ITストラテジスト 2010年 午前2 問12
問題文
計画的陳腐化を説明したものはどれか。
選択肢
ア:機能がまだ十分に使用可能な製品を、新しいデザインに変更することによって、既存製品からの移行を進めていくこと(正解)
イ:製品の誕生から廃棄までのうち、製品のニーズがなくなることによって、売上も利益も下降線をたどる段階のこと
ウ:製品の値引き販売をすることによって、多くの人の購入をねらうこと
エ:大規模な流通業者が、あえてブランド名を付けないことによって、旧タイプの製品を提供すること
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計画的陳腐化【午前2解説】
正解の理由
選択肢アは、製品が「まだ十分に使用可能」であるにもかかわらず、メーカー側が新しいデザインを導入して既存製品の置換を促進する行為を指しています。これは「意図的に製品の価値・需要を早期に低下させ、買い替えを促す」戦略であり、計画的陳腐化(planned obsolescence)の定義に合致します。したがってアが正解です。
解法ステップ
- 設問で問われている概念のキーワードを確認する:「意図的」「製品寿命」「置き換えを促す」など。
- 各選択肢がそのキーワードに合致するかを検討する。
- 「まだ十分に使用可能」→意図的な寿命短縮や交換の促進を示唆→計画的陳腐化に近い。
- 製品ライフサイクルや価格戦略を説明している場合は別概念。
- 最も定義に忠実な選択肢を選ぶ(この場合はア)。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正解)
新デザイン導入で既存品の移行を進める記述は、使用可能にも関わらず意図的に代替を促す行為であり、計画的陳腐化の典型です。技術的寿命の短縮だけでなく、デザイン変更で需要を次モデルに移す「心理的・市場的」手法も含まれます。 -
イ(誤り)
製品の「誕生から廃棄までのうち、ニーズがなくなって売上が落ちる段階」は製品ライフサイクル(PLC)の「衰退期(Decline)」を説明しています。これは自然な市場変化や需要の消失を指し、計画的陳腐化の意図的側面とは区別されます。 -
ウ(誤り)
値引き販売で多くの人の購入を狙う行為は価格戦略・プロモーションに該当します。販売促進の手段であり、製品寿命を意図的に短くして買い替えを促す計画的陳腐化とは異なります。 -
エ(誤り)
「あえてブランド名を付けないこと」によって旧タイプを提供するという記述は、無印/ジェネリック商品やノーブランド、ホワイトラベルに近い概念を示しています。これは流通・価格戦略の一形態であり、計画的陳腐化とは無関係です。なお「プライベートブランド(PB)」は小売業者が自社ブランドを付けて販売する戦略であり、ブランドを付けないこととは逆の概念です。
よくある誤解
- 「単に壊れやすい製品=計画的陳腐化」ではない:故障が多いだけは品質問題であり、メーカーにとって意図的な短寿命化の証明にはならない場合があります。計画的陳腐化は意図(設計や更新戦略)がポイントです。
- 「デザイン変更=計画的陳腐化」ではない:デザイン刷新自体は正常な商品戦略の一部です。計画的陳腐化と判断するには「まだ使えるものを交換させる意図」が伴っているかを確認します。
補足コラム
計画的陳腐化には主に以下の種類があります。
- 技術的陳腐化:部品や素材を短期間で劣化しやすく設計する。
- 心理的/デザイン陳腐化:新しい外観や機能で旧モデルを「古く見せる」。
- 互換性による陳腐化:新規規格や更新で旧製品を使い続けにくくする(例:ソフトウェア更新で旧ハードが非対応に)。
近年は消費者保護やサステナビリティの観点から「リペア権(Right to Repair)」やエコデザイン規制が強まり、計画的陳腐化への批判・規制が進んでいます。試験対策としては、問題文にある「意図的」や「まだ使用可能なのに置換を促す」といった表現を重視してください。
FAQ
Q. 計画的陳腐化は違法ですか?
A. 一概には言えません。製造者の戦略自体が直ちに違法となるわけではありませんが、故意の欺瞞や安全性を損なう行為、表示義務違反などがあれば法的問題になります。各国で消費者保護やリペア権に関する規制が強化されています。
A. 一概には言えません。製造者の戦略自体が直ちに違法となるわけではありませんが、故意の欺瞞や安全性を損なう行為、表示義務違反などがあれば法的問題になります。各国で消費者保護やリペア権に関する規制が強化されています。
Q. 「デザイン刷新」はすべて計画的陳腐化ですか?
A. いいえ。市場競争上の正当な改善やイノベーションによる刷新と、消費を不必要に促す意図的な陳腐化は区別されます。設問では「まだ十分に使用可能」という表現があるかが判断材料になります。
A. いいえ。市場競争上の正当な改善やイノベーションによる刷新と、消費を不必要に促す意図的な陳腐化は区別されます。設問では「まだ十分に使用可能」という表現があるかが判断材料になります。
Q. 消費者ができる対策は?
A. 購入前に製品の修理性・保証・部品供給情報を確認する、リペア可能な製品を選ぶ、長期保証やサードパーティ修理が可能なメーカーを選ぶ等が有効です。
A. 購入前に製品の修理性・保証・部品供給情報を確認する、リペア可能な製品を選ぶ、長期保証やサードパーティ修理が可能なメーカーを選ぶ等が有効です。
関連キーワード: 計画的陳腐化、製品ライフサイクル、衰退期、無印商品、ジェネリック、プライベートブランド、リペア、サステナビリティ、互換性問題, デザイン寿命, 右-to-リペア

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