基盤, データ統合, CRM, 保守履歴, ワンストップ窓口
設問1:AP-1について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)営業部門がタイムリな提案を行うために、保守部門と営業部門との間で共有すべき情報は何か。30字以内で述べよ。
模範解答
・顧客の今後の設備投資計画
・顧客からの装置に関する問合せや改修に対する見積依頼の内容
解説
解答の論理構成
-
目的の再確認
- AP-1 では「顧客情報管理システム」を通じて「営業部門が顧客にタイムリな提案を行い、新規案件の獲得を図る」ことを掲げています。
引用:【問題文】「保守部門と営業部門の間で情報共有を行い、営業部門が顧客にタイムリな提案を行い、新規案件の獲得を図ることに貢献する。」
- AP-1 では「顧客情報管理システム」を通じて「営業部門が顧客にタイムリな提案を行い、新規案件の獲得を図る」ことを掲げています。
-
営業部門が“タイムリな提案”を行うために欲しい情報
- どのタイミングで改修・新設案件が動き出すかを知る手掛かりになる情報。
- 引用:【問題文】「顧客の改修工事や新設工事の時期についての十分な情報を得られず、他社に先行されて失注する場合も多い。」
-
その手掛かりはどこに存在するか
- 保守部門が日常的に受けている「装置に関する問合せ」「改修に対する見積依頼」が直接リンクしている。
- 引用:【問題文】「顧客の今後の設備投資計画は、装置に関する問合せや改修に対する見積依頼に関係していることが多い。」
-
共有すべき具体的情報
- 以上を踏まえると、
・「顧客の今後の設備投資計画」
・「顧客からの装置に関する問合せや改修に対する見積依頼の内容」
が最も直接的・実務的に有用です。
- 以上を踏まえると、
-
結論
- 保守部門が収集・保有する上記2点の情報を営業部門へリアルタイムに提供することで、営業部門は案件発生前の兆候を捉え、先行提案が可能になります。
誤りやすいポイント
- 営業部門が知りたいのは“既存の保守履歴”よりも“これから発生する投資計画の兆し”である点を読み落とす。
- 「装置の設置日程」などスケジュール情報に注目しすぎて、問合せや見積依頼が持つシグナルを軽視する。
- 顧客満足度向上=保守情報の詳細共有と短絡し、営業が直接活用しづらい技術細部を書いてしまう。
FAQ
Q: 設置後のトラブル履歴は共有対象に含めなくて良いのですか?
A: 保守品質向上には重要ですが、設問は「営業部門がタイムリな提案を行うため」なので、新規案件の兆候を示す情報を優先します。
A: 保守品質向上には重要ですが、設問は「営業部門がタイムリな提案を行うため」なので、新規案件の兆候を示す情報を優先します。
Q: 設備投資計画は機密情報では?どうやって入手するのですか?
A: 保守部門が受ける「見積依頼」「問合せ」に含まれる将来計画の示唆を抽出・整理し、顧客情報管理システムで共有します。
A: 保守部門が受ける「見積依頼」「問合せ」に含まれる将来計画の示唆を抽出・整理し、顧客情報管理システムで共有します。
Q: 工務部門や調達部門の情報も営業に役立つのでは?
A: もちろん有用ですが、本設問は保守部門と営業部門間の“先読み”にフォーカスしており、直接の共有対象を問われています。
A: もちろん有用ですが、本設問は保守部門と営業部門間の“先読み”にフォーカスしており、直接の共有対象を問われています。
関連キーワード: CRM, SFA, 情報共有, 顧客接点分析, データ連携
設問1:AP-1について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)タイムリな保守サービスを提供するために、保守部門が工務部門から入手すべき情報は何か。15字以内で述べよ。
模範解答
装置の稼働開始時期
解説
解答の論理構成
- 問題文は、保守部門がタイムリにサービス提供できない原因として、
「工務部門の設置工事が納期ぎりぎりになる場合が多く、装置の稼働開始時期が変更されることもあり、保守の開始予定日が保守部門に正確に伝えられない」
と明示しています。 - さらに、「その場合、保守契約の締結が遅れ、E社の保守サービスが提供できず、顧客からクレームを受ける」と続きます。
- したがって、保守部門が工務部門から最優先で入手すべき情報は、保守開始日を確定させるための「装置の稼働開始時期」であると導けます。
- これにより、保守契約と要員手配を前倒しで実施でき、AP-1 が求める「タイムリな保守サービスの提供」を実現できます。
誤りやすいポイント
- 装置の「設置完了日」と混同する
稼働開始が遅延・前倒しされるケースがあるため、設置完了日だけでは不十分です。 - 機器単位の「納品日程」を答えてしまう
問われているのは保守部門視点の情報であり、装置全体の稼働開始が鍵になります。 - 「保守契約締結日」と勘違いする
契約日は稼働開始時期を把握した上で設定されるもので、原因と結果が逆転しています。
FAQ
Q: 設置完了日が分かれば十分では?
A: 設置後に試運転・調整が入るため、実際に稼働を開始する日がずれることがあります。保守開始は稼働開始に合わせて設定する必要があります。
A: 設置後に試運転・調整が入るため、実際に稼働を開始する日がずれることがあります。保守開始は稼働開始に合わせて設定する必要があります。
Q: 装置単位でなく機器単位の情報共有でも良い?
A: 機器ごとの納品・製造状況は工務部門内の管理には有効ですが、保守契約は装置全体を対象に締結するため、装置レベルの稼働開始時期が不可欠です。
A: 機器ごとの納品・製造状況は工務部門内の管理には有効ですが、保守契約は装置全体を対象に締結するため、装置レベルの稼働開始時期が不可欠です。
Q: 稼働開始時期を把握すると、具体的にどのようなメリットがある?
A: 保守契約を事前に確定し要員・部品を手配できるため、故障時の初動が速くなり、顧客満足度向上と保守収益の安定化につながります。
A: 保守契約を事前に確定し要員・部品を手配できるため、故障時の初動が速くなり、顧客満足度向上と保守収益の安定化につながります。
関連キーワード: 保守計画, 情報共有, 顧客満足, 業務プロセス
設問2:AP-2について、(1)〜(3)に答えよ。
(1)中堅の顧客に提供すべき保守サービスのメニューはどのような内容か。20字以内で述べよ。
模範解答
技術やノウハウの継承を支援すること
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、中堅規模の顧客の課題として
「長年保守を担当してきた保守要員が退職する場合も要員の補充がなく、技術やノウハウの継承が十分にできない場合が多い」
と明記されています。 - さらに、その結果として
「残された保守要員の個々人の努力に依存せざるを得ない状況」
となり、「装置の維持に問題が発生する懸念」があると述べられています。 - したがって、中堅顧客が最も求めているのは“退職者が抜けても保守知識が途切れない仕組み”であり、E社はそのギャップを埋めるサービスをメニュー化すべきです。
- これらを踏まえると、保守サービスのメニューは「技術やノウハウの継承を支援すること」とまとめるのが妥当です。
誤りやすいポイント
- コスト削減のみに着目し、「低価格対応」と答えてしまう。課題はコストだけでなく「技術やノウハウの継承」不足です。
- 大手顧客向けの「保守情報の一元管理」をそのまま転用してしまう。中堅顧客と大手顧客ではニーズが異なります。
- 「教育プログラム提供」など具体策へ踏み込みすぎて、本質である“継承支援”という観点を外してしまう。
FAQ
Q: 中堅顧客の課題はコスト削減だけではないのですか?
A: 【問題文】にあるとおり、コスト削減も課題ですが、要員退職による「技術やノウハウの継承が十分にできない」点が大きな痛点です。
A: 【問題文】にあるとおり、コスト削減も課題ですが、要員退職による「技術やノウハウの継承が十分にできない」点が大きな痛点です。
Q: 「継承支援」とは具体的に何を指しますか?
A: 作業手順の標準化やEラーニング、遠隔支援ツールの提供など、保守要員が持つ知識を形式知化・共有する取り組み全般を指します。
A: 作業手順の標準化やEラーニング、遠隔支援ツールの提供など、保守要員が持つ知識を形式知化・共有する取り組み全般を指します。
Q: 大手顧客への提案内容と混同しやすいのですが、どう区別すれば良いですか?
A: 大手顧客は「分散している装置の保守状況に関する情報を一元管理」したいというニーズが主で、中堅顧客は「技術やノウハウの継承」不足に悩んでいる点が決定的に異なります。
A: 大手顧客は「分散している装置の保守状況に関する情報を一元管理」したいというニーズが主で、中堅顧客は「技術やノウハウの継承」不足に悩んでいる点が決定的に異なります。
関連キーワード: 保守サービス, ナレッジマネジメント, 業務プロセス改革, 情報共有
設問2:AP-2について、(1)〜(3)に答えよ。
(2)大手の顧客に提供すべき保守サービスのメニューはどのような内容か。25字以内で述べよ。
模範解答
装置の保守状況に関する情報を一元管理すること
解説
解答の論理構成
-
課題の摘出
- 問題文には、大手顧客が抱える悩みとして
「複数の工場をもち、それぞれに保守要員を分散して配置しているような大手の顧客においては、分散している装置の保守状況に関する情報を一元管理できれば、保守要員を有効に活用でき、効率的な保守を行える」
と明記されています。 - さらに、「情報の一元管理をどのように進めればよいかが決められず、問題となっている」と記載され、情報一元管理の必要性と自社での困難さが示されています。
- 問題文には、大手顧客が抱える悩みとして
-
アクションプランとの整合
- AP-2 では「顧客の事業規模に応じた適切な保守サービスのメニューを提供する」とあるため、大手顧客向けには上記課題を直接解消するサービスを提示するのが自然です。
-
提案内容の導出
- 課題は「装置の保守状況に関する情報を一元管理」できないこと。
- 解決策=そのまま「装置の保守状況に関する情報を一元管理すること」をサービスメニューとして提示。
-
結論
- よって解答は「装置の保守状況に関する情報を一元管理すること」となります。
誤りやすいポイント
- 「保守要員の派遣」など人員提供のみを答えてしまい、情報管理という核心を外す。
- 「他社装置も含めた点検」など課題に合致しない範囲拡大を書き、焦点がぼける。
- 「保守計画の立案支援」とまとめてしまい、情報を“一元管理”する点が欠落する。
FAQ
Q: なぜ“一元管理”がキーワードになるのですか?
A: 問題文は大手顧客の悩みを「分散している装置の保守状況に関する情報を一元管理できれば」と明示しており、これが直接的なニーズです。
A: 問題文は大手顧客の悩みを「分散している装置の保守状況に関する情報を一元管理できれば」と明示しており、これが直接的なニーズです。
Q: 他社装置も対象に含めた方が良いのでは?
A: AP-2 全体では他社装置への拡大も掲げていますが、大手顧客の個別課題は情報の“一元管理”です。設問は「大手の顧客に提供すべき保守サービスのメニュー」を聞いているため、まずは核心要求に答える必要があります。
A: AP-2 全体では他社装置への拡大も掲げていますが、大手顧客の個別課題は情報の“一元管理”です。設問は「大手の顧客に提供すべき保守サービスのメニュー」を聞いているため、まずは核心要求に答える必要があります。
Q: システム導入まで書く必要はありませんか?
A: サービス内容を問う設問であり、導入手段ではなく「情報を一元管理する」という提供価値を示すことが優先されます。
A: サービス内容を問う設問であり、導入手段ではなく「情報を一元管理する」という提供価値を示すことが優先されます。
関連キーワード: 情報一元化, データベース, 保守サービス, 業務プロセス, 可視化
設問2:AP-2について、(1)〜(3)に答えよ。
(3)他の装置メーカーの装置を保守するためにE社が顧客から得るべき情報は何か。30字以内で述べよ。
模範解答
他の装置メーカーの装置の図面や使っている機器の仕様
解説
解答の論理構成
- 設問は「他の装置メーカーの装置を保守するためにE社が顧客から得るべき情報」を尋ねています。
- 【問題文】には、顧客側が直面する具体的な情報不足として
「顧客側では、保守を行うために必要な装置の図面や使っている機器の仕様が把握できず」
と明記されています。 - さらに、E社は「他の装置メーカーが設置した装置についての保守業務を受託」したいとしています。保守を請け負うには、対象装置を正確に理解する資料が不可欠です。
- したがって、E社がまず顧客から入手すべき核心情報は引用部に登場する「装置の図面」と「使っている機器の仕様」であると導けます。
- 以上より、模範解答「他の装置メーカーの装置の図面や使っている機器の仕様」となります。
誤りやすいポイント
- 「装置の型番」「製造番号」など限定的な識別情報だけを答えてしまう。保守実務には詳細な図面・仕様が必須です。
- 「装置の点検履歴」等の運用情報を優先してしまう。履歴は重要ですが、まずは構造・部品情報がなければ修理計画が立てられません。
- 「顧客の設備投資計画」など上流営業視点の情報を混在させる。設問は保守実務で必要な情報を聞いています。
FAQ
Q: 図面と仕様書のどちらか一方だけを書いたら部分点はありますか?
A: 出題意図は両方をセットで挙げることなので、一方のみでは減点対象になることが多いです。
A: 出題意図は両方をセットで挙げることなので、一方のみでは減点対象になることが多いです。
Q: 「他社製装置のマニュアル」と書いても良いですか?
A: マニュアルも図面・仕様を含む場合がありますが、引用文の語句をそのまま用いる方が答案の妥当性が高くなります。
A: マニュアルも図面・仕様を含む場合がありますが、引用文の語句をそのまま用いる方が答案の妥当性が高くなります。
Q: 具体的な型式番号まで書く必要はありますか?
A: 設問は「得るべき情報の種類」を問うているため、型式番号の例示は不要です。
A: 設問は「得るべき情報の種類」を問うているため、型式番号の例示は不要です。
関連キーワード: 保守サービス, 情報共有, 図面管理, 仕様書, 外部装置保守
設問3:AP-3について、(1)、(2)に答えよ。
(1)E社が新しい保守サービスを提案するために、必要なシステムの機能は何か。35字以内で述べよ。
模範解答
運転状況のデータを蓄積・分析して故障発生箇所や時期を予測する機能
解説
解答の論理構成
-
問題が求める“必要なシステムの機能”は、【問題文】の「〔情報技術の活用〕」に明示されています。
引用①:「E 社は、それらの運転状況のデータを長期間蓄積し、時系列的な変化の状況を分析することによって、装置の故障発生機器や故障発生時期を予測して、予防的な故修工事を行う新しい保守サービスの提案が可能と考えている。」
引用②:「そのような新しい保守サービスの提案を行うためには、E 社として必要なシステムを整備する必要がある。」 -
引用①から読み取れるプロセスは
・データを“長期間蓄積”
・時系列的に“分析”
・“故障発生機器や故障発生時期を予測”
という三段階です。したがって、システムにはこの三つを実現する機能が不可欠です。 -
引用②は「必要なシステムを整備」と述べており、AP-3 が「新しい保守サービスで得られるメリットを提示」する施策であることから、機能要件は上記プロセスを一貫して支援するものと結論づけられます。
-
以上を35字以内にまとめたのが模範解答「運転状況のデータを蓄積・分析して故障発生箇所や時期を予測する機能」です。
誤りやすいポイント
- 「データをリアルタイム監視する機能」だけを書く
⇒ 引用①は“長期間蓄積”“分析”“予測”まで求めており監視だけでは不十分です。 - 「保守スケジュールを管理する機能」とずれる回答
⇒ 質問は“新しい保守サービスを提案するため”のシステム要件であり、スケジュール管理は結果として派生する別機能です。 - 「IoT デバイスとの連携機能」など抽象度が高すぎる表現
⇒ 具体的に“蓄積・分析・予測”を盛り込まないと設問の狙いに合致しません。
FAQ
Q: 予測の対象は何を明示すればよいですか?
A: 引用①にある「装置の故障発生機器や故障発生時期」をそのまま用いると的確です。
A: 引用①にある「装置の故障発生機器や故障発生時期」をそのまま用いると的確です。
Q: “分析”と“予測”の両方を書く必要がありますか?
A: はい。引用①が両方を強調しており、どちらか一方では機能を満たしません。
A: はい。引用①が両方を強調しており、どちらか一方では機能を満たしません。
Q: “長期間”は必ず盛り込むべきですか?
A: 「運転状況のデータを蓄積」と書けば長期蓄積のニュアンスは含まれるため、字数内で無理に“長期間”を追加しなくても問題ありません。
A: 「運転状況のデータを蓄積」と書けば長期蓄積のニュアンスは含まれるため、字数内で無理に“長期間”を追加しなくても問題ありません。
関連キーワード: データ蓄積, 時系列分析, 故障予測, 予防保全, IoT
設問3:AP-3について、(1)、(2)に答えよ。
(2)E社が顧客に対して新型の機器への交換を納得してもらうために必要な、顧客に提示すべき、新しい保守サービスで得られるメリットとは何か。30字以内で述べよ。
模範解答
故障による装置の停止のリスクを回避できること
解説
解答の論理構成
- 顧客側の課題は「故障による装置の停止のリスクを、どのように回避するかが大きな課題」と明示されています。
引用:【問題文】「多くの顧客にとって、故障による装置の停止のリスクを、どのように回避するかが大きな課題となっている。」 - E社は「運転状況のデータを長期間蓄積し…故障発生機器や故障発生時期を予測して、予防的な故修工事を行う新しい保守サービス」を計画しています。
引用:【問題文】「時系列的な変化の状況を分析することによって、装置の故障発生機器や故障発生時期を予測して、予防的な故修工事を行う新しい保守サービスの提案が可能と考えている。」 - AP-3では「顧客に…メリットを提示し、新型の機器への交換を積極的に提案」する方針です。
引用:【問題文】「顧客に対し、新しい保守サービスで得られるメリットを提示し、新型の機器への交換を積極的に提案していく。」 - 以上より、新しい保守サービスが顧客に与える最大のメリットは「停止リスクを未然に防げる」点であり、模範解答「故障による装置の停止のリスクを回避できること」に帰結します。
誤りやすいポイント
- 「コスト削減」だけを書くと、顧客の第一優先課題であるリスク回避に触れておらず減点対象になります。
- 新型機器への交換メリットを「最新技術の導入」など抽象的に書くと、具体的な効果が示せず不十分です。
- E社の利益(収益拡大など)を前面に出すと顧客視点が欠け、設問の趣旨とずれます。
FAQ
Q: なぜ停止リスクの回避が最も重要なのですか?
A: 引用にあるとおり、顧客が抱える最大の不安が「故障による装置停止」であり、生産ライン全体に直結するためです。E社のサービスはこの不安を解消する点が核心です。
A: 引用にあるとおり、顧客が抱える最大の不安が「故障による装置停止」であり、生産ライン全体に直結するためです。E社のサービスはこの不安を解消する点が核心です。
Q: 「予防的な故修工事」とは何ですか?
A: センサーデータなどを分析して故障を予測し、実際に壊れる前に部品交換や修理を行う手法です。予定外停止を防げるため生産計画への影響を最小化できます。
A: センサーデータなどを分析して故障を予測し、実際に壊れる前に部品交換や修理を行う手法です。予定外停止を防げるため生産計画への影響を最小化できます。
Q: コスト削減はメリットに含まれないのですか?
A: 二次的には含まれますが、設問は「新しい保守サービスで得られるメリット」として最も訴求力の高いポイントを尋ねています。停止リスク回避が最重要と判断されるため、解答はそこに集中させます。
A: 二次的には含まれますが、設問は「新しい保守サービスで得られるメリット」として最も訴求力の高いポイントを尋ねています。停止リスク回避が最重要と判断されるため、解答はそこに集中させます。
関連キーワード: 予防保守, 故障予測, IoTデータ分析, リスクマネジメント, 価値提案


