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ネットワークスペシャリスト 2014年 午後1 問02


ファイアウォールの障害対応に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

 Z社は、美容用品・健康用品を扱う企業である。Z社には企画部と営業部があり、各部のPCは部署ごとのVLANに属している。ネットワークの管理は、企画部システム課のO主任とU君が行っている。Z社の現在のネットワーク構成を、図1に示す。
ネットワークスペシャリスト(平成26年度 午後1 問02 図01) ↩設問2(1) ↩設問2(5) ↩設問3(1)
〔FWの構成と交換作業〕  Z社では、FW1を主系に設定し、FW2を副系に設定したActive-Standby冗長構成を採用し、運用を行っている。通常時、FWは、必ず主系がActive動作になり、副系がStandby動作に入る仕様である。  FWでは、ア と呼ばれる機能によって、ネットワークアドレス及びポート番号の変換を行っている。また、主系から副系にフェールオーバした後も通信を継続させるために、FWが通信の中継のために管理している情報(以下、管理情報という)を自動的に引き継ぐ イ フェールオーバ機能を動作させている。FWがフェールオーバした後に、多くのアプリケーションでデータの保全性が保たれて平常どおり通信できるのは、①トランスポート層のプロトコルの機能によることが大きい。  FW1とFW2の間にはフェールオーバリンクと呼ばれる専用接続があり、設定情報の同期、管理情報の複製、及び対向FWの動作状態の識別に使用されている。フェールオーバリンクには、ケーブル直結にする構成とSWを挟む構成があるが、Z社では、②障害切分けのためにSW2を挟む構成を採用している。FWの冗長構成及びフェールオーバに関する動作は、次のとおりである。  ・FWの冗長化機能は、仮想アドレスを使用する方式ではなく、主系のIPアドレス及びMACアドレスを副系が引き継ぐ方式である。  ・新たにActive動作になったFWは、切り替わったことを通知するフレームをFWの各ポートから送信する。FWに接続しているスイッチは、このフレームを受信することで、③レイヤ2機能で用いるテーブルを適切に更新することができる。  ・Active動作のFWを副系から主系に切り戻すためには、手動操作が必要である。  ・FWは、起動時にフェールオーバリンクによって、他のActive動作中のFWを認識すると、主系又は副系であるかにかかわらずStandby動作になる。このとき、FWは自己の設定情報を無視して、Active動作中のFWから設定情報を同期する。    Z社では、数日前にFW1が故障して、FW2にフェールオーバした。U君は、通信に影響を与えずに交換できると考え、代替機を入手次第、交換作業を行うことにした。作業当日、U君は、FW1を工場出荷時の設定のままの代替機と交換し、配線後に電源を投入した。少したってからSW2を見ると、FW1接続ポートで、OSI基本参照モデルのウ層での正常接続を表すリンクLEDが消灯していた。そこで、UTPのコネクタを強く押し込んだところ点灯した。その直後から、システム課にDMZ及び社外へのアクセスができないとの苦情が相次いだ。慌てて、FW1とFW2を確認すると、両方ともZ社用のフィルタリングルールを含む設定情報が失われていたので、直ちにFW1の設定情報を復元し、FW2に設定情報を同期させた。しかし、その後もアクセスできないとの苦情が続いた。U君は、事故の原因を特定して通信を回復した後、今回の交換作業における事故では、次の二つが関係していることを確認した。  ・FW1は、電源投入後にFW2を認識できず、Active動作になった。  ・フェールオーバリンク接続時に、FW1が主系設定であったので、副系のFW2はFW1から設定情報の同期と管理情報の複製を行い、Standby動作に切り替わった。    次は、今回の交換作業に関するO主任 とU君の会話である。  O主任:今回、FW1の交換作業のミスは、U君らしくなかったわ。  U君:すみません。うかつでした。  O主任:FW1とFW2の設定を復元後も、通信が回復しなかったのはなぜかしら。  U君:FW1を代替機に交換した結果、FW1の各ポートのMACアドレスが変わったので、通信ができなかったのです。FWには、自ポートに設定されたIPアドレスの解決を要求する エ を用いて接続機器のARPテーブルを更新する機能がないので、手動操作が必要でした。このようなミスの再発防止のために、FW故障時の交換作業手順を整理しておきます。  O主任:お願いします。それから、FWの管理の都合上、フィルタリングルールを企画部と営業部で分けたいので、仮想FWを導入する案の検討をお願いできないかしら。  U君:はい、分かりました。    U君は、FW故障時の交換作業手順を整理し、表1にまとめた。   ネットワークスペシャリスト(平成26年度 午後1 問02 表01) ↩設問2(5)
〔仮想FW導入案の検討〕  まず、U君は、仮想FWについて調査した。仮想FWとは、FW1及びFW2の中に論理的なFWの機能を複数定義できる機能である。フィルタリングルールは、仮想FWごとに独立して設定できる。仮想FWには、FWの各ポート(フェールオーバリンク用ポートを除く)に相当する仮想ポートがあり、それぞれにIPアドレス及びVLAN番号を割り当てる。仮想FWとの通信は、オVLANを使用して1本のリンクに複数のVLANを収容する接続(以下、トランク接続という)を行い、VLAN番号を合致させることで可能になる。  U君は、企画部用の仮想FW及び営業部用の仮想FWの両方を、それぞれFW1及びFW2に定義する構成案を考えた。仮想FWの導入に伴い、企画部と営業部のVLAN間通信を廃止する。DNSサーバ及びWebサーバは現在のままとし、トランク接続を使用しない。新たに機器を購入せずに、④2台のスイッチを相互に入れ替えて対処する。  さらに、仮想FWについて調査を進めると、Active-Active冗長構成にした物理FW〔FW1及びFW2〕に、⑤Active動作に設定した仮想FWを適切に配置すると、物理FW間での負荷が分散可能であることが分かった。    U君は、これらの調査結果をO主任に報告し、仮想FWの導入案は了承された。仮想FWの導入作業は、翌月の法定点検による全館停電日に合わせて行うことになった。

設問1:

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本文中のア〜オに入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

ア:NAPT イ:ステートフル ウ:物理 又は 第1 エ:Gratuitous ARP又は GARP オ:タグ 又はTag

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】「FWでは、ア と呼ばれる機能によって、ネットワークアドレス及びポート番号の変換を行っている。」
    → “ネットワークアドレス及びポート番号”の両方を変換するのはNetwork Address Port Translation。略称は “NAPT” であるため ア=「NAPT」。
  • 【問題文】「管理している情報…を自動的に引き継ぐ イ フェールオーバ機能」
    → セッション状態(ステート)を保持して切替える機能は “ステートフル(failover)” と呼ばれる。よって イ=「ステートフル」。
  • 【問題文】「OSI基本参照モデルのウ層での正常接続を表すリンクLED」
    → LEDは物理信号の有無を示す。OSI第1層=物理層であり、リンクが点灯/消灯するのもここ。したがって ウ=「物理」。
  • 【問題文】「自ポートに設定されたIPアドレスの解決を要求する エ を用いて接続機器のARPテーブルを更新」
    → 自身のIP/MACを通知するARPは “Gratuitous ARP(GARP)” である。従って エ=「Gratuitous ARP」。
  • 【問題文】「仮想FWとの通信は、オVLANを使用して1本のリンクに複数のVLANを収容…(トランク接続)」
    → 1本の物理リンクにVLAN情報を付与して多重化する方式は “タグVLAN” と呼ばれる。以上より オ=「タグ」。

誤りやすいポイント

  • 「NAPT」と「PAT」を同義と捉えつつ、和文で “IPマスカレード” と書いてしまう誤答が多い。
  • “ステートフル” を “フェールセーフ” や “ホットスタンバイ” と混同しがち。
  • OSI層のLED表示はL2と早合点しやすいが、実際に点灯を司るのはL1。
  • “Gratuitous ARP” を “Proxy ARP” と取り違えるケースが頻発。
  • “タグVLAN” の対義語 “ポートVLAN(アクセスポート)” と混線し、単に “VLAN” とだけ書くと減点される。

FAQ

Q: 「NAPT」と「NAT」の違いは何ですか。
A: NATはアドレスだけを変換しますが、NAPTはアドレスに加え “ポート番号も併せて変換” します。複数端末が1つのグローバルIPを共有できる点が特徴です。
Q: ステートフルフェールオーバがない場合、何が起きますか。
A: セッション情報が引き継がれないため、TCPではコネクションがリセットされ、通信中のアプリケーションは再接続を要求されます。
Q: Gratuitous ARPはどのようなタイミングで送りますか。
A: IPアドレスの引継ぎやMACアドレス変更直後に送信し、ネットワーク機器のARPテーブルを更新します。これにより古いMAC宛のフレームが残らず、通信断を最小化できます。

関連キーワード: NAPT, ステートフル, 物理層, Gratuitous ARP, タグVLAN

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設問2:〔FWの構成と交換作業〕について、(1)〜(5)に答えよ。

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(1)図1において、機器間がトランク接続でなければならない箇所はどこか。図1中の機器名を用いて答えよ。

模範解答

SW3とL3SWの間

解説

解答の論理構成

  1. トランク接続が必要となる条件
    • VLAN間ルーティングや複数VLANの集約を1本の物理リンクで行うとき、そのリンクは “タグ付きフレームを通す” トランクポートに設定します。
  2. Z社ネットワークに存在する VLAN
    • 【問題文】に「企画部と営業部のPCは部署ごとのVLANに属している。」とあります。よって少なくとも「企画部VLAN」と「営業部VLAN」の2つが同時に存在します。
  3. 各スイッチの役割と接続構成
    • L3SWはルーティング機能を担当し、下位のL2スイッチへ各VLANを中継します。
    • SW3は1台のL2スイッチであり、その配下には「企画部VLANの端末」と「営業部VLANの端末」の両方がぶら下がっています。
    • したがって、SW3とL3SW間のリンクだけは2つ以上のVLANを同時に流す必要があり、トランク設定が必須です。
  4. 他リンクがトランク不要な理由
    • FWやDMZ側は個別セグメントで運用されており、問題文に「複数VLANを1本に収容する」旨の記載はありません。
    • SW2–L3SW間もDMZ側との単一セグメント接続であり、マルチVLANを流す要件は示されていません。
  5. 以上より、機器間がトランク接続でなければならない箇所は
    • 「SW3とL3SWの間」
      が正解になります。

誤りやすいポイント

  • DMZ用に複数VLANがあると想定し、SW2–L3SWを選んでしまう。
  • ファイアウォールへのリンクは “複数ネットワーク” という言葉から無条件にトランクだと勘違いする。
  • 図を見てSW3以外にも複数VLANが書き込まれていると早合点し、根拠を確認せずに複数箇所を回答する。
  • トランク=タグVLANとアクセス=アンタグVLANの概念整理が不十分で、L3SW側だけをトランクに設定すれば良いと誤解する。

FAQ

Q: トランク接続にしないと実際にはどんな障害が起きますか?
A: 企画部VLANのフレームか営業部VLANのフレームのいずれか一方しか流れず、もう一方の端末は通信できません。混在するSW3配下で「片方の部署だけネットワークに出られない」という事象になります。
Q: SW3を2台に分ければトランクは不要になりますか?
A: はい。企画部用と営業部用で物理的にスイッチを分離し、それぞれ単一VLANしか扱わない構成にすれば、L3SWとの接続はアクセスリンクで済みます。
Q: L3SW側でルーティングが動いているのにトランクが必要なのはなぜ?
A: ルーティングはL3SWのVLANインタフェース(SVI)単位で行います。その上で、下位スイッチへ各VLANのレイヤ2フレームを届ける必要があるため、物理リンクはタグ付き=トランクに設定するのが原則です。

関連キーワード: VLAN, トランクポート, レイヤ3スイッチ, タグ付フレーム, アクセスリンク

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設問2:〔FWの構成と交換作業〕について、(1)〜(5)に答えよ。

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(2)本文中の下線①のプロトコルの機能を、10字以内で答えよ。

模範解答

TCPの再送機能

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】には「FWがフェールオーバした後に、多くのアプリケーションでデータの保全性が保たれて平常どおり通信できるのは、①トランスポート層のプロトコルの機能による」とあります。
  2. フェールオーバ直後は一時的なパケットロスや順序乱れが発生します。これを上位層から隠蔽し、通信を継続させる代表的なトランスポート層プロトコルは「TCP」です。
  3. TCPは接続型であり、パケット未達を検出すると同一データを再送し、到達確認(ACK)を行うことで「データの保全性」を担保します。
  4. よって、①に該当する具体的な機能は「TCPの再送機能」と判断できます。

誤りやすいポイント

  • 「ウィンドウ制御」「フロー制御」もTCPの機能ですが、問題文が強調する“データの保全性”と“パケットロスへの耐性”に最も直結するのは再送機構です。
  • UDPは再送制御を持たないため誤答となります。
  • 「シーケンス番号」や「コネクション維持」だけを答えると機能名が不十分で減点対象になり得ます。

FAQ

Q: ACKとシーケンス番号も信頼性機構ですが、なぜ再送機能が答えなのですか?
A: ACKとシーケンス番号は再送判定の前提情報であり、実際にデータを補完して通信を継続させる主役は再送動作だからです。
Q: フェールオーバ時にTCPセッションは切れませんか?
A: 主系のIPアドレスとMACアドレスを副系が引き継ぎ、さらに「TCPの再送機能」により欠損分を補完するため、多くの場合セッションは維持されます。
Q: 再送タイマの値を短くすればもっと早く復旧しますか?
A: 過度に短縮すると輻輳を招く恐れがあります。ネットワーク全体の遅延特性を考慮して適正値を設定することが重要です。

関連キーワード: TCP, 再送制御, フェールオーバ, 信頼性制御, パケットロス

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設問2:〔FWの構成と交換作業〕について、(1)〜(5)に答えよ。

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(3)本文中の下線②を採用する利点は何か。50字以内で具体的に述べよ。

模範解答

一方のポート故障による対向ポートのリンク断を防ぎ、どちらのFWの障害か特定が容易になる。

解説

解答の論理構成

  1. まず本文には「フェールオーバリンクには、ケーブル直結にする構成とSWを挟む構成があるが、Z社では、②障害切分けのためにSW2を挟む構成を採用している。」とあります。
  2. ケーブル直結の場合、リンクが1本しかないため、ケーブル断や一方のポート障害が起きると両端でリンクダウンが発生し、どちらに原因があるのか判断しづらくなります。
  3. 一方、間にスイッチ(SW2)を入れると、FW1‐SW2とFW2‐SW2の2本の物理リンクに分割されます。この構成では、例えばFW1側ポートが故障してもSW2‐FW2間は生きているため、FW2からはリンクアップ状態のままです。
  4. したがって「どちらのFW側で障害が起きたか」をリンク状態だけで容易に切り分けられ、もう一方のFWが不要にリンクダウンすることも避けられます。
  5. 以上より、設問の利点は「一方のポート故障で対向ポートまで巻き込まず、障害箇所を特定しやすいこと」と説明できます。

誤りやすいポイント

  • スイッチを入れる目的を「帯域増加」や「負荷分散」と勘違いする。実際は障害切分けが主目的です。
  • フェールオーバリンクをVLANトランキングと混同し、レイヤ3冗長経路だと思い込む。ここでは単純なレイヤ2直結回線です。
  • 「SWを挟むと遅延が増えフェールオーバが遅くなる」と決めつける。実用上無視できる程度であり、本問の焦点は信頼性向上です。

FAQ

Q: スイッチを挟んだ場合、フェールオーバの検知が遅れることはありませんか?
A: 通常のリンクビートはそのまま流れるため遅延はほとんどありません。検知はほぼリアルタイムです。
Q: スイッチに障害が起きた場合はどうなりますか?
A: フェールオーバリンクが完全に断となり、両FWが互いを認識できなくなります。このときは両FWがActiveになる恐れがあるため、スイッチにも冗長化を検討します。
Q: 直接接続でもポートLEDで切り分けできるのでは?
A: 双方同時にリンクダウンするため、どちら側が原因か即断できません。スイッチを介すことで片側のみリンクダウンとなり、原因機器を容易に特定できます。

関連キーワード: フェールオーバリンク, ポート障害, リンクステータス, 障害切分け, 冗長構成

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設問2:〔FWの構成と交換作業〕について、(1)〜(5)に答えよ。

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(4)本文中の下線③のテーブル名を、15字以内で答えよ。

模範解答

MACアドレステーブル

解説

解答の論理構成

  1. 問題文の該当箇所を確認
    引用:
    「FWに接続しているスイッチは、このフレームを受信することで、③レイヤ2機能で用いるテーブルを適切に更新することができる。」
    ここで問われているのは “レイヤ2機能で用いるテーブル” の名称です。
  2. レイヤ2スイッチが保持する代表的なテーブルを整理
    • レイヤ2(データリンク層)のスイッチがフレーム転送に利用するのは、宛先MACアドレスとスイッチポートを対応付けるテーブルです。
    • このテーブルには学習したMACアドレスが登録されるため、機器がポートを変更すると書き換えが必要になります。
  3. 用語の正式名称を特定
    • 世間一般でも試験対策書でも「MACアドレステーブル」と呼ばれます。
    • 他に「フォワーディングテーブル」「学習テーブル」などの別名がありますが、問題文は “レイヤ2機能で用いる” とだけ述べており、もっとも標準的・直接的な名称で答えるのが適切です。
  4. よって解答は
    MACアドレステーブル

誤りやすいポイント

  • ARPテーブルと混同する
    ARPテーブルはIPアドレスとMACアドレスの対応関係を保持するL3側のデータです。レイヤ2スイッチが自動学習するテーブルとは役割が異なります。
  • CAMテーブルという表現に迷う
    機器ベンダによってはCAM(Content-Addressable Memory)テーブルとも呼びますが、試験では一般的な「MACアドレステーブル」を用いることが多いです。
  • ルーティングテーブルを想起してしまう
    フェールオーバの話題で「切り替え=経路制御」と早合点し、L3のテーブルを答えてしまうミスが散見されます。問題文は “レイヤ2” と明示しています。

FAQ

Q: スイッチが受信した通知フレームは具体的に何を更新するのですか?
A: フレームの送信元MACアドレスを学習し、そのアドレスが接続されているポート情報を「MACアドレステーブル」に書き込み直します。
Q: ARPテーブルをクリアする操作とMACアドレステーブルの更新はどう違いますか?
A: ARPテーブルはL3機器(ルータやホスト)で手動クリアが必要な場合があります。一方、スイッチのMACアドレステーブルはフレーム受信により自動学習・自動更新されるため通常は手動操作が不要です。
Q: 冗長構成でフェールオーバ直後に通信が途絶える原因は?
A: 新しい主系機のポートMACアドレスが変わり、スイッチ側の「MACアドレステーブル」に旧ポート情報が残っていると誤転送が起こり、通信が一時的に不通になることがあります。

関連キーワード: MACアドレス, スイッチングテーブル, フェールオーバ, ARP

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設問2:〔FWの構成と交換作業〕について、(1)〜(5)に答えよ。

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(5)表1中のaに入れる機器名を、図1中の機器名を用いて三つ答えよ。また、bに入れる確認内容を、20字以内で答えよ。

模範解答

a:ルータ、DNSサーバ、Webサーバ b:FW1から設定情報が同期されたこと

解説

解答の論理構成

  1. ARPテーブルを初期化すべき機器の抽出
    • 表1の(5)では「L3SW, a について初期化する。」とある。
    • 交換後に変化するのは「FW1の各ポートのMACアドレス」なので、FW1と直接IP層で通信し、ARPキャッシュを保持する機器が対象になる。
    • 図1でFW1と直接IP通信を行うのは「ルータ」「DNSサーバ」「Webサーバ」の3機器である。これらはいずれもL3機能(ARPテーブル)を持つホスト/ルータであり、ARPエントリの更新が必要になる。
      ⇒ a=「ルータ、DNSサーバ、Webサーバ」
  2. FW2交換時に確認すべき内容の導出
    • 表1のFW2‐(3) は「Standby動作に入り、b を確認する。」
    • 交換作業手順の目的は、Active側(今回なら「FW1」)と同一の設定でStandbyに入ること。
    • 問題文には「副系のFW2はFW1から設定情報の同期と管理情報の複製を行い、Standby動作に切り替わった。」と記載されている。
    • よって確認すべきなのは「FW1から設定情報が同期されたこと」。
      ⇒ b=「FW1から設定情報が同期されたこと」

誤りやすいポイント

  • SW2やSW4を a に入れてしまう
    レイヤ2スイッチはARPテーブルを保持しないため初期化対象外です。
  • 「管理情報の複製」まで b に含めてしまう
    確認ステップは“設定情報”にフォーカスしており、用語を広げると減点対象になります。
  • Active / Standbyの立場を取り違える
    FW1交換時はFW2がActive、FW2交換時はFW1がActiveという前提を忘れやすいです。

FAQ

Q: ARPテーブルの初期化はどのように行いますか?
A: ルータやサーバのOSコマンド(例: arp -d)で該当IPのエントリを削除するか、機器再起動でクリアします。
Q: もしARPテーブルを初期化しなかった場合、どのような現象が起きますか?
A: 古いMACアドレス宛のフレームが送信され続けるため、通信断やタイムアウトが発生します。
Q: 仮想FWを導入した場合、ARPテーブル初期化手順は変わりますか?
A: 仮想FWでも物理ポートのMACアドレスが変わる場合は同様の対応が必要です。仮想化によりMACが不変なら省略可能です。

関連キーワード: NAT, フェールオーバ, ARPキャッシュ, 冗長構成, トランキング

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設問3:〔仮想FW導入案の検討〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(1)本文中の下線④の入れ替えを、図1中の機器名を用いて答えよ。ただし、各機器のポートには、余裕があるものとする。

模範解答

SW4とL3SWを相互に入れ替える。

解説

解答の論理構成

  1. 仮想FW導入後は、FWとの間を「“オVLANを使用して1本のリンクに複数のVLANを収容する接続(以下、トランク接続という)”」で結ぶ計画です。
  2. トランク接続では、VLAN間ルーティングを行うレイヤ3機能を持つスイッチがFW直近に位置していることが望ましく、仮想FWに接続するスイッチにはIPルーティング機能が必要です。
  3. ところが本文には「“DNSサーバ及びWebサーバは現在のままとし、トランク接続を使用しない。”」とあり、DMZ側(DNS/Webサーバ側)はレイヤ2スイッチで十分であることが示唆されています。
  4. 現状の図1では、FWに最も近い位置にあるDMZ側のスイッチが「SW4」、社内VLAN間ルーティングを担っているのが「L3SW」です。
  5. そこで「“④2台のスイッチを相互に入れ替えて”」という指示の対象は、
    ・FW直近に置いてトランク接続を張りたいL3機能付きスイッチ … 「L3SW」
    ・DMZだけを収容し、レイヤ2で足りるスイッチ … 「SW4」
    の2台になります。
  6. ゆえに解答は「SW4とL3SWを相互に入れ替える。」となります。

誤りやすいポイント

  • “トランク接続を使用しない”の主語を取り違え、DMZ側ではなく社内側と誤解する。
  • 「相互に入れ替える」を単純に“前後の配線を差し替える”と受け取り、物理配置変更の必要性を見落とす。
  • レイヤ2/レイヤ3スイッチの機能差を意識せず、トランキングとルーティングの関係を結び付けられない。

FAQ

Q: トランク接続を行うとき、必ずレイヤ3スイッチが必要ですか?
A: VLAN間ルーティングをFW側で完結させる設計もありますが、本問は仮想FWがVLANをまたいで動くため、FW直近にIPルーティング機能を持つ「L3SW」がある方が合理的です。
Q: DMZにL3SWを残してはいけないのでしょうか?
A: DMZはサーバ台数が少なく、VLANも単一です。レイヤ3機能を置いても利用価値が乏しいため、コストとポート数の観点からレイヤ2スイッチ「SW4」で十分です。
Q: 物理的にスイッチを入れ替える際、停止時間をどう確保しますか?
A: 本文に「“翌月の法定点検による全館停電日”」とあるように、全システムが止まるタイミングを利用することで業務影響を最小化しています。

関連キーワード: VLAN, トランキング, レイヤ3スイッチ, 仮想FW, フェールオーバ

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設問3:〔仮想FW導入案の検討〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(2)本文中の下線⑤の配置を、50字以内で具体的に述べよ。

模範解答

・FW1で企画部用の仮想FWを、FW2で営業部用の仮想FWを、それぞれActiveにする。 ・FW2で企画部用の仮想FWを、FW1で営業部用の仮想FWを、それぞれActiveにする。

解説

解答の論理構成

  1. 問題文は、仮想FWを「複数定義できる機能」とし、「仮想FWごとに独立して設定」できると述べています。
    引用: 「仮想FWとは、FW1及びFW2の中に論理的なFWの機能を複数定義できる機能である。フィルタリングルールは、仮想FWごとに独立して設定できる。」
  2. また、負荷分散の鍵となる記述として、下線⑤には「Active動作に設定した仮想FWを適切に配置」とあります。
    引用: 「⑤Active動作に設定した仮想FWを適切に配置すると、物理FW間での負荷が分散可能」
  3. 負荷を分散したい対象は「企画部用の仮想FW及び営業部用の仮想FW」であり、両方を「FW1及びFW2に定義」すると記載されています。
    引用: 「企画部門の仮想FW及び営業部門の仮想FWの両方を、それぞれFW1及びFW2に定義する構成案」
  4. 以上より、最適な配置は
    ・企画部用の仮想FWはFW1がActive/FW2がStandby
    ・営業部用の仮想FWはFW2がActive/FW1がStandby
    と互い違いにすることで、2台の物理FWの処理をバランス良く分散できます。
  5. 模範解答は次の2パターンを提示しています。
    引用:
    「・FW1で企画部用の仮想FWを、FW2で営業部用の仮想FWを、それぞれActiveにする。
     ・FW2で企画部用の仮想FWを、FW1で営業部用の仮想FWを、それぞれActiveにする。」
  6. いずれも「互い違いのActive割当」である点が共通で、これが設問要求「⑤Active動作に設定した仮想FWを適切に配置」の具体的内容となります。

誤りやすいポイント

  • 2つの仮想FWを同一物理FWでどちらもActiveにすると、負荷分散にならず設問意図を満たしません。
  • Standbyの割当を記述せずActiveだけを書き並べると、構成が不明確として減点対象になりやすいです。
  • 「トランク接続」や「VLAN番号」の話題と混同し、配置ではなく接続方式を答えてしまうミスが散見されます。

FAQ

Q: 2パターンとも書く必要がありますか?
A: 設問は「配置を具体的に述べよ」とあり、模範解答は代表例を2通り示しています。片方だけでも「互い違いのActive割当」が明確なら採点上は正となります。
Q: Standby側の記述は必須でしょうか?
A: Activeとセットで記述することで「互い違い」の構成が明確になります。Standbyを明示しないと採点基準によっては不完全と判断される可能性があります。
Q: Active-Active構成と負荷分散の違いが分かりません。
A: Active-Activeは物理機器(FW1・FW2)の両方が同時に通信を処理する構成、負荷分散は実際のトラフィックをどちらに振り分けるかという運用上の効果を指します。互い違いに仮想FWをActiveにすることで、結果として2台の物理FWで処理が分散します。

関連キーワード: 仮想ファイアウォール, Active-Active, フェールオーバ, VLAN, 負荷分散

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