ITストラテジスト試験 2013年 午前2 問03
問題文
エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか。
選択肢
ア：今まで開発してきた業務システムをビジネス価値とソリューション品質の2軸で分析し、業務システムごとの改善の方向を決定する。
イ：既存の業務と情報システムの全体像及び将来の目標を明示することによって、ITガバナンスを強化し、経営の視点からIT投資効果を高める。（正解）
ウ：財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点から評価指標を設定し、IT投資による組織全体への効果を的確に管理する。
エ：情報システムの開発・保守とその組織運営の現状を調査しソフトウェアプロセスの成熱度を評価して、プロセス改善の方向を決定する。
エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論：エンタープライズアーキテクチャ（EA）は、企業の業務と情報システムの全体像を示し、ITガバナンス強化と経営視点でのIT投資効果向上を目的とします。
- 根拠：EAは企業全体の構造や戦略を体系的に整理し、将来の目標を明確化することで経営とITの整合性を図るフレームワークです。
- 差がつくポイント：単なるシステム分析や評価指標設定ではなく、経営戦略とITを統合的に管理し、全社的な視点でIT投資の最適化を目指す点を理解しましょう。
正解の理由
イは、エンタープライズアーキテクチャの本質である「既存の業務と情報システムの全体像及び将来の目標を明示し、ITガバナンスを強化し経営視点からIT投資効果を高める」という説明に合致しています。EAは単なる技術的なシステム設計ではなく、企業全体のビジネス戦略とIT戦略を連携させる枠組みであるため、この選択肢が正解です。
よくある誤解
エンタープライズアーキテクチャを単なるシステム改善や評価指標の設定と混同しがちですが、EAは企業全体のITとビジネスの整合性を図る戦略的枠組みです。
解法ステップ
- 問題文の「エンタープライズアーキテクチャ」の定義を思い出す。
- 選択肢の内容が「企業全体の業務とITの全体像を示すか」を確認する。
- ITガバナンスや経営視点でのIT投資効果に言及しているかをチェック。
- 単なるシステム分析や評価指標の説明は除外する。
- 最も包括的かつ戦略的な説明である選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 業務システムの分析と改善方向の決定は部分的なシステム評価であり、EAの全体的な枠組みとは異なります。
- イ: 正解。企業全体の業務と情報システムの全体像を示し、ITガバナンス強化と経営視点のIT投資効果向上を説明。
- ウ: 財務や顧客などの視点から評価指標を設定するのはバランスト・スコアカードの説明であり、EAとは異なります。
- エ: ソフトウェアプロセスの成熟度評価はCMMIなどのプロセス改善手法の説明であり、EAの範囲外です。
補足コラム
エンタープライズアーキテクチャは、TOGAFやFEAFなどのフレームワークが有名です。これらは企業のビジネス戦略、情報システム、技術基盤を体系的に整理し、変化に強いIT環境を構築するための指針を提供します。EAの導入により、IT投資の無駄を削減し、経営目標とIT施策の整合性を高めることが可能です。
FAQ
Q: エンタープライズアーキテクチャはどのような効果がありますか？
A: 経営戦略とIT戦略の整合性を高め、ITガバナンスを強化し、IT投資の効果を最大化します。
A: 経営戦略とIT戦略の整合性を高め、ITガバナンスを強化し、IT投資の効果を最大化します。
Q: EAとバランスト・スコアカードの違いは何ですか？
A: EAは企業全体のITと業務の構造を示す枠組みで、バランスト・スコアカードは組織の業績評価指標を設定する手法です。
A: EAは企業全体のITと業務の構造を示す枠組みで、バランスト・スコアカードは組織の業績評価指標を設定する手法です。
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