ITストラテジスト 2010年 午前2 問25
問題文
次の三つの条件を満たす契約はどれか。
・役務を提供する側には、仕事を完成して引き渡す責任はない。
・作業のために必要な労働に対する指揮命令は役務を提供する側で行う。
・労働条件は役務を提供する側で定められる。
選択肢
ア:請負契約
イ:出向契約
ウ:準委任契約(正解)
エ:派遣契約
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準委任契約の特徴【午前2解説】
正解の理由
問題文の三つの条件は、「役務を提供する側には、仕事を完成して引き渡す責任はない」「作業のために必要な労働に対する指揮命令は役務を提供する側で行う」「労働条件は役務を提供する側で定められる」です。仕事の完成を約束せず、作業の指揮命令も自社で行うのは準委任契約の特徴なので、正解はウです。準委任契約は、法律行為以外の事務(システム開発の作業など)の処理を委託する契約で、受託者は善良な管理者の注意をもって業務を行う義務を負いますが、成果物の完成までは約束しません。
解法ステップ
- 一つ目の条件「仕事を完成して引き渡す責任はない」から、仕事の完成を目的とする請負契約を外す。
- 二つ目の条件「指揮命令は役務を提供する側で行う」から、発注者(派遣先)が指揮命令を行う派遣契約を外す。
- 三つ目の条件「労働条件は役務を提供する側で定められる」から、出向先の就業規則などに従って働く出向契約を外す。
- 残った準委任契約を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 請負契約
請負人は仕事を完成させて引き渡す責任を負います。一つ目の条件に反します。 - イ: 出向契約
出向者は出向先の指揮命令を受け、労働条件も出向先との取決めに従うことが多く、二つ目・三つ目の条件に反します。 - ウ: 準委任契約
仕事の完成責任を負わず、指揮命令や労働条件は受託者側で定めるため、三つの条件をすべて満たします。 - エ: 派遣契約
派遣労働者への指揮命令は派遣先(役務を受ける側)が行うため、二つ目の条件に反します。
よくある誤解
準委任契約は「完成責任がない」点で請負契約と違い、「指揮命令が受託者側にある」点で派遣契約と違います。準委任契約なのに発注者が受託者の作業者に直接指示を出すと、偽装請負と同じ問題(実態は派遣)になるので注意が必要です。
補足コラム
民法では、法律行為の委託を「委任」、法律行為以外の事務の委託を「準委任」と呼びます。システム開発では、要件定義や運用テストのように成果物を事前に確定しにくい工程で準委任契約が、設計・製造のように成果物を確定できる工程で請負契約がよく使われます。
FAQ
Q: 準委任契約でも成果物を納品することはありますか?
A: あります。民法の改正で、成果物の完成に対して報酬を支払う「成果完成型」の準委任契約も定められました。ただし、請負契約のように仕事の完成そのものを約束するわけではありません。
A: あります。民法の改正で、成果物の完成に対して報酬を支払う「成果完成型」の準委任契約も定められました。ただし、請負契約のように仕事の完成そのものを約束するわけではありません。
Q: 派遣契約と準委任契約の一番の違いは何ですか?
A: 作業者への指揮命令を誰が行うかです。派遣契約では派遣先が、準委任契約では受託者が指揮命令を行います。
A: 作業者への指揮命令を誰が行うかです。派遣契約では派遣先が、準委任契約では受託者が指揮命令を行います。
関連キーワード: 準委任契約、請負契約、派遣契約、出向契約、指揮命令、偽装請負、善管注意義務

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