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ITストラテジスト 2012年 午後104


自動販売機の企画に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

 E社は、飲料用自動販売機メーカーで、販売先は酒類と清涼飲料の製造・販売を行うG社である。E社の自動販売機には通信機能があり、自動販売機内の在庫を遠隔地点から確認することができる。自動販売機の設置場所は広範・多数にわたり、設置場所によって通信手段が異なるので、LAN、携帯電話、PHSなど、複数の通信手段に対応している。   〔G社の経営状況・経営戦略〕  G社は自動販売機による売上は順調であるが、主な販路である販売店及び飲食店においては売上が伸び悩んでいる。そこで、経営悪化の打開策として、E社に対し、E社の従来の自動販売機にはない機能(以下、新機能という)を提案するよう依頼した。G社が例として挙げたのは、G社の主な販路で売上を伸ばすことができる機能であった。   〔新機能の概要〕  G社の依頼を受け、E社のITストラテジストのH氏は次のような新機能を考えた。  ① 災害情報提供機能   ・災害時に、被災地及びその周辺で液晶画面に文字・画像を表示したり、音声を出力したりすることによって、災害の状況や避難場所などの災害情報を提供する。  ② 災害時商品無償提供機能   ・災害時に、被災地及びその周辺で、緊急支援物資として自動販売機内の商品を無償で提供する。  ③ 道案内機能   ・利用者が、最寄り駅、最寄りバス停、飲食店などの目的地を一覧から検索すると、目的地までの経路を表示する。   ・目的地までの経路を表示する機能を近隣の自動販売機と連携させ、利用者が表示された経路の自動販売機に近づく際に“○○駅ココ右折”などの道案内を表示する。  ④ お勧め商品紹介機能   ・性別及び年齢層別に、自動販売機で販売中のお勧め商品を紹介する。   ・購入履歴を基に、利用者の好みの商品を提案する。   H氏は、システムアーキテクトのJ氏に、これらの新機能の実現方法を調査するように指示した。   〔新機能の実現方法〕  J氏は、新機能の実現方法について調査し、その結果を機能ごとにまとめ、H氏に報告した。  ① 災害情報提供機能   ・関係省庁及び自治体と連携し、災害に関する最新情報を表示する。   ・停電で外部からの電力供給が断れたときでも、内蔵する電池を使って、最寄りの避難所までの道案内の画面表示を、1日程度続ける。  ② 災害時商品無償提供機能   ・遠隔操作又は手動操作によって、商品を無償提供する。   ・停電で外部からの電力供給が断れたときでも、内蔵する電池を使って、商品がある限り1日程度は無償提供を続ける。  ③ 道案内機能   ・タッチパネルの操作によって、目的地を入力する。   ・道路の新設、廃止、工事中などの情報を入手し、道案内をする。   ・目的地までの経路にある、道案内機能を搭載した自動販売機は、利用者が来ると思われる時間が経過したときに道案内を表示する。  ④ お勧め商品紹介機能   ・カメラの画像から年齢、性別を判断する。   ・購入履歴ごとのお勧め商品情報は、毎日更新する。   ・個人を識別できる画像情報及び過去に購入した商品情報をサーバに保存し、カメラの画像から利用者を識別し、過去に購入した商品に関連した新商品を紹介する。   これらの新機能の中には、継続運用するために他企業と提携すべきもの、及び個人情報保護の面で問題となり得るものがある。また、災害情報提供機能及び災害時商品無償提供機能の実現は、技術的には可能であるが、機能実装コスト、保守コストの増加などの問題がある。   〔新機能に関するG社の提案・意向とE社の対応〕  (1) G社の提案・意向   H氏が、G社の経営者に新機能について説明したところ、G社の経営者は、道案内機能を評価するとともに、この機能を利用して、利用者を提携店に誘導する新機能を提案してきた。具体的な内容は、道案内機能と連動し、近隣店舗の情報を自動販売機に表示し、G社の商品を扱う近隣の販売店、飲食店などの提携店を優先的に紹介する機能(以下、提携店優先紹介機能という)である。さらに、G社の経営者は、次のような意向を示した。   ・提携店優先紹介機能については、E社と特許を共同出願することで、特許権を共有したい。   ・提携店優先紹介機能を含めた全ての新機能を備えた自動販売機を、半年後に市場に出したい。  (2) E社の対応   ① 提携店優先紹介機能の詳細化    H氏は、J氏に提携店優先紹介機能の詳細化を指示した。J氏が検討した結果を次に示す。   ・G社の商品を扱う販売店の集客アップのために、当日の特売品情報などを紹介する。   ・G社の商品を扱う飲食店のメニュー、“レジで〇〇と言うと割引になります”といったサービスなどの情報を紹介する。提携店優先紹介機能の実現については、G社と特許を共同出願することを前提に開発を進めることにした。   ② 全ての新機能を備えた自動販売機の開発    H氏は、G社の意向どおりに全ての新機能を備えた自動販売機を開発するのは納期の面で困難と判断した。そこで、G社の経営状況を踏まえ、先行して実現すべき二つの新機能を搭載した自動販売機をまず開発し、E社に納入し、その後、ハードウェアの追加とソフトウェアの更新によって、残りの新機能を実現することで、G社との合意を得ることができた。また、H氏は、先行して実現すべき二つの新機能を実現するためにそれぞれ、関係省庁、自治体、企業など他の組織から入手すべき情報があると考えた。

設問1自動販売機の開発計画について、(1)、(2)に答えよ。

(1)G社と合意して先行して実現することとした新機能を二つ答えよ。また、それぞれについて、その理由を25字以内、その新機能を実現するに当たって、他の組織から入手すべき情報を30字以内で述べよ(①と②は順不同)。

模範解答

①:  新機能:提携店優先紹介機能  理由:G社の主な販路の売上を伸ばせる機能だから  情報:当日の特売品、メニュー、サービスなどの情報 ②:  新機能:道案内機能  理由:提携店優先紹介機能と連動した機能だから  情報:道路の新設、廃止、工事中などの情報

解説

解答の論理構成

  1. 先行開発すべき機能を洗い出す
    • E社は、納期面の制約から「先行して実現すべき二つの新機能」を選定しました。
      引用: 「H氏は…まず開発し…その後…残りの新機能を実現することで、G社との合意を得ることができた。」
  2. G社が特に重視する機能を抽出
    • G社経営者は「道案内機能を評価」し、同機能を活かした「提携店優先紹介機能」を新提案しています。
      引用: 「道案内機能を評価するとともに、この機能を利用して、利用者を提携店に誘導する新機能を提案してきた」
    • よって両機能はG社の経営課題と密接で、優先度が高いと判断できます。
  3. 提携店優先紹介機能を選ぶ理由
    • G社の課題は「主な販路である販売店及び飲食店においては売上が伸び悩んでいる」。
      提携店優先紹介機能は「G社の商品を扱う販売店の集客アップのために、当日の特売品情報などを紹介する」と明記されており、課題解決に直結します。
  4. 道案内機能を選ぶ理由
    • 提携店優先紹介機能は「道案内機能と連動」して成立するため、二つはセットで導入する必要があります。
      引用: 「具体的な内容は、道案内機能と連動し…提携店を優先的に紹介する機能」
  5. 他組織から入手すべき情報
    • 提携店優先紹介機能: 「当日の特売品情報など」を販売店・飲食店側から取得。
    • 道案内機能: 「道路の新設、廃止、工事中などの情報」を自治体・関係機関から取得。

誤りやすいポイント

  • 「災害情報提供機能」や「お勧め商品紹介機能」を先行機能と勘違い
    → G社の経営課題と合致しているのは販路拡大系の機能である点を見落としがちです。
  • 道案内機能だけを選択
    → 提携店優先紹介機能は道案内機能とセットで提案されているため、単独では要件を満たしません。
  • 他組織から入手する情報を曖昧に記述
    → 問題文にある具体的なフレーズをそのまま引用することで失点を防げます。

FAQ

Q: 災害対応系の機能はなぜ後回しにされるのですか?
A: 技術的には可能でも「機能実装コスト、保守コストの増加」が指摘されており、短期の経営効果が小さいためです。
Q: 提携店優先紹介機能に特許共同出願が必要なのはなぜですか?
A: G社経営者が「特許を共同出願することで、特許権を共有したい」と明確に意向を示しているためです。
Q: 道案内機能で取得する道路情報はどこから入手しますか?
A: 「道路の新設、廃止、工事中などの情報」を自治体や関係省庁の公開データから取得する想定です。

関連キーワード: IoT, ルート案内, ユーザー誘導, テレメトリ, 災害対策

設問1自動販売機の開発計画について、(1)、(2)に答えよ。

(2)自動販売機の納入後、ソフトウェアの保守や機能の追加が考えられる。ソフトウェアの更新について考慮しておくべき事項を、30字以内で述べよ。

模範解答

通信機能を使ってダウンロードできるようにしておく。

解説

解答の論理構成

  • 前提把握
    問題文には「E社の自動販売機には通信機能があり、自動販売機内の在庫を遠隔地点から確認することができる」とあります。さらに「設置場所によって通信手段が異なるので、LAN、携帯電話、PHSなど、複数の通信手段に対応している」とも示され、通信インフラが既に整っていることが分かります。
  • 更新作業の課題
    自動販売機は「設置場所は広範・多数」とあり、現地で都度ソフトウェアを書き換えるのは非効率です。
  • 最適な対策
    既存の「通信機能」を活用すれば、管理拠点からソフトウェアを配布でき、保守担当が現場へ赴く回数を低減できます。
  • 結論
    以上より、ソフトウェア更新は「通信機能を使ってダウンロード」できる設計としておくことが最も現実的であり、模範解答は
    「通信機能を使ってダウンロードできるようにしておく。」
    となります。

誤りやすいポイント

  • USBメモリやSDカードで更新すると答えてしまい、通信網の存在を無視する。
  • 「遠隔操作」や「自動配信」といったキーワードのみで、ダウンロードという具体手段を示さない。
  • セキュリティ対策ばかりに言及し、通信機能を利用した一斉配布の効率性を外す。

FAQ

Q: 通信手段が複数ある場合、どれを前提に書けば良いですか?
A: 問題文で「LAN、携帯電話、PHSなど、複数の通信手段に対応」とあるため、個別の方式まで限定せず「通信機能を使う」とまとめれば十分です。
Q: 更新時のセキュリティ対策は触れなくて良いのですか?
A: 設問は「ソフトウェアの更新について考慮しておくべき事項」を一つ挙げる形式です。通信によるダウンロードが本質であり、詳細なセキュリティ対策は別論点になります。
Q: 内蔵電池での稼働継続と更新作業は関係ありますか?
A: 内蔵電池は災害時機能の継続を目的としており、平常時のソフトウェア更新手段には直接関係しません。

関連キーワード: リモートメンテナンス, オーバーザエア更新, パッチ管理, 通信インフラ, IoT

設問2新機能の実現について、(1)、(2)に答えよ。

(1)個人情報保護の面で問題となり得る新機能を答えよ。

模範解答

お勧め商品紹介機能

解説

解答の論理構成

  1. 問題文は「これらの新機能の中には、…個人情報保護の面で問題となり得るものがある。」と述べています。
  2. 各機能の記述を確認すると、
    • 災害情報提供機能・災害時商品無償提供機能・道案内機能には、個人を特定しうる情報の取得・保存に関する記載がありません。
    • 一方で「お勧め商品紹介機能」には、
      • 「カメラの画像から年齢、性別を判断する。」
      • 「個人を識別できる画像情報及び過去に購入した商品情報をサーバに保存し、カメラの画像から利用者を識別し、過去に購入した商品に関連した新商品を紹介する。」
        との記載があり、顔画像データと購買履歴をひも付けてサーバに保存する行為が明示されています。
  3. 顔画像は「個人を識別できる情報」に該当し、購買履歴も個人関連情報です。これらを組み合わせて利用・保存する行為は、個人情報保護の観点でリスクが高いと判断できます。
  4. よって、個人情報保護の面で問題となり得る新機能は「お勧め商品紹介機能」と結論付けられます。

誤りやすいポイント

  • 「カメラを使う=必ず個人情報問題」と短絡的に考え、顔画像を保存しない「性別・年齢推定だけ」と誤解する。問題文には「サーバに保存」と明記されている点を見落としやすいです。
  • 道案内機能で「利用者が来ると思われる時間に表示」とあるため、位置情報を追跡していると勘違いして選択してしまう。実際は個人に紐付かない動作です。
  • 災害時商品無償提供機能の「遠隔操作」を個人情報と混同し、誤って選ぶケースもあります。

FAQ

Q: 顔画像を保存せずリアルタイム解析だけなら個人情報保護に抵触しませんか?
A: 問題文は「個人を識別できる画像情報及び過去に購入した商品情報をサーバに保存」と明示しています。保存を伴うため個人情報保護上の問題が生じます。
Q: 道案内機能で位置情報を扱うのに、なぜ個人情報保護の問題に該当しないのですか?
A: 道案内機能は匿名の利用を前提としており、個人を識別・特定するデータの取得や保存は記載されていません。
Q: カメラの画像から年齢・性別を判断するだけなら問題ないですか?
A: 判断結果のみを一時的に利用し、画像を保存せず個人を特定しない運用であれば問題は小さくできます。本設問では「個人を識別できる画像情報をサーバに保存」とあるため問題視されています。

関連キーワード: プライバシー保護, 顔認識, 行動履歴, 個人情報, サーバ保存

設問2新機能の実現について、(1)、(2)に答えよ。

(2)受発情報提供機能と災害時商品無償提供機能の実現に伴う機能実装コスト及び保守コストの増加の原因を、35字以内で述べよ。

模範解答

電池を搭載したり、交換したりするための費用が掛かる。

解説

解答の論理構成

  1. 問題が問うのは、二つの新機能
     「① 災害情報提供機能」と「② 災害時商品無償提供機能」について、
     機能実装コストおよび保守コストが増える理由です。
  2. 両機能の実現方法には共通して次の記述があります。
     - 「停電で外部からの電力供給が断れたときでも、内蔵する電池を使って、最寄りの避難所までの道案内の画面表示を、1日程度続ける。」
     - 「停電で外部からの電力供給が断れたときでも、内蔵する電池を使って、商品がある限り1日程度は無償提供を続ける。」
  3. つまり、停電時でも動作させるためには
     (a) 自動販売機に「内蔵する電池」を追加実装し、
     (b) 電池の定期交換・点検という保守作業が必要になります。
  4. これがそのまま「機能実装コスト(電池の搭載)」と
     「保守コスト(電池の交換・管理)」増加の要因となるので、
     解答は「電池を搭載・交換する費用がかかる」と整理できます。

誤りやすいポイント

  • 通信機能の多様化(LAN、携帯電話、PHSなど)に意識が向き、電源対策を見落とす。
  • 「1日程度続ける」という期間に目が行き、コストの本質(電池の実装・保守)を言及し忘れる。
  • 単に「保守が増える」とだけ書き、何の保守か(電池)を具体化しない。

FAQ

Q: 停電対策に発電機や太陽光を想定しても良いですか?
A: 問題文が示す具体策は「内蔵する電池」です。発電機や太陽光は記載されていないため、解答根拠としては不適切です。
Q: 電池の種類(リチウムイオンなど)まで書く必要はありますか?
A: 問題は増加要因の本質を問うだけなので、種類の記載は不要です。「電池を搭載・交換する費用」で十分です。
Q: 通信費や回線保守費も増加しませんか?
A: 通信は他の機能でも必要ですが、停電対応の追加コストとして明記されているのは電池関連のみです。設問の焦点を外さないようにしましょう。

関連キーワード: 非常用電源, 内蔵バッテリ, 保守作業, コスト増加, 停電対策

設問3

E社が、飲料以外の自動販売機向けにライセンス料収入の獲得を目的とし、他の自動販売機メーカーに、G社との共同出願特許である提携店度紹介機能をもつ自動販売機の製造・販売を許諾するに当たって、あらかじめ行っておくべきことを、15字以内で述べよ。

模範解答

G社の同意を得ておく。

解説

解答の論理構成

  1. 共同特許であることの確認
    【問題文】には
    ・「提携店優先紹介機能については、E社と特許を共同出願することで、特許権を共有したい。」
    ・「提携店優先紹介機能の実現については、G社と特許を共同出願することを前提に開発を進めることにした。」
    と二度明記され、権利は E社と G社が“共有”する状態になります。
  2. 共有特許のライセンスには同意が必要
    共同出願で共有となった特許では、各共有者は単独で実施(自社利用)はできますが、第三者へ「製造・販売を許諾」するライセンス契約を締結する際には、他の共有者全員の承諾が必要です。
    (特許法第73条第2項の考え方)
  3. 設問の状況整理
    設問は、
    「飲料以外の自動販売機向けにライセンス料収入の獲得を目的とし、他の自動販売機メーカーに…製造・販売を許諾する」
    としており、まさに第三者へのライセンスに該当します。
  4. 導出
    以上より、E社単独では許諾できず、まず行うべきことは共有者である G社の承諾を得ることであるため、解答は
    「G社の同意を得ておく。」
    となります。

誤りやすいポイント

  • 「共有だから自社で自由にライセンスできる」と誤解しやすい
    共有特許は“実施”と“許諾”で権限が異なります。
  • 「特許出願前なら E社だけで調整できる」と考えてしまう
    共同出願が合意済みであれば、出願前でも将来の共有が予定されており、同意を取る配慮が必要です。
  • 契約書で許諾権を自由化できると安易に判断
    共有者間で別途取り決めをする場合でも、まず同意を取る手続きを忘れるとトラブルになります。

FAQ

Q: 共同特許の場合、自社製造販売には共有者の同意は要りますか?
A: 要りません。「実施」は各共有者が自由に行えますが、「第三者への許諾」には同意が必要です。
Q: 共有者の一方が無断でライセンスした場合、もう一方はどう対処できますか?
A: 特許法上の権利侵害には当たりませんが、共同出願契約等に基づき損害賠償や差止めを求めることが可能です。
Q: 同意取得の形態に決まりはありますか?
A: 口頭よりも、後の紛争を避けるため書面(覚書・契約等)で明確に残すことが実務上推奨されます。

関連キーワード: 共同特許, ライセンス契約, 権利共有, 同意取得, 特許法
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