ネットワークスペシャリスト 2011年 午前2 問16
問題文
IP電話の音声品質を表す指標のうち、ノイズ、エコー、遅延などから算出されるものはどれか。
選択肢
ア:MOS値
イ:R値(正解)
ウ:ジッタ
エ:パケット損失率
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R値(Eモデル)【午前2解説】
正解の理由
ノイズ、エコー、遅延など複数の劣化要因を総合して音声品質を数値化する指標は、Eモデルに基づくR値(Rファクタ)です。R値はITU‑Tの勧告G.107で定義され、基本的には各種インパルメント(基本雑音、同時雑音、遅延による劣化、機器による劣化など)を加減算して算出されます。したがって、選択肢のうち正しいのは イ(R値)です。
補足として、主観的な評価法やその手順は別の勧告(例えばP.800が主観評価の手法を規定)で扱われますが、R値自体はG.107のEモデルに基づく客観的な合成指標です。
解法ステップ
- 問題文が「ノイズ、エコー、遅延などから算出される」とある点を確認する。複数要因を合成する「総合指標」を想定する。
- 各選択肢の性質を確認する。単一の指標(ジッタ、パケット損失率)は該当しない可能性が高い。MOSは主観評価の尺度である。
- Eモデル(G.107)で定義され、複数のインパクトを合成するのがR値であることから、イを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: MOS値
MOSは主観的な聞き取り評価(平均意見値)を意味します。ITU‑T P.800などの手順により人間の評価から得られる値であり、必ずしもノイズや遅延を直接の入力として算出される合成式ではありません。Eモデルの結果をMOS相当に変換することはできますが、MOSそのものは直接「ノイズ・エコー・遅延などから算出される」指標ではありません。 -
イ: R値(正答)
R値はEモデルに基づき、各種劣化成分を合算・補正して得られる総合評価値です。式の概略は のように表され、(遅延による劣化)、(符号化器・パケット損失等による機器劣化)、(基本S/N)など複数因子を組み合わせます(ITU‑T G.107参照)。 -
ウ: ジッタ
ジッタはパケット到着間隔のばらつき(遅延の変動)を示す単一の指標であり、ノイズやエコーなど他の要因を合成した値ではありません。ジッタはR値の計算に影響を与える要素の一つになり得ますが、それ自体が総合指標ではありません。 -
エ: パケット損失率
パケット損失率はパケットの欠落割合を示す単独の指標です。これもR値を低下させる要素(例えばに関係)にはなりますが、ノイズやエコー、遅延をまとめて評価する総合値とは異なります。
よくある誤解
- 「MOSとRは同じ」
MOSは主観評価(聞き手の評価平均)、RはEモデルによる客観的合成指標です。RからMOSに換算する式はありますが、同一ではありません。 - 「R値はP.800で定義されている」
R値はITU‑T G.107で定義されます。P.800は主観的評価(MOS測定)の手順を扱う勧告です。これらを混同しやすいので注意してください。 - 「ジッタやパケット損失だけで音声品質が決まる」
これらは重要な要素ですが、音声品質は複数因子の影響を受けます。単独指標だけで全体を評価するのは不十分です。
補足コラム
- R値のレンジと目安
Rは概ね 0〜100 の範囲で扱われ、値が高いほど良好です。実務上の目安としてRが約80ならMOS換算で約4(良好)になるなどの感覚が使われます。RからMOSへの近似式は次の通りです: 例: のとき、MOS ≒ 1 + 0.035×80 + 7e-6×80×20×20 ≒ 4.02。 - 他の客観評価法
Eモデル(G.107)以外に、直接音声波形を比較するP.862(PESQ)やP.863(POLQA)などの方法もあります。これらは実際の音声比較に基づく客観評価手法です。
FAQ
Q: R値だけで音声品質を完全に判定できますか?
A: R値は便利な総合指標ですが、測定条件やユーザの主観的許容度によって差が出ます。必要に応じて主観テスト(P.800)やPESQ/POLQAなどの手法と組み合わせると良いです。
A: R値は便利な総合指標ですが、測定条件やユーザの主観的許容度によって差が出ます。必要に応じて主観テスト(P.800)やPESQ/POLQAなどの手法と組み合わせると良いです。
Q: パケット損失率が高いとR値はどうなる?
A: パケット損失は機器劣化要因(等)を増加させ、結果としてR値が低下します。ただし遅延やエコー等の他因子も同時に影響します。
A: パケット損失は機器劣化要因(等)を増加させ、結果としてR値が低下します。ただし遅延やエコー等の他因子も同時に影響します。
Q: R値の定義はどの勧告にある?
A: ITU‑T G.107(Eモデル)にR値(Rファクタ)の算出方法が規定されています。
A: ITU‑T G.107(Eモデル)にR値(Rファクタ)の算出方法が規定されています。
関連キーワード: Eモデル、Rファクタ、音声品質、G.107、MOS、P.800、ジッタ、パケット損失率

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