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ネットワークスペシャリスト 2014年 午後101


ネットワーク構成の見直しに関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。

 A 予備校は、東京に本部、全国に 5 支部がある。従来、本部で行った人気授業は録画して、物理媒体を各支部に配布していたが、各支部からの要望を受け、本部に動画サーバを置き、本部から各支部に授業の動画を配信することにした。また、運用管理の一元化と情報保護の強化のために、業務系のファイルサーバ(以下、FS という)を本部に集約することにした。  情報システム部の M 課長は、N君に対し、A 予備校の新ネットワーク構成の方針を提示し、ネットワーク構成の見直しとその運用について検討するように指示した。N君が考えた A 予備校の新ネットワーク構成を、図1に示す。
ネットワークスペシャリスト(平成26年度 午後1 問01 図01)
 M 課長が提示した、A 予備校の新ネットワーク構成の方針を、次に示す。  ・本部及び各支部では、業務系システムと動画系システムのセグメントを分け、それぞれ業務系セグメントと動画系セグメントとする。  ・本部と各支部間は、異なる通信事業者の広域イーサ網1及び広域イーサ網2によって冗長化する。広域イーサ網1と広域イーサ網2は、等しい帯域とする。  ・本部と各支部間のネットワーク経路は、業務系セグメント間を広域イーサ網1経由とし、動画系セグメント間を広域イーサ網2経由とする。  ・一方の広域イーサ網が使用できなくなった場合には、他方の広域イーサ網によって業務系セグメント間及び動画系セグメント間の通信を行う。障害時には、動画系セグメント間の通信は、業務系セグメント間の通信よりも優先し、支障なく維持されるものとする。  ・各支部からのFSのアクセスの高速化のために、WASを導入する。   〔ネットワーク経路の検討〕  N君は、まず、支部1と本部間のネットワーク経路について検討した。ルータ1とルータ2の組、及びルータ3とルータ4の組には、それぞれ業務系セグメント用と動画系セグメント用のVRRPを設定する。①PC及びルータの設定を適切に行うことによって、業務系セグメント間のデータはルータ1とルータ3を経由させ、動画系セグメント間のデータはルータ2とルータ4を経由させることができる。  次に、採用する経路制御プロトコルを検討した。障害発生時には、できるだけ早く代替のネットワーク経路に切り替えて通信を回復させたい。よって、経路情報の再構成が高速なOSPFを採用することにした。一般的なルータのOSPFでは、物理ポートの を基にしたコストをメトリックとしてネットワーク経路の選択を行う。しかし、ネットワーク経路を分野ごとに分けるために、コストを図1に示す値に設定した。  OSPFでは、経路制御の範囲を設定するエリアという概念がある。一つのOSPFのネットワークは、複数のエリアに分けることができる。エリア番号が でもエリアはバックボーンエリアと呼ばれ、必ず存在しなければならない。エリアを複数に分割する場合には、バックボーンエリアとその他のエリアが接続するようにエリア分けを設計する。バックボーンエリアとその他のエリア間を相互接続するルータは、エリア境界ルータ(以下、ABRという)と呼ばれる。また、ABRではエリア内の経路情報を集約して、他のエリアに送ることができる。N君は、本部、広域イーサ網1及び広域イーサ網2をバックボーンエリアに、各支部をそれぞれ別のエリアに分け、ABRで最もプレフィックスが短くなるように経路情報の集約を行う設計とした。  N君の設計に基づく、本部から支部1への動画データの送信経路を、表1に示す。
ネットワークスペシャリスト(平成26年度 午後1 問01 表01)
 続いて、一方の広域イーサ網が使用できなくなった場合にも、動画系とゲスト間の通信を支障なく維持する方法について検討した。広域イーサ網1及び広域イーサ網2の通信帯域には若干の余裕を見込んでいるが、帯域不足は避けられない。各ルータにQoSを設定し、動画系とゲスト間の通信を優先することにした。ルータのQoSとしては、RFC 2474に基づいて、IPヘッダのフィールドをDSフィールドとして再定義して通信の優先評価を行うモデルが実装されている。  一方の広域イーサ網が使用できなくなった場合は、非優先である業務系とゲスト間の通信はある程度の影響が予測される。FSと業務サーバは、被災時に利用されている。TCPで実装されている業務系システムの通信アプリケーションの場合は、データ転送速度が低下しても通信の維持とデータの保全は確保できる。しかし、業務によっては、応答時間の増大によって業務に支障が出る場合がある。よって、②業務系システムのアクセス集中を避けるための方策を定め、マニュアル配布及び掲示板で利用者に周知することにした。   〔WASの導入〕  FSを本部に集約することに伴い、FSのアクセス速度の低下が懸念される。その対応策としてWASを導入することにした。WASを導入したときの通信、WASのデータ処理は、次のとおりである。  ・ルータ2及びルータ3では、PBR(Policy Based Routing)を動作させる。PBRの動作によって、③ルータはFSで使用しているCIFS(Common Internet File System)プロトコルのパケットを識別してWAS宛てに転送する。PBRによる経路制御は、OSPF による経路制御よりも優先度が となっている必要がある。  ・WAS は、データを受信した後に、“データの高速化処理” を行う。    N君は、PC と FS 間での WAS によるデータの高速化処理について調査した。調査の結果、WAS 間では、データ圧縮機能による通信データ量の削減だけでなく、④データの送信元に対して代理応答を行ってデータをキャッシュして静止した後に、もう一方の WAS 宛てに一括してデータを送信することによって、高速化を図っていることが分かった。また、⑤データの高速化処理を自動的に停止する機能があることを確認した。    N君がまとめた検討結果は M 課長に承認され、新ネットワークの構築準備を開始することになった。

設問1

本文中のに入れる適切な字句又は数値を答えよ。

模範解答

ア:帯域幅 又は 通信速度 イ:0 ウ:TOS エ:DiffServ 又は Differentiated Services オ:高く

解説

解答の論理構成


  1. 引用:“一般的なルータのOSPFでは、物理ポートの を基にしたコストをメトリックとしてネットワーク経路の選択を行う。”
    OSPF の標準仕様ではインタフェースの帯域幅(通信速度)が大きいほどコストを小さく設定する仕組みです。したがって “” には「帯域幅」または「通信速度」が入ります。

  2. 引用:“エリア番号が でもエリアはバックボーンエリアと呼ばれ、必ず存在しなければならない。”
    OSPF ではエリア番号0(0.0.0.0)がバックボーンエリアで、全エリアを必ず経由します。よって “”=「0」です。
  3. ウ・エ
    引用:“IPヘッダのフィールドをDSフィールドとして再定義して通信の優先評価を行うモデルが実装されている。”
    RFC 2474 は TOS フィールドを再定義し DiffServ(Differentiated Services)モデルで優先付けを行う規格です。
    よって “”=「TOS」、 “”=「DiffServ 又は Differentiated Services」となります。

  4. 引用:“PBRによる経路制御は、OSPF による経路制御よりも優先度が となっている必要がある。”
    Policy Based Routing は IGP より先にルーティングを決定させる必要があります。OSPF より優先度を「高く」設定しなければ期待どおりに転送できません。したがって “”=「高く」です。

誤りやすいポイント

  • ” を「MTU」や「ポート番号」と誤認するケース。OSPF cost は帯域幅依存です。
  • ” と “” をまとめて「DSCP」と回答してしまうミス。DSCP は DiffServ で使う値だが、問われているのは再定義前のフィールド名とモデル名です。
  • ” で「低く」と答える逆転ミス。PBR はルーティングテーブル参照より前に評価される設計が必須です。

FAQ

Q: OSPF のコストは帯域幅以外でも変更できますか?
A: はい。手動で任意の値を設定してトラフィックエンジニアリングを行うことも可能です。本問でも分野別経路分離のために手動で値を設定しています。
Q: DiffServ では具体的にどのように優先制御されますか?
A: 送信元ルータで DSCP 値を付与し、中間ルータはその値に応じてキューイングやスケジューリング(PQ、WFQ など)を行います。本問では動画系通信を高優先に設定します。
Q: PBR と OSPF を併用するときの注意点は?
A: ルーティング処理順序を理解することです。PBR → ルーティングテーブル(OSPF 学習)→ デフォルトルートの順になるよう、PBR の優先度を「高く」設定します。

関連キーワード: OSPF, DiffServ, QoS, VRRP, PBR

設問2〔ネットワーク経路の検討〕について、(1)~(4)に答えよ。

(1)本文中の下線①について、業務系セグメントのPCのデフォルトゲートウェイの設定を30字以内で述べよ。 また、通常時、業務系セグメントのPCから送信されたパケットを適切な通信経路で中継するためには、ルータのVRRPの設定をどのようにすればよいか。50字以内で具体的に述べよ。

模範解答

デフォルトゲートウェイの設定:業務系セグメントに対応した仮想ルータのIPアドレス VRRPの設定:業務系セグメントの仮想ルータがルータ3でアクティブになるようにプライオリティ値を設定する。

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】には「ルータ1とルータ2の組、及びルータ3とルータ4の組には、それぞれ業務系セグメント用と動画系セグメント用のVRRPを設定する。」とあります。
    すなわち業務系セグメントでは“仮想ルータ”が1つ用意され、その IP アドレスを PC のデフォルトゲートウェイにすれば、機器故障時でも VRRP が自動で経路を切り替えます。したがってデフォルトゲートウェイは「業務系セグメントに対応した仮想ルータのIPアドレス」となります。
  • さらに同じ文中で「業務系セグメント間のデータはルータ1とルータ3を経由させ」と要求されています。経由ルータを固定するには VRRP のアクティブ(Master)側を支部側ルータ3、本部側ルータ1にしておく必要があります。VRRP ではプライオリティ値が大きいルータが Master になるため、「業務系セグメントの仮想ルータがルータ3でアクティブになるようにプライオリティ値を設定」することで要件を満たせます。
  • これにより通常時はルータ3(支部側)とルータ1(本部側)が主経路となり、VRRP 障害発生時にはルータ4/ルータ2へ自動でフェイルオーバーし、設問が求める“適切な通信経路”が実現できます。

誤りやすいポイント

  • PC のデフォルトゲートウェイを「ルータ3の実 IP」と思い込み、VRRP の仮想 IP を設定し忘れる。
  • VRRP のプライオリティ値を両ルータで同じにしてしまい、Master が想定外のルータ4になる。
  • VRRP と OSPF の役割を混同し、OSPF のコスト設定だけで経由ルータの固定ができると誤解する。

FAQ

Q: VRRP で Master を固定しても OSPF のコストが低いルータに経路が流れませんか?
A: VRRP は L3 デフォルトゲートウェイの IP を提供し、PC が送出する最初のホップを決定します。次ホップ以降は OSPF のコストですが、設計どおりにコストを設定していれば経路は一致します。
Q: ルータ1側のプライオリティはどう決めればよいですか?
A: 本部側でも同様に、業務系セグメントの仮想ルータがルータ1でアクティブになるよう、ルータ1をルータ2より高いプライオリティに設定します。
Q: VRRP のバックアップルータを手動で切り替える必要がありますか?
A: ありません。VRRP は Master 障害を自動検出し、数秒でバックアップが Master に昇格します。

関連キーワード: VRRP, デフォルトゲートウェイ, ルーティング, OSPF, フェイルオーバー

設問2〔ネットワーク経路の検討〕について、(1)~(4)に答えよ。

(2)ルータ3がルータ1へ送る、業務系セグメントと動画系セグメントの経路情報のプレフィックスを答えよ。

模範解答

10.1.0.0/16

解説

解答の論理構成

  1. 問題は「ルータ3がルータ1へ送る、業務系セグメントと動画系セグメントの経路情報のプレフィックス」を求めています。
  2. 【問題文】には、支部1(ルータ3が所属)のネットワークを二つ示しています。
    ・業務系セグメントは “10.1.1.0/24”
    ・動画系セグメントは “10.1.2.0/24”
  3. 同じ支部内なので、ABR であるルータ3は両セグメントをまとめてバックボーンエリアへ広告します。その際、【問題文】に
    「ABRで最もプレフィックスが短くなるように経路情報の集約を行う」
    と明記されています。
  4. 2つのネットワーク “10.1.1.0/24” と “10.1.2.0/24” をビット比較すると、16 ビット目までが共通で 17 ビット目以降が異なります。このため最短で共通部分を表せるプレフィックスは “/16” になります。
  5. したがって、ルータ3がルータ1へ広告する集約経路は
    10.1.0.0/16
    となります。

誤りやすいポイント

  • 「最もプレフィックスが短くなるように」という指示を読み飛ばし、/24 のまま2本広告すると解釈してしまう。
  • 「10.1.1.0/24」と「10.1.2.0/24」の両方を含むから /23 と誤算しがちだが、/23 では 10.1.0.0/23 と 10.1.2.0/23 の2本に分かれてしまい条件を満たさない。
  • 集約は ABR 側の設定であり、バックボーン側(ルータ1)が自動で行うと誤解するケース。

FAQ

Q: なぜ /15 や /14 ではなく /16 なのですか?
A: 16 ビット目までが一致し、17 ビット目で差異が出るため、/16 が2ネットワーク共通部分を示す最小(最短)プレフィックスだからです。
Q: 集約を行うと個別ネットワークの到達性に問題は出ませんか?
A: OSPF では ABR が詳細経路を保持しているため、バックボーン側が /16 で受け取っても支部内へのフォワーディングは ABR が正しく行えます。
Q: /16 にすると不要に広い範囲を広告するように思えますが?
A: バックボーン側では “10.1.0.0/16” 以上細かな宛先はすべて支部1 へ到達可能と認識します。支部1 に存在しない宛先が来ても ABR で破棄されるため、経路収束を早め負荷を減らす観点でメリットが大きいです。

関連キーワード: OSPF, ABR, プレフィックス集約, CIDR, 経路広告

設問2〔ネットワーク経路の検討〕について、(1)~(4)に答えよ。

(3)表1中のabに入れる適切な動画データの送信経路を、表1中の表記に従ってそれぞれ答えよ。

模範解答

a:ルータ1 → ルータ3 b:ルータ2 → ルータ1 → ルータ3

解説

解答の論理構成

  1. 通常時の経路を問題文が明示
     【問題文】
     “業務系セグメント間のデータはルータ1とルータ3を経由させ、動画系セグメント間のデータはルータ2とルータ4を経由させることができる。”
     したがって動画系は「ルータ2 → ルータ4」が一次経路です。
  2. 「ルータ2 本体の障害時」の影響範囲
     【問題文】
     “ルータ1とルータ2の組、及びルータ3とルータ4の組には、それぞれ…VRRPを設定する。”
     VRRPにより同一セグメント内のもう一方のルータがバーチャル IP を引き継ぎます。
     よって本部側でルータ2がダウンすると、バーチャル IP を保持したルータ1がフォワーダになり、支部側の一次経路(ルータ4)は健在なので経路は
     【解答】a:ルータ1 → ルータ3
  3. 「ルータ4 p10 の障害時」の影響範囲
     p10 は支部側で広域イーサ網2に出る物理ポート。ここが断になると支部側のルータ4が WAN2 へ出られず、VRRP によりルータ3が代替。
     本部側はまだルータ2が正常なので、最短コストで「ルータ2 → ルータ1 → ルータ3」と迂回します。
     ・O S P F ではコスト値で経路計算を行い、“代替のネットワーク経路に切り替えて通信を回復” すると記載。
     ・図1上、ルータ1‐ルータ3間は cost 10、ルータ1‐ルータ2間も cost 10。
     結果、動画データは
     【解答】b:ルータ2 → ルータ1 → ルータ3
  4. 結論
     a:ルータ1 → ルータ3
     b:ルータ2 → ルータ1 → ルータ3

誤りやすいポイント

  • VRRP=同一セグメント内の冗長のみと理解し、WAN 側障害までカバーすると勘違いする。
  • OSPF のコスト再計算を忘れ、「ルータ2 → ルータ4 のまま」としてしまう。支部側ポート障害ではルータ4が WAN に出られないため不適切です。
  • 「p10 障害=ルータ4 本体故障」と早合点し、VRRP ではなく OSPF 再計算だけで済むと誤認。実際は両者が同時に働きます。

FAQ

Q: VRRP と OSPF の切替順序はどちらが先ですか?
A: 最初に同一 L2 内の VRRP がマスター変更を行い、その後 OSPF が新コストで再計算します。
Q: 「ルータ2 → ルータ1 → ルータ3」と三段跳びになるのはなぜ?
A: 本部側で動画用 VRRP マスターがルータ2のままなので、まずルータ2に入り、WAN2 が使えないと判断後 OSPF が cost 最小のルータ1方向へ送り、広域イーサ網1で支部側ルータ3に到達します。
Q: WAN2 が全断なら業務系通信はどうなりますか?
A: 方針で“障害時には、動画系セグメント間の通信は、業務系セグメント間の通信よりも優先”とあるため、QoS で動画を優先し業務系は帯域制限を受けながらも WAN1 に収容されます。

関連キーワード: VRRP, OSPF, 冗長経路, コスト値, QoS

設問2〔ネットワーク経路の検討〕について、(1)~(4)に答えよ。

(4)本文中の下線②の方策を、運用の観点で、25字以内で具体的に述べよ。

模範解答

利用者をグループ化して使用時間帯をずらす。

解説

解答の論理構成

  1. まず【問題文】では、広域イーサ網が片系障害となった際に
     「一方の広域イーサ網が使用できなくなった場合は、非優先である業務系とゲスト間の通信はある程度の影響が予測される。」
     と明記されています。
  2. 影響を緩和するために
     「②業務系システムのアクセス集中を避けるための方策を定め、マニュアル配布及び掲示板で利用者に周知」
     と指示されています。
  3. 混雑の主因は同時アクセスの集中です。したがって、利用者を時間的に分散させれば帯域占有が平準化され、QoS で優先度が低い業務系通信でも必要な応答性を確保できます。
  4. 具体策として「利用者をグループ化し、使用時間帯をずらす」ことが最もシンプルかつ運用で実施可能です。
  5. 以上より、模範解答は「利用者をグループ化して使用時間帯をずらす。」となります。

誤りやすいポイント

  • 技術的な増速策(回線増設・プロトコル最適化)を答えてしまう
    → 設問は「運用の観点」であり、利用者告知で実現できる方策を求めています。
  • 「アクセス制限」「優先制御」などQoS設定の追記を書く
    → QoS は既にルータ設定に組み込まれており、②は別軸の運用施策です。
  • 回線障害時のみの臨時措置と誤解し、恒常的な運用手順を忘れる
    → 掲示板・マニュアル配布とあるため、平時からの周知が前提です。

FAQ

Q: 技術的な帯域制御を追加設定する回答は認められますか?
A: 設問が「運用の観点」を強調しているため、ユーザ行動を変える策を示す必要があります。
Q: グループ化の基準は部門ごとでなくても良いですか?
A: はい。利用者数や業務ピークを見て時間帯を分けられれば部門・学年など任意の基準で構いません。
Q: 掲示板周知だけで十分でしょうか?
A: 問題文に「マニュアル配布及び掲示板で利用者に周知」とあるため、複数チャネルでの告知が求められます。

関連キーワード: 負荷分散, QoS, 帯域制御, 利用時間調整, WAN障害対策

設問3〔WASの導入〕について、(1)~(3)に答えよ。

(1)本文中の下線③の識別に使用される、OSI基本参照モデルの第7層以上の情報を二つ答えよ。

模範解答

①:IPアドレス ②:ポート番号

解説

解答の論理構成

  1. 問題文では、PBR(Policy Based Routing)によって「ルータはFSで使用しているCIFS(Common Internet File System)プロトコルのパケットを識別」するとあります。CIFS は TCP 上で動作するファイル共有プロトコルであり、通常 TCP/445(旧来は TCP/139)を使用します。
  2. ルータが PBR で特定のアプリケーション通信を抜き出すとき、一般的に参照できるのは
    ・IP ヘッダ中の送信元/宛先「IPアドレス」
    ・TCP/UDP ヘッダ中の「ポート番号」
    の 2 つです。
  3. これらは OSI 基本参照モデルで見ると、
    ・IPアドレスは「第3層(ネットワーク層)」、
    ・ポート番号は「第4層(トランスポート層)」
    の情報に該当し、PBR が利用できる最小限かつ代表的な識別子です。
  4. よって、下線③で求められる「OSI基本参照モデルの第7層以上の情報を二つ」は
    「IPアドレス」と「ポート番号」になります。

誤りやすいポイント

  • 「第7層以上」と読んでアプリケーション固有のバナーやペイロード内容を答えてしまう。PBR が標準機能だけで扱えるのはレイヤ 3・4 情報である点に注意が必要です。
  • プロトコル名(CIFS)そのものを回答に書き、識別“手掛かり”として求められているヘッダ情報を外すケース。
  • VLAN ID などデータリンク層の識別子を書く誤答。設問は IP ルータが参照する情報を問うています。

FAQ

Q: Deep Packet Inspection 装置ならアプリケーション層のシグネチャも使えますか?
A: 可能ですが、本設問は「ルータ」「PBR」という前提なので、標準的なレイヤ 3/4 情報を答えるのが適切です。
Q: 送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスのどちらを書くべきですか?
A: どちらでも IP アドレスという分類は同じため、試験では「IPアドレス」とまとめて記述すれば正解になります。
Q: ポート番号は TCP と UDP のどちらを指定すべきか?
A: CIFS は TCP 上で動作するため TCP ポート番号を利用します。設問は識別に使われる情報として「ポート番号」とだけ書けば十分です。

関連キーワード: ポリシーベースルーティング, IPヘッダ, TCPポート, パケット識別, PBR

設問3〔WASの導入〕について、(1)~(3)に答えよ。

(2)本文中の下線④の処理の効果がより高くなるのは、本部と支部間の通信の特性がどのような場合か。20字以内で具体的に述べよ。

模範解答

ラウンドトリップ時間が大きい場合

解説

解答の論理構成

  1. 問題文の確認
    下線④には「データの送信元に対して代理応答を行ってデータをキャッシュして静止した後に、もう一方の WAS 宛てに一括してデータを送信する」とあります。これは、WAS が TCP などの上位プロトコルに対し“近く”で ACK を返すことで待ち時間を隠蔽し、区間間の転送をバッチ化する仕組みです。
  2. 代理応答型高速化の原理
    ・通常の TCP では、送信側は ACK を受け取るまでウィンドウを拡大できません。
    ・WAS が「代理応答」を返せば、送信側は即座に次のデータを送出できます。
    ・キャッシュ完了後に遠隔側 WAS へまとめて送るため、WAN 区間での“往復待ち”が大幅に減ります。
  3. 効果が最大になる条件
    TCP のスループット近似式は

    で示され、RTT(ラウンドトリップ時間)が大きいほど理論上の上限は低下します。代理応答で RTT 依存を縮小できるため、
    「RTTが大きい=待ち時間が長い」ほど改善幅が大きくなります。
  4. 結論
    よって、問われている「本部と支部間の通信の特性」は
    「ラウンドトリップ時間が大きい場合」
    となります。

誤りやすいポイント

  • 帯域幅(Mbps)が狭い区間と誤解し、帯域不足こそが効果要因と答えてしまう。実際は待ち時間(遅延)への対策です。
  • パケット損失率が高い区間と混同する。損失は再送制御で別の問題ですが、設問は「RTT」に着目しています。
  • 「距離が長い」とだけ記述して具体性を欠く。距離は遅延に影響しますが、評価指標は“ラウンドトリップ時間”です。

FAQ

Q: 帯域が十分でも RTT が大きければ高速化装置は有効ですか?
A: はい。広帯域でも RTT が大きいと ACK 待ちでスループットが頭打ちになるため、代理応答型 WAS は効果を発揮します。
Q: パケットロスが多い場合は別途対策が必要ですか?
A: 代理応答で遅延は隠蔽できますが、損失が大きいと再送が頻発し効果が薄れます。ロスは QoS や回線品質改善で別途抑制するのが望ましいです。
Q: 代理応答は通信の信頼性に影響しませんか?
A: WAS 同士でエンドツーエンドの信頼性を維持するため、キャッシュ保持期間中に障害が起きても再送・再同期機能でデータ整合性を確保します。

関連キーワード: WAN高速化, RTT, TCPウィンドウ, キャッシュ, 代理応答

設問3〔WASの導入〕について、(1)~(3)に答えよ。

(3)本文中の下線⑤の機能はどのような場合に必要となるのか。20字以内で具体的に述べよ。

模範解答

片側の WAS が故障した場合

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】には、WAS が「“データの高速化処理” を行う」とあり、さらに下線⑤で「データの高速化処理を自動的に停止する機能」があることが示されています。
  • 同じ段落には、下線④として「データの送信元に対して代理応答を行ってデータをキャッシュして…一括してデータを送信」と記されています。これは、WAS 同士が互いに “通信の中継兼キャッシュ” を行うプロキシ型の動作であり、両端装置が正常に連携して初めて成立する仕組みです。
  • したがって、一方の WAS が故障するともう一方はキャッシュしたパケットを相手に渡せず、結果として通信が停止してしまいます。この事態を避けるため、正常側は自動的に高速化処理(=プロキシ的な介在)を停止し、通常のルータ経由で直接通信させる必要があります。
  • 以上より、下線⑤の機能が必要となる具体的な場面は「片側の WAS が故障した場合」です。

誤りやすいポイント

  • 「帯域圧縮が効果を発揮しないほど回線が空いている場合」と誤解してしまう。実際には装置障害時のフェールセーフが主目的です。
  • 「両方の WAS が同時に故障した場合」と回答してしまう。自動停止は“一方が生きている”状態で直接通信へ切り替えるための機能です。
  • 高速化処理を“手動で切る”運用手順だと思い込み、設問に“自動”のキーワードを落とす。

FAQ

Q: 片側障害時に自動停止しないと何が起こるのですか?
A: 故障している側へキャッシュを転送できず、正常な側が再送を繰り返してタイムアウトし、通信全体が遅延または停止します。
Q: 両側とも正常でも高速化を停止するケースはありますか?
A: 運用上のメンテナンスや検証を行う場合に手動で停止することはありますが、“自動停止”は主に故障検知時に働きます。
Q: 自動停止後に通信品質は落ちますか?
A: 高速化は無効になるためスループットは低下しますが、TCP の再送制御によりデータ整合性は確保されます。

関連キーワード: WAN高速化, フェールセーフ, プロキシキャッシュ, QoS
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