ITストラテジスト 2023年 午前2 問21
問題文
連結売上高総利益率は何%か。ここで、B社はA社の100%子会社で、仕入れは全て親会社からであり、売上は全て親会社以外である。また、期首、期末とも在庫はない。

選択肢
ア:34
イ:38
ウ:40(正解)
エ:56
🔒 解説は解答すると表示されます
連結売上総利益率【午前2解説】
正解の理由
設問の数値を整合的に解釈すると、A社の「売上高 4,000」と「子会社売上高 800」は別項目(外部向け売上4,000に加え、子会社向け売上800がある)と読むのが妥当です。その場合、グループ全体の売上(合計)は A社 4,800 + B社 1,000 = 5,800 となり、親→子間の内部売上800を消去すると連結売上高は 5,000 になります。一方、売上原価合計は A社 3,000 + B社 800 = 3,800 で、子会社の仕入(親への内部取引)800 を消去すると連結売上原価は 3,000 となります。よって連結売上総利益は 5,000 − 3,000 = 2,000 で、連結売上総利益率は
となり、選択肢の中では ウ が正しいです。
(ポイント:期首・期末とも在庫なしなので、親→子の売買で生じた内部含み益(未実現利益)を追加で消去する必要はありません。)
解法ステップ
- A社の売上は「外部向け4,000」と「子会社向け800」を区別して合算し、A社総売上を 4,800 とする(帳票の表記に注意)。
- グループ合計売上を求める:A社4,800 + B社1,000 = 5,800。
- 親→子の内部売上800を消去して連結売上高を求める:5,800 − 800 = 5,000。
- 売上原価の合計を求める:A社3,000 + B社800 = 3,800。
- 内部取引に対応するB社の仕入(=B社の売上原価に含まれる800)を消去する:3,800 − 800 = 3,000。
- 理由:B社が親から仕入れた金額(800)はグループ外部に新たに費用を生じさせないため、連結では消去する。
- 連結売上総利益 = 連結売上高 − 連結売上原価 = 5,000 − 3,000 = 2,000。
- 連結売上総利益率 = → ウ。
選択肢別の誤答解説
- ア:34%
- 典型的ミス:A社の「子会社売上高800」をA社の売上に含まれずに扱ったり、分母(売上高)を誤って親会社売上のみで計算するなど、分母・分子の組み合わせを誤ることで出る誤差です。与えられた数字から一貫した計算過程を踏めば導かれません。
- イ:38%
- 典型的ミス:内部売上の消去を売上側だけに行い(分母を小さくする)、売上原価側での消去を怠る(またはその逆)など、内部取引の消去処理を片方でしか行わないことによる誤差です。内部取引は売上と仕入(売上原価)の双方で消去する必要があります。
- ウ:40%
- 正しい処理:A社の外部売上と子会社向け売上を合計、グループ合計から内部売上を消去し、売上原価も内部仕入を消去。期末在庫が無いため追加の未実現利益調整は不要で、上記計算通りに40%となります。
- エ:56%
- 典型的ミス:B社の売上(またはA社の外部売上)だけを分母にして計算する、あるいは売上原価の消去を全く行わずに親会社の売上総利益だけを分母に対して計算するなど、分母・分子の不整合による極端な値です。
よくある誤解
- 誤解1:帳票の「子会社売上高」が親売上に含まれていると無条件に仮定する
- 解説:表の項目構成は会社ごとに異なり、「売上高」と「子会社売上高」が別立てで示されている場合、合算して総売上を考える必要があります。まず数式(売上高 − 売上原価=売上総利益)が合っているか確認しましょう。
- 誤解2:内部売上は売上だけ消去すれば良いと思う
- 解説:内部売上を消去する際は、売上(収益)と対応する費用(仕入/売上原価)の双方を消去して初めて外部向けの実態が表れます。片方だけ消すと利益率が歪みます。
- 誤解3:期末在庫がゼロでも内部取引の「利益調整」を忘れる
- 解説:内部取引の含み益は期末在庫があるときのみ調整が必要です。設問で期首・期末とも在庫なしとある場合、追加調整は不要です。
補足コラム
- 「内部取引消去」のイメージ:
- グループ内での取引は“見かけ上”の売上・仕入を増やすだけで、外部から見た実体(連結)には現れません。連結では、
- 親の対子の売上(収益)を消す、
- 子の対親の仕入(費用、売上原価)を消す、
- さらに期末在庫に含まれる内部含み益があればその分を売上原価に戻す(期末在庫ゼロなら不要) の順で整理します。
- グループ内での取引は“見かけ上”の売上・仕入を増やすだけで、外部から見た実体(連結)には現れません。連結では、
- 未実現利益の調整(在庫がある場合):
- 内部売上価格 − 親の原価 = 内部含み益。期末在庫に含まれる部分だけを連結上で消去(減額)します。所有比率が100%であれば全額調整、部分所有なら持分比率に応じて調整します。
FAQ
Q. 「子会社売上高」の表記は必ず合算するのですか?
A. 表記の意図を読み取る必要があります。設問内で合計が財務数式(売上高 − 売上原価=売上総利益)と矛盾しないか確認し、矛盾がある場合は明示的に合算(あるいは分離)して整合させます。本問ではA社の売上総利益の数値から「4,000+800=4,800」が自然な解釈になります。
A. 表記の意図を読み取る必要があります。設問内で合計が財務数式(売上高 − 売上原価=売上総利益)と矛盾しないか確認し、矛盾がある場合は明示的に合算(あるいは分離)して整合させます。本問ではA社の売上総利益の数値から「4,000+800=4,800」が自然な解釈になります。
Q. 在庫があったらどう処理しますか?
A. 期末在庫に含まれる内部含み益の金額を算出し、その分を連結売上総利益から差し引き(売上原価に戻す)ます。計算式は、内部売上のうち期末在庫分 ×(1 − 親の原価率)などで求めます。
A. 期末在庫に含まれる内部含み益の金額を算出し、その分を連結売上総利益から差し引き(売上原価に戻す)ます。計算式は、内部売上のうち期末在庫分 ×(1 − 親の原価率)などで求めます。
Q. 子会社が親以外から仕入れていたら?
A. 子の仕入のうち親からの部分のみを内部取引として消去します。親以外からの仕入は外部取引なのでそのまま連結計算に残ります。
A. 子の仕入のうち親からの部分のみを内部取引として消去します。親以外からの仕入は外部取引なのでそのまま連結計算に残ります。
関連キーワード: 連結会計, 内部取引消去, 売上総利益率, 未実現利益, 棚卸資産扱い

\ せっかくなら /
ITストラテジストを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

