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ネットワークスペシャリスト 2014年 午後1 問03


ネットワークのセキュリティ対策に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。

 X銀行は、Q県を本拠地とする中堅の地域金融機関である。X銀行は、基幹システムである勘定系システムの運用を他行との共同センタに委託しているが、自行でもコンピュータセンタをもっており、インターネットバンキングはX銀行独自のシステム (以下、IBシステムという) で運用している。IBシステムの構成を、図1に示す。
ネットワークスペシャリスト(平成26年度 午後1 問03 図01) ↩設問2(2)
 IBシステムは、Webを使ったインターネット経由の顧客向けサービスである。IBシステムは、勘定系システムで管理している口座残高などの情報を除き、独自のユーザID、パスワードなどの重要情報をデータベースに保有している。IBシステムのWebサーバは、業務セグメントのPCからもアクセスできる。  最近、IBシステムへのサイバー攻撃が増加している。金銭的な被害は発生していないが、セキュリティインシデントは頻繁に発見されている。   〔サイバー攻撃対策〕  X銀行では、サイバー攻撃対策のためのセキュリティ担当者として、システム企画部の主任のF氏が任命されている。次は、新たにシステム企画部に着任したG君とF氏の会話である。  G君:最近のサイバー攻撃にはどのようなものがあるのですか。  F氏:最近、標的システムへの通信量を増大させて、ネットワークやサーバの処理能力を占有することによって、正常な取引の処理を妨害し、場合によってはサーバをダウンさせるDoS攻撃が、頻繁に発生している。特に、多数のコンピュータが標的サーバを集中的に攻撃する ア 型DoS攻撃は、発信元のコンピュータの特定が難しいので、被害が大きくなると言われている。DoS攻撃には、TCPのパケットを大量に送信し、応答待ちにして新たな接続を妨害するSYN イ 攻撃や、コネクションレスのUDPパケットを使ったUDP イ 攻撃などがある。  G君:DoS攻撃といえば、DNSの機能を悪用したものがあるそうですね。  F氏:例えば、PCなどから問合せを受けたDNSサーバが、他のDNSサーバにも問合せを行い、最終的な結果を返信する ウ 的な問合せにおいて、発信元のIPアドレスを詐称して、その問合せの結果を標的サーバ宛てで送信させるDNS エ 攻撃と呼ばれるものがある。このような、オープンリゾルバを用いた攻撃に関しては、自らも攻撃の a とならないようにすることが重要だ。サイバー攻撃に対応するためには、常に最新のセキュリティ対策を施しておく必要がある。  X銀行では、DNSへのサイバー攻撃に対応するために、IBシステムに様々な対策を施している。そのうちの一つが、DNSのセキュリティ対策である。   〔DNSのセキュリティ対策〕  IBシステムのDNS概念図を、図2に示す。
 図2のDNSは、次のセキュリティ対策方針に基づいて構築されている。  ・DNSサーバが管理するドメインを、DMZ(外部向けゾーン)と内部セグメント(内部向けゾーン)に分け、それぞれゾーン転送を行う。  ・①DMZのDNSサーバは、キャッシュ機能を無効にしたセカンダリの冗長構成として、DMZに設置されたグローバルIPアドレスを割り当てられたWebサーバの名前解決に使用する。  ・内部セグメントのDNSサーバは、プライマリ、セカンダリ、キャッシュをそれぞれ別のサーバ機器で稼働させる。  ・内部セグメントのプライマリDNSサーバには、DNSの問合せが来ないようにし、ゾーン転送の宛先は自行内のセカンダリサーバに限定する。  ・内部セグメントのセカンダリDNSサーバは、内部セグメントに設置されたデータベースサーバの名前解決に使用する。  ・FWにおいて、内部セグメントのDNSサーバからDMZのDNSサーバへの通信は、TCP/UDPともポート番号53番だけを許可する。    DNSの対応を含めた上記のセキュリティ対策を正しく実装し、実効性を確保することが必要である。    次は、侵入検査とインシデント管理に関する、F氏とG君の会話である。  G君:被害が発生してからでは遅いのではないでしょうか。被害を未然に防ぐ対策はないのですか。  F氏:そうだね。当行では、実際に脆弱性があるかどうか調査するための侵入検査、いわゆる オ テストを定期的に実施して、セキュリティ対策の状況を評価している。しかし、それだけでなく、平常時の状態をよく監視しておき、被害が発生する前の兆候をつかむことが大切だ。そのためにはインシデント管理が重要だと考えている。また、②外部からの不正アクセスだけでなく、内部から外部への通信にも十分に注意しなければならないね。  G君:少しでも不審な動きがあったら、事前に定めておいた対応手順に従って、迅速に対応する必要があるということですね。   〔インシデント管理〕  IBシステムにおいて、不正侵入などのサイバー攻撃に関わる重大なインシデントが発生した場合、社内のインシデント発見者又は社外からのインシデント連絡を受け付ける担当者が、定められた手順に従ってセキュリティ担当者への連絡を行う。インシデントの連絡を受け付けたセキュリティ担当者は、発生したインシデントの状況を把握し記録した後、必要な対処を実施することが定められている。  IBシステムにおいて、サイバー攻撃に関わる重大なインシデントが発生したときのために、X銀行が定めた対応手順を、図3に示す。
 X銀行では現在、適切なセキュリティ対策を実施し、インシデント発生時に迅速に対応することによって、IBシステムを順調に稼働させている。

設問1:

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本文中のア~オに入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

ア:分散 イ:フラッド ウ:再帰 エ:リフレクタ オ:ペネトレーション

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】には「多数のコンピュータが標的サーバを集中的に攻撃する ア 型DoS攻撃」とあり、複数端末が協調して行うDoSは “Distributed” =「分散型」です。したがって[ア]は「分散」です。
  • 次に「TCPのパケットを大量に送信し…SYN イ 攻撃や、…UDPパケットを使ったUDP イ 攻撃」と記載されています。「SYN Flood」「UDP Flood」が典型例なので、[イ]は「フラッド」となります。
  • DNSについては「他のDNSサーバにも問合せを行い、最終的な結果を返信する ウ 的な問合せ」と記されています。他のサーバへ問い合わせを転送し応答を返す方式は “recursive query” であり、邦訳は「再帰問い合わせ」です。よって[ウ]は「再帰」です。
  • 同じ文中で「発信元のIPアドレスを詐称して、その問合せの結果を標的サーバ宛てで送信させるDNS エ 攻撃」とあります。問合せを第三者サーバに送りつけ、その応答を跳ね返させるタイプは “reflector attack” なので[エ]は「リフレクタ」です。
  • 「実際に脆弱性があるかどうか調査するための侵入検査、いわゆる オ テスト」という一文があります。侵入検査を英語で “penetration test” と呼ぶため、[オ]は「ペネトレーション」となります。
以上より模範解答
ア:分散
イ:フラッド
ウ:再帰
エ:リフレクタ
オ:ペネトレーション

誤りやすいポイント

  • [ア]で「大規模」「ボットネット」などと書いてしまうケースが多いですが、キーワードは “Distributed”=「分散」に直結します。
  • [イ]は攻撃手法の末尾語を問う設問です。「SYN Flood」を「SYN Spoof」と誤記しやすいので注意してください。
  • DNSに関する[ウ]・[エ]は「再帰」「リフレクタ」のセットで覚えておくと混同しにくくなります。
  • [オ]は“Penetration”が正式語。「ペネトレ―ション」など表記揺れを書かないようにしましょう。

FAQ

Q: DoSとDDoSの違いは何ですか?
A: 攻撃元が単一か多数かの違いです。単一ホストからのサービス妨害がDoS、複数ホスト(分散)からの同時攻撃がDDoS(分散型DoS)です。
Q: DNSの再帰問い合わせは常に危険なのでしょうか?
A: 正しく設定すれば問題ありませんが、オープンリゾルバ状態で公開するとリフレクタ攻撃の踏み台になりやすく、外部向けには再帰を無効化するのが一般的です。
Q: ペネトレーションテストと脆弱性スキャンの違いは?
A: 脆弱性スキャンはツールで既知の弱点を列挙する調査、ペネトレーションテストは実際に攻撃を試みて侵入可否を検証する実践的評価です。

関連キーワード: DDoS, SYN Flood, DNS再帰, リフレクタ攻撃, ペネトレーションテスト

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設問2:〔サイバー攻撃対策〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(1)本文中のaに入れる適切な字句を答えよ。

模範解答

a:踏み台

解説

解答の論理構成

  1. 問題文の該当箇所の確認
    セリフ中に「オープンリゾルバを用いた攻撃」に触れたあと、F氏が
    「自らも攻撃の a とならないようにすることが重要」
    と述べています。
  2. オープンリゾルバを悪用する典型的な攻撃手法
    発信元IPアドレスを詐称し、第三者のDNSサーバに問い合わせを行わせることで標的に大量の応答パケットを送りつける「DNS エ 攻撃」(DNSアンプ攻撃/DNSリフレクション攻撃)が代表例です。
    このとき第三者のDNSサーバは攻撃者と標的の間で “中継点” として使われます。
  3. “中継点” を指す情報セキュリティ用語
    不正アクセスやDoS攻撃で第三者マシンを経由地に利用する行為は、実務でも試験対策でも「踏み台にされる」「踏み台として利用される」と表現されます。
  4. 空欄 [a] に適切な語
    よって「自らも攻撃の a とならないようにする」の [a] には
    「踏み台」
    が入るのが妥当です。

誤りやすいポイント

  • 「中継」「経由地」など一般語で書いてしまう
    用語として求められているのは情報セキュリティ分野で定着した「踏み台」です。
  • DNS専用語と混同する
    「リゾルバ」「キャッシュサーバ」といった機能名を空欄に当てはめる誤答が見られますが、文脈は“自組織が攻撃手段に使われる”リスクを指摘しています。
  • オープンリゾルバ=攻撃の主体と誤解
    試験では「踏み台」は攻撃の“発信源”ではなく“利用される側”を示す点に注意が必要です。

FAQ

Q: 踏み台にされる原因は何ですか?
A: 外部から誰でもDNS再帰問い合わせを行える設定(オープンリゾルバ)や、パッチ未適用サーバなどが狙われます。アクセス制御とソフトウェア更新で防止できます。
Q: 踏み台にされると自社はどんな被害を受けますか?
A: 加害者側とみなされ調査・賠償請求の対象になる、ネットワーク帯域やCPUを消耗して業務システムが遅延するなど多方面のリスクがあります。
Q: オープンリゾルバを閉じる具体策は?
A: 「再帰問い合わせの許可範囲を自組織のIP範囲だけに限定」「不要なUDP/53の外向け応答をFWで遮断」などが典型的対策です。

関連キーワード: DNSアンプ攻撃, リフレクション, 再帰問い合わせ, DoS

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設問2:〔サイバー攻撃対策〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(2)大量のパケットを送信する攻撃として、大きなサイズのICMPエコー応答を使ったものがある。この攻撃を防御するために、図1中のFWがもつべき機能は何か。30字以内で具体的に述べよ。

模範解答

断片化されたエコーパケットを許可しない機能

解説

解答の論理構成

  1. 問題文は「大量のパケットを送信する攻撃として、大きなサイズのICMPエコー応答を使ったものがある」と述べています。これは一般に “Ping of Death” と呼ばれ、規格上の最大サイズを超えるICMPエコーを複数のIPフラグメントに分割して送り付け、再組立て時にシステム資源を枯渇させるDoS手法です。
  2. ファイアウォールで対策するなら、攻撃の鍵となる「フラグメント化された エコーパケット」を通さなければ被害を防止できます。
  3. したがって、図1の FW が備えるべき具体的機能は「断片化されたエコーパケットを許可しない」ことになります。

誤りやすいポイント

  • ICMPを全面的にブロックする回答
    → 正常なネットワーク診断にもICMPが必要なため過剰防衛です。
  • 「パケット数のしきい値超過で遮断」などレート制限系の回答
    → 本攻撃の本質はパケットサイズと断片化にあるため的外れです。
  • 「シーケンス番号をチェックする」などTCP/UDP前提の回答
    → 問題文はICMPを対象としており、プロトコルを取り違えています。

FAQ

Q: 断片化を拒否すると、正当なフラグメントも影響しませんか?
A: 通常運用ではICMP Echoにフラグメントが必要なケースは稀です。必要に応じてICMPのみサイズ制限を設ける、あるいはMTUを調整する方法で業務影響を最小化できます。
Q: Ping of Death以外のICMP系DoSも防げますか?
A: フラグメント拒否はPing of Deathに有効ですが、ICMP Floodなどパケット数で圧迫する攻撃には別途レート制限やIDS/IPSが必要です。
Q: 外部だけでなく内部発生の攻撃にも効きますか?
A: 内部端末が不正化した場合にも同様にフラグメントICMPを遮断できるため、②の「内部から外部への通信にも十分に注意」にも沿った防御策になります。

関連キーワード: ICMP, Ping of Death, フラグメント, ファイアウォール, DoS

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設問3:〔DNSのセキュリティ対策〕について、(1)~(3)に答えよ。

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(1)本文中の下線①の対策をとらなかった場合、どのようなセキュリティ上の脆弱性が考えられるか。20字以内で述べよ。

模範解答

DNSキャッシュが改ざんされる。

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】では、DNSのセキュリティ対策方針として
    「①DMZのDNSサーバは、キャッシュ機能を無効にしたセカンダリの冗長構成として…」
    と明記されています。
  2. DMZ内のDNSサーバはインターネットから直接問い合わせを受ける位置にあります。
    キャッシュ機能を有効にしたままだと、外部に公開された “オープンリゾルバ” となり得ます。
  3. オープンリゾルバは、問い合わせ元を偽装した悪意ある応答を注入される危険性があります。これが典型的な “DNSキャッシュポイズニング” です。
  4. したがって、①の対策を取らない場合に想定される脆弱性は
    「DNSキャッシュが改ざんされる。」となります。

誤りやすいポイント

  • 「ゾーン転送が漏えいする」と勘違いしやすいですが、①の主語は “キャッシュ機能” なのでフォーカスが異なります。
  • DoS/DDoSの「DNS エ 攻撃」ばかりを連想してしまい、キャッシュポイズニングのリスクを見落とすケースがあります。
  • DMZ=インターネット側だから「キャッシュはあった方が高速化になる」と性能面だけで判断してしまい、セキュリティ面の影響を軽視しがちです。

FAQ

Q: なぜセカンダリDNSなのにキャッシュ無効なのですか?
A: セカンダリDNSは権威応答だけを返す役割に限定し、キャッシュを持たせないことで “オープンリゾルバ化” を防ぐためです。
Q: キャッシュが改ざんされると具体的にどんな被害が起こりますか?
A: 不正なIPアドレスが利用者に返され、フィッシングサイトへの誘導やマルウェア配布サイトへの転送が発生します。
Q: 内部DNSならキャッシュを有効にしても安全ですか?
A: 内部ネットワークに限定され適切にアクセス制御されていればリスクは低下しますが、内部からの外部攻撃も想定し、アクセス制御リストやログ監視を併用すべきです。

関連キーワード: DNSキャッシュポイズニング, オープンリゾルバ, セカンダリDNS, DMZ, キャッシュ機能

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設問3:〔DNSのセキュリティ対策〕について、(1)~(3)に答えよ。

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(2)本文中のセキュリティ対策を実施した場合の、図2中の空欄のDNSサーバと、DNS問合せ及びゾーン転送について、凡例に従って図2を完成させよ。

模範解答

下図の通り ネットワークスペシャリスト(平成26年度 午後 問03 設問03-02 解答)

解説

解答の論理構成

  1. DMZ側の役割
    • 問題文に「①『DMZのDNSサーバは、キャッシュ機能を無効にしたセカンダリの冗長構成』」とあるので、DMZには少なくとも2台のセカンダリDNSサーバ (DNS-S) を配置し、互いに冗長化する。
    • インターネット利用者からの名前解決要求を直接受けるのはDMZ側であるため、図では「インターネット → DNS-S」の実線矢印(DNS問合せ)が必要になる。
  2. 内部セグメント側の役割
    • 「内部セグメントのDNSサーバは、プライマリ、セカンダリ、キャッシュをそれぞれ別のサーバ機器で稼働させる」と指示されている。
    • よって内部セグメントにDNS-P (プライマリ)、DNS-S (セカンダリ)、DNS-C (キャッシュ) を1台ずつ描く。
  3. ゾーン転送の方向
    • 外部向けゾーン:問題文冒頭の「DNSサーバが管理するドメインを、DMZ(外部向けゾーン)と内部セグメント(内部向けゾーン)に分け、それぞれゾーン転送を行う」に従い、プライマリであるDNS-PからDMZ側のDNS-Sへ太破線矢印(双方向)を描く。
    • 内部向けゾーン:さらに「内部セグメントのプライマリDNSサーバには、DNSの問合せが来ないようにし、ゾーン転送の宛先は自庁内のセカンダリサーバに限定する」とあるので、DNS-P ↔ 内部DNS-S間にも太破線矢印を描く。
  4. DNS‐Cの問い合わせ経路
    • キャッシュDNS-Cは社内PCの一次問い合わせ先なので「PC → DNS-C」を実線で示す。
    • キャッシュは名前解決のために (a) インターネットの上位DNS、(b) DMZ内の外部向けDNS-S、(c) 内部向けのDNS-Sを使うため、それぞれ「DNS-C → インターネット」「DNS-C → DMZ内の2台のDNS-S」「DNS-C → 内部DNS-S」の実線矢印を追加する。
  5. DMZ内2台のDNS-S間の同期
    • 「冗長構成」と明記されているため、DMZ内の2台間でもゾーン情報を同期させる。図では左右のDNS-S間に太破線矢印を引く。
  6. FW設定との整合性
    • 問題文末尾の「FWにおいて、内部セグメントのDNSサーバからDMZのDNSサーバへの通信は、TCP/UDPともポート番号53番だけを許可する」により、内部からDMZへはDNS関連の通信(問合せ/ゾーン転送)しか流さないことが確認できる。
以上の根拠を組み合わせると、模範解答図と同一の配置・矢印になることが論理的に導かれる。

誤りやすいポイント

  • 「キャッシュ機能を無効にしたセカンダリ」を1台だけ描いてしまい、冗長性を満たさない。
  • 内部DNS-PからDMZ DNS-Sへのゾーン転送を禁止と早合点し、太破線矢印を欠落させる。
  • キャッシュDNS-CからDMZ DNS-Sへの問合せ経路を描かず、外部向け名前解決ができない構成にしてしまう。
  • PCが直接DMZや外部DNSへ問合せを送る矢印を書き、キャッシュDNS-Cを経由させないミス。

FAQ

Q: DMZのDNS-Sを「キャッシュ無効」にする理由は何ですか。
A: 攻撃者にキャッシュ汚染(キャッシュポイズニング)を仕掛けられた場合、影響がインターネット利用者全体に及ぶからです。キャッシュを持たないことで汚染リスクを下げられます。
Q: 内部DNS-Pへ問合せを禁止しても外部向けゾーンのプライマリを兼ねられるのですか。
A: 可能です。DNS-Pは更新権限とゾーン転送だけを担当し、実ユーザからの問合せは全てセカンダリに委ねれば負荷分散と秘匿化の両方を達成できます。
Q: ゾーン転送用のポートはTCPだけではありませんか。
A: 標準ではTCP 53を用いますが、近年はIXFRやNOTIFYなどでUDP 53も使います。問題文が「TCP/UDPともポート番号53番だけを許可する」としているのはそのためです。

関連キーワード: DNSキャッシュ, ゾーン転送, セカンダリDNS, DMZ, キャッシュポイズニング

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設問3:〔DNSのセキュリティ対策〕について、(1)~(3)に答えよ。

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(3)本文中の下線②で、内部から外部への不正な通信を発見又は防止するために必要な、FWでの対策を二つ挙げ、それぞれ30字以内で述べよ。

模範解答

①:内部から外部への通信に対する遮断ルールを設定する。 ②:FWで遮断した通信の結果ログを監視する。

解説

解答の論理構成

  1. 問題文は、内部マルウェアが外部へ通信するケースを懸念して「②外部からの不正アクセスだけでなく、内部から外部への通信にも十分に注意しなければならない」と明記しています。
  2. “十分に注意”を実現する担当装置は本文にたびたび登場する「FW(ファイアウォール)」であり、設問でも「FWでの対策」を要求しています。
  3. 不正通信を“防止”するには、FWに「内部から外部へ向かう不要ポート・宛先を遮断するルール」が不可欠です。DNSの例でも「TCP/UDPともポート番号53番だけを許可する」と限定しており、これは典型的なアウトバウンドフィルタリングです。
  4. ただし遮断だけでは潜伏マルウェアの試行を見逃す恐れがあります。検知・分析という“発見”機能を担保するため、FWが出力する「遮断ログ」を継続的に監視・分析し、異常を早期に把握する必要があります。
  5. 以上より、解答は
     ①内部から外部への通信を遮断するルール設定
     ②FWで遮断した通信ログの監視
    となります。

誤りやすいポイント

  • IPSやIDSなど他装置の対策を書いてしまい、FWに限定しない。
  • 単に「ログを取得する」とだけ書き、“監視”や“分析”まで言及しない。
  • 「通信を許可するホワイトリストを作る」と記述し、遮断というキーワードを欠落させる。
  • 入口対策(外部→内部)ばかりを強調し、出口対策(内部→外部)を具体化しない。

FAQ

Q: なぜ内部からの通信にもフィルタが必要なのですか?
A: 内部端末がマルウェアに感染すると外部C&Cサーバへ接続しようとします。FWで出口を絞れば通信自体を阻止でき、同時にログで感染兆候も把握できます。
Q: ログ監視はどの程度の頻度で行うべきですか?
A: 重要システムほどリアルタイム監視が望ましいです。少なくともSIEMや監視ツールで24時間体制のアラート検知を行い、異常値に即応できる体制を整えます。
Q: ポート遮断だけで十分ですか?
A: IPアドレスやドメインのブラックリスト、アプリケーションレベルのプロキシ制御など多層防御が理想です。ただし設問はFWでの基本対策を求めています。

関連キーワード: アウトバウンドフィルタリング, egress制御, ファイアウォールログ, ログモニタリング, 不正通信検知

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設問4:〔インシデント管理〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(1)図3中のbは、セキュリティ担当者の対応として必要な、ネットワークに係る作業である。その作業の内容を15字以内で答えよ。

模範解答

b:ネットワークの切断

解説

解答の論理構成

  • 【問題文】の図3では、セキュリティ担当者の作業手順が
    “<セキュリティ担当者の対応> (1) 状況把握と記録 (2) 対処方法の確認 (3) b (4) 原因の特定と対処 …”
    と示されています。
  • (4) に “原因の特定と対処” が置かれているため、(3) には原因調査より先に“被害の拡大を防ぐ即時措置”が入ると読み取れます。
  • さらに会話文で、F氏は“②外部からの不正アクセスだけでなく、内部から外部への通信にも十分に注意しなければならない”と述べており、攻撃経路を遮断する重要性を強調しています。
  • よって、重大インシデント発生時にまず実施すべきネットワーク作業は「通信経路の遮断」、すなわち“ネットワークの切断”となります。

誤りやすいポイント

  • “機器の電源停止”と誤解する
    └ 電源を落とすと証拠保全が困難になり、図3の後続ステップ“原因の特定”に支障を来します。
  • “ファイアウォール設定変更”と答える
    └ 設定変更は詳細対処の一部であり、即時の被害拡大防止としてはネットワークそのものを遮断する方が確実です。
  • “ネットワーク遮断”ではなく別表現を記載
    └ 問題は15字以内の具体的作業名を求めており、模範解答は“ネットワークの切断”と明示されています。

FAQ

Q: すべての回線を物理的に抜く必要がありますか?
A: インシデントの影響範囲を踏まえ、被害箇所と重要系統を論理・物理いずれかの方法で分離します。完全遮断が困難な場合は、最小構成での隔離を優先します。
Q: 切断後、復旧手順はどう進めますか?
A: 図3の(4)“原因の特定と対処”でマルウェア除去やパッチ適用を行い、(5)“システムの復旧”でネットワーク再開を管理された手順で実施します。
Q: 証拠保全とのバランスは?
A: 切断は通信を止めるだけで機器やログを消去しません。ログ取得・ディスクイメージ作成などのフォレンジック作業は切断後に実施します。

関連キーワード: インシデント対応, ネットワーク隔離, 影響範囲, 証拠保全, サイバー攻撃

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設問4:〔インシデント管理〕について、(1)、(2)に答えよ。

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(2)対処結果の報告後、将来発生するインシデントへの対応として、セキュリティ担当者が実施すべき事項がある。その内容を30字以内で述べよ。

模範解答

対処結果の評価を行い、インシデントの対処方法を見直す。

解説

解答の論理構成

  1. 【問題文】では、図3の<セキュリティ担当者の対応>に「(6) 対処結果の報告」が最終ステップとして示されています。
  2. 報告でインシデント対応が一旦完了した後、「今後同様の事象を再発させない」ためのサイクルを回すことが情報セキュリティ管理の常道です。
  3. その裏付けとして【問題文】に「被害が発生する前の兆候をつかむことが大切だ。そのためにはインシデント管理が重要だ」とあり、改善まで含めた継続的管理が求められています。
  4. よって、報告後に必要なのは
      ① 実施した対応を評価(有効性・不足点の洗い出し)
      ② 手順・体制・技術的対策を見直し、次回に備える
    というPDCAの「Check」「Act」に当たる活動です。
  5. 以上より「対処結果の評価を行い、インシデントの対処方法を見直す」とまとめるのが妥当です。

誤りやすいポイント

  • 図3に明示されていないからといって「追加作業はない」と判断してしまう。報告後の改善活動もインシデント管理プロセスに必須です。
  • “再発防止策の実施”とだけ書くと、評価フェーズが抜けるため要点を欠きます。評価→見直しの両輪を意識しましょう。
  • 「教育」「訓練」など周辺活動を挙げてしまい、設問が求める直接的な改善アクションから外れるケース。

FAQ

Q: なぜ評価と見直しの両方を書く必要があるのですか?
A: 評価は対応の有効性を定量・定性で測る工程、見直しは測定結果を踏まえて手順を更新する工程です。両方そろって初めて改善が成立します。
Q: 報告書を作成することだけでは不十分ですか?
A: 報告は事実共有に過ぎず、再発防止にはつながりません。報告後に内容を分析し、手順・ルールを更新してはじめて次回の備えになります。
Q: 見直しの具体例を教えてください。
A: 例としてFWのルール追加、ログ取得範囲拡大、連絡フローの短縮、担当者権限の明確化などがあります。

関連キーワード: インシデント管理, PDCA, 再発防止, セキュリティ評価, フィードバック

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