ITストラテジスト 2022年 午後1 問02
製造業の情報システム戦略の策定に関する次の記述を読んで、設問1〜4に答えよ。
M社は、工作機械の粗立製造を事業とする中堅の上場会社であり、本社とそれに隣接する工場から成る。
〔M社の状況〕
M社は自動車製造会社など、長年取引のある複数の顧客をもち、業績は安定している。また、資材の仕入先とは強いつながりを保ったグループを形成して、これまで資材の仕入れが滞ることはなかった。
しかし、近年では、気候変動が原因とみられる風水害などでサプライチェーンが寸断され、資材が不足して製品製造が遅滞するなど業績の不確実性が高まっている。さらに、仕入れた資材に含まれる部品を製造した工場などで強制労働や人権侵害などの問題があれば、一次仕入先でなくとも、顧客からの取引停止や風評被害による業績への影響も懸念されるようになってきている。また、株主や顧客などのステークホルダからは、気候変動や経済格差などの環境や社会に起因する事業リスクを考慮した事業の継続性について関心をもたれている。
M社では、これまでにも金利や為替の変動、輸入原料の市況変動、製品イノベーションの進展による市場変化などの事業リスクとその対応に関して、国のガイドラインに準じてサステナビリティレポートを毎年公表してきたが、新たな事業リスクも含め自社の実状に応じてより踏み込んだ報告が必要になっていると考えている。
〔仕入れの問題点〕
M社の製品は多くの部品から構成されており、組立てや塗装では有害溶剤を利用しているので、資材の仕入先は多岐にわたる。また、一次仕入先から納品される資材はさらに二次仕入先の資材から構成されているなど、サプライチェーンは長く複雑になっている。M社と仕入先各社では、サプライチェーンの寸断を防ぐために、一つの資材を複数の業者から仕入れてきた。しかし、近年、パンデミックなどによる海外の工場の操業停止に伴い半導体関連の資材全般が品薄状態になり、M社でも半導体とは直接は関係しない資材の仕入れまでもが不安定になった経験がある。M社としては、どのような状況でも製造が停止しないよう、サプライチェーンに関わる事業者でグループを組成し直し、サプライチェーン全体を通じて安定的に資材を仕入れられる代替方法の確保をする必要があると考えている。
〔サステナビリティの取組における問題点〕
M社では、これまで、環境対策として、製造工程の見直しや、工場電力の再生可能エネルギー化によって、炭素排出量の削減を図ってきた。製品全体での炭素排出量を算定する最近の動向から、仕入先と共同して炭素排出量削減に取り組むために、M社でも資材の炭素排出量を含めて削減目標を設定しており、社外からも一定の評価を得ている。
仕入先である事業者は、それぞれ独自に温暖化シナリオの前提条件と計測指標を設定し、炭素排出量・削減目標を算定してステークホルダに報告している。M社では、1次仕入先からの報告内容を基にして、M社指標に合わせて算定し直してサステナビリティレポートを作成している。2次仕入先でも、2次仕入先からの報告内容を基に算定し直している。3次仕入先以降についても同様である。M社としては、現状では、サプライチェーン全体での炭素排出量・削減目標を正しく算定できていない可能性があると考え、全ての事業者の取組状況を把握することで、サステナビリティレポートの信頼性を確保したいと考えている。
M社が開示しているサステナビリティレポートの報告内容には、社内システムで登録されている一部のデータの出力・集計ができないことから、人事、財務、生産・在庫管理の各部門が手作業で集計している結果が含まれる。集計期末期末の業務繁忙期に当たるので、集計に時間が掛かるとともに、各部門の担当者の異動によって集計されるデータの対象や範囲が都度変更してしまい、報告結果の精度が一定に保たれないおそれがある。
〔ESG経営の取組〕
M社では、サステナビリティへの取組をさらに推進するために、ESG(環境・社会・企業統治)を重視した経営を実践することにした。これによって、中長期的な事業リスクとの対応を進め、経済的及び社会的な企業価値の向上を目指す。これに合わせて、サステナビリティレポートについてはESGの観点に沿って見直し、炭素排出量・削減目標、M社と仕入先の人権・労働衛生安全の情報、内部統制インシデント情報などの項目を追加し、より踏み込んだ報告を行う。
〔M社システムと情報システム戦略の策定〕
M社の主なシステムには、生産管理・在庫管理を行う工場システムのほか、財務システム、購買システム、人事システムがある。
M社のシステムは、子会社のS社が開発・保守・運用を担当している。S社は、M社で得たノウハウを活用して生産管理システムなどを外販している。また、ブロックチェーンを使い、データの真正性を維持しセキュアに共有できるようにした信用状や取引契約関連の電子化システム〔以下、BCシステムという〕も開発し外販している。
M社は、現状の事業リスクに対応し、業績の確実性を高めるために、S社の支援を受けて、次の内容を含む全社の情報システム戦略を策定することにした。
① サプライチェーン管理システム基盤(以下、SC基盤という)の新規開発
② 購買システムの改修
③ サステナビリティレポート作成システム(以下、レポートシステムという)の新規開発
システム整備後のイメージを図1に示す。

〔SC基盤の新規開発〕
サプライチェーン全体での資材の受発注取引を管理するプラットフォームとして、SC 基盤を新たに開発する。SC 基盤の参加事業者は、受発注取引の都度、資材品目と受発注額を記録するほか、各仕入先で製造に使用する原材料品目と数量、製造地、及び納品物在庫量を登録する。また、各仕入先は、年次で、自社の炭素排出量・削減目標、その算定の前提条件と計測指標を SC 基盤に登録し、M 社と協働して ESG への取組推進を図る。零細企業などで SC 基盤への参加に難色を示す仕入先に対しては M社が作業支援を行い、サプライチェーン全ての仕入先が何らかの形で ESG の取組に参加できるよう計画する。
SC 基盤の開発では、BC システムを活用し、その機能をクラウドコンピューティングサービス基盤に移設して実現する。SC 基盤に登録されたデータの参照値をブロックチェーンに登録し、そのハッシュ値を QR コードにして資材に貼付することによって資材のトレーサビリティ確保や偽装防止などを実現する。
〔購買システムの改修〕
購買システムでは、SC 基盤のデータから、製品に必要な全ての資材の所要量を閾値付き表(以下、サプライチェーンマトリクスという)を作成できるよう改修する。サプライチェーンマトリクスからは、製品に必要な資材や、その資材の製造に必要な資材が分かる。受発注の状況などから、特定の事業者からの供給が停滞するリスクが検出された場合、サプライチェーンマトリクスを活用して、サプライチェーンの組替えを提案する機能を開発する。
〔レポートシステムの新規開発〕
レポートシステムはサステナビリティレポートの作成を支援する。レポートシステムは、SC 基盤のデータを参照するほか、工場システム、財務システム、人事システムと API で連携してデータ収集する仕組みにして、各部門での手作業での集計業務を不要にする。
併せて、工場システム、財務システム、人事システムにレポートシステムと連携する機能を追加開発する。
設問1:
〔M社システムと情報システム戦略の策定〕について、業績の確実性を高めるために策定する情報システム戦略の対象となる事業リスクのうち、サプライチェーンに起因する事業リスクと、仕入先と顧客に起因する事業リスクについて、それぞれ20字以内で具体的に述べよ。
模範解答
サプライチェーン:資材が不足し製品製造が遅滞するリスク
仕入先と顧客:取引停止や風評被害のリスク
解説
解答の論理構成
-
サプライチェーンに起因する事業リスクを抽出
・問題文には「近年では、気候変動が原因とみられる風水害などでサプライチェーンが寸断され、資材が不足して製品製造が遅滞するなど業績の不確実性が高まっている。」と明記されています。
・「資材不足」→「製品製造遅滞」はサプライチェーン全体の断絶が原因で発生する典型的リスクです。
・よって20字以内で「資材が不足し製品製造が遅滞するリスク」とまとめます。 -
仕入先と顧客に起因する事業リスクを抽出
・問題文には「強制労働や人権侵害などの問題があれば、一次仕入先でなくとも、顧客からの取引停止や風評被害による業績への影響も懸念される」とあります。
・リスク主体が「仕入先での不祥事」→「顧客の反応」なので、サプライチェーン全体ではなく“仕入先と顧客”に直結するリスク区分となります。
・よって20字以内で「取引停止や風評被害のリスク」とまとめます。 -
設問要求との対応
・設問は「サプライチェーンに起因する…」「仕入先と顧客に起因する…」の2つを20字以内で問うています。
・上記①②の表現はどちらも原因・影響が明確で、20字以内に収まっており、問題文記述と整合しています。
誤りやすいポイント
- 「資材不足」だけを書くと“何が起こるのか”が不明瞭になり減点対象です。影響(製品製造遅滞)まで含めましょう。
- 仕入先・顧客リスクを「人権侵害リスク」とだけ書くと、顧客側の取引停止や風評被害という“業績影響”が欠落します。
- サプライチェーンと仕入先・顧客の区別を曖昧にし、同じ内容を重複して書くと評価されません。
FAQ
Q: サプライチェーンと仕入先リスクは同じではないのですか?
A: サプライチェーンは資材フロー全体の寸断・遅滞を指し、仕入先リスクは仕入先の不祥事が顧客に波及して取引停止や風評被害を招く点が異なります。
A: サプライチェーンは資材フロー全体の寸断・遅滞を指し、仕入先リスクは仕入先の不祥事が顧客に波及して取引停止や風評被害を招く点が異なります。
Q: 炭素排出量に関するリスクは含めなくて良いのですか?
A: 設問は「業績の確実性を高めるため」のうち特にサプライチェーン起因と仕入先・顧客起因のリスクを聞いており、炭素排出量は別のESG項目です。
A: 設問は「業績の確実性を高めるため」のうち特にサプライチェーン起因と仕入先・顧客起因のリスクを聞いており、炭素排出量は別のESG項目です。
Q: 「風評被害」を書き忘れた場合は不正解ですか?
A: 取引停止だけでも大枠は合っていますが、問題文にあるリスクの両面(取引停止・風評被害)を盛り込んだ方が減点の可能性を下げられます。
A: 取引停止だけでも大枠は合っていますが、問題文にあるリスクの両面(取引停止・風評被害)を盛り込んだ方が減点の可能性を下げられます。
関連キーワード: サプライチェーン, トレーサビリティ, リスク分析, ESG, ガバナンス
設問2:〔SC基盤の新規開発〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)SC基盤を新たに構築する目的には、資材のトレーサビリティの確保や偽装防止に加えて何があるか、30字以内で述べよ。
模範解答
サステナビリティレポートの信頼性を確保するため
解説
解答の論理構成
- 問題は「資材のトレーサビリティの確保や偽装防止に加えて、SC基盤を構築する目的は何か」と尋ねています。
- 【問題文】の〔サプライチェーンの取組における問題点〕には、
「M社としては、現状では、サプライチェーン全体での炭素排出量・削減目標を正しく算定できていない可能性があると考え、全ての事業者の取組状況を把握することで、サステナビリティレポートの信頼性を確保したいと考えている。」
と明記されています。 - さらに〔SC基盤の新規開発〕では、サプライチェーン全体のデータを集約し、「M社と協働して ESG への取組推進を図る」と説明されており、これがレポートの信頼性向上に直結します。
- 以上より、トレーサビリティや偽装防止“以外”の目的は「サステナビリティレポートの信頼性を確保すること」であると導けます。
誤りやすいポイント
- トレーサビリティや偽装防止と同列に「ESG推進」だけを書いてしまい、肝心の「レポートの信頼性」へ言及しない。
- 「炭素排出量の正確な算定」とだけ記述し、報告書(レポート)の目的を外してしまう。
- システム構築目的と事後的な活用目的(報告書作成支援)を混同し、複数目的を列挙してしまう。
FAQ
Q: 「ESGへの取組推進」でも正解になりますか?
A: ESGは目的の大枠ですが、【問題文】に示された直接的な狙いは「サステナビリティレポートの信頼性を確保」することなので、そこを明示する必要があります。
A: ESGは目的の大枠ですが、【問題文】に示された直接的な狙いは「サステナビリティレポートの信頼性を確保」することなので、そこを明示する必要があります。
Q: レポートの信頼性を「向上」と書いてもよいですか?
A: 【問題文】には「サステナビリティレポートの信頼性を確保したい」とあるため、「確保」を用いる方が原文に忠実です。
A: 【問題文】には「サステナビリティレポートの信頼性を確保したい」とあるため、「確保」を用いる方が原文に忠実です。
Q: 炭素排出量の算定精度向上は無関係ですか?
A: 無関係ではありませんが、それは信頼性確保の手段です。設問が求める“目的”はレポートの信頼性そのものです。
A: 無関係ではありませんが、それは信頼性確保の手段です。設問が求める“目的”はレポートの信頼性そのものです。
関連キーワード: サプライチェーン, トレーサビリティ, ESG, ブロックチェーン, データ統合
設問2:〔SC基盤の新規開発〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)SC基盤の開発でBCシステムを活用し資材のトレーサビリティ確保や偽装防止をする理由は何か、35字以内で述べよ。
模範解答
データの真正性を維持しセキュアに共有できるようにしたいから
解説
解答の論理構成
- 問題文には、S社が「ブロックチェーンを使い、“データの真正性を維持しセキュアに共有できる” ようにした〔…〕“BCシステム”」を開発したと記述されています。
- さらに「“SC 基盤の開発では、BC システムを活用し”」「“資材のトレーサビリティ確保や偽装防止などを実現する”」とあり、目的が明示されています。
- 以上から、BCシステムを利用する理由は「データの真正性を維持し、セキュアに共有することでトレーサビリティと偽装防止を実現するため」と導けます。
- 要求は簡潔に理由を述べることなので、模範解答「“データの真正性を維持しセキュアに共有できるようにしたいから”」が最適となります。
誤りやすいポイント
- 「ブロックチェーン=改ざん防止」とだけ記述し、セキュアな共有に触れないと主旨不足になります。
- 「QRコードを貼付するため」と具体策を理由と取り違えると、目的ではなく手段を答えてしまいます。
- 「トレーサビリティ確保」と「偽装防止」を個別に列挙し、真正性やセキュア共有を省略すると本質を外します。
FAQ
Q: トレーサビリティ確保だけでは理由になりませんか?
A: トレーサビリティ確保は結果であり、根底にある「データの真正性を維持しセキュアに共有する」仕組みが理由です。
A: トレーサビリティ確保は結果であり、根底にある「データの真正性を維持しセキュアに共有する」仕組みが理由です。
Q: 「ブロックチェーンだから改ざん不可」と書くのは不足ですか?
A: 改ざん不可=真正性維持につながりますが、「セキュアに共有」も含めて答えることで目的が完全に伝わります。
A: 改ざん不可=真正性維持につながりますが、「セキュアに共有」も含めて答えることで目的が完全に伝わります。
Q: QRコードへのハッシュ貼付を答えに入れてもよいですか?
A: QRコードは具体的な実装方法であり、理由を問う設問では必要ありません。
A: QRコードは具体的な実装方法であり、理由を問う設問では必要ありません。
関連キーワード: ブロックチェーン, トレーサビリティ, データ真正性, 偽装防止
設問3:〔購買システムの改修〕でのサプライチェーンの組替えの提案機能について、(1)、(2)に答えよ。
(1)提案機能を開発する狙いは何か、25字以内で述べよ。
模範解答
安定的に資材を仕入れられる方法を確保するため
解説
解答の論理構成
-
背景整理
- 〔仕入れの問題点〕には、サプライチェーン寸断や資材不足の経験が語られています。
引用:
「パンデミックなどによる海外の工場の操業停止に伴い半導体関連の資材全般が品薄状態になり、M社でも半導体とは直接は関係しない資材の仕入れまでもが不安定になった経験がある。」 - その対策として M社は、
引用:
「どのような状況でも製造が停止しないよう、サプライチェーン全体を通じて安定的に資材を仕入れられる代替方法の確保をする必要がある」
と述べています。
- 〔仕入れの問題点〕には、サプライチェーン寸断や資材不足の経験が語られています。
-
購買システム改修の役割
- 〔購買システムの改修〕では、SC基盤のデータから「サプライチェーンマトリクス」を作成し、さらに
引用:
「サプライチェーンの組替えを提案する機能を開発する。」 - ここで “組替え” は、特定の調達経路が滞った場合に代替経路を示すことを意味します。
- 〔購買システムの改修〕では、SC基盤のデータから「サプライチェーンマトリクス」を作成し、さらに
-
狙いの導出
- 滞留リスク検出 → 組替え提案 → 代替調達経路の提示 という流れは、前述の「安定的に資材を仕入れられる代替方法の確保」に直結します。
- よって問われている “提案機能を開発する狙い” は、資材調達を途切れさせないこと、すなわち「安定的に資材を仕入れられる方法を確保するため」となります。
誤りやすいポイント
- 「コスト削減」「発注効率化」など効率面のみを強調し、安定調達というリスク対応の視点を抜かしてしまう。
- “ESGへの対応” と混同し、人権・環境指標の一元管理が主目的と誤解する。
- “QRコードによるトレーサビリティ確保” を狙いと書き、組替え提案機能の直接目的を外してしまう。
FAQ
Q: サプライチェーンマトリクスは何を可視化するものですか?
A: 製品に必要な資材と、その資材を構成するさらに下位の資材までを一覧し、供給元と数量を閾値付きで把握できる表です。これにより供給停滞リスクを即時に把握できます。
A: 製品に必要な資材と、その資材を構成するさらに下位の資材までを一覧し、供給元と数量を閾値付きで把握できる表です。これにより供給停滞リスクを即時に把握できます。
Q: “組替え提案” と “トレーサビリティ確保” はどう違いますか?
A: 組替え提案は調達経路のリスクが顕在化した際の代替調達案の提示、トレーサビリティ確保は資材の真正性・履歴を追跡する仕組みで、目的も機能も異なります。
A: 組替え提案は調達経路のリスクが顕在化した際の代替調達案の提示、トレーサビリティ確保は資材の真正性・履歴を追跡する仕組みで、目的も機能も異なります。
Q: 提案機能とBCシステムの関連はありますか?
A: BCシステムはデータの真正性を担保する基盤であり、組替え提案の前提となる受発注・在庫情報の信頼性を保証しますが、提案ロジック自体は購買システム側で実装されます。
A: BCシステムはデータの真正性を担保する基盤であり、組替え提案の前提となる受発注・在庫情報の信頼性を保証しますが、提案ロジック自体は購買システム側で実装されます。
関連キーワード: サプライチェーン, リスク管理, トレーサビリティ, ブロックチェーン, 調達戦略
設問3:〔購買システムの改修〕でのサプライチェーンの組替えの提案機能について、(1)、(2)に答えよ。
(2)サプライチェーンマトリクスの作成は、もともとのM社グループの仕入れにおけるどのような特徴を考慮したものか、その特徴を30字以内で述べよ。
模範解答
一つの資材を複数の事業者から仕入れていること
解説
解答の論理構成
- 問題文は、購買システムを改修して「サプライチェーンマトリクス」を作成・活用すると述べています。
- その背景として【仕入れの問題点】に「M社と仕入先各社では、サプライチェーンの寸断を防ぐために、一つの資材を複数の業者から仕入れてきた。」と明記されています。
- つまり、同じ資材を複数社から調達しているという独特の調達形態を可視化・維持するためにマトリクスが必要になります。
- よって解答は「一つの資材を複数の事業者から仕入れていること」となります。
誤りやすいポイント
- 「サプライチェーンが長く複雑」である点だけを挙げてしまう。複雑さは問題文にもありますが、マトリクス作成の直接の理由は“複数調達”です。
- 「半導体不足による品薄」と答えてしまう。これはマトリクス活用例の一つであって、特徴ではありません。
- 「代替手段の確保」とまとめて書き、調達元が複数であるという核心を落とす。
FAQ
Q: サプライチェーンマトリクスとは何を可視化するものですか?
A: 製品に必要な資材と、それら資材を供給する複数の事業者・階層構造を一覧化し、供給停滞リスクを把握できる表です。
A: 製品に必要な資材と、それら資材を供給する複数の事業者・階層構造を一覧化し、供給停滞リスクを把握できる表です。
Q: “複数の事業者から仕入れる”メリットは?
A: 供給停止や納期遅延が起きても別の事業者で補完できるため、製造ラインの継続性を高められます。
A: 供給停止や納期遅延が起きても別の事業者で補完できるため、製造ラインの継続性を高められます。
Q: マトリクス作成後にリスクが検出された場合、システムはどう対応しますか?
A: 購買システムがマトリクスを基にサプライチェーンを組み替える提案を行い、代替調達ルートの確保を支援します。
A: 購買システムがマトリクスを基にサプライチェーンを組み替える提案を行い、代替調達ルートの確保を支援します。
関連キーワード: サプライチェーン, マルチソーシング, トレーサビリティ, 受発注管理, リスク分散
設問4:〔レポートシステムの新規開発〕について、(1)、(2)に答えよ。
(1)工場システム、財務システム、人事システムに追加開発する連携機能で取り扱うデータはどのようなものか、25字以内で述べよ。
模範解答
各部門が手作業で集計しているデータ
解説
解答の論理構成
- 【問題文】では、レポートシステムが「工場システム、財務システム、人事システムと API で連携してデータ収集する仕組みにして、各部門での手作業での集計業務を不要にする」と明記されています。
- そもそも手作業が発生している理由として、【問題文】に「社内システムで登録されている一部のデータの出力・集計ができないことから、人事、財務、生産・在庫管理の各部門が手作業で集計している結果が含まれる」とあります。
- したがって、追加連携機能が扱うデータは“部門ごとに手で集めている各種集計値”であり、それをシステム間連携に置き換えることが目的です。
- 以上より、解答は「各部門が手作業で集計しているデータ」となります。
誤りやすいポイント
- 「API 連携で収集する=リアルタイムデータ」と早合点し、時系列やリアルタイム性を強調した解答にしてしまう。
- 「工場システムの生産実績」「財務システムの仕訳」「人事システムの人員数」など具体情報を列挙し、問われている“共通属性”を外してしまう。
- 連携機能=レポート項目全体と考え、「炭素排出量」など SC 基盤側のデータまで含めてしまう。
FAQ
Q: 手作業で集計される具体例を挙げると何になりますか?
A: 生産数量、在庫量、部門別光熱費、人員数、人件費などが典型例です。
A: 生産数量、在庫量、部門別光熱費、人員数、人件費などが典型例です。
Q: なぜ API 連携が必要なのですか?
A: 「各部門での手作業での集計業務を不要にする」ことで、報告精度のばらつきや繁忙期の負荷を解消するためです。
A: 「各部門での手作業での集計業務を不要にする」ことで、報告精度のばらつきや繁忙期の負荷を解消するためです。
Q: SC 基盤のデータも連携対象に含めるべきでは?
A: SC 基盤は既にレポートシステムが参照する前提です。設問は“工場・財務・人事”の追加機能で扱うデータを問うています。
A: SC 基盤は既にレポートシステムが参照する前提です。設問は“工場・財務・人事”の追加機能で扱うデータを問うています。
関連キーワード: API連携, データ集計, システム間インタフェース, 自動化
設問4:〔レポートシステムの新規開発〕について、(1)、(2)に答えよ。
(2)レポートシステムの機能と、他の各システムに追加開発する連携機能によって、解決できる問題点は何か、25字以内で述べよ。
模範解答
報告結果の精度が一定に保たれていないこと
解説
解答の論理構成
-
現状の問題点
- 【問題文】には「サステナビリティレポートの報告内容には、…各部門の担当者の異動によって報告結果の精度が一定に保たれないおそれがある」と明記されています。
- 手作業集計ゆえにデータ対象や範囲がぶれることが原因です。
-
レポートシステムと連携機能の導入
- 「レポートシステムは、…工場システム、財務システム、人事システムと API で連携してデータ収集する仕組みにして、各部門での手作業での集計業務を不要にする」とあります。
- また「併せて、工場システム、財務システム、人事システムにレポートシステムと連携する機能を追加開発する」と記述されています。
-
問題解決の筋道
- 手作業→API 自動連携となることで、担当者異動や繁忙期の影響を受けず、データ範囲のブレがなくなります。
- したがって、解決できる核心の問題は「報告結果の精度が一定に保たれていないこと」と帰結します。
誤りやすいポイント
- 「集計に時間が掛かること」を主因と誤認しやすいですが、設問は“精度”に着目しています。
- 「サプライチェーン全体の炭素排出量を正しく算定できない」点も別の段落で述べられていますが、レポートシステムの連携機能が直接解決するのは社内データ集計の精度問題です。
- 25字以内を意識するあまり主語や述語を削りすぎて意味が曖昧になる答案が散見されます。
FAQ
Q: 時間短縮も達成できるのに、なぜ解答に含めないのですか?
A: 設問は「解決できる問題点は何か」と単数形で問われ、【問題文】で最も強調されているのが「報告結果の精度が一定に保たれないおそれ」です。
A: 設問は「解決できる問題点は何か」と単数形で問われ、【問題文】で最も強調されているのが「報告結果の精度が一定に保たれないおそれ」です。
Q: レポートシステムはサプライチェーンマトリクスとも連携しますか?
A: レポートシステムは「SC 基盤のデータを参照」しますが、サプライチェーンマトリクスは購買システム側の機能です。直接の連携相手は工場・財務・人事システムと SC 基盤になります。
A: レポートシステムは「SC 基盤のデータを参照」しますが、サプライチェーンマトリクスは購買システム側の機能です。直接の連携相手は工場・財務・人事システムと SC 基盤になります。
Q: API 連携により改修が必要なのはどのシステムですか?
A: 「工場システム、財務システム、人事システム」にレポートシステム用の連携機能を追加開発すると【問題文】で指定されています。
A: 「工場システム、財務システム、人事システム」にレポートシステム用の連携機能を追加開発すると【問題文】で指定されています。
関連キーワード: API連携, 自動集計, データ品質, サステナビリティ報告, 内部統制


