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ネットワークスペシャリスト 2009年 午後101


ネットワークの障害解決に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。

 Z社は、東京、神奈川を主な商圏とする事務用品及びOAサプラ品の販売会社であり、東京の本社、配送所及び横浜の営業所の計三つの拠点をもつ。Z社のネットワークは、各拠点にあるレイヤ2スイッチ(以下、L2SWという)を使用して、広域イーサネットサービス網(以下、広域イーサ網という)に接続されている。社員は、各拠点にあるPCから本社にある販売管理サーバ(以下、HK-SVという)にアクセスしている。本社及び営業所にあるPCはノートPCであり、配送所にあるPCはデスクトップPCである。PCのIPアドレスは、固定で割り当てられている。配送所では、可搬型端末(以下、HTという)を使って商品管理を行っている。HTに携帯された商品情報は、無線LAN経由で本社にある商品管理サーバ(以下、SK-SVという)に転送される。データベースサーバ(以下、DB-SVという)には、商品情報などが格納されている。さらに、本社にある監視用PC(以下、MPCという)から、L2SWと無線LANアクセスポイント(以下、APという)の監視を行っている。また、Z社には、IP電話による社内電話システムが構築されている。Z社のネットワーク構成を、図1に示す。
ネットワークスペシャリスト(平成21年度 午後1 問01 図01)
 Z社のネットワークでは、表に示すとおりVLANによって通信を目的別に分離し、L2SWでは、ポートごとに一つのVLANを割り当てて機器を接続している。ただし、広域イーサ網を経由する各L2SW間の接続と、L2SWとAP間の接続には、IEEE 802.1Q規格のタグVLANを使用している。
ネットワークスペシャリスト(平成21年度 午後1 問01 表01)
 L2SW 及び AP の仕様では、タグ VLAN を使用して中継する VLAN の一つを特別な VLAN として扱い、タグを付加しないフレームを使用することとなっている。工場出荷時の L2SW では、すべてのポートに VLAN 1 が割り当てられ、タグを付加しないフレームを使用する特別な VLAN としても VLAN 1 が設定されている。また、L2SW では、と呼ばれる制御フレームをやり取りして通信のループを回避するスパニングツリープロトコルを動作させていない。   〔HT のアクセス障害〕  配送料無料係から情報システム課の O 主任に、HT から SK-SV へ転送する商品情報の件数が多くなると、HT から SK-SV へのアクセスが予想外に遅くなるとの連絡があった。O 主任は、SK-SV とネットワークの両方について原因を探ることにし、O 主任自らで SK-SV の調査を行う一方で、後輩の U君にネットワークの調査を指示した。  U君は、外部の無線LAN からの干渉を調べたが、問題はなかった。各 L2SW について、①MAC アドレステーブルにある HT の MAC アドレスのエントリが示すポートを調べると、L2SW3 で当該ポートの速度が切り替わっていた。そこで、AP を調べると、HT の接続先が、別の AP に度々切り替わり、そのときに通信速度が 1 M ビット/秒になっていた。無線LAN では、HT が配送所のどの場所からも IEEE 802.11 規格の最大伝送速度であるaM ビット/秒で通信できるように AP を配置してあるので、AP を詳しく調べることにした。AP には、IEEE 802.3af 規格の と呼ばれる技術によって、UTP の 4 対のうちb対を使って電源が供給されている。そのうち何台かの AP の電源供給において、コネクタとケーブルの接続部分の不良によって電圧が低下し、AP の無線動作が不安定になっていることが分かった。しかし、AP の切替わりや通信速度の低下があっても、HT と SK-SV 間のアクセスはある程度可能であった。この点について U君は、受信側から返答されるに基づいてデータの到達確認と再送を行う通信プロトコルであるTCPが使われていたからであると推測した。  一方、SK-SV を調査した O 主任は、商品の取扱品目及び休暇の増加に伴い、DB-SV のメモリ容量不足によって応答時間が増加していたことを突き止めた。O 主任と U君は、それぞれの問題について対処し、HT のアクセス障害を解決した。  その後、配送所の無線LAN は、安定稼働するようになった。そこで、以前から要望のあった、②ノート PC を無線LAN に接続して HK-SV にアクセスすることについて、情報システム課でノート PC の手配と AP への追加設定を行って対応することになった。   〔営業所での誤接続による障害〕  Z 社の休業日に、配送所では、在庫の棚卸を行っていた。棚卸しの最中に、突然、HT から SK-SV へアクセスができなくなった。U君に連絡しようとしたが、IPT も使用できなかったので携帯電話を使って連絡した。配送所に駆け付けた U君が、L2SW3 の前面パネルを観察したところ、広域イーサ網の接続ポートと AP の接続ポートだけに、フレーム転送を表す LED の連続的な高速点滅が見られた。そこで、L2SW3 の未使用のポートを、広域イーサ網を接続しているポートのポートとして設定して、トラフィックモニタを接続し、通信されているフレームを解析してみた。すると、大量に通信されているのは、タグが付加されていないフレームであること、フレームの内容はすべて同じ IP パケットであり、IP ヘッダの送信元IPアドレスは、営業所の PC のものであることが分かった。これらの点から、U君は、③通信のループによって繰り返し転送されたフレームが、広域イーサ網の回線を占有したことによる障害であると判断し、レイアウト変更工事に伴う LAN 配線の敷設のし直しを行っている営業所で誤接続が起きたのではないかと推測した。  U君は、営業所の工事担当者に、まず、広域イーサ網を接続している L2SW2 のポートのコネクタを抜くように指示した。対処後、配送所の HT と SK-SV 間及び IPT の通信が復旧した。続いて、L2SW3 と機器間の接続を確認させたところ、SW と L2SW2 間を 2 本のケーブルで接続していた誤接続が見つかり、この誤接続が原因で通信がループしていたことが分かった。2 本のケーブルを接続した L2SW2 のポートは、今までどちらも未使用のポートであった。L2SW には、と呼ばれる、接続機器のポートの属性を識別して、自ポートの結線をストレート又はクロスに自動的に切り替える機能があり、その機能を未使用のポートで有効にしておいたことも災いした。事故が起きたときのL2SW2、SW及びPCの接続を、図2に示す。
ネットワークスペシャリスト(平成21年度 午後1 問01 図02)
 U君は、誤接続を修正させた後で広域イーサ網との接続を戻させ、通信に問題が起こらないことを確認した。翌営業日、U君は、各拠点のL2SWにおける通信のループの再発防止策について、O主任と相談しながら検討することになった。

設問1

本文中の に入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

ア:BPDU 又は Bridge Protocol Data Unit イ:PoE 又は Power over Ethernet ウ:確認応答 又は ACK 又は Acknowledgement エ:ミラー オ:Auto MDI/MDI-X 又は Auto MDI-X

解説

解答の論理構成

  1. アの導出
    • 問題文では、スパニングツリーで「と呼ばれる制御フレームをやり取りして通信のループを回避する」と記載されています。
    • スパニングツリープロトコルが用いる制御フレームは “BPDU(Bridge Protocol Data Unit)” しかありません。
    • よってア=「BPDU」。
  2. イと b の導出
    • 無線 LAN アクセスポイントには「IEEE 802.3af 規格の と呼ばれる技術によって、UTP の 4 対のうちb対を使って電源が供給」とあります。
    • IEEE 802.3af は “PoE(Power over Ethernet)” であり、給電方式はデータ通信で用いる “2 対” を使います。
    • よってイ=「PoE」、b=「2」。
  3. ウの導出
    • 「受信側から返答されるに基づいてデータの到達確認と再送を行う通信プロトコル」とは、TCP の確認応答フレーム “ACK(Acknowledgement)” を指します。
    • よってウ=「ACK(確認応答)」。
  4. エの導出
    • 「未使用のポートを、広域イーサ網を接続しているポートのポートとして設定して、トラフィックモニタを接続」とあります。
    • パケット解析用に転送元ポートの通信を複製する機能は “ミラーポート” です。
    • よってエ=「ミラー」。
  5. オの導出
    • L2SW には「と呼ばれる、接続機器のポートの属性を識別して、自ポートの結線をストレート又はクロスに自動的に切り替える機能」があると記載。
    • これは “Auto MDI/MDI-X” 機能です。
    • よってオ=「Auto MDI/MDI-X」。

誤りやすいポイント

  • BPDU を “BPD” などと省略して記載すると減点対象です。正式名称をそのまま書きましょう。
  • IEEE 802.3af=PoE ですが、UTP 全 4 対を給電に使うと思い込み “4” と答えるミスが頻発します。
  • ACK は「応答パケット」とだけ書くと TCP 以外でも用いられる語なので不十分です。
  • ミラーポートを「SPAN ポート」と英語名で書くと採点基準外になる可能性があります。
  • Auto MDI/MDI-X を「Auto MDI」だけで止めると片方しか示しておらず失点リスクがあります。

FAQ

Q: スパニングツリーを無効にしても通常はループが起きませんか?
A: ループ構成が物理的に存在しなければ問題ありません。本問では誤配線で物理ループが生じたため、BPDU が流れずループ制御が働きませんでした。
Q: PoE で 2 対しか使わないのに 4 対ケーブルが必要なのはなぜですか?
A: 給電に 2 対、データ転送にも同じ 2 対を用いる“オルタナティブ A/B”方式があるため、物理的には 4 対全てを敷設するのが前提です。
Q: Auto MDI/MDI-X を無効にした方が安全ですか?
A: 誤配線防止には有効ですが、本問のように二重接続を自動でクロス扱いしてしまいループが発生するケースもあります。設計・管理ポリシー次第で設定を検討してください。

関連キーワード: BPDU, PoE, ACK, ミラーポート, Auto MDI/MDI-X

設問2〔ITのアクセス障害〕について、(1)〜(3)に答えよ。

(1)本文中の ab に入れる適切な数値を答えよ。

模範解答

a:11 b:2

解説

解答の論理構成

  1. IEEE 802.11 の最大伝送速度
    • 問題文では「IEEE 802.11 規格の最大伝送速度であるaM ビット/秒」と明示されています。
    • IEEE 802.11b の最大物理レートは 11 M ビット/秒 であり、当時の企業 LAN でもっとも一般的に用いられていました。よって
      ⇒ [a] = 11
  2. IEEE 802.3af(PoE)の給電方式
    • 問題文には「IEEE 802.3af 規格の と呼ばれる技術によって、UTP の 4 対のうちb対を使って電源が供給」とあります。
    • IEEE 802.3af(PoE)は Mode A/Mode B いずれの場合も 対のうち 対(データ用または余剰線)へ DC48V 相当を重畳します。
      ⇒ [b] = 2

誤りやすいポイント

  • 54 Mbps と勘違い
    IEEE 802.11g の速度ですが、本文は「IEEE 802.11 規格」と原典を指定しており、11 Mbps の 802.11b を指します。
  • 「4 対全部で給電」と誤解
    PoE+(802.3at)では 4 対給電もありますが、本問は 802.3af のみを前提としており 2 対給電です。
  • 802.3af の給電対(データ対 or 余剰対)を覚えるあまり、本数そのものを見落とすケース。

FAQ

Q: IEEE 802.11n ではなく 802.11b を選定した根拠は?
A: 問題文に「IEEE 802.11 規格」とだけ書かれており、最大速度として普及している 11 Mbps が標準的に想定されます。n/g など拡張規格は別途 “a/b/g/n” と明示されることが多いです。
Q: PoE の 2 対は必ず spare pair を使うのですか?
A: Mode B では spare pair、Mode A ではデータ pair に重畳します。どちらも 2 対使用という点は共通です。
Q: 4 対給電の 802.3bt と混同しないコツは?
A: 規格番号を確認してください。問題文は「IEEE 802.3af」と限定しているので 15.4 W/2 対給電が確定します。

関連キーワード: IEEE 802.11, PoE, 伝送速度, UTPケーブル, ツイストペア

設問2〔ITのアクセス障害〕について、(1)〜(3)に答えよ。

(2)L2SW1で、本文中の下線①に該当するポートを、20字以内で答えよ。

模範解答

広域イーサ網に接続しているポート

解説

解答の論理構成

  1. 本文の該当箇所を確認
    「各 L2SW について、① MAC アドレステーブルにある HT の MAC アドレスのエントリが示すポート を調べると、L2SW3 で当該ポートの速度が切り替わっていた。」とあります。
  2. L2SW1 に HT のフレームが届く経路を整理
    ・HT は配送所の無線 LAN に接続されています。
    ・配送所の L2SW3 と本社の L2SW1 は「広域イーサ網」で接続されています。
    ・したがって、HT が送信したフレームは配送所 → 広域イーサ網 → 本社という順に転送され、最終的に L2SW1 へは広域イーサ網から到達します。
  3. MAC アドレステーブルの学習ロジック
    L2 スイッチは「フレームが入ってきたポート」を MAC アドレステーブルに記録します。従って、L2SW1 が HT の MAC アドレスを学習するのは “広域イーサ網から入ってきた” ポートです。
  4. 以上より、L2SW1 における①のポートは
    広域イーサ網に接続しているポート」となります。

誤りやすいポイント

  • 「HT=無線」と連想して本社の AP へのポートと勘違いする。HT の電波は配送所内のみで、本社には届きません。
  • VLAN20(HT 用)のタグ情報に目を取られ、VLAN20 のアクセスポートと答えてしまう。L2SW1 は配送所側とタグ VLAN で接続しているだけで、学習ポートはあくまで広域イーサ網側です。
  • 「L2SW3 で速度が切り替わっていた」記述から配送所のポートを答えてしまう。設問は “L2SW1 で” と明示されています。

FAQ

Q: なぜ VLAN20 のポートではないのですか?
A: L2SW1 と配送所間は IEEE 802.1Q のタグ VLAN で中継されています。HT のフレームはタグ付きで運ばれますが、L2SW1 が学習するのはタグの有無ではなく “入ってきた物理ポート” です。その物理ポートは広域イーサ網に接続されています。
Q: 広域イーサ網はレイヤ2なのに “ポート” として意識するのですか?
A: はい。L2SW から見れば広域イーサ網は単に「対向スイッチへつながる UTP もしくは光の物理リンク」です。通常ポートと同様に MAC 学習対象になります。
Q: もしスパニングツリーが動作していれば答えは変わりますか?
A: 変わりません。ループ防止の有無はフレームの入出ポートに影響しないため、学習ポートは依然として広域イーサ網側です。

関連キーワード: MACアドレス学習, 広域イーサネット, VLAN, L2スイッチ, フレーム転送

設問2〔ITのアクセス障害〕について、(1)〜(3)に答えよ。

(3)本文中の下線②のためにAPに求められる機能を、“ESS ID”という字句を用いて、30字以内で述べよ。

模範解答

通信を ESS ID ごとに VLAN と対応付ける機能

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】では「表 VLAN と接続機器又はポートの対応」において、ノート PC が属するネットワークは「VLAN 10」と明記されています。
  2. 既存の無線は HT 用であり、「HT」「SK-SV」が属するのは「VLAN 20」です。したがって無線区間では、少なくとも「VLAN 10」と「VLAN 20」を使い分ける必要があります。
  3. 【問題文】には「L2SWとAP間の接続には、IEEE 802.1Q規格のタグVLANを使用している」とあり、有線側では VLAN タグで識別できる前提です。
  4. 無線側で VLAN を区別する一般的手段は、無線 LAN の論理ネットワーク識別子である “ESS ID” を複数設定し、それぞれを異なる VLAN タグにひも付けることです。
  5. 以上より、下線②を実現するため AP に求められる機能は「ESS ID ごとに VLAN を割り当てる機能」となります。
    ⇒ 模範解答「通信を ESS ID ごとに VLAN と対応付ける機能」と一致します。

誤りやすいポイント

  • ESS ID を「暗号化キー」や「認証方式」と混同し、セキュリティ機能と答えてしまう。
  • 無線側で VLAN を分ける発想が抜け、「AP 追加購入」や「ポート増設」といった物理的対策を挙げてしまう。
  • IEEE 802.1Q のタグ付けは有線だけと誤解し、無線側では不要と判断してしまう。

FAQ

Q: ESS ID を複数設定すると、AP は何台も必要になりますか?
A: 同一 AP でも複数の ESS ID を論理的に持てるため、装置追加は不要です。
Q: ESS ID と VLAN の対応付けは AP だけ設定すればよいですか?
A: 有線側の L2SW でも該当ポートがタグ VLAN を通す設定になっている必要があります。
Q: 無線 LAN クライアントは自動で正しい ESS ID に接続しますか?
A: 利用者が選択するか、プロファイルを配布して接続先 ESS ID(=所属 VLAN)を指定する運用が一般的です。

関連キーワード: VLAN, IEEE 802.1Q, ESS ID, 無線LAN

設問3〔営業所での誤接続による障害〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(1)本文中の下線③のフレームの種類を答えよ。また、当該フレームの転送回数が、IPヘッダのTTLフィールドの値によって制限されない理由を、30字以内で述べよ。

模範解答

フレームの種類:ブロードキャストフレーム 制限されない理由:L2SWでの転送処理では IPヘッダは評価されないから

解説

解答の論理構成

  1. ループ発生時に増殖するフレームの正体
    本文には「③通信のループによって繰り返し転送されたフレーム」とあり、さらに L2SW3 で観測した結果として「大量に通信されているのは、タグが付加されていないフレームであること、フレームの内容はすべて同じ IP パケットであり…」と記載されています。タグなし=アクセス系ポートから出る VLAN1 のフレームであり、ループが生じた場合に 全ポートへ洪水転送されるフレームは「ブロードキャストフレーム」です。よって種類はブロードキャストフレームになります。
  2. TTL が効かない理由
    IP ヘッダの TTL は 3 層(L3)情報ですが、本文には「L2SW では、と呼ばれる制御フレームをやり取りして通信のループを回避するスパニングツリープロトコルを動作させていない。」とあるだけで、L2SW が L3 を解釈する旨の記述はありません。レイヤ 2 スイッチは フレームの宛先 MAC だけで転送し、IP ヘッダを参照しないため、TTL は減算されません。したがって転送回数は TTL によって制限されないのです。
  3. まとめ
    • フレームの種類:ブロードキャストフレーム
    • 制限されない理由:L2SW で IP ヘッダを評価しないため

誤りやすいポイント

  • ループで増殖するのは「ユニキャストの未知宛先フレーム」と思い込み、ブロードキャストを外す。本文で「すべて同じ IP パケット」とあるため誤判断しやすいです。
  • TTL が減らない原因を「タグ VLAN がないから」など VLAN 技術に結び付けてしまう。レイヤ分離の理解不足に注意しましょう。
  • 「ルーターではなく L2SW」という前提を忘れ、L3 処理(TTL デクリメント)が行われると誤解するケース。

FAQ

Q: ループ時にユニキャストフレームも増殖するのでは?
A: 未学習 MAC 宛先のユニキャストはフラッディングされますが、最も影響が大きく観測しやすいのは常時流れる ARP などのブロードキャストで、設問もそれを指しています。
Q: L2SW でもレイヤ 3 スイッチなら TTL は減る?
A: ルーティング機能を有効にしたレイヤ 3 スイッチのルーティングインタフェースを経由すれば TTL は減算されます。本問の L2SW は純粋なレイヤ 2 動作なので減りません。
Q: スパニングツリーを有効にしていれば今回の事故は防げた?
A: はい。に該当する「BPDU」を交換して論理ツリーを構成すれば、ループポートはブロックされ通信ループは発生しません。

関連キーワード: ブロードキャスト, MACアドレス, スイッチングハブ, TTL, レイヤ2

設問3〔営業所での誤接続による障害〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(2)図2におけるL2SW2とSW間の接続を、解答欄に図示せよ。

模範解答

下図の通り ネットワークスペシャリスト(平成21年度 午後 問01 設問03-02 解答)

解説

解答の論理構成

  1. 誤接続の事実確認
    【問題文】には「SW と L2SW2 間を 2 本のケーブルで接続していた誤接続が見つかり」とあります。よって、解答図には SW から 2 本の LAN ケーブルを L2SW2 に引き込む必要があります。
  2. 接続先ポートの特定
    ・「2 本のケーブルを接続した L2SW2 のポートは、今までどちらも未使用のポートであった」と記述されています。
    ・図2 で空きポートが示されているのは VLAN10 領域の 2 ポートです。したがって、未使用ポート=VLAN10 の 2 ポートと判断できます。
  3. SW 側の描画
    SW には 4 ポートが描かれており、左 2 ポートは PC 接続済みである点が図2 で既に示されています。残る右 2 ポートが空いているため、ここに 2 本のケーブルを接続して「誤接続」を表現します。
  4. L2SW2 側の描画
    VLAN10 ブロック内の 2 ポートへ SW からの 2 本のケーブルを収容し、これで “スイッチ—スイッチ間を 2 重化した閉回線” が成立します。スパニングツリーが無効(【問題文】「スパニングツリープロトコルを動作させていない」)のため、ループが発生し障害説明と整合します。
以上より、模範解答図と同じく
・SW 右 2 ポート ↔ L2SW2 VLAN10 の 2 ポート
を 2 本の実線で結線する配置が正答となります。

誤りやすいポイント

  • VLAN1 へ誤接続してしまう
    「タグが付加されていないフレーム」から VLAN1 を想起しがちですが、未使用ポートが示されているのは VLAN10 なので要注意です。
  • “2 本のケーブル” を 1 本に省略
    記述にある「2 本」を落とすとループ構成が成立せず失点につながります。
  • STP が有効と誤認
    問題文の「スパニングツリープロトコルを動作させていない」を読み落として、ループが発生しない設計図を描いてしまう誤答が多発します。

FAQ

Q: なぜ PC 直結ではなく SW 経由でループが起きたのですか?
A: PC は終端機器のため通常 1 本接続ですが、SW 同士を 2 本で直結するとフレームが行き場を失わず永遠に回る“閉ループ”を形成します。今回 PC→SW→L2SW2 の経路が 2 重化され、これがルートレスのループとなりました。
Q: タグ VLAN を使っていないのに VLAN10 だと分かる根拠は?
A: 図2 で空いているのが VLAN10 の 2 ポートだけだからです。未使用ポート=空き図形=VLAN10 と読めます。
Q: オート MDI/MDI-X 機能が「災いした」とはどういう意味?
A: 「オート MDI/MDI-X」によりクロス/ストレートの区別なくリンクアップしてしまい、本来刺さらないはずのポート同士でもケーブル 2 本を刺せば物理的に通信可能になるため、誤配線を気づきにくくしました。

関連キーワード: ループ障害, VLAN, オートMDI/MDI-X, スパニングツリー, ブロードキャストストーム

設問3〔営業所での誤接続による障害〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(3)L2SWでスパニングツリープロトコルを動作させて通信のループを回避させた場合に発生する現象を、PCの接続において切断に着目して、30字以内で述べよ。

模範解答

・PCを接続しても直ちに通信が可能な状態にはならない。 ・VLAN内へのユニキャストフレームの流出が増加する。

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】には「L2SW では、と呼ばれる制御フレームをやり取りして通信のループを回避するスパニングツリープロトコルを動作させていない」とあります。
  • スパニングツリープロトコル(STP)を動作させると、各ポートは BPDU 交換後に Blocking → Listening → Learning → Forwarding という遷移を経てループの有無を判断します。
  • この間はユーザトラフィックを転送しません。よって PC をケーブル接続してリンクアップしても、STP が完了するまでデータが流れず“切断されている”ように見えます。
  • したがって「PCの接続において切断に着目」すると、現れる現象は
    PC を差してもすぐには通信開始できない
    ということになります。

誤りやすいポイント

  • “STP を入れれば即時に安全で快適”と考え、接続遅延を忘れる。
  • RSTP/PortFast など高速化機能を前提にして、遅延がないと決め付ける。
  • ループ検知=ブロードキャストストーム抑止の側面のみを答えに盛り込み、設問が求める「切断」に触れない。

FAQ

Q: どうして BPDU 交換中はユーザ通信が遮断されるのですか?
A: ループが存在したままフレームを流すとブロードキャストストームが発生します。これを避けるため、STP はトポロジ確定までデータ転送を止めています。
Q: 接続直後の遅延をなくす方法はありますか?
A: エッジポートに対して PortFast 相当の機能を有効にすると、BPDU を監視しつつ即 Forwarding に遷移させることができます。
Q: STP を無効化してもいいのでしょうか?
A: ループが物理的に起きないことを完全に保証できる配線であれば可能ですが、今回のような誤接続事故を考慮すると STP は有効にしておく方が安全です。

関連キーワード: スパニングツリー, BPDU, ポート状態, ループ防止, PortFast

設問3〔営業所での誤接続による障害〕について、(1)〜(4)に答えよ。

(4)未使用のポートを通信から隔離するためのL2SWでの設定方法を二つ挙げ、それぞれ30字以内で述べよ。

模範解答

①:使用できないように閉そく状態にする。 ②:別のVLANを割り当ててタグVLANでの中継から外す。

解説

解答の論理構成

  1. 事故の原因確認
    • 問題文では「2 本のケーブルを接続した L2SW2 のポートは、今までどちらも未使用のポートであった。」とあります。未使用ポートが有効のまま残っていたため、誤接続でループが発生しました。
  2. “未使用ポートを通信から隔離する”目的
    • ループや不正アクセスを防ぐには、未使用ポートがフレームを流さない/本来の VLAN 間に混じらない状態にする必要があります。
  3. 方法①:ポートを無効化(閉そく)
    • L2SW では管理者がポートを shutdown すると物理的なリンクアップが無視されます。誤配線があっても「閉そく状態」なのでフレームは流れません。
  4. 方法②:隔離用 VLAN を割り当て
    • 問題文に「L2SW では、ポートごとに一つの VLAN を割り当てて機器を接続」とあるように、ポートと VLAN は1対1で設定可能です。
    • 未使用ポートに運用 VLAN(「VLAN 1」「VLAN 10」など)とは別の VLAN を割り当て、「タグを付加しないフレームを使用する特別な VLAN」として中継経路から外せば、誤接続しても業務 VLAN へは影響しません。
  5. まとめ
    • よって解答は
      ①:使用できないように閉そく状態にする。
      ②:別の VLAN を割り当ててタグ VLAN での中継から外す。

誤りやすいポイント

  • スパニングツリーを有効にするだけで十分と考えがちですが、問題文に「スパニングツリープロトコルを動作させていない」と明示されています。STP ではなく“未使用ポートの扱い”を問う設問です。
  • ポートセキュリティ(MAC アドレス制限)と閉そくを混同しやすい点に注意が必要です。
  • “隔離用 VLAN”を設定しても、タグ VLAN のトランク設定を解除し忘れると依然として中継される可能性があります。

FAQ

Q: 閉そくとポートセキュリティの違いは?
A: 閉そくはポート自体を無効化するためリンクアップしません。ポートセキュリティはリンクは生かしたまま MAC 制御で不正端末を遮断します。
Q: 隔離用 VLAN にすれば本当に安全なのですか?
A: タグを付加しないフレームが中継されないようトランク設定から外せば、他の VLAN とは論理的に分離されるので誤接続時でも業務 VLAN に流入しません。
Q: STP を動かさずにループを防ぐ方法は?
A: 今回のように未使用ポートを閉そくするか、隔離用 VLAN に移すことでループ経路自体をなくすのが現実的な対策です。

関連キーワード: VLAN, ポート閉塞, ループ防止, タグVLAN, ポートアイソレーション
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